映画「ゴジラxコング 新たなる帝国」感想。テンポのよさとドッカンバトルの安心感。でもコングの希少性が失われたのが残念。次回作はゴジラメイン? じゃあどの怪獣を出す?

映画「ゴジラxコング 新たなる帝国」感想。テンポのよさとドッカンバトルの安心感。でもコングの希少性が失われたのが残念。次回作はゴジラメイン? じゃあどの怪獣を出す?

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映画「ゴジラxコング 新たなる帝国」を観た。
 
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「ゴジラxコング 新たなる帝国」(2024年)
 
ゴジラとコングによる死闘から数年。
地上ではゴジラが怪獣たちを抑制する存在として君臨、地下空洞ではコングが孤独な生活を送っていた。
 
世界が一応の均衡を保つ中、研究機関「モナーク」はある日地下空洞から謎の信号を感知するのだった……。
 
 
「モナーク」に勤務するアイリーンは髑髏島で保護したジアと暮らしている。
 
アイリーンの目下の悩みは、学校生活に馴染めず周囲から孤立するジアについて。
さらに担任教師からは授業中にシアが突然混乱し、手当たり次第に落書きを始めたことを聞かされる。
 
根気よくジアと話し合うアイリーンだが、どうしても彼女の悩みを理解することができない。
 
糸口が見つからないまま何気なくジアの落書きを見ると……。
 
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前作から約3年。コロナの影響で公開が延期になってたんだね

2021年の「ゴジラvsコング」以来約3年ぶりの新作「ゴジラxコング 新たなる帝国」を観てきたわけだが。
 
下記の通り前作は2021年7月公開。
 
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振り返ると新型コロナウイルスによる緊急事態宣言発令で一度公開が延期になっていたらしい。
 
なるほど。
「ああ、あの時期か」と思うと同時に当時の異様な空気感(僕を含めて)を思い出す。
 
ホテル務めの知り合いなどは観客減の影響で給料が6割に減らされたとか。
 

気楽さ、テンポのよさがお気に入り。日本版ゴジラは出し惜しみが酷いのよ笑

映画の感想だが、なかなかよかった
 
 
怪獣同士のド迫力バトル、頭を使わずに観られる気楽さはやはり素晴らしい笑
 
 
前作ではライバル同士だったゴジラとコングをバディにしたのも悪くない。
 
かつての敵キャラが味方になってより手強い相手に挑む。
少年ジャンプの王道パターンを踏襲した? 構成にハズレはない笑
 
 
そして何よりお気に入りなのがテンポのよさ
個人的に「モンスター・ヴァース」シリーズの出し惜しみしない姿勢、次々に畳みかけるスピーディな展開はめちゃくちゃ好みである。
 
 
日本のゴジラ映画はこの辺が微妙で、開始から1時間半以上背びれとつま先しか出てこなかったり、後半ずーっとゴジラが氷漬けだったりと消化不良が尋常じゃない。
 
いや、違うでしょ。
僕が求めてるのはそういうことじゃない。
 
 
要は怪獣同士が真正面からどつき合うコッテコテのバトルが観たいんですよ。
 
国同士の駆け引きとか人間模様とかは適当でいい。
街をぶっ壊しながら暴れる巨大生物を見せろって言ってんの。
 
予算の問題もあるのかもしれないが、日本のゴジラ映画にいまいち食指が伸びない理由がコレである。
 
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そっちできましたか。インディ・ジョーンズ&猿の惑星パターンは「ジュラシックパーク」シリーズが進むと思っていた方向

具体的な内容については、「そっちできましたか」と。
 
 
前作中盤で地下空洞(コングの故郷)のパートがあったが、今回の舞台はそこ。
 
しかもラスボスはコングと同族? のスカーキング。
さらに地下空洞の奥にはジアと同じイーウィス族の生き残りが住んでいるという。
 
 
僕は地下空洞の秘密に触れられた際に「この映画にインディ・ジョーンズ要素はいらない」「その時間を怪獣バトルに充てろ」と申し上げている。
 
ところが今作ではそこを深掘りしてきやがった笑
 
しかもメインテーマは同族同士の争い、支配層と非支配層の戦い。
いわゆる「猿の惑星」と似た流れである。
 
 
実を言うとこれは「ジュラシックパーク」で予想していた展開だった。
 
あの映画も恐竜と人間が共存する世界線がデフォルトとなり、巨大生物そのものには新鮮味がなくなっている。
狂科学が生み出した新種の暴走というパターンもやってしまった。
 
つまり、ここからは客離れを防ぐための新たな展開が必須。
「猿の惑星」のように恐竜に知能を持たせて種族同士の抗争を起こしたり、階級制度を設ける方向に行くのでは? と漠然と思っていた次第である。
 
