「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」感想。ゴジラ番長のブラザーソウルが迸るぜ。オールドスクールなヤンキーによる熱き友情物語

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」感想。ゴジラ番長のブラザーソウルが迸るぜ。オールドスクールなヤンキーによる熱き友情物語

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映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」を観た。
 
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「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」(2019年)
 
巨大怪獣の調査を行う秘密機関「モナーク」の科学者エマ・ラッセル博士は、別居中の夫マークが発明した装置“オルカ”を使い、中国・雲南省の基地で孵化したモスラとの交信を試みていた。
 
モスラの暴走で基地が大混乱に陥る中、エマは“オルカ”によってようやくモスラとの交信に成功する。
 
だがその瞬間、基地はアラン・ジョナ率いる環境テロリスト部隊の襲撃に遭う。同僚が次々と銃弾に倒れる中、エマと娘のマディソンは交信装置“オルカ”とともに捕らわれの身となってしまう。
 
 
一方、モナークの有識者たちは5年前のゴジラとムートーの戦いにより、政府役員たちとの会議で厳しい追及を受けていた。怪獣殲滅が最良と考える政府関係者に対し、モナークの科学者・芹沢猪四郎はこれを断固拒否。怪獣との共存を主張する。
 
 
そんな折、芹沢たちは中国・雲南省の基地がテロリストに襲撃されたことを知る。
連れ去られたエマとマディソンを救うため、芹沢は大急ぎでエマの夫マークに協力を仰ぐことに。
 
 
5年の眠りから目覚めたゴジラの動向を追ううち、彼女たちが南極にいることを突き止める芹沢とマーク一行。
そして、彼らを乗せた司令官「アルゴ」はアラン・ジョナ率いるテロリストが潜む基地へ乗り込むことに成功する。
 
モナークの兵士とテロリストの激しい銃撃戦が繰り広げられる中、マークはエマとマディソンと再開を果たす。
エマに一緒に逃げるように懸命に呼びかけるマークだが、なんとエマはこれを拒否。手にしていた起爆装置のスイッチを押し、氷塊に眠る怪獣モンスター・ゼロを復活させてしまうのであった……。
 
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僕は「ゴジラ」には詳しくない。でも関係ない。ど迫力の怪獣バトルがすべての知識不足を消し去ってくれる

まず最初に。
僕は「ゴジラ」には詳しくない。まったく詳しくない。
 
2016年の「シン・ゴジラ」もいまいちピンとこなかったし、1998年のハリウッド版「GODZILLA」はだいぶしょーもなかった記憶がある。
今作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」に関しても、2014年公開の「GODZILLA ゴジラ」の続編であることすら知らなかった。
 
今回、WOWOWでO.A.されることを知って初めて視聴したわけだが、それも完全に“たまたま”だったことを報告しておく。


そして、同じくゴジラニワカ()の方にお伝えしておくと、この映画を観るにあたって前作「GODZILLA ゴジラ」の知識はあった方がいい。

 
渡辺謙演じる芹沢猪四郎が冒頭から「我々が怪獣のペットなのです」とゴジラ愛を爆発させるのだが、成り行きを知らない人間にははっきり言って意味不明。


なぜMr.セリザワはゴジラを古き友と呼んでいるのか。
なぜエマ博士はトチ狂ってしまったのか。
なぜ夫マークは酒浸りだったのか。
そして、なぜチャン・ツィイーはクッソ綺麗なのか。
 
前提となる知識が多く、序盤は置いてきぼりを食う可能性が高い。
 
 
だが観ているうちに気づくと思うが、そういう諸々はこの映画にはあまり関係がない。
なぜならメインは怪獣のバトルだから
 
レビューサイトなどでも言われていたが、今作はゴジラの元祖怪獣バトル映画が帰ってきたとのこと。
主人公が息子を亡くしたとか、そのせいでエマがぶっ壊れてしまったとか、芹沢のゴジラ愛がどうとか。そんな細かいことに構っていられないくらい、今作での怪獣バトルは凄まじい。
 
