比嘉大吾vsソンセン・ポーヤム。比嘉は自分の間合いで勝負できればバンタム級でもやれる。陣営の相手選びがめちゃ重要。比嘉大吾vs栗原慶太とか観たいけどね【結果・感想】
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2022年11月15日に東京・後楽園ホールで行われたバンタム級10回戦。元WBC世界フライ級王者比嘉大吾がWBOアジアパシフィックS・バンタム級9位ソンセン・ポーヤムと対戦し、3-0の判定で勝利した一戦である。
最速KOタイムを記録した選手に賞金50万円を贈呈する「KO祭」として開催された今回。
メインイベントにはデビュー15連続KO勝利の日本記録保持者の比嘉大吾が登場したが、タフなソンセン・ポーヤムを最後まで倒せず。
だが内容的にはジャッジ2者がフルマークで比嘉を支持する完勝。KOにこだわらず確実に勝利を目指す試合運びで復帰2連勝を飾っている。
ボクシング 比嘉大吾が2者フルマーク判定で再起2連勝!最短KO賞50万円逃し「すみません」/ファイト/デイリースポーツ online https://t.co/m66uWH9Tbd #DailySports
— デイリースポーツ (@Daily_Online) November 15, 2022
寺地拳四朗vs京口紘人戦再視聴。京口が思った以上にがんばってた。でも、改めて拳四朗の強さがドン引きするレベル。「そこからまだ上があるのかよ」って思ったよね笑
相手選びさえ間違わなければ比嘉はバンタム級でも十分やれる。2020年大晦日のストロング小林戦以来、久々にやりたいことをやれてた?
今年7月のフローラン・サルダール戦以来のリングとなった比嘉大吾。
「KO祭」と称したタイ人選手のオンパレードの興行にはいまいち魅力を感じなかったのだが、一応比嘉大吾の試合は観ておくかということで。
感想としては、こういう相手を調達してくれば比嘉はバンタム級でも十分やれそうだなと。
これまで階級アップ以降の比嘉大吾に対しては
「いまいち興味がわかない」
「ずーっと同じパターンで苦労している」
「1年以上間隔を開けたのに何も変わっていなくてガッカリした」
「スランプとか自信を失ってるとかじゃなく、そういう水準の人なんだろ」
などなど。
割と好き勝手なことを言ってきたが、今回に関してはぼちぼちよかったのではないか。
比嘉大吾、堤駿斗、森武蔵振り返り。割と強かったカルコシア、ちゃんと強かったジェミノとサルダール。比嘉のガッカリ感が尋常じゃない
それこそ2020年大晦日のストロング小林戦以来、久しぶりに自分のやりたいことをやれた印象。ダウンこそなかったものの、相手選びさえ間違わなければこの階級でも可能性はあるのではないか。
比嘉のスタミナは相変わらずすごいよね。ソンセン・ポーヤムはいい選手だったけど、スピードと回転力で常に上を行かれた
また対戦相手のソンセン・ポーヤムもそこそこいい選手だった(と思う)。
普段はS・バンタム級が主戦場とのことで比嘉よりも一回り大柄で、パンチを食ってもケロッとして打ち返してくる。打たれ強さに加えて芯を外すうまさも兼ね備えていたのではないか。
ただ、特別スピードがあるわけではなく前手のジャブにも鋭さを感じない。
序盤1、2Rで比嘉がスルスルっと中に入って連打を打ち込んだのを観て「ああ、何とかなりそうだな」と。
KOできるかどうかはわからないが、少なくとも負けることはないだろうと思った次第である。
比嘉大吾勝ちそうだな。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) November 15, 2022
実際の流れもそんな感じ。
スピード、回転力で上回る比嘉はソンセンのジャブをかいくぐって懐に侵入、積極的に連打を浴びせてペースを引き寄せる。
ソンセンも近場でコンビネーションを返すが、比嘉はガードと上体の動きを駆使してクリーンヒットを許さない。
サイズ、パワーで劣る分をスピードで補い連打の精度でアドバンテージを確保。時おりパワーで押されて後退するシーンが見られたものの、ポイント自体は問題なく取れていたように思う。
しかも豊富なスタミナはいつも通り。
前回のサルダール戦もそうだが、後半になっても動きが落ちないどころか一番キツそうなところ(7、8Rあたり)で一段ギアを上げる無尽蔵っぷりはさすがである。
サイズ、パワー両面の物足りなさは相変わらずだが、スタミナに関しては階級屈指と言っていいのではないか。
堤駿斗vsベンチャーラ、比嘉大吾vsナワポン。力強さが増した堤、バンタム級でのコツを掴んだ比嘉どっちもよかった。比嘉は世界戦のチャンスありますかね?