 
ところが直近の「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」(2022年)では初期メンバーを登場させてのオールスターキャストに。
恐竜の進化よりもノスタルジーに舵を切るやり方には「なるほど」となった。
 
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この感じならインディ・ジョーンズ要素もアリかな。コングとスカ―キングの対比も悪くない

そして今作「ゴジラxコング 新たなる帝国」の爆誕である。
 
「インディ・ジョーンズ」要素がいらないという意見は変わっていないが、今作に関してはアリ。
ああいうざっくりとした謎解きであれば本筋のちょうどいいスパイスになる。
 
地下空洞にもややこしい歴史があることがわかった上に同族間の抗争も嫌いじゃない。
モスラを崇拝するイーウィス族の姿には「そうそう、コイツらはこれだよね」と妙に嬉しくなったことをお伝えする笑
 
 
またアックス使いの“剛腕”コングと骨でできた鞭を使う“テクニシャン”スカ―キングの対比もよかった。
古代怪獣シーモを無理やり使役してグレイト・エイプの集落? を襲わせたのもグッド。
 
 
孤高の存在、男気溢れるコングvs徒党を組んで弱者を蹂躙するスカ―キング。
敵キャラを徹底的に醜悪にすることでコングへの思い入れを促すやり方である。
 
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ゴジラの相変わらずの番長キャラ。旧敵シーモの復活で我を失う

またゴジラの番長キャラも相変わらずで安心した。
 
僕は「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019年)を「オールドスクールなゴジラ番長のヤンキー物語」と申し上げている。
 
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隣町のムートー君との戦いで傷ついたゴジラ番長は現在療養中。
そのタイミングで現れたのが新進気鋭のヤンキー、キングギドラ転校生である。
 
キングギドラ転校生はあらゆる策略を巡らせゴジラ番長の手下を次々に服従させ、あっという間に学校を支配してしまう。
 
そんな中、ようやく復活を遂げたゴジラ番長が……。
 
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治安を守る監視役としての立ち位置は今作も同じ。
 
だが、古代怪獣シーモの復活を知ったことで猛り狂う。
 
普段は自分から仕掛けることはないゴジラ番長だが、冷静さを失った今は止まらない。
各国を回り、眠りから覚めた怪獣を片っ端から倒して養分に変えていく。
 
目覚めた途端にボコられるモブ怪獣たちには同情を禁じ得ないが(笑)、俺たちのゴジラ番長の戦闘力が上がっていく様子には問答無用でワクワクしてしまう。
 
いわゆる第二形態に進化する超サイヤ人と同じノリである。
 
地上に出てきたコングを見つけて襲い掛かる→モスラの説得で正気に戻る雑っぷりもいいw
 
「地下空洞の秩序と引き換えに地上を破壊しまくってるじゃねえか」などと野暮なツッコミを入れてはいけないのである笑
 
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コングの主役&安売りにちょっとがっかり。「唯一無二の二大モンスター」が売りだったのに

不満な部分を挙げるとすれば、すべてがコング主導で動いていくことか。
 
上述の通り今作のラスボス、スカ―キングはコングの同族。ゴジラの参戦理由は因縁のあるシーモの存在のみで、戦力的なことを除けばコングのみでも成立する。
 
 
また“コングの安売り”も残念だった。
 
もともとは髑髏島で孤独に暮らしていたはずが、今では地下空洞が住処に。
しかも同族を登場させたことで希少性も失われてしまった。
 
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これで「ゴジラとコング、唯一無二の二大モンスター」の構図は完全に崩れた。
それに比例してワクワク度も目減りしたことを告白する。
 

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次回作はどうする? ゴジラメインでいくなら新たな怪獣の登場が濃厚? でも説得力のある怪獣います?

マジな話、次回作はどうするのだろうか。
 
 
ぶっちゃけ地下空洞を舞台にすればもう1本作れるとは思う。
 
ただ、それはさすがに安直すぎるしゴジラの絡ませ方も難しい。
今作ですらこじつけ感があったのに、コングの王国にポッと出のゴジラを違和感なく組み込むのは至難の業である。
 
 
となると次はゴジラメインのストーリーになるわけだが……。
 
このパターンでもっとも簡単なのは新たな怪獣を登場させること。
そこにコングとモスラを絡ませればそれなりのものができるはず。
 
と言いつつ、問題はキングギドラやメカゴジラ以上のインパクト、説得力のある敵キャラを出せるかどうか。
 
パッと思いつくところだと
・サンダ&ガイラ
・ヘドラ
・ビオランテ
 
上記のうちもっともありそうなのがビオランテだが、キングギドラやメカゴジラに比べると……。
 
 
 
いろいろと難しい采配を迫られる続編だが、それも含めて楽しみである。
 
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