井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦を視聴。戦力差を把握すると舐めプを始める横着さはヤンキー気質によるものだろうな。それでも無敵だけど

井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦を視聴。戦力差を把握すると舐めプを始める横着さはヤンキー気質によるものだろうな。それでも無敵だけど

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2023年7月25日に東京・有明アリーナで行われたWBC/WBO世界S・バンタム級タイトルマッチ、同級統一王者スティーブン・フルトンと元バンタム級4団体統一王者井上尚弥の一戦を現地観戦してきたのは下記の通り。
 
井上尚弥vsフルトン現地観戦。人外の超人がようやく人里に降りてきた? よくも悪くもノリと勝負勘の選手なんだろうな。“井上は強化版辰吉”説を久々に思い出した
 
あれから半月ほど過ぎたのだが、ようやく映像を確認した次第である。
 
同じく現地観戦した井上尚弥vsノニト・ドネアVol.2はドネアの負けが悔しすぎて観ることができなかったのだが、今回はそんなことはなく。すんなりと再生ボタンを押すことができた笑
 
 
で、会場では気づかなかったことがいくつかあったので今回はその感想を。
あまり新鮮味はないが、まあいいやと。
 

観客席の松本人志と布袋寅泰がw 頭一つデカい布袋さんが気になるのよ笑

まず試合映像を観て思ったのが下記。
・画面が青い
・観客席の松本人志と布袋寅泰が気になる
・思った以上にフルトンが足を踏んでた
 
 
一つ目の「画面が青い」についてはそのままの意味。
全体的に画面が青くかなり不健康。しかもアングルによっては普通の色味になるのでチャカチャカして落ち着かない。
会場の照明自体が青みがかっていたのもあるが、もうちょい何とかならんものか。
 
 
またリングサイド2列目くらいに座っている松本人志と布袋寅泰がめちゃくちゃ気になる
来場していたのは知っていたが、あんな目立つ場所だったとは。
 
特に布袋寅泰のフィジカルが……。
周りに比べて頭一つデカいせいでいちいち目に入って気が散るww
 
 
そして三つ目。
思った以上にフルトンが足を踏んでいたなぁと。
井上が試合後に「かなり足を踏んできた」とコメントしていたが、映像で確認すると確かに多い笑
 
2、3Rくらいまでは本当に露骨だったというか。足を踏み合う光景はそこまで珍しくないが、今回は僕が知る中では割と上位の方。完全に“戦術”として用意してきたものだったっぽい。
 
タパレスの大健闘に感動が止まらん。井上尚弥攻略の糸口? 階級アップで人外の超人っぷりは薄れたよな。最強には変わりないけど
 

試合後の井上の顔がきれいだと言われてたけど、実はフルトンの顔もきれいだったよね

試合の感想は概ね当日と同じ。
 
基本性能は井上の方がはるかに上。
 
特に中間距離であそこまでフルトンを圧倒したのは驚いた。
フルトン陣営もジャブの差し合いではある程度やれると想定していた(と思う)はずが、早々に防御で手いっぱいにさせられた。これはかなりの誤算だったのではないか。
 
ただ、それでもはっきりとしたヒットは許していない。
試合後の井上の顔がきれいだったことが話題になっていたが、実はフルトンの顔もかなりきれいである。
再三のボディジャブと最後の右はモロに入ったが、それ以外はギリギリ回避していた。
 
会見でも顔に目立った傷や腫れは見られない。

 
井上尚弥はメリケンの舐めたヤツらを相手にする必要はないってずーっと言ってるだろw ほっといても向こうから「日本で試合したい」って言ってくるから
 

日本人選手の鬼門と言われたクネクネアウトボクサーをここまで圧倒するとは。井上の能力には文句のつけようがない

だが、どちらが試合を支配していたかは明白すぎるくらい明白。
ガードや上体反らし、バックステップ等、大きなアクションでディフェンスに注力するフルトンに対し、井上は最小限の動きで悠々と回避する。
 
防御に精一杯で攻撃に遅れが生じるフルトンと、プレッシャーをかけつつ余裕を持ってチャンスを待つ井上。
ジャブの差し合い、1発の威力、パンチの精度。あらゆる面で井上はフルトンを上回っていた。
 
 
うん、改めてとんでもねえわ井上尚弥。
内山高志がジェスレル・コラレスにKO負けを喫し、伊藤雅雪がジャメル・ヘリングに翻弄され、吉野修一郎がシャクール・スティーブンソンに遊ばれた。
 
シャクール・スティーブンソンがジーマーでバイヤーすぎる件。吉野修一郎に6Rストップ勝ち。すでにエドウィン・バレロなら? パッキャオなら? の領域に見える
 
「日本人選手の鬼門と言われたクネクネアウトボクサーを」「それも無敗の2団体統一王者を」「階級アップ1発目で」「相手の土俵で」圧倒してみせた。
 
何度も言っているように僕は井上の苦戦を楽しみにしている人間だが、この選手の能力に関しては文句のつけようがない。
 

方向転換のタイムラグがほとんどない。バランス感覚、下半身の強靭さは井上一族の特徴?

