ガンボアvsカステリャノス感想。ガンボアの身体がデカ過ぎてアレだった。ところで内山の今後は? ウォータース戦?【結果】
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2017年5月5日(日本時間6日)に米・ラスベガスで行われたライト級10回戦。
元3階級制覇王者のユリオルキス・ガンボアが、ロビンソン・カステリャノスに7R終了TKO負けを喫する波乱が起きた。
「リカルド・ロドリゲスっていい選手だと思う。井上尚弥の苦手なタイプかも? 米国からのオファーがあるってホントかね」
序盤から積極的に前に出るカステリャノスに対し、ガンボアは慎重な立ち上がり。
出入りのスピードや手数でカステリャノスを上回るものの、ダイナミックなパンチがたびたびガンボアの顔面をかすめる。
そして3R終了間際、カステリャノスの右を豪快に被弾したガンボアがダウン。ゴングで事なきを得たが、続く4Rにもダウンを奪われるなど流れを変えることができない。
「星勝優とトラメイン・ウィリアムズがお気に入りな件。ここ数日の僕の推しメン備忘録」
結局そのまま試合はカステリャノスのペースで進み、7R終了時にガンボア陣営が棄権を申し出て試合が終了する。
カネロvsチャベスJr.戦の前夜祭として開催されたこの試合。GBPと契約して再起を目指すガンボアだったが、復帰2戦目にしてまさかの敗戦。今後のキャリアに大きく影を落とす一戦となってしまった。
「過去最強カネロがヘロヘロチャベスを寄せつけず。体重差マッチを圧勝でクリア。ってか、この試合はアカン」
なお、勝利したカステリャノスは2017年7月、内山高志に2度勝利したジェスレル・コラレスへの挑戦が予定されている。
「内山再戦でコラレスに惜敗!! 2-1の判定でリベンジ失敗で引退か?」
“サイクロン”ガンボアまさかの敗北!! キャリア12敗の中堅カステリャノスにTKO負けを喫する
ガンボアの敗北に衝撃が走っている。
しかも相手は比較的安パイだと思われていたロビンソン・カステリャノス。キャリアで12敗している35歳の中堅選手に一方的にやられてしまったのだから、テレンス・クロフォード戦の敗戦とはインパクトが違う。
「クロフォードがモリナに圧勝! でもスター候補がそれでいいのか? ホントに強いのかクロフォード」
GBPと契約し、試合枯れから復帰しての2戦目。
かつて“サイクロン”と呼ばれたスピードスターはここで終わってしまうのか。
日本でも人気のある選手だけに、何とか踏みとどまってもらいたいところである。
長谷川穂積vsジョニゴン戦にそっくり。適正階級はホントに大事ですね
今回のガンボアvsカステリャノス戦、僕もボーっと観ていたのだが、ガンボアのあまりの低調ぶりにビックリしてしまった。
さらに思ったのが、
「長谷川穂積vsジョニー・ゴンサレス戦そのまんまやな」
である。
・抜群の見切りを得意とするスピードスターが、
・キャリア後半の下り坂を迎え、
・適正階級を大きく超えた体重で、
・リーチが長く体が大きい相手と対峙し、
・中盤でつかまる。
「ベルチェルトに三浦隆司完敗……。対策されてたなぁ。何もさせてもらえなかったなぁ。そして、ベルチェルトはよく走りきったなぁ」
序盤は出入りのスピードと手数で優勢(?)に進めるが、すぐに攻撃力不足を見抜かれる。
ある程度の被弾は問題ないと判断され、じわじわ距離を詰められフルスイングされる。
持ち前の見切りを発揮するものの、相手のパンチが危ないタイミングで何度も顔面をかすめる。
「拳四朗vsガニガン・ロペス戦を予想してみる。拳四朗勝利が大方の予想みたいだけど、ガニガン・ロペスもいい選手」
そして、試合中盤に測定完了。
徐々に間合いが近づき、4R(ガンボアは3R)終了間際にカウンターをドカン。
デジャブではないが、長谷川穂積vsジョニゴン戦の流れと酷似している。
海外挑戦にはインパクトのあるきっかけが必要なのかね? NHK BS1「あの負けで私は強くなった「ボクシング・長谷川穂積」」
カステリャノスとしては、ガンボアのパンチは適当に肩周辺で受けておけばいい。
相当ヤバいタイミングでもらわなければ十分耐えられる。
打ち終わりにフルスイングしていればそのうち当たるだろ。
マジでそんな感じだったのではないだろうか。
「田口vsバレラ感想。ベストバウトきたか? やっぱり田中恒成に勝つ可能性のあるのは田口だよな」
打ち終わりをことごとく狙われるガンボアは6、7R以降、自分から手を出さない見切り勝負に切り替える。
だが、身体の大きなカステリャノスは動じない。逆に距離を詰められ、あっさり攻略されてしまう。
7R終了間際に至近距離でしこたまボディを叩かれ、心をポッキリ折られて棄権。
ああいうのを見ると、改めて適正階級というのは重要だなと思った次第である。
「シーサケット勝利!! PFP No.1 ロマゴンに判定で大金星を挙げる!! すっばらしいねシーサケット」
観たことがないほど動きの悪いガンボア。たった2か月であそこまで衰えるもんなの?
