病的に動きの悪いウォーリントン、平然と体重超過のジョジョ・ディアス、ずんぐりむっくりのブンブン丸カスターニョ。先週末振り返り【感想】

病的に動きの悪いウォーリントン、平然と体重超過のジョジョ・ディアス、ずんぐりむっくりのブンブン丸カスターニョ。先週末振り返り【感想】

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ここのところ微妙に忙しいせいでボクシングの流れをあまり追えていないのだが、今回は日曜日にDAZNでO.A.された試合の中からいくつか取り上げてみたいと思う。
 
 
ちなみに僕が知っている情報としては、2月末に予定されていたWBO世界S・フェザー級タイトルマッチ、ジャメル・ヘリングvsカール・フランプトンの一戦がフランプトンの負傷によって延期となったこと。
 
またジョセフ・ディアスJr.と引き分けたシャフカッツ・ラヒモフと尾川堅一にIBF世界S・フェザー級王座決定戦の指令が出たことくらい。
 
 
“暇こそ至高”をポリシーとする(?)僕としては、プライベートが忙しいというのは屈辱以外の何ものでもないが、この状況が早く収束することを願いつつ感想を言っていくことにする。
 
佐川遼vs丸田陽七太がめちゃくちゃおもしろかった。左の精度と右のカウンター。ちなみに「LEGEND」はいっさい観ておりません
 

×ジョシュ・ウォーリントンvsマウリシオ・ララ○(9R54秒TKO)

まずはこの試合。
 
ジョシュ・ウォーリントンがビッグマッチ実現のために2018年から保持していたIBF王座を返上して挑んだノンタイトル12回戦。
 
相手のマウリシオ・ララは22歳の若手ながらも21勝2敗15KOのキャリアを持つ強豪だが、これまで目立った戦績はない。ウォーリントンにとっては調整試合と思われていた一戦である。
 
ところが……。
 
結果はまさかのマウリシオ・ララの9RTKO勝利。
 
序盤から目いっぱい腕を振るララのスイングにウォーリントンはあっさりと捕まり、4Rと9Rにダウンを奪われた上での敗戦。予想外のアップセットに多くのファンを驚かせている。
 
中谷正義vsロマチェンコ戦が今夏? テオフィモ→ベルデホの次のロマチェンコって、完全に1人UFC状態やな。でも、もう少し分散してもいい気も…
 
まず試合を観て思ったのが、ウォーリントンの動きがあまりにも悪かったということ。
 
開始直後から一直線にララに襲いかかり、全力で腕を振るウォーリントン。
 
だが、なかなか足腰が決まらず、そのせいでパンチにまったく体重が乗らない。
打ち終わりを狙うララのフルスイングをカウンターで浴び、3R中盤あたりで早くも失速する流れに。
 
もともとこの選手は「1発の威力はないが、それを豊富な手数と左右への動きで補う」タイプ。
高いガードをキープしたまま至近距離で動き回って手を出し続け、相手に反撃のタイミングを与えないスタイルを持ち味とする。
 
ところが今回はその特性が発揮されることはなく。いきなりフルスロットルで真正面から打ち合う玉砕ファイトを敢行するも、身体に力が入らず容易に反撃を許してしまう。
 
正直、ここまで動きの悪いウォーリントンを観たのは初めて。
あれだけ連打を浴びても躊躇なく両腕をぶん回すマウリシオ・ララもかなりいい選手だったと思うが、それ以上にウォーリントンのコンディションの方が印象に残ってしまった。
 
新型コロナウイルスによるブランクの影響があったかどうかは不明だが、もはや健康体に見えないくらい。


例えるなら漫画「はじめの一歩」の鷹村守が減量に失敗した状態でモーリス・ウェスト(世界前哨戦)と戦ったときのイメージ。
あの試合の鷹村は客席にブライアン・ホークを見つけた直後に底力を引っ張り出したが、残念ながら今回は無観客。
仮に客席にゲイリー・ラッセルJr.がいれば、ウォーリントンにも逆転の芽が生まれたのかもしれない(そんなわけあるかw)。
 

×パトリック・テシェイラvsブライアン・カルロス・カスターニョ○(判定3-0)

お次はこの試合。
 
前戦で無敗のカルロス・アダメスを僅差判定で下して初戴冠を果たしたパトリック・テシェイラの初防衛戦。
挑戦者のブライアン・カスターニョは身長、リーチともに171cmという、この階級では小柄な部類の選手。だが、戦績はここまで16勝12KOと全勝をキープしている。
 
正直、僕は両者の名前を聞いてもピンとこず、大した期待もせずに視聴をスタートしたところ……。
 
ブライアン・カスターニョのロマン溢れるボクシングに見入ってしまった次第である。
 
いや、すごかったっすね。
上背もなく手足も短いずんぐりむっくり体型ながら、長身のテシェイラ相手にいっさい怯むこともなく。
 
高いガードで前手のジャブをさばきながらノシノシと近づき、ガードの上でもお構いなしにゴンゴン腕を振る。
中でも打ち終わりの瞬間にカウンター気味のフックで打ち合いに巻き込む流れはめちゃくちゃスムーズ。
自分よりも背の高い相手との対戦に慣れっこなのだと思うが、自分の特性をよく理解した選手という印象である。
 