物語中盤、収納扉が壊れて味方の戦闘機を救出できない件があるのだが、マジでどうでもいいww
 
申し訳ないことに命からがら逃げる戦闘員よりも、その上空で羽ばたく巨大怪獣の方がよっぽど大事。
手に汗握るシーンには違いないのだが、あの瞬間は「いや、そんなことはいいから怪獣を映せや」と思ってしまった。
 
 
何と言うか、それくらい今作での怪獣バトルの迫力、ベタベタな展開は素晴らしかった。
 
マイケル・ドハティ監督の生粋の“ガッズィーラ”オタクっぷりが丸わかりのコメントww

 
“ガッズィーラ”にあまり詳しくない僕でさえ、テーマ曲を聴いた瞬間の鳥肌はエグかったww

Godzilla Main Title
ベアー・マクレアリー
サウンドトラック
¥255

 
うん。
やっぱり作品に対する愛情は必須だよな。
 
それに比べて「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」における愛のなさは絶望的でしたからね。

 
ドラゴンクエストユア・ストーリー感想。気になる人は絶対に観るべき
 

最大の見どころは“怪獣たちの人間臭さ”。オールドスクールなゴジラ番長がギドラ少年との覇権争いを繰り広げる熱き友情物語

そして表題の件。
僕が思う今作の最大の見どころは、“縄張り争いを繰り広げる怪獣たちの人間臭さ”にある。
 
申し上げたように、CG技術を駆使したど迫力の怪獣バトルは文句なしに素晴らしい。
パッケージやフライヤーのデザインでも使われていたと思うが、復活を果たしたゴジラが放射能熱線を真上に吐くシーンはまさに「王の帰還」。画面の前で思わず「うおおお!!」と声を挙げてしまったほどである。


だがそれにも増して、今作では登場する怪獣それぞれに重要な役回りと性格の違いが出ているのがおもしろい。
 
というより、この作品は要するに“学校内での覇権争い”である。
 
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圧倒的な実力と高いカリスマ性で地球高校をシメていたゴジラ番長。だが、彼は隣町の番長ムートー君との戦いで傷つき、現在は退学状態にある。
 
そんな折、二学期からの編入生であるギドラ少年は次々にゴジラ番長の手下を従え、勢力図を塗り替えていく。
 
オールドスクールで仁義に熱いゴジラ番長に対し、「どんな方法を使っても勝てばいい」をポリシーとするギドラ少年。彼はSNSを駆使したマーケティングでゴジラ番長の仲間の弱味につけ込み、巧みな方法で彼らを従順な手下に変えていくのであった。
 
唯一反旗を翻したラドン中間管理職も、ギドラ少年の鉄拳制裁にあっさりとねじ伏せられてしまう。
 
そう。
ギドラ少年は頭が切れるだけでなく、ゴジラ番長に勝るとも劣らない実力の持ち主なのである。
 
 
わずか数日で地球高校を完全制圧したギドラ少年。
 
少しでも逆らえば彼の手下による恐ろしい制裁が加えられる。
かといって、大人しく従っていても明るい未来が訪れることは金輪際あり得ない。
 
もはや地球高校は教師ですらギドラ少年に逆うことはできない状況。彼の恐怖政治により、校内にはただただ絶望感が広がるばかり……。
 
 
だが、そんな中でただ1人、希望を捨てていない男がいた。
 
男の名は芹沢猪四郎。
ゴジラ番長の古い友人で、彼の男気や追い詰められた際に見せる底力を誰よりも知っている男。
 
芹沢だけはゴジラ番長の復活を信じ、ゴジラ番長の恋人プリンセス・モスラとともにゴジラ番長復学の手はずを整えていたのである。
 
 
そして、芹沢の自己犠牲の精神に心打たれたゴジラ番長は復学を決意し、天に向かって雄叫びを挙げる。
 
地球高校の平和と秩序を取り戻すべく、ギドラ少年と決着をつけるために立ち上がるのであった!!
 
