TJ・ドヘニーがすごかった。警戒心MAXの井上尚弥から6R中2R奪取はとんでもない。差し合い、駆け引き勝負で食い下がる姿に感動したぞ【2024.9.3現地観戦感想】

TJ・ドヘニーがすごかった。警戒心MAXの井上尚弥から6R中2R奪取はとんでもない。差し合い、駆け引き勝負で食い下がる姿に感動したぞ【2024.9.3現地観戦感想】

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2024年9月3日に東京・有明アリーナで行われた世界S・バンタム級タイトルマッチ、同級統一王者井上尚弥vsTJ・ドヘニー戦を現地観戦してきた。
 
結果は7R16秒TKOで井上が勝利。2度目の防衛に成功している。
 
井上尚弥vsTJ・ドヘニー再視聴。ドヘニーががんばったとしか思えないんだが、僕だけ別の試合を観てんのか?笑 すべてを“ゼロか1”で分けるなんて無茶だから
 
井上尚弥の試合は今年5月の東京ドーム(ルイス・ネリ戦)以来約4か月ぶり、2024年2試合目となったわけだが。
 
まず今回は第1希望に一番安いE席(11000円)、第2希望にC席(33000円)で応募した。
正直、第1希望は外れると思っていたので本命はC席だったのだが。
 
普通に当たったよ笑
 
いや、普通に当たったよ。
 
マジな話、これはちょっと意外だった。
・ド平日の火曜日
・相手は(いまいちと言われている)TJ・ドヘニー
・会場はアクセス最悪な有明アリーナ
 
これだけの悪条件ではあるが、さすがに一番安い席くらいは入れ食いだと思っていたので。
 
井上尚弥vsTJ・ドヘニー。ドヘニーの4敗、勝利した相手を振り返ると井上との相性はそこまで悪くない? めっちゃ応援するけど勝つのは…
 

アラン・ディパエン戦よりも客入りが悪かったかも? 井上バブル全乗りのイベント開催もそろそろキツい?

実際、この日は客入りも悪かった(井上尚弥の試合にしては)。
 
第1、2試合はガラッガラ。
井上の出番がきてもスタンド席前方は空席が目立っていた。
 
それこそ席が埋まるペースは2021年12月のアラン・ディパエン戦(両国国技館)よりも鈍かったほど。
もちろん会場の規模、立地等が違うので単純比較はできないが。
 
 
ただ、井上バブルに全乗りしたイベント開催もそろそろ限界か? という気はした。
何度か申し上げているが、2023年7月のスティーブン・フルトン戦での進行はあまりにクソすぎたので。
 
強かったロベイシ・ラミレス、厳しかった清水聡、期待通りの武居由樹、期待外れの今永虎雅。放置タイム約2時間、スポーツイベントとしてはクソ中のクソでしたね
 
ちなみに僕が有明アリーナ開催が嫌いな一番の理由は駅からの道中に日影がないことだったりする。
この日は曇り/小雨だったので多少はマシだったが。
 

シルエットからの王様降臨。一つ気になったのが…

「ニホンノボクシングファンノミナサマコンバンハ」おじさんの呼び込みで両者が入場。

 
まずは挑戦者TJ・ドヘニー。

 
そしていよいよ井上尚弥の登場である。
 
シルエットからの~

 
王様降臨!!

場内の空気を一変させるスター性はさすがでございます。
 
 
なお一つ気になったのが、井上の頬が若干コケていたこと。

 
計量直後は水抜きの影響? でだいぶゲッソリしていたが、当日も戻りきっていなかった印象。
この感じはバンタム級ラスト2試合(ノニト・ドネアVol.2、ポール・バトラー戦)と少し被る。
 
今回は筋力強化を重視したらしいが、そのせいもあってかすでに減量がキツくなってきた? のか?
 
井上尚弥vsノニト・ドネア in さいたまスーパーアリーナイベントをPrime Videoで視聴。井上の頰がゲッソリだったな。バンタムに留まれる時間も残り少ないのかも?
 