何がすごいって、方向転換のタイムラグがほとんどないんですよね。
 
井上の踏み込みスピードが桁違いというのはたびたび耳にするが、そこから間髪入れずに追撃に入れるのが……。
しかも手打ちではない、しっかりと体重の乗ったパンチを打てるという。
 
バックステップやサイドステップで距離を取るフルトンだが、井上が“カクッ”と方向転換して追撃を浴びせてくるためあっという間に防戦一辺倒になる。
 
本来、あそこまで大きく距離を取れば多少は余裕が生まれる(はず)。
そこで態勢を立て直す→反撃の準備をするわけだが、井上はその時間すら与えてくれない。
 
おかげで攻防のつなぎに遅れが生じ、後ろ体重のまま出すパンチは威力が足りない。
 
この辺のバランス感覚、下半身の強靭さは井上一族の最大の特徴だと思っている。
 
フルトンのトレーナーのインタビューが興味深い件。フルトンの動きは悪かったのか。井上尚弥攻略にはポール・バトラーの作戦の進化版ってのはその通りだったんじゃないの?
 

相手との戦力差を把握すると舐めプを始める。このムラっ気の多さはヤンキー気質によるものなんだろうな

そして、今回のハイライト(だと僕が思う)となった6、7R。
 
このラウンドあたりから井上の動きが少しおかしくなる。
 
顔面丸出しで不用意に近づいたり、大げさにダッキングしたり、届かない位置からビッグパンチを振るったり。序盤に見せていた超人的な方向転換も鳴りを潜める。
 
“おかしくなる”と言ったら語弊があるが、過程や組み立てを省いて明らかな横着を始める。
要するに舐めプである。
 
この傾向はポール・バトラー戦以前からあったものだが、井上は相手との戦力差を把握すると試合運びが横着になる。
 
左構えにしてみたり、後ろで手を組んでみたり。
パフォーマンスと言えばその通りだが、僕はアレがいいとは思わない。
実際、ドネア1では痛恨の一撃をもらって視界を破壊されている。
 
今回はそこまで露骨な舐めプはなかったものの、がら空きの顔面をはね上げられたりと若干の綻びは見られた。
 
 
実力を見切ってからの舐めプ+集中力が散漫になる時間帯。
 
序盤の鬼強タイム→中盤の若干のモタつきから後半にもう一度ギアを入れ直す流れ。
このムラっ気の多さは本人のヤンキー気質によるところが大きいのだろうと。


なお「中盤からあえて引いてフルトンに打ってこさせる」のが井上陣営の作戦だったらしいが、僕にはそうは見えなかった。
 
井上尚弥vsマーロン・タパレス雑感。先人の残した情報を総動員して大健闘したタパレスがすげえ。井上の相変らずのヤンキーマインドにも安心した笑
 

井上攻略には今回の7Rをどれだけ量産できるか。「ポール・バトラーの作戦を高次元で」と言い続けた動きに近かった

井上を攻略するには今回の7Rをどれだけ量産できるかになりそう。
 
7Rはこの試合でフルトンが唯一はっきりとポイントを取ったラウンドだが、観直してみると横の動きをうまく使っていることがわかる。
 
左右にステップしながらジャブをヒット。
常に足を動かして正面を外し、踏み込みの瞬間を狙ってカウンターのジャブを返す。
 
前回のポール・バトラーが左右に動き続けて井上の猛攻を避けまくったが、アレの進化バージョンというか。
僕が「ポール・バトラーの作戦を高次元で実現できれば」と言い続けた動きにかなり近かった。
 
井上尚弥がポール・バトラーをKOして4団体統一。“持たざる凡人”が超人攻略を目指した。これをもっと高次元でできればと思わせるバトラーの動き
 
井上は一瞬の踏み込みや方向転換はとんでもないが、追い足はそこまでではない。かき回すにはやはり横の動きが重要になる(と思う)。
 
ひたすら正面を外しながらジャブにカウンターを合わせる。
ロープに詰められても亀にならずにもみ合いでしのぐ。
 
「フルトンならもしかしたら」と思っていた片鱗があの7Rだったりする。
 
 
まあ、それをやるには誤算が多すぎたのだが。
・ジャブの差し合いで圧倒された
・距離を掴むまでに6Rかかった
・ボディジャブに最後まで対応できなかった
・井上のクリンチ対策が完璧すぎた
 
 
中でも後ろ体重の構えでクリンチを封じられたのはフルトンにとっては最大の誤算だったのではないか。


 
井上vsタパレス締結間近? でもタパレスじゃ厳しい? シャクールの相手のサントスは結構よさげ。リナレスが英国でジャック・カテラルと12回戦。諸々レビュー
 

ハードルが高すぎるw こんなん誰ができんねん

「井上対策はポール・バトラーの作戦を高次元で」という僕の意見は変わっていないが、今回の結果を受けてハードルの高さに戦慄している笑
 
・序盤の鬼強タイムは防御に徹する
・被害を最小限に抑えつつ距離の設定を両立
・4Rまでに距離を把握しペースアップ
・ひたすら左右に動いてジャブにカウンターを合わせまくる
・高カロリーなボクシングを12Rまで継続する
・井上の猛攻に耐えながら僅差判定を狙う
 
1、2Rの鬼強タイムは素直に諦めた方がいい。
あんなもんは誰が相手でも勝てっこない。
 
ただ、回避と同時進行で距離とタイミングを掴むことが必須(フルトンはそれが間に合わなかった)。
なるべく早く距離を把握し中盤の反撃タイムに移行。ひたすら動き続けて的を絞らせず、井上のジャブにカウンターを合わせまくる。
 
途中で接近戦を交えつつ最後まで高カロリーなボクシングを継続。ギリギリの判定勝利を狙う。
 
いや、誰ができんねん笑
 
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