チャーロ兄圧勝やね! センテノを2RKOに沈めて暫定王座獲得。村田諒太との違いが明確でおもしろかった。フィジカル上位の優位性【結果・感想】

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パワーファイターイメージ
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2018年4月21日(日本時間22日)、米・ニューヨークで行われたWBC世界ミドル級暫定王座決定戦。同級1位ジャーマル・チャーロと4位のウーゴ・センテノが対戦し、チャーロが2R55秒KOで勝利。同級暫定王座を獲得した。
 
「ジャーメル・チャーロがトラウトに完勝。野性味満載の1発狙いで2度のダウンを奪うも倒しきれず。ハード戦はよ」
 
1R。
左右に動きながらカウンターを狙うセンテノに対し、ガードを上げてじっくりと近づくチャーロ。
時おり両者のリードが交錯するが、大きな動きはなくゴングが鳴る。
 
「ブローナーvsバルガスが熱かった。まさかブローナーの試合でこんなにテンションが上がるとはw 会場が殺伐としたんだって」
 
そして2R。
これまで通りガードを上げてプレッシャーをかけるチャーロが、徐々にセンテノとの距離を詰める。
大きくリングを迂回し、チャーロの射程から離れるセンテノ。だが、ロープ際でチャーロの右を被弾し、ふらついたところにさらに連打を浴びてしまう。
最後は強烈な左フックで仰向けにダウンし、そのまま立ち上がれず試合終了。
 
2階級制覇を達成したチャーロ兄は試合後、ゲンナジー・ゴロフキンとの統一戦を希望。5月にタイトルマッチのリングに上がる最強王者への挑戦を口にする。
 
「ジャックvsスティーブンソン? これは予想しにくいよね。ハード路線のジャックか、引退間近のスティーブンソンか」
 

ジャーマル・チャーロ圧勝!! センテノの作戦は間違いではなかったけど、アレをやられるとキツい

なるほど。
チャーロ兄、圧勝ですね。
 
僕は今回の試合、ジャーマル・チャーロがミドル級のトップ戦線でやれるかの試金石になるんじゃないか? と思っていたのだが、まあ、問題なかったなと。
 
「チャーロvsセンテノ予想。センテノに圧勝すればミドル級のチャーロ兄の疑いが晴れるかな? そしてゴロフキン戦の実現を…」
 
というより、改めてフィジカル上位の優位性を目の当たりにした試合だった。
ある程度の慎重さは感じられたが、この階級でもチャーロ兄のスピード&パワーは十分に通用する。
 
「ジョシュ・テイラー出陣。ライアン・マーティンとの無敗対決。vsプログレイス戦実現に向けてがんがれテイラー」
 
まず、ウーゴ・センテノの狙いは間違いなくカウンター。
 
左右に動いて正面を外し、1発目のリードに同時打ちでカウンターを被せる。
すぐさまサイドに回り込み、ガードの外側から連打。
やや動きが直線的で、横の動きに弱いチャーロを攻略するにはいい方法と言える。
 
「ドグボエすげえな。マグダレノに圧勝やんけ。強フィジカルのカウンターでKO勝利。井上尚弥のラスボス交代か?」
 
だが、思った以上にチャーロが手を出してこず、なかなかカウンターを打つタイミングが見つからない。
ガードを上げてジリジリ近づき、自分の距離になったところでようやく最初の左。
 
カウンターを出す機会を奪われ、なおかつ正面からの打ち合いでは勝ち目はない。
常に動き続けなければならず、自分から手を出さざるを得ないセンテノ。これは本当に苦しい。
 
「小原佳太2RKO負けでWBO-AP王座陥落。ラガンベイとダブルノックダウンで立ち上がれず。でも「まさか」ではないかな」
 
そして、このままだとジリ貧になると勝負をかけた2R。
逆にチャーロの猛打に巻き込まれ、側頭部にフックを被弾してのKO負けである。
 
1発目のリードにカウンターを被せ、サイドに回って連打を浴びせる。
申し上げたように、この作戦自体は決して間違いではない。
だが、スピード&パワーの差を活かして前に出られるチャーロと、1度のミスが命取りになるセンテノでは、そもそものスタート地点に差がありすぎた。
 
たとえあの局面を切り抜けても、遅かれ早かれこういう結果が待っていたのかなと思う。
 
「ドネアvsフランプトンやっとオワタ(^▽^)/ 退屈過ぎて観てるのがしんどかった試合。いろいろキツい」
 

井上尚弥vsヨワン・ボワイヨ戦を思い出したな。フィジカル上位の側が絶対的な余裕を見せつけるパターン

また、2017年末の井上尚弥vsヨワン・ボワイヨ戦っぽくもあったかなと。
 
井上の破壊力に萎縮してジリ貧のまま終わったボワイヨと、首が回らなくなる前に勝負をかけて散ったセンテノ。
勝負が決するまでの過程はまったく違うが、フィジカル上位の大正義を見せつけられたという意味では似ている気がする。
 
「井上また圧勝。ボワイヨダメだわ。アレじゃ勝てないんですよ。S・フライ級ラストマッチも楽勝」
 
2017年12月のビリー・ジョー・サンダースvsデビッド・レミュー戦のときも思ったが、やはり持久走で当て逃げを狙うにもフィジカルは必要になる。
 
「ウィリー・モンローJr.が村田に挑戦だと!? ロサレスvsバーンズ、テクアペトラvsビーモン、モンローvsマシエル振り返り」
 
激しく動きながらも手を出せるバランスと、最低限相手を近づけさせないパンチの威力。
残念ながら、センテノにはチャーロに対抗するにはどちらも致命的に足りなかった。
 
もっと言うと、5月に予定される井上尚弥vsジェイミー・マクドネル戦も、大雑把に言えば似たような展開になるのかなと思っている。
距離感にやや苦労しつつ、最後は井上が悶絶ボディでマクドネルを大往生させる。
やっぱりスピード&パワーは大正義だったよねという切ない結果。
 
「井上尚弥がマクドネル兄と交渉中だってさ。いいんじゃないの? マクドネル。これに圧勝しちゃうと英国でも道が閉ざされるけどね」
 

チャーロ兄と村田諒太の特徴の違いが見えておもしろかった。この2人が合体すればゴロフキンにも勝てるんじゃない?