比嘉にとってソンセンは力を発揮するのに最適な相手。自分の間合い、タイミングで勝負できれば“世界”に届く可能性も?
そして最初に申し上げたようにソンセン・ポーヤムは比嘉がバンタム級で力を発揮するのに最適な相手だった。
フライ級時代は重厚なプレスと連打でKOを量産した比嘉大吾だが、階級アップ以降は相対的なパワー不足が目立っている。
特に2021年4月に対戦した長身サウスポーの西田凌佑は鬼門中の鬼門。
前手の右リードでことごとく前進を寸断され、ようやく自分の距離まで近づいても上から覆いかぶさるようなクリンチで動きを封じられる。
最後の最後までやりたいことをさせてもらえず明確な判定負けを喫した試合である。
西田凌佑すげえわ。比嘉大吾対策は堤聖也よりもはるかに上。比嘉はどこを基準にするかだろうな。相手を選んで王座戴冠を狙うか
要するにバンタム級の比嘉はジャブを中心に“前で”勝負されるとキツい。
実は接近戦がうまいわけではなくサイズも足りない。そのためどうにか距離を詰めてもクリンチを多用されるとできることがほとんどなくなってしまう。
ファイトスタイルも1発で倒すというよりどちらかと言えばしつこく連打を浴びせて嫌倒れさせる方が得意。
フライ級時代は持ち前の馬力ですべてをなぎ倒してきたが、相対的なフィジカル不足によって反撃を受ける場面が格段に増えた。
逆に2020年大晦日のストロング小林戦ではブロック中心で迎えうつ小林の懐にあっさり侵入し、下から突き上げるような連打で5RKO勝利を挙げている。
そして大雑把に言えば今回のソンセン・ポーヤムも同じ。
手数が少なくジャブの鋭さもない。
確かに身体は大きいものの、近場で強引にクリンチにくる場面はほとんどなかった。
申し上げたように1、2Rにあっさり懐に入って連打を浴びせる比嘉を観て「この相手ならまず負けることはない」と思った次第である。
この日の比嘉は調子がよかった、前戦に比べてキレがあった等の感想をいくつか見かけたが、うん、そうだね。
自分の間合い、タイミングで勝負できればバンタム級でも全然やれることを示したと言えそう。
ソンセン・ポーヤムやストロング小林のように
・スピードで上回れる
・手数が少ない
・前手のジャブがそこまで鋭くない
・クリンチが得意ではない
相手を選んで慎重にキャリアを積めば、“世界”と呼ばれる場所に手が届く可能性もあるのではないか。
出入りと回転力、後半の伸びを活かしたポイントアウト狙いで。
少なくとも西田凌佑のようなタイプとは二度と関わっちゃダメ。今後は陣営との意思疎通がより重要になりそうな気がする笑
カシメロvs赤穂亮が2Rノーコンテスト。内容はカシメロのワンサイドゲームだけど、それ以上に情けない試合過ぎて吐き気が…。何で格下が横綱相撲取ってんだよ
比嘉大吾vs栗原慶太戦が観たいぞ。国内で比嘉と噛み合いそう&両者にメリットがありそうだし
というわけで、比嘉の次戦の相手には栗原慶太を推す(勝手に)。
現状、WBO-AP王者西田凌佑、日本王者堤聖也とは過去に一度観ている(西田とは絶対に関わっちゃダメ)。OPBF王者千葉開にはフットワークで翻弄される危険がある。
千葉開が栗原慶太にTKO勝利。千葉は完全にゾーンに入ったな。ゴングとともにコーナーから飛び出して前のめりで栗原を待ち構える姿が印象的だった
そう考えると、国内上位選手の中で噛み合いそうなのは栗原慶太ではないかと。
栗原にとっても元世界王者を倒せば箔がつく。
さらに比嘉は右の被弾が割と多く、前戦ではサルダールの右で豪快にダウンを喫している上に今回もソンセンの右で後退させられるシーンが目に付いた。
左ボディやアッパーを得意とする代わりに顔面が空きやすいのだと思うが、1発KOの威力を誇る栗原の右がさく裂するパティーンも十分ありそうな……。
あと、単純に僕が観たいのもあります。
比嘉大吾vs栗原慶太やろう。 https://t.co/gEB1i9Jnt7
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) November 15, 2022
まあ、実際には海外選手に順番に声をかけていくのだと思うが。
現実的な路線として比嘉vsアラン・ディバインとかありそうなんですよね。
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