などと思っているうちに試合開始のゴングである。

 
武居由樹vs比嘉大吾感想。前半武居、後半比嘉の判定には納得かな。いい試合すぎて「どっちも負けんな」になった笑
 

慎重な立ち回りの井上。前回のダウンを踏まえてのファイトでしょうね

とりあえずこの日の井上はかなり慎重だった。
 
ドヘニーの強打に対する警戒心はもちろん、直近2戦(マーロン・タパレス、ルイス・ネリ戦)で前のめりになっていたのを踏まえてだと想像する。
 
特に前回のルイス・ネリ戦ではキャリア初のダウンを喫した。
あのダウンについてはことあるごとに言われてきたはず。
 
井上尚弥vsルイス・ネリ現地観戦感想。序盤の鬼強タイムの井上をダウンさせた意義は大きい。S・バンタム級の井上を過度に神格化する必要はない
 
基本はドヘニーの射程の半歩外をキープ。
攻める際は打ち終わりのケアを最優先に。
 
本人の性格的にも絶対に同じ失敗はしないという決意? を持って臨んだのだろうと。
 
 
パンチを打ったあとの

 
復元がめちゃくちゃ速い。

 
調子自体もよかったのだと思うが、ルイス・ネリ戦でのオラつきっぷりとは真逆の静かな(地味な)立ち上がりである。
 
 
インターバル中に気づいたのだが、井上の右肩が緑色すぐる

一部分だけ超人ハルクみたいになってるじゃねえかw
 

ドヘニーが勝機を見出すには左1発にかけるしかない、3、4Rがリミットだと思っていました

対するドヘニーだが、こちらはすごかった。
もう、マジですごかった
 
 
多くの方がおっしゃるように僕もドヘニーが勝つには左をぶち当てるしかないと思っていた。
 
2023年10月のジャフェスリー・ラミド戦で見せた左。
あの1発が当たればいくら井上でも倒れる。
 
TJ・ドヘニーがジャフェスリー・ラミドを1RKO。最高かよドヘニー。驚きすぎてテンションがおかしいw 大橋プロモーションの思惑をぶっ壊したのも爽快だった
 
逆にドヘニーとしては左を当てる以外に勝ち筋はないと言っても過言ではない。
 
つまり、この試合のドヘニーの注目点はいつ、どうやって左を当てるかだけ。
 
理想は井上が動きに慣れない&体力のある前半のどこか。
後半になればなるほどチャンスは目減りしていくので、とにかくその前に。
 
 
だが、ドヘニーのキャリアを振り返ると豪快なKOで終わらせた試合はvsサウスポーが多い。
どちらかと言えば右構えのアウトボクサーが苦手な印象で、そう考えると井上にあの左を当てるのは至難の業ではないか。
 
しかも井上は前回のダウンを踏まえて鬼集中モードでくる可能性が高い。
マーロン・タパレスのような立ち回りをドヘニーができるとは思えないし、これはいよいよ無理ゲーか? と。
 
たとえば井上の(モーションが大きくなる)ボディストレートにカウンターを合わせることができれば、もしかしたら……。
 
TJ・ドヘニーが井上尚弥に勝つ方法ってあります? 結局左をぶち当てるしかない? ダメージが溜まる前、3、4Rくらいまで?
 
そんな感じで勝敗予想は井上の5RKO。
ドヘニーが奇跡を起こすなら3、4Rまでがリミットかな? と漠然と考えていた。
 

あらゆるやり方で井上の攻撃を回避。中間距離での差し合い、駆け引きでは井上を上回っていた?

ところがいざ試合が始まると……。
 
井上のパンチがなかなか当たらない。
 
後ろ重心+身体を倒してパンチを回避。
背中側に回り込んで正面を外す。
下から潜るように打ち返す。
ロープを使ってうまく衝撃を逃がす。
などなど。
 
ありとあらゆるやり方でドヘニーは井上の攻撃をいなしていく。サウスポーの特性を駆使しつつ、少ないチャンスをこじ開けようという強い意思が伝わってくる。


 
割と冗談抜きでドヘニーは中間距離での小競り合い、駆け引きの部分で井上を上回っていたのではないか。
試合前に「タパレスのような立ち回りができるとは思えない」などとほざいたことを全力で謝罪させていただく笑
 