また今回の試合は、先日の村田諒太vsエマヌエーレ・ブランダムラ戦と対比する意味でもおもしろかった。
 
「チャーロ兄vsウィリー・モンローJr.キタコレ!! モンローさんが3度目の王座挑戦。自称階級最強のチャーロ兄を翻弄できるか」
 
相手の逃げ場を塞ぎ、じっくり袋小路に追い詰めていくのが得意な村田。
その反面、追い詰めたあとの決め手を欠き、試合が長引く傾向がある。
 
対するチャーロは動きがやや直線的で、左右に動く相手を持て余す。
だが、自分の得意な距離まで近づいた際の爆発力は驚異的。今のところ、真正面の打ち合いで負ける姿は思いつかない。
 
「福原辰弥vs高橋悠斗戦感想。ミニマム級の長身福原が再起戦で勝利。この長距離サウスポーは珍しくないっすか?」
 
先日のブランダムラと今回のウーゴ・センテノ。
どちらも左右に動きながらカウンターを狙うタイプで、それなりに共通点は多い。そして、その相手を仕留めるまでの過程が村田とチャーロ兄では対照的だった。
 
「亀田興毅がポンサクレックと1日限りの現役復帰戦をやるけど、2010年の亀田vsポンサクレックが意外と名試合だって知ってた?」
 
要は村田にチャーロの爆発力があれば最強だし、チャーロに村田の重厚なプレスとフィジカルがあれば最強。この両者が界王神様にポタラをもらって合体すれば、それこそゴロフキンにも真っ向勝負で勝てるんじゃないの? みたいな。
 
そんなしょーもないことを考えてしまった。
 
「鉄拳爆発!! ジャーマル・チャーロがテクニシャンウィリアムスを豪腕で沈める!! 5RKOで2度目の防衛に成功」
 

チャーロもサンダース戦に備えてんの? 言ってもしょうがないけど、もう少しパワーファイターとのマッチメークが観たい

しかし改めて思うのが、村田も今回のジャーマル・チャーロも着々と準備を進めているなと。
ビリー・ジョー・サンダース戦に向けて。
 
村田はハッサン・ヌダム・ヌジカム、エマヌエーレ・ブランダムラというアウトボクサーとの壮絶な鬼ごっこを制し、動き回る相手への経験値を爆上げ。
次戦で対戦が噂されるエスキバ・ファルカオに勝てばサウスポー対策も完璧で、打倒ビリー・ジョーに向けて隙は見当たらない。
 
「村田再戦で勝利!! 絶不調のエンダム(ヌジカム)にTKO勝ちでミドル級戴冠。疑惑の判定から因縁に終止符を打つ」
 
一方チャーロ兄はミドル級初戦でサウスポーのセバスチャン・ヘイランドを圧倒し、今回は動き回るセンテノに何もさせずに完勝。
何より、S・ウェルター級時代にオースティン・トラウトを下しているのは大きい。こちらもビリー・ジョー戦への準備は万全と言える。
 
「チャーロ兄ジャーマルがトラウトを撃破!! フィジカルモンスターが階級屈指のテクニシャンを力技でねじ伏せる」
 
などと言っているが、やはり両者ともにもう少しパワフルな相手とのマッチメークが観たい。
 
村田もチャーロもvsゴロフキンを口にしつつ、実際にやっていることといえば、フィジカル重視の鬼ごっこ。
 
「エマヌエル・ロドリゲスなかなかいいっすね!! ポール・バトラーを寄せつけず。井上尚弥vsペッチバンボーンだったな」
 
現状のミドル級の層の薄さを考えると仕方ないといえば仕方ないのだが、もう少し至近距離でのスリリングな打ち合いが観たいなと。
チャーロ兄で言えば、せめてカーティス・スティーブンスくらいは吹っ飛ばしてほしい。
 
「レミュー左フック一閃!! スティーブンスがスヤッスヤ。マザーの胸で安らかに眠れ。ひげ面の勇者が担架の上で十字を切る」
 
というか、本来はこういうときこそキャッチウェイトだろという話なのだが。
それこそ村田などは、S・ミドル級で暇しているヤツ(ピーター・クィリンとか)を捕まえてキャッチウェイトでのテストマッチを組んでもいいと思う。
 
「ロマゴンサスペンド!? 神経学的検査って? その他、エスカンドンvsニャンバヤル、京口vsパラス、アンカハスvsスルタン振り返り」
 
Aサイドの選手が対戦相手に無理な減量を強いる戦略的なキャッチウェイトは嫌われるが、こういうのは全然アリ。むしろ前哨戦などでは◯◯契約という試合は普通にあるし、おかしなところは見当たらない。
 
言ってもしゃーないですけどね。
 
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