ヘイニーがPFP1位で異論ないよな? “あの”カンボソスを塩漬けにしたんだぞ。井上尚弥、カネロがはるか彼方にふっ飛ぶ偉業。ジャブ、ダッキング、クリンチが最強。以上!!【結果・感想】
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2022年6月5日、豪・メルボルンで行われた世界ライト級4団体統一戦。WBO/IBF/WBAスーパー同級王者ジョージ・カンボソスとWBC王者デビン・ヘイニーの一戦は3-0(118-110、116-112、116-112)の判定でデビン・ヘイニーが勝利。見事4団体統一を果たした試合である。
開始直後、リング中央で対峙する両者。
ヘイニーが持ち前の長いジャブでカンボソスの顔を跳ね上げると、カンボソスはそこにカウンターを合わせる。だが、ヘイニーの引きが速くカンボソスの右が間に合わない。
それ以降もカンボソスはなかなか糸口を掴めず序盤はヘイニーのジャブに翻弄される流れが続く。
中盤5、6Rに自ら距離を詰めて強引にパンチを浴びせたカンボソスだったが、ヘイニーはクリンチとダッキングを駆使してすぐに挽回。8、9Rとサイドの動きを織り交ぜつつ明確にポイントを奪取する。
終盤カンボソスが距離を詰めて打ち合う展開を作るものの、最後までヘイニーの集中力は途切れず。
敵地ながらも文句なしの判定勝利で4団体統一に成功した。
2022年僕の好きな試合ベスト5。ベストバウトとはちょっと違う“僕のお気に入り”の試合を挙げていくぞ。どの選手も2023年の活躍に期待している
意外とおもしろかったヘイニーvsカンボソス戦。何の捻りもなくカンボソスが負けたけど笑
デビン・ヘイニーvsジョージ・カンボソス。
2021年11月のテオフィモ・ロペス戦で勝利し初戴冠&3団体統一王者となったジョージ・カンボソスが自国で迎えた初防衛戦。
僕は例によって午前中外出しており、帰宅後にWOWOWエキサイトマッチを観てみた次第である。
ちょうど最終12Rが始まるところで、ゴングとともにジョー小泉のイラついた声が聞こえてだいたいの状況を察した笑
で、そのまま試合終了→ヘイニーの3-0の判定勝利が告げられ「おふぅ……」と。
大穴狙いでジョージ・カンボソス勝利を予想していたこともあり、何の捻りもなくヘイニーが逃げ切った事実にガクッときている。
ところがしばらく時間をおいて最初から視聴してみたところ……。
おや? 意外とおもしれえぞ?
「眠くなった」「盛り上がりに欠ける」「これで4団体統一王者はあり得ない」といった感想を山ほど見かけたが、僕はそこまで酷く感じなかったというか。
ヘイニーがジャブとダッキング、クリンチを駆使してカンボソスを塩漬けにした試合には違いないが、言うほどつまらなくはない。
消音で観たおかげでジョー小泉のボイスを聞かなくて済んだのも大きいと思うが、まあまあ楽しんでしまったことを報告しておく笑
というか、ジョー小泉は相変わらずしょーもないな。
中立の立場であるべき解説者の分際で選手の好き嫌いを露骨に態度に出すなや。
それ以前にスポーツのライブ中継に対応できる瞬発力は大昔に失われてるって何度も言ってるだろ。いいかげん邪魔すんなよ、あ?
試合は悪くないのにジョー小泉の存在に必要以上にカリカリさせられる。
いわゆるいつも通りのWOWOWエキサイトマッチというヤツ。
ジョー小泉を避けることをズミヨケと呼ぶことにする。フィゲロアvsフルトン、ヘイニーvsディアス、アリーム、モンタナ・ラブ振り返り
大穴狙いが撃沈。カンボソスのカウンターとヘイニーの回避能力の勝負
試合についての感想だが、申し上げたようにそこそこおもしろかった。
内容的にはヘイニーが左リードとダッキング、クリンチを駆使してカンボソスを寄せ付けなかった試合。当初言われていたものに近い、何の捻りもなく3団体統一王者が陥落する様子を見せられた一戦である。
僕の試合前の展望としては、
・カンボソスはカウンターが得意な“待ち”のタイプ
・左フックと右オーバーハンドが持ち味
・対するヘイニーは遠間からのジャブと見切りの選手
・だが一つ一つのアクションが大きく復元力が微妙
・この試合の見どころはカンボソスのカウンターとヘイニーの回避、どちらが速いか
・最近のヘイニーを観るとカンボソスが捕まえる可能性もある?