タパレスの大健闘に感動が止まらん。井上尚弥攻略の糸口? 階級アップで人外の超人っぷりは薄れたよな。最強には変わりないけど
 
うん、ホントにすげえわドヘニー。
 
1発の威力、身体のデカさばかり話題になっていたが、実はディフェンス能力の高さも相当なもの。
スピードや1発の威力だけでは測れない“巧さ”を持ち合わせていた。
 
 
この左などは相手がサウスポーであれば1発で終わっていた(気がする)。

井上がオーソドックス&慎重だったせいで当たりが浅かったが。
 
 
下と上、上と下、


 
横に回り込んだり、下に潜ったり。


 
平岡アンディvsバロッソ、佐々木尽vsカミル・バラ、下町俊貴vs津川龍也。平岡アンディのベストバウト。1、2試合目がガラガラすぎて…
 

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井上に勝つには一点突破の極端な作戦しかない!! はずが…。警戒心MAXの井上から2R奪取はすごいよね

僕はスティーブン・フルトンが中間距離で圧倒された時点で純粋な差し合いで井上を上回るのはほぼ不可能だと思っていた。
 
井上尚弥vsフルトン現地観戦。人外の超人がようやく人里に降りてきた? よくも悪くもノリと勝負勘の選手なんだろうな。“井上は強化版辰吉”説を久々に思い出した
 
なので、井上に勝つなら一点突破の(極端な)作戦しかない。
 
ポール・バトラー→ディフェンスに振り切って井上が疲れる後半にカウンターの1発勝負。
マーロン・タパレス→ディフェンス重視で井上に適度に力を使わせつつ中盤にギアチェンジ。
ルイス・ネリ→普通に勝負して近場のカウンター狙い。
 
前回のルイス・ネリは真っ向勝負で撃沈したが、上2人は守りを固めて中盤以降のチャンスを待ち続けた。
 
当然ドヘニーもそちら側を選択すると思っていたら……。
しっかりと差し合い勝負の土俵に上がってきたという。
 
しかもその土俵で井上に食らいついていたのが。
 
スコアカードを確認すると3、4Rはジャッジ3人のうち1人がドヘニーを支持している。
 
前のめりにオラついた井上ではなく警戒心MAXの井上から6R中2Rを奪取する。
これは普通にすごいと思うのだが。
 
 
試合後に「ドヘニーが逃げてばかり」「あまりに消極的過ぎた」という感想をいくつも見かけたが、とんでもない。
 
引く場面と攻める場面をはっきりと分けて少ないチャンスを待つ。
そのチャンスでちゃんと左を当てた(複数回当てた、当たりは浅かった)ドヘニーはどう考えてもすごかっただろうと。
 
 
と同時に、改めて今の井上にはバンタム級時代の無敵感はない。
 
相手の耐久力に加えて対策も進んだ結果、手の届かない存在ではなくなった。
将来的な対戦を期待される中谷潤人ならマジで何とかできるかもしれない。



 
井上尚弥vsルイス・ネリ再視聴感想。井上がKOに執着し始めたのってドネアVol.2以降かも。“井上信者”とかいうバカが大量発生したのもこの試合から
 

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負傷棄権は腰の痛みが悪化したため。確かに背中? 腰? 付近に井上のパンチが当たってるね

なおドヘニーの棄権は6Rに痛めた箇所が悪化したのが理由とのこと。
 
僕は上体を大きく倒したりロープ伝いに動き回ったりとギリギリで回避する最中に“ピキっ”となったのかな? と思っていたが、どうやら違うっぽい。
 
 
映像を観直してみると確かに6R終盤に井上の左が背中? 腰? 近辺に当たっている。直後の変な痛がり方を見ると、やはりあの1発が原因なのだろうと。
 
うん、これは何となくわかる。
身体の裏側、肉の少ない部分に不意に衝撃が加わると「うっ!!」ってなるからね。
 
先日、マービン・エスクエルドが今永虎雅の背中パンチで悶絶させられた試合があったが、アレと似た感じではないか。


しかも懐でゴチャッとなったマービンに比べてドヘニーは腕が伸びる位置でのフルスイングである。
 
ゼーハーしながら何とか持ちこたえていたところにアレを食らっていろいろなものが決壊したと想像する。
 
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