亀田京之介vs奈良井翼、ティム・チューvsスパーク、ルビンvsロサリオ振り返り。京之介はあそこで打ち合いにいったのが素晴らしい【結果・感想】

亀田京之介vs奈良井翼、ティム・チューvsスパーク、ルビンvsロサリオ振り返り。京之介はあそこで打ち合いにいったのが素晴らしい【結果・感想】

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ここ最近、ガチでボクシングの情報を追えておらず、まったく世間の流れについていけていない。
 
くだらないゴタゴタの末に統一戦をトバしたWBO世界バンタム級王者ジョン・リエル・カシメロがWBA同級正規王者ギジェルモ・リゴンドーと対戦することが正式決定したのは知っているが、それ以外は完全に置いてきぼりを食らっている。
 
カシメロ陣営のやらかしでドネアが撤退。取り巻きが出しゃばるとロクなことにならんよな。伊藤雅雪vs細川バレンタイン、コルバートvsニャンバヤル
 
確かヘビー級3団体王者のアンソニー・ジョシュアと元クルーザー級4団体統一王者オレクサンドル・ウシクの対戦が発表されていた気がするが、あまり興味がないせいでよく知らない。
 
 
そんな中、興味があったいくつかの試合をようやく視聴したのでその感想を。
中には1ヶ月近く前の試合もあるが、そこは大目に見ていただくということで。僕の置いてきぼり加減を考慮してもらえれば幸いである()
 

○エリクソン・ルビンvsジェイソン・ロサリオ×(6R1分42秒TKO)

まずはこの試合。
 
2021年6月26日(日本時間27日)に米・ジョージア州で行われたWBC世界S・ウェルター級1位のエリクソン・ルビンと元世界同級2団体統一王者ジェイソン・ロサリオによるWBC同級挑戦者決定戦。
 
どちらも現3団体統一王者ジャーメル・チャーロに敗れた経験を持ち、この試合に勝利した方が再浮上のチャンスを得る流れ。
 
感想としては、純粋におもしろい試合だった
 
一見すると6RTKOで勝利したルビンの圧勝に思えるが、必ずしもそうではなく。
特に序盤はロサリオの攻勢がルビンを後退させるなど一進一退の攻防が続き、中盤には左右のカウンターでルビンが腰砕けになるシーンも。
 
お互いが持ち味を発揮した好試合と言えるのではないか。
 
 
ただ、その中でも優勢だったのはルビンの方。各ラウンドごとに常にルビンが一歩リードしていた印象である。
 
前手の右でロサリオの前進を止め、鋭い左をまっすぐ顔面に。
やや射程の短いロサリオに得意な距離を作らせず、的確なヒットによってわずかずつ疲弊させていく。
 
僕自身、エリクソン・ルビンという選手はこの階級ではかなりいいと思っていて、それこそチャーロやカスターニョといった王者クラスにも匹敵するのではないかというほど。
エンジンの小ささが少々気になるものの、今回の試合などを観るとやっぱりいいなと思わされる。
 
 
だが、2017年10月のジャーメル・チャーロ戦でのワンパンKOのような事態はどうしても起こり得るのだろうと。
若干ガードが低いサウスポーのルビンに対し、遠間からの踏み込み+瞬間的なアドリブが得意なチャーロ弟。
 
左を撒き餌にしながら右のタイミングを刷り込み、相手の警戒心を上に向けさせたところでいきなり下の軌道からズドン。
 
ルビンのようにガードの低いタイプは防御をダッキングに頼る分、相手から目を切る瞬間がどこかで必ず生まれる。そこに同じタイミングで角度を変えたパンチが飛んでくれば、当然被弾の確率は上がる。
 
チャーロ弟とかいう強化版カシメロ。カスターニョと大激戦の末にドローで4団体統一ならず。でも、おもしろい試合だったね
 
WOWOWエキサイトマッチのジョー小泉がチャーロ戦でのルビンの負けを「アンラッキーパンチ」と評していたが、あれを不運と断言してしまうようならボクシング解説者など即刻辞めた方がいい。
ライブスポーツの解説者としてはとっくの昔に限界がきているジョー小泉だが、ここまで無能ではもはや目も当てられない。
 

○ティム・チューvsスティーブ・スパーク×(3R2分22秒TKO)

続いてはこの試合。
 
2021年7月7日に豪・ニューカッスルで行われたWBOグローバルタイトルマッチ。同級王者でWBO世界S・ウェルター級1位のティム・チューが豪州同級1位のスティーブ・スパークと対戦、チューが3RTKOで勝利した一戦である。
 
 
伝説の王者コンスタンチン・チューの息子として注目を集めるティム・チュー。
 
今回も国内ランキング1位の強豪を相手に圧巻の3RTKO勝利!!
 
と言いたいところだが、実際にはちょっと危ない試合だった気がする。
 
というより、相手のスティーブ・スパークが普通に強かった上にガチで勝ちにきていたのがよかった。
 
開始直後からチューの豪打にビビらず真正面で対峙し、自ら距離を詰めて腕を振っていく。
チューの腕が伸びる位置で向かい合うのは危険だと判断したのだと思うが、あの豪打に飛び込む勇気と躊躇のないフルスイングはなかなかよかった。
 
純粋な馬力の差、1発1発の威力の差で1R後半あたりで息切れしてしまったが、やろうとしていたことは悪くない。
コンビネーションにもう少し精度が伴えば、割とガチで何かを起こせる可能性もあったのでは? というくらい。
 
実際、スパークのがんばりによって打ち終わりの復元力のなさ、接近戦でのトロさといったチューの欠点も見えましたからね。
 
これまでは持ち前の強フィジカルと父親譲りの貫通力のあるパンチでいっさい相手を寄せ付けなかったチューだが、今回はひょっとしたら何とかなるかも? という綻びを感じさせた。
 
 
というか、この選手はそろそろ自国を出たいですよね。
恐らく国内では今回のスティーブ・スパークが最高クラスの相手だろうし、他国から連れてくるにしても王者やそれに匹敵する選手以外でまともに相手が務まるかは疑問。
 
WBAインターコンチネンタル王者のスレイマン・シソコなんてどうよ? とも思ったが、さすがにWBOグローバル王者とWBAインターコンチネンタル王者が絡むのは無理があるか……。
 
僕のスレイマン・シソコ!! 鋭い左と距離感。でもトップレベルと比べて若干バネが足りないかな…。キーロン・コンウェイもがんばってたな
 

○亀田京之介vs奈良井翼×(2R2分49秒KO)

そしてラストはこの試合。
 
2021年7月23日にエディオンアリーナ大阪で行われた日本ユースS・フェザー級王座決定戦。亀田京之介が日本同級15位の奈良井翼を2RKOで下し、王座戴冠を果たすとともに日本ランキング入りを確実にした一戦である。
 
この試合は僕も前から注目していて、「亀田京之介も結構危ないのでは?」と思っていたところ。
どちらが勝つかは何とも言えないが、とにかくおもしろい試合になることは間違いなさそう。


で、どうにかして試合を観る方法はないものかと探したところ……。
「BOXING RAISE」で配信があることを知り、久しぶりに登録してみた次第である。
 
いや、すごかったですね。
奈良井翼は間違いなく強い選手だし、その奈良井をKOした亀田京之介はさらにすごい。
僕自身、結果を知った状態で視聴したのだが、それでも2Rの攻防には思わず声が出てしまったほど。
 
「ハードパンチャー同士の真っ向勝負はこれがあるからおもしろい」という見本のような試合だった。
 
特に自ら前に出て打ち合った2Rの亀田京之介はめちゃくちゃよかったと思う。
 
2R序盤、亀田をコーナーに追い詰めた奈良井が一気に踏み込む。
だが次の瞬間、低い姿勢から打ち込んだ亀田の右がカウンターでヒット。このパンチで一瞬動きを止めた奈良井に対し、亀田はスルッと身体を入れ替えコーナーから脱出。と同時にクリンチにくる奈良井を強引に引き剥がす。
 
レフェリーによるブレーク→再開直後に亀田がガードを上げて自ら前進し、中間距離での打ち合いを挑む。
対する奈良井もこれに真っ向から応戦。両者の危険なパンチが交錯するド迫力の展開に。
 
そしてラウンド後半。
リング中央で亀田の左フックが奈良井の顔面を捉え、そのまま押し倒すようにダウン→10カウントが数えられてのKO勝利!!
 
 
マジな話、あの局面で打ち合いを選択するというのは今までの亀田にはなかった気がする。
 
デビュー戦でKO負けを喫して以降、どちらかと言えばカウンター中心のアウトボックスに傾倒していた亀田だが、今回に関してはまったくの逆。相手に力が残っている状態でも躊躇なく打ち合いを挑んで倒し切ったのはお見事としか言いようがない。
 
2019年12月の前田稔輝戦では最後まで足を使った末に判定負けを喫したが、今回は同じハードパンチャーの奈良井相手に打ち合いの末にKO勝利。
ああいう勝負どころでの思い切りのよさは絶対に必要なものだし、得意のカウンターにあの力強さが加わればさらに一段上に行けるかもしれない。
 
実は僕はリゴンドーのことが大嫌いなんですよ。僕のジェイソン・モロニー再起成功。ウォーレン、ロドリゲスvsラッセル、コンラン、前田稔輝振り返り
 
一方、敗れた奈良井翼についてだが、今回は仕方ない。
ハードパンチャー同士が真っ向から打ち合えばどこかで倒されることはあるし、当然逆の結果になっていた可能性もある。
悔しい負け方には違いないが、切り替えて次に向かっていただければと思う(勝手なことを言うな)。
 
 
まあでも、アレか。
この選手は亀田京之介ほど射程が長い+鋭いカウンターを打つ相手と遭遇したのは今回が初めてだったのではないか。
 
2Rのコーナーでの右カウンターなどは特にそう。過去の試合をいくつか漁ったが、あのタイミングでカウンターを打ち返してくるような相手は見当たらなかった。
 
また、強引にこられるとタジタジになるシーンが目についたことも事実。そう考えると、真っ向からの打ち合いはむしろ奈良井にとって不利だったと言える? のかも?
 
もちろんあの局面で前に出る選択をした亀田京之介が素晴らしかったというのが大前提だが。
 
 
どちらにしても両者ナイスファイト。
冗談でも何でもなく、先日の佐々木尽vs湯場海樹戦に匹敵する好試合だった。
 
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うん。やっぱりユースタイトルすごいっすね。
ハイレベルかつ荒削りな若手同士がぶつかることによって、“洗練される一歩手前”みたいな激闘が生まれやすいのかもしれませんね。
 
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