カネロvsコバレフ。ちょっと待て、この試合ホントにやるのか? カネロに勝算? マジで言ってんのか?【予想・展望】
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サウル・“カネロ”・アルバレスvsセルゲイ・コバレフのWBO世界L・ヘビー級タイトルマッチが迫っている。
「カネロがコバレフを失神KO! スターってこういうことだよな。ここぞの勝負で予想を超えてくる」
2019年11月1日(日本時間2日)に前日計量が行われ、挑戦者カネロは174.5ポンドでクリアしたが、王者セルゲイ・コバレフはリミットの175ポンドを0.25オーバー。1時間以内の再計量で175ポンドを計測し、無事クリアしたとのこと。
ミドル級からいきなり2階級アップしてのタイトルマッチとなるカネロ。試合間隔が約2ヶ月の王者コバレフを相手にどう戦うかに注目が集まる。
なお、この試合は当日朝の計量でリバウンド幅が185ポンドを超えた場合、罰金の契約があるとのこと。
「ノニト・ドネアが井上尚弥に勝つには? ドネアに勝ってほしいんだけど、井上尚弥が負ける要素が見当たらない件」
カネロvsコバレフホントにやるんすか? 無茶が過ぎませんか? 別にいいけど
カネロvsコバレフという2019年最大? のビッグマッチが目前に迫っている。
以前から申し上げているように、僕はセルゲイ・コバレフという選手が大好きである。
2013年に初めて観たときから「何コイツ、クソカッコいい」と思って以降、どの試合も問答無用でコバレフを応援してきた。
はっきり言って、現役選手の中で一番好きな選手といっても過言ではない。
当然今回の試合もコバレフを応援することになるわけだが、いや、ちょっと待てよと。
僕はコバレフ同様、カネロのことも嫌いではない(むしろ好き)が、さすがにこの試合は無茶じゃないっすか?
身長173cm、リーチ179cmのカネロに対し、コバレフは身長183cm、リーチ184cm。
数字上は上背10cmの差ではあるが、改めて見るとこの差はなかなか……。
That height difference 😯#CaneloKovalev pic.twitter.com/hbHhBqxiFU
— DAZN USA (@DAZN_USA) October 30, 2019
🇲🇽 Saturday Night's Main Event 🇷🇺#CaneloKovalev pic.twitter.com/jpmYGtdtcF
— DAZN USA (@DAZN_USA) November 1, 2019
決して上背だけで勝負が決まるなどとは言わないが、あまりにも体格が違い過ぎて……。それこそ「この試合、ホントにやるんすか?」と聞きたくなってしまうくらい。
2018年末の那須川天心vsフロイド・メイウェザーの試合は一種のレクリエーションとして大いに楽しんだが、この試合に関しては「ちゃんと楽しくなるの?」という気持ちが湧いてきている(今さらだけど)。
「メイウェザーが神である理由。「カネロ戦はイージーだった」。ビジネスはセンスとタイミング。そして、何より意思の強さ」
しかも、カネロは将来的にクルーザー級進出を目論んでいるとかいないとか。
そこまでいくともはや笑うしかないのだが、いったいどうしちゃったのよww
S・ウェルター級→ミドル級の際は2年くらいかけてじっくり準備したのに。手術した膝の状態もあまりよくないと聞くし、いくら何でも生き急ぎ過ぎじゃないっすかね。
まあ、いいけどさ。
チャベスJr.、フィールディング、ジェイコブス。一応カネロは体格差のある相手との対戦に勝利している。でも…
試しにカネロの過去の戦績から体格差のあった相手を振り返ってみると、
・2017年5月フリオ・セサール・チャベスJr.