また、この試合のガンボアはとにかく動きが悪かった。
特に下半身。
あんなに足が動かないガンボアは、ちょっと観たことがない。
「亀田和毅vsイバン・モラレスはわかるわ~ww はっきりと意思が見えるマッチメークはいいね。3兄弟末っ子対決」
足が前に出ないので、踏み込みが鈍い。
そのためパンチを打つたびに身体が前につんのめる。
復元力が足りずに打ち終わりを狙われる。
上半身の動きのみでパンチをかわしているうちに距離を測られ、豪快に被弾。
「打倒井上尚弥筆頭アンカハスが帝里木下を迎えての防衛戦!! マックジョーに勝利した長身王者が今回もサウスポー対決に挑む」
このタイプの選手があそこまで足が動かないのはやはり厳しい。
マジな話、ここから立て直すのは相当難しいのではないかというくらい。
ちなみにだが、ガンボアの前回試合は2017年3月11日のレネ・アルバラード戦。
デビッド・レミューvsカーティス・スティーブンス戦の前座で出場した試合である。
「レミュー左フック一閃!! スティーブンスがスヤッスヤ。マザーの胸で安らかに眠れ」
あの試合も判定勝利で切り抜けたものの、内容的にはかなり低調だった。
僕もWOWOWエキサイトマッチで観たが、確かに全然動けていないなと思った記憶がある。
ただ、ガンボアの動き自体は2015年12月のヘイロン・ウィリアムスJr.戦ですでに怪しくなっていた。約15か月ぶりの試合だったことも加味すれば納得はできる。
「ベテルビエフvsコーリン感想。攻略法が見えたような見えないような…。ベテルビエフの剛腕フィジカルにコーリンが撃沈」
ところが、今回のガンボアはそこから輪をかけて動きが悪かった。
「衰えた」だの「ブランクが劣化を生んだ」だのという声が多数聞こえたが、たった2か月弱であそこまで一気に衰えるもんなのか?