ヘイニー有利と言われてはいるが、ここ数戦のパフォーマンスを考えると意外と拮抗する? かも?
なので、今回は思い切って大穴狙いのカンボソス勝利予想でいきます。
デビン・ヘイニー案外危なそう? ジョージ・カンボソスのカウンターに回避が間に合うか、ジャブでどれだけアドバンテージを取れるかだけど
だいたいこんな感じである。
カンボソスまったく間に合わねえ笑 8、9Rのヘイニーはすごかったね
カンボソスのカウンターがヘイニーの回避能力を上回れるか。
左リードとダッキングを駆使するヘイニーの打ち終わりをカンボソスが狙えるか。
この部分が今回の最大&唯一の見どころだと思っていたわけだが。
まったく間に合わねえ笑
カンボソスのカウンター、まったく間に合わねえ。
僕はどこかの段階でカンボソスがヘイニーを捕まえる→ダメージを負ったヘイニーがタジタジになる流れを想像していたのだが。
今回に関してはまったくそんなことはなく。
むしろ後ろ重心を意識したまま深入りせず、リーチの短いカンボソスとのサイズ差を目いっぱい活かしてみせた。
もともとカンボソスは低いガード+“待ち”が基本の選手なので、ヘイニーのようなジャブ使いとは相性がよくない。
それを踏まえた上で2021年5月のホルヘ・リナレス戦のようにどこかでヘイニーがトチるんじゃねえか? と思っていたのに。
それどころか、後半にいくにつれてどんどん集中力を増していくという。
中でも8、9Rの動きはすごかった。
前後だけでなくサイドへの動きを入れつつスピーディなジャブと回避でカンボソスに付け入る隙を与えない。
「コイツはいいな」と思った初期のデビン・ヘイニーを彷彿とさせたというか。ここ最近のベストラウンドだったのではないか。
ヘイニーがアブドゥラエフにギブアップ勝利で初戴冠。強ジャブとバックギアのコンボがメイウェザー二世の条件
カンボソスは引き出しが少なすぎた。カウンター狙いが通用しないとわかった時点で次のプランがあれば
一方のジョージ・カンボソスだが、こちらはあまりに引き出しが少なかった。
ヘイニーの打ち終わりにカウンターが間に合わない、得意の右オーバーハンドや左フックを打つ間合いに入らせてくれないのは早い段階でわかったと思うが、そこからの打開策が……。
あとワンテンポ時間があれば捕まえられるタイミングではあったが、その一瞬がどうしても間に合わない。
ヘイニーがジャブからワンツー主体に移行しかけた2Rなどは典型的。わずかにカンボソスに流れが傾きかけたものの、それに気づいたヘイニーがすぐさま修正→もとのパターンに逆戻りしてしまう。
カウンター狙いの“待ち”を止めて遠間から踏み込む作戦に変えた5、6Rはうまくペースを掴んだものの長くは続かず。
懐深く構える相手に「せーの」で飛び込むやり方は相当体力を消耗するのだと思うが、案の定7Rからは再び塩漬け展開に。
で、ヘイニーのベストラウンドとも言える8、9Rを経て終盤へGO。
10Rは遠間からの踏み込み→近場で強引に腕を振る展開を作りかけたが時すでに遅し。
終盤に向かってどんどん集中力を増していくヘイニーに翻弄されたまま試合終了のゴングを聞いた。
繰り返しになるが、カウンター狙いが通用しないとわかった時点で次の一手があれば。
体力に任せた踏み込み→近場でのゴチャゴチャも悪くないが、あまりに急ごしらえで長続きしなかったのが……。
「この試合は自分の長所を相手に押し付けた方が圧倒的に有利になる」と申し上げたが、本当にそのまんまだったなぁと。
採点を見るとだいたい僕の印象と近い? のかな?