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●登場人物(怪獣)

      ゴジラ番長:男気溢れるオールドスクールなヤンキー
      ギドラ少年:勝つためには手段を選ばない新進気鋭の策略家
      ラドン中間管理職:ギドラ少年に反旗を翻すも一蹴され、あっさり寝返る
      芹沢猪四郎:ゴジラ番長の古き友人
      プリンセス・モスラ:ゴジラ番長といい仲()

 
激しい戦いで傷つき倒れたゴジラ番長が突如現れた編入生ギドラ少年に縄張りを荒らされる。だが、古い友人である芹沢猪四郎や恋人モスラの助けを借りてもう一度立ち上がることを決意する友情物語。
 
昔気質で暑苦しいゴジラ番長と正反対のギドラ少年。
状況によってコロコロと態度を変えるラドン中間管理職。
ゴジラ番長の支えとなる芹沢猪四郎と恋人モスラ。
 
登場人物(怪獣)全員が個性的で、コテコテの結末に一直線にひた走る流れ。
 
もう、サイコーであるww
「ビー・バップ・ハイスクール」の怪獣版というか、こんなおもしろい作品を観ないでどうするの? というくらい。
 
 
てか、今作は「キングコング: 髑髏島の巨神」と同じ世界の出来事なんですね。
 
キングコング:髑髏島の巨神が最高におもしろかった3つの理由
 
で、次回作は「ゴジラvsコング」が予定されていると。
超ワクワクすんなオイww
 

中国資本ではあるけど、中国色はそこまで強くない。クリエーターの人材流出が止まらないんだって

ちなみにだが、今作は重要な役どころにチャン・ツィイーが起用されていることからわかるように、中国資本が入った作品である。
 
もともと中国で海外の映画を上映するにはかなり厳しい条件があり、観光地でのロケや中国人俳優を“いい役”で起用することが条件に含まれるとか。
 
先日観た「トランスフォーマー/ロストエイジ」では、出演俳優が意味不明に中国メーカーのビールを飲み始めたり、突然舞台が中国に移動したりと中国に配慮するあまりストーリーがだいぶ歪なものになっていた。
 
トランスフォーマー/ロストエイジ感想。さらっとゾウ・シミン出てきてワロタw ハリウッドの視線が中国市場に向いてる
 
 
だが今作「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」では、中国へのあからさまな配慮はそこまで感じられない。
 
下記の記事にもあるように、あまりにプロパガンダ色が強過ぎる内容は現地でも嫌われるようである。
 
「日本から中国へ、コンテンツ業界で起きている「人材流出」の背景」
 
その上、記事によると2018年9月には「日中映画共同製作協定」なるものが結ばれ、今後は露骨な親中映画でなくても中国資本を得られる可能性が出てきたとか。
 
「「日中映画共同製作協定」に基づく共同製作映画の作品募集の開始」
 
なるほど。確かにこれは両国にメリットの多い協定っぽい。
 
 
だが、同時に記事内では日本から中国へ人材の流出が進んでいることにも触れられている。
特にブラック体質の強い日本のアニメクリエーターが待遇のいい中国に流れ、喜んでノウハウを提供する状況は顕著とのこと。
 
「今後は日本が買い叩かれる立場になるかもしれない」
「クリエーターを守る努力を怠った日本の逃した魚は大きい」
などと述べられているが、これに関してはマジでそう思う。
 
自分の実力を存分に発揮できる環境と高待遇を用意されれば誰だってそちらに行くし、そこに愛国心が介入する余地はない。
 
映画「8 Mile」感想。エミネムがカッコよくなるための映画。掃き溜めを生きるクズどもの淡々とした生き様はすべてラストのラップバトルにつながっている
 
僕自身もクリエーターなどという大層な肩書きではないが、一応制作畑の人間だったりする。そして、自分が努力して得た知識やノウハウを軽んじられていると感じたことは一度や二度ではない。
 
アプリケーションの使い方はもちろん、制作物の元ファイルを取り上げられることなど日常茶飯事。苦労して編み出した時短方法を値下げのネタにされたことも。
 
この“見えない知識に金を払うことを極端に嫌う”体質は本当にやっかいである。中国の台頭もあり、最近はようやくその部分を軽んじてきたことが見直されている感もあるが、僕に言わせれば「今さら何をぬかしとんねん」という話。
 
個人的に「日本は終わり」と軽々しく口にする人間は大嫌いなのだが、制作畑の人間に対する扱いの軽さはガチでしょーもないと思っている。
 
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