「はあ、ラッセルたん…。エスカンドンを接近戦で圧倒して勝利!! この試合好き過ぎて、もう5回くらい観てるw」
今回のガンボアは身体を大きくし過ぎかな。ちょうどスタイルを変える過渡期に差し掛かっている感じか
これは僕の勝手な想像だが、今回のガンボアの低調ぶりは「身体を大きくし過ぎたこと」が原因ではないかと思っている。
「それでも僕はレイ・バルガスを諦めないww ネグレテに大苦戦の末に判定勝利。やっぱりボロボロでしたね」
前回、前々回の試合と比べると、肩周りや腹部周辺がかなり膨らんでいる(ように見える)。そのせいで身体が重くなり、本来の動きができなかったのではないだろうか。
「ジェフ・ホーン圧勝!! パッキャオ議員に力技で勝利し人生の厳しさを教える!! 作戦勝ちかな。フィジカル面も差があったよな」
ライト級に適応するためにビルドアップしたのだとは思うが、スタイル自体はこれまでと一緒。適正階級を超えて身体を重くしたのに、やろうとしてるのは全盛期の“サイクロン”なのだから、そりゃそうでしょという話である。
「木村翔はワシが育てたww ゾウ・シミンにアウェーでジャイアント・キリング!! 大観衆の前で中国の英雄にTKO勝利」
年齢が上がれば代謝も落ち、減量はキツくなる。
必然的に階級アップを強いられることになるのだが、上の階級にいくほど相手の強度は上がる。
自分はキャリア後半の下り坂を迎えているのに、相手のスピードやパワーはアップする。
「長谷川穂積のベストバウトはあの試合だろ? 壮絶な打撃戦の最中に長谷川を覚醒」
ここをクリアするにはスタイルをマイナーチェンジするか、このまま尻すぼみになるかの選択を迫られるわけだが、今のガンボアはまさしくその時期にきている気がする。
長谷川穂積やシェーン・モズリーのように、スタイルを変えずに年齢や階級の壁に抗い続けるか。メイウェザーやアンドレ・ウォード、井岡一翔のように効率重視の省エネスタイルにマイナーチェンジするか。もしくはノニト・ドネアのように迷走ルートに入るか。
「井岡一翔の倒し方? ノクノイ戦の感想を含め井岡に勝てそうな選手を考える。まあ、アイツしかいないけど」
そして、今回の「身体は大きくしたけど、やってることはこれまでと一緒」という試合を観ると、ガンボアもドネアと同様、迷走しかかっているように思える。
なお現在、階級アップに伴ってスタイルチェンジを試みているのが亀田和毅である。
「亀田和毅国内復帰初戦を判定で飾る!! 後楽園ホールに行ってきたぞ。天笠、赤穂も揃い踏み」
思い切って日本に来いよ。ラストマッチは内山高志でいいでしょ。ってか、本当は内山の相手はニコラス・ウォータースがいいと思ってます
しかし、ガンボアは今後どうするのだろう。
衰えたにしろ、スタイルチェンジをしくじったにしろ、この選手がキャリアの終盤を迎えていることは間違いない。しかも感覚重視の脳筋タイプっぽいので、ここからうまく盛り返せるとも思えない。
「大激戦のバルテレミーvsキリル・レリク!! まさかの苦戦のダークヒーロー、バルテレミーはクロフォード打倒を果たせるか?」
もしこの先、トップ戦線への返り咲きが難しいのであれば、思い切って日本に来ればいいんじゃないか。
Twitterのフォロワーさんが「今こそ内山vsガンボアを観たい」とおっしゃっていたが、僕も普通にありだと思っている。内山高志、ガンボア両者の思い出マッチとして、大田区総合体育館で大々的に開催すればいい。
実現するかは別として。
「コラレスゥゥウウ〜〜……。カスティジャノスに大苦戦の末ベルトを守る。負傷判定で3度目の防衛成功。負けに近い勝利」
まあ内山に関しては、本音を言うと「今こそニコラス・ウォータースを呼んでこいよ」と思っているのだが。
2016年11月のロマチェンコ戦でトップ戦線から脱落したが、決して衰えたわけではない。ロマチェンコに歯が立たなかっただけで、ガンボアのようにポンコツ化していない分、内山の闘志を奮い立たせるには説得力十分である。
「ロマチェンコ完勝! ウォータースあへあへギブアップで余裕の防衛成功!! 階級アップで覚醒した天才ロマチェンコ」
大田区総合体育館でウォータースに勝ってランキング回復。ミゲール・ベルチェルトに勝利して王者となった三浦隆司と両国国技館でタカシ対決Vol.2。完璧な流れである。
「三浦隆司が花山薫パンチでミゲール・ローマンを撃墜!! デラホーヤが早くも「年間最高試合」に認定」
勝っても負けても大団円でええんちゃう?
ウォータースも暇だろうし、勝てば三浦に挑戦できると思えば乗ってくるんちゃう?
などと勝手な皮算用をしているのだが、いかがだろうか。
可能性は低いけど。
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