Devin Haney UD George Kambosos Jr official judges’ scorecards… pic.twitter.com/EMCV1ogmja
— Michael Benson (@MichaelBensonn) June 5, 2022
カンボソスががんばった5、6R、ヘイニーがゾーンに入った8、9Rは見応えがあったよね(僕だけかもしれないけど)。
1度目の計量を失敗した時点で嫌な予感が…。調子乗りの悪い面がモロに出た試合かな
というか、カンボソスが1度目の計量に失敗したと聞いて嫌な予感はしたんだよ。
さらに2度目でクリア→イキり倒した仕草で「作戦だよ。HAHAHA」とほざいているのを観て「あ、こりゃアカンぞ」と。
前回のテオフィモ・ロペス戦は勢いとド根性で見事な勝利を挙げたが、今回は若干の慢心もあったと想像する。
テオフィモ・ロペス陥落。カンボソスの研究と覚悟に無策のロペス。あれだけ顔面丸出しで攻めればw スペックの高さは文句なしだから復活を期待するよ
4団体王者のテオフィモ・ロペスに不利予想を覆しての大金星→自国開催&キャパ5万人以上の会場でのメインイベンター。
カンボソスにとって今が絶頂期なのは間違いなく、チヤホヤされる機会も増えていたのではないか。そこで多少の緩みが生まれた可能性も?
そもそも無敗のWBC王者との統一戦でプランを一つしか用意してない時点でおかしいんですよ。
テオフィモ・ロペス戦は確かにベストバウトだったが、横綱相撲で迎えうつほど盤石な立場でもないだろと。
イケイケの挑戦者の立場ではびっくりするような力を発揮するが、いざその地位を得てしまうと急に大物感が出てしまう。
いわゆる調子乗りの悪い面がモロに出た一戦だったのかもしれない。
ロマチェンコvsカンボソス。何も変わってなかったカンボソス。ロマチェンコとの相性最悪なまま置いてきぼりを食って11RTKO負け
議論の余地がない問答無用のP4P No.1の爆誕。デビン・ヘイニーの偉業は井上尚弥もカネロも光の彼方にふっ飛ぶ
見事4団体統一王者となったデビン・ヘイニーだが、この勝利でP4P No.1に躍り出たと断言させていただく。それも議論の必要のないレベルで。
理由はこれまでの実績を見れば一目瞭然である。
“プエルトリコの至宝”と目されたフェリックス・ベルデホを激闘の末にKOした東洋で敵なしの中谷正義に手も足も出させず完勝した元P4P No.1のワシル・ロマチェンコを終盤までスピード&パワーで圧倒して判定勝ちを収めた“テイクオーバー”テオフィモ・ロペスから初回にダウンを奪いド根性で大金星を掴んだジョージ・カンボソスをアウェイの舞台で左手1本で完封し4団体統一を果たしたデビン・ヘイニー。
これほどの偉業、4団体統一王者というわかりやすさを両立したP4P No.1がかつて存在しただろうか。
それこそ2021年はマイケル・ダスマリナス、アラン・ディパエンをしばいただけの井上尚弥や、今までP4P TOP10に顔を出したことすらないディミトリー・ビボルに完敗したカネロなどが光の彼方に吹き飛ぶくらいのG.O.A.T。
1ミクロンも疑う余地のないP4P王者の爆誕に高揚感が止まらない笑
ノニト・ドネアが115ポンド進出で井岡一翔、ロマゴンがターゲット? やべえよコイツ最高かよw また日本でドネアを観られる? でも井岡にとっては何のメリットもない…
改めてP4Pランキングを真剣に議論する不毛さがわかるよね。
WBA王座を10度防衛しても箸にも棒にもかからなかったビボルが階級下のカネロに勝ったら即8位に。
結局PFPなんて直近でインパクトを残した選手が入るヤツだし、こたつでミカン食いながら楽しむ程度のもんなんだよ。青筋立ててキーキー言いながら他人にギロンを吹っ掛けるとかはあまりに筋違いすぎる。 https://t.co/OQ9eHGslK4
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) May 12, 2022
結局のところ直近でインパクトを残した選手の人気投票なんだから、好き嫌い優先で楽しく考えるのが一番平和ですよ。
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