→身長185cm、リーチ185cm
・2018年12月ロッキー・フィールディング
→身長185cm、リーチ190.5cm
・2019年5月ダニエル・ジェイコブス
→身長182cm、リーチ185cm
一応、数字上ではコバレフ以上の体格差をクリアしてきていることになる。
ただ、チャベスJr.vsカネロ戦はS・ミドル級とミドル級の間のキャッチウェイト契約だったせいで、無理な減量を強いられたチャベスJr.はまともに動くことができず。12Rを通してキャスター付きの冷蔵庫と化す事態に。
ロッキー・フィールディングvsカネロ戦はそれなりに期待感があった(僕の中では)ものの、フィールディングはなぜか開始直後から自らインファイトを仕掛け、カネロのもっとも得意な土俵で撃沈。
・チャベスJr.→冷蔵庫をタコ殴りにするのって楽しいな
・フィールディング→ロッキー・フィールディングとは何だったのか
体格差が大きかったとはいえ、正直あまり参考になるとは思えない。
「カネロのボディでロッキー・フィールディング堕ちる。って、久々の「◯◯とは何だったのか?」案件きたな」
また、今年5月のダニエル・ジェイコブス戦に関しては、とてもじゃないがお世辞にも圧勝とは言えず。実はカネロの負けだったという声もあるくらいである。
当日計量の罰金を受け入れ大幅なリバウンドを敢行したジェイコブスが、リーチ差、体格差を利用してひたすらテクニカルな打ち合いに徹した試合。
要所で見所のあるシーンもあったものの、全体を通してみればジェイコブスがカネロのよさを消し去ったと言っていい。
For The Last Time Until May. ⏳#CaneloJacobs pic.twitter.com/MI34fl9cvp
— DAZN USA (@DAZN_USA) March 5, 2019
ブックメーカーの賭け率、カネロが4倍? ジェイコブスよりも硬くて重い左がゴロフキンよりも高い位置から飛んでくるんだぜ?
上記を踏まえた上で両者の過去の試合を観てみたのだが……。
う〜ん、マジでどうなんだコレは。
僕にはカネロが勝つ要素がどこにも見当たらないのだが。
ブックメーカーの賭け率ではカネロが4倍ほどリードしているらしいが、本気でそう思っているならリアルに謎。計量時のカネロの余裕のある表情を見ると、僕のような無能には理解できない秘策でもあるのか? と思えてくるくらい。
前戦のカネロはジェイコブスの左に身体を揺らされるシーンが目立ち、何度も前進を寸断されている。
左の連打で動きを止められ、ガードの上から左右フックを浴びる。
その間にジェイコブスはバックステップで距離を取り、再び中間距離で対峙。
基本的にカネロはカウンターを得意とするタイプで、追い足がある方ではない。
ジェイコブスの「ガードの上を連打→バックステップ」の動きに追いつけずに最後まで攻めあぐねた結果、僅差の判定勝利という結果に終わっている。
「カネロがジェイコブスに辛勝。相手のよさを消すのが得意なジェイコブス」
そして、コバレフのジャブはジェイコブスよりもはるかに重く硬い。
ナチュラルなスタンスから無造作に出した左が顔面をとらえ、被弾した相手はどんどん疲弊していく。
しかも重量級とは思えないほど動きも軽く、力強いバックステップからのカウンターも効く。
前戦のアンソニー・ヤード戦ではガードの低いヤードの顔面を再三跳ね上げ、出力が落ちた後半も左リードを中心に最後までペースを渡さず。見事な11RKO勝利を飾っている。
ヤードと同様、ガードが低く見切り中心のカネロにとって、コバレフのようなタイプは相性最悪に思えるのだが。
というか、ゲンナジー・ゴロフキンとの2戦でもゴロフキンの左に相当苦労してたからね。
今回はあの左よりも重くて硬いヤツがさらに高い位置から飛んでくるわけで。追いかけようと思った瞬間、サッとバックステップして距離をとるわけで。
冗談でも何でもなく、中盤から後半にかけてのノーマスすらあり得るのではないか。
両者の特徴を見直す。カネロは後半勝負だと思うけど、今のコバレフに通用するかな?
両者の特徴を適当に挙げてみると、
セルゲイ・コバレフ
●長所
・殺傷力が高く長い左ジャブ
・1発で戦意を喪失させる右
・動ける重量級
・バックステップしながらのカウンター
・コーナーでの反則的なラッシュ
●短所
・中盤から高確率でスタミナ切れを起こす
・ペースが落ちた際になