俺たちのクリス・コルバートの相手がトゥグッソト・ニャンバヤル!? ガンボアの負傷離脱により急遽決定。これは厳しそうな組み合わせ…【展望・予想】
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2021年7月3日(日本時間4日)、米・カリフォルニア州で行われるWBA世界S・フェザー級タイトルマッチ。同級暫定王者クリス・コルバートにロンドン五輪銀メダリストのトゥグッソト・ニャンバヤルが挑戦する。
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この試合は当初、元3階級制覇王者ユリオルキス・ガンボアがコルバートの挑戦者として予定されていたが、下記の記事によるとガンボアの負傷により急遽トゥグッソト・ニャンバヤルの起用が決まったとのこと。
Tugstsogt Nyambayar Replaces Gamboa As Colbert’s Opponent July 3 On Showtime https://t.co/gHwdPZHDC8 pic.twitter.com/m3aZBso3de
— BoxingScene.com (@boxingscene) June 22, 2021
ニャンバヤルは2020年2月にゲイリー・ラッセルJr.に敗れて以降、同年9月に再起に成功したものの階級はフェザー級。
急ごしらえの階級アップがどの程度影響するか、コルバートのスピードについていけるかが今回の見どころの一つとなりそうである。
一方のコルバートは以前から「130ポンドでの最強を証明したい」と語っており、今回もインパクトある勝利が求められる。
WBAスーパー王座にジャーボンティ・デービス、WBC王座にオスカル・バルデス、WBO正規王座にジャメル・ヘリング、暫定王座にシャクール・スティーブンソンと各団体に有名選手の名前が並ぶ中、抜きん出た存在になれるかに注目である。
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まさかのトゥグッソト・ニャンバヤル。vsガンボアを想定してたからちょっと驚いた
クリス・コルバートvsトゥグッソト・ニャンバヤル。
挑戦者ユリオルキス・ガンボアの負傷離脱により、急遽ニャンバヤルが起用された一戦である。
コルバートvsガンボア戦が迫っていることをふと思い出し、何の気なしにPBCのHPを覗いてみたところ……。
なぜかそこにはトゥグッソト・ニャンバヤルの名前が。
「は? 何じゃそりゃ?」ということであれこれ調べてみると、ガンボアが肋骨と下半身? の負傷により離脱し、代役としてトゥグッソト・ニャンバヤルに白羽の矢が立ったとのこと。
ほほう、なるほど。
正直ガンボアがコルバートに勝つ見込みはかなり薄いと思っていたが、ニャンバヤルなら多少は可能性がある。
もともとあまりテンションの上がらない試合だったが、これなら少しは注目してもいい? かも?
と言いつつ、ニャンバヤルにとっては難しい試合になることは間違いない。前回のラッセルJr.戦を踏まえると、コルバートのスピードについていけるかが分かれ目になりそうである。
ラッセルさんがニャンバヤルに安定の判定勝利。でもニャンバヤルはいい選手だったな。那須川天心はラッセルを目指そうぜ
しかも今回は調整試合なしでのいきなりの階級アップ。
あらかじめリザーバーとして声がかかっていたのかもしれないが、どちらにしろS・フェザー級のニャンバヤルのパフォーマンスは未知数な部分が多い。
いろいろな意味で興味深い一戦と言える(“暫定王座の防衛戦”という謎は気にするな)。
勝敗予想はコルバートの判定勝利。ニャンバヤルはいい選手だけど、コルバートとは相性が悪そうな…
勝敗予想だが、今回はクリス・コルバートの判定勝利でいきたい。
S・フェザー級におけるニャンバヤルの耐久性がまったく不明なのだが、コルバートのはりきり具合と階級差を考慮して。
何だかんだでクリス・コルバートの有利は動かないと予想しておく。
まず挑戦者トゥグッソト・ニャンバヤルについてだが、この選手はかなりいいと思う。
やや前傾姿勢+ナチュラルにガードを上げた構えで相手と対峙し、鋭い左リードでリズムを作る。
上体を小刻みに動かしながら左の見せパンチで相手の反応をうかがい、出てきたところにカウンターを被せる。
相手がその場に留まれば連打に移行、バックステップで距離を取れば再び左リードを撒き餌にタイミングを測る。
特別スピードがあるわけでもなくパンチがあるようにも見えないが、前後の距離感に優れた総合力の高さを感じさせる。
欠点としては、射程がすこぶる短いことだろうか。
力の乗ったパンチを当てるためにはかなり近い位置まで距離を詰める必要があり、毎回その工程に苦労している印象。
しかも今回のコルバートは遠い間合いを得意とする選手。
左リードを撒き餌に相手に先に手を出させ、そこにカウンターを被せることできっかけを作るニャンバヤルとの相性はいいとは言えない。
恐らくだが、トゥグッソト・ニャンバヤルは基本的には“待ち”の選手なのだと思う。
左リードは鋭く距離感もいい。
だが、追い足がある方ではなくコンビネーションが多彩なわけでもない。
後の先を狙うスタイルな分、コルバートのように自分から手を出してこない相手には苦労させられるのではないか。
また2020年2月のタイトルマッチではゲイリー・ラッセルJr.のスピードについていけず、なかなか自分の攻撃パターンを作ることができなかったのも気になる。
ラッセルほどではないにしろ、今回のコルバートも一瞬のスピードが持ち味の選手。特に動きに慣れない前半などは守り一辺倒の時間を強いられそうな……。
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ニャンバヤルにもチャンスはあると思う。試合の中で必ずインファイトに切り替える時間帯があるので、そこで打ち勝てば
だが、決してニャンバヤルにチャンスがないとは思わない。
コルバートの試合を観るとわかるが、この選手は試合の中で必ずインファイトで打ち合う時間帯がある。
基本はL字+見切り中心のカウンター使いなのだが、どこかのラウンドを境にブロック&リターンのゴリ押しファイトに切り替える流れが定番化している。
前回のハイメ・アルボレダ戦でも試合中盤に突然ガードを上げてのインファイトをおっ始め、終盤に再びアウトボクシングに戻している。パッと見の印象だが、相手の動きをある程度見切ったところで切り替えている感じがする。
クリス・コルバート、コイツ何でスーパースターの態度なんだよw 地味強のくせに。ハイメ・アルボレダを地味にKOして地味に防衛成功
で、ニャンバヤルが狙うのはここ。
自ら間合いに入ってきてくれるのであれば、射程の短いニャンバヤルにとっては非常にありがたい。
ここでの打ち合いでアドバンテージを取れれば一気に流れを変えられる可能性もあるのではないか。
ただまあ、実際にはニャンバヤルが勝つのは相当難しいとも思っているが……。
申し上げたようにクリス・コルバートは試合のどこかで必ずインファイトに切り替える時間が訪れる。
だが、それを引きずらない割り切りのよさもこの選手の長所だったりする。
前回もインファイトに切り替えた途端にアルボレダに押し込まれたものの、次のラウンドからはアウトボクシングに戻してさっさとペースを引き戻してみせた。
今回の試合もそう。
仮にニャンバヤルの連打が機能したとしても、分が悪いとわかればコルバートはあっさりと撤退するはず。
遠い間合いでの差し合いではニャンバヤルは十中八九コルバートの機動力に敵わない。有効打を当てるにはかなり近い位置まで距離を詰める必要がある。
しかもニャンバヤルにとっては未体験のS・フェザー級。1発で勝負を決めるのは難しいことを考慮すると、優位に立てる時間はそう長くは続かないだろうと。
そもそも論として、インファイトで打ち負けた場合はニャンバヤルの勝ち筋は完全に消滅するわけだが。
前半は遠間からのジャブで削られ、中盤の打ち合いで盛り返すも再びコルバートのアウトボクシングについていけずに翻弄される。終盤のどこかで1発効かされて足が止まり、追撃の打ち下ろしを被弾してジ・エンド。
何となくだが、そんな感じの展開を予想しておく。
というより俺たちの“地味強”クリス・コルバートさんならきっとやってくれるはず(予想はコルバートの判定勝利)。
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