ああ、なるほど。
どこかで聞いたことがある名前だと思ったら、2019年3月にエリスランディ・ララと引き分けた選手なのね。
無造作に近づいて両腕を振り回すスタイルは確かにvsサウスポーにも有効に思える。
 
危ないタイミングでカウンターをもらうシーンが目につく上に燃費も悪そうだが、とにかくすごい。あの馬力と思い切りのよさはどことなく日本の勅使河原弘晶っぽさがあるというか。
もう少し強弱をつけられればさらに一段上にいけるのでは? とも思ったり。
 
比嘉大吾、勅使河原弘晶、中谷正義が移籍。有力選手の首都圏への一極集中? 選手の移籍自由化で苦戦する? 後楽園ホールの存在はデカいよね
 
なお敗れたテシェイラだが、こちらはこの階級で王座を防衛するにはややフィジカルが足りなかったか。
 
開始直後からカスターニョのアタックに面食らい、2Rの後半にはすでに顎が上がる。
中盤から後半にかけて接近戦に切り替えたものの、カスターニョの馬力を抑えきれずに最後はダウン寸前まで追い込まれてしまうという。
 
自分ができることを全力でやり尽くしたとは思うが、全体的にスケール不足だったなぁと。
 

△ジョセフ・ディアスJr.vsシャフカッツ・ラヒモフ△(判定1-0)

ラストはこの試合。
 
上記のテシェイラvsカスターニョ戦と同興行、メインで行われたIBF世界S・フェザー級王座決定戦である。
 
なおこの試合は前日計量でディアスJr.が3.6ポンドの体重超過を犯したため、ラヒモフが勝利した場合のみ新王者となる契約で行われている。
 
 
試合はどっしりと構えてカウンターを狙うディアスに対し、ラヒモフは豊富な手数と左右への動きで対抗。1発1発の威力はそこまでではないものの、手数とフットワークで試合のペースを取りにいく。
 
だが、タイミングと威力を両立したディアスのカウンターはすこぶる見栄えがいい。体重超過のせいもあってか、身体も一回り大きい。
ラヒモフの細かいパンチをもらってもビクともせず、逆に1発のフルスイングですべてをチャラにしてしまう。
 
 
ジョジョ・ディアスという選手は若干攻防分離気味なところがあり、ハンドスピードのある選手についていけない傾向が目立つ。元ライト級王者のブランドン・リオスと少し被るというか、この試合でもラヒモフの連打に防戦一方になるシーンも。
 
と言っても決して手数が少ないわけではなく、得意な間合いでは一気に回転力が上がる。だが、それを発揮するには至近距離まで近づく必要があり、その前に相手の危険地帯を踏み越える作業が生じる。
 
今回もパワフルな連打でラヒモフを追い詰める時間帯もあったが、それ以上にガードに手一杯で反撃まで手が回らないケースも目立っていた。
 
 
ただ、個人的にジョジョ・ディアスはかなりいい選手だと思っていて、中でもカウンターのタイミングは抜群。
2018年5月のゲイリー・ラッセルJr.戦は僕の中での隠れ名試合に認定されている。
 
「Russell vs Diaz Full Fight: May 19, 2018」
 
それだけに今回の体重超過は残念だし、フェザー級時代のキレがなくなりつつあることももったいない。期待していた分、28歳にして下降線に入りかけている今の状況は何とも言えないものがある。
 
 
一方のシャフカッツ・ラヒモフについて。
この選手は今回初めて観たのだが、こちらもかな〜りいい選手だった(気がする)。
よく動く足と豊富な手数に加え、カウンター狙いで待ち構えている相手の懐に飛び込んでいく勇気、その他。
 
短いラウンドを全力で駆け抜けるスタイルをプロ仕様にカスタマイズしたのだと思うが、こりゃあなかなか強えぞと。
前傾姿勢で左右に動きながら連打を出す感じは少しだけロブ・ブラントっぽさもあった気が……。
 
 
なおこの試合の結果を受けて、ラヒモフと日本の尾川堅一にIBFから王座決定戦の指令が出たとのこと。
 
日本拳法をバックボーンに伸びる右ストレートを武器とする尾川堅一と、手数とフットワーク、折れない心のラヒモフ。
尾川堅一は身体の馬力もある上にvsサウスポーに滅法強い。だが、禁止薬物陽性での出場停止明け以降、やや精彩を欠いている印象だが、その辺どうなのよ? といった感じか。
 
まあでも、直近の西谷和宏戦はなかなかいい動きをしていた覚えがある。3Rにダウンを奪われたものの、前後の出入りに加えて左の多彩さがアップしていたような……。
 
尾川堅一ピンチか? ラヒモフは強敵だし尾川はボクシングが上達しちゃったんだろな。あと、金髪は似合わんよw
 
ラヒモフがタジキスタン出身であること、拠点がロシアであることを考えると日本開催が妥当な線か。
 
てか、ドーピングや体重超過はもちろんだが、結局“2週間の隔離期間”がある限りいまいちテンションが上がらないことも事実。
海外の選手を呼ぶ際は必ずその部分がネックになるわけで、個人的にはそこを早急にクリアしていただきたい。
 
前回の中谷潤人vsジーメル・マグラモ戦の情報を聞く限り帝拳ジム主導ならある程度大丈夫だとは思うが、少なくともタノンサック・シムシーのような不幸は二度と起こしてほしくない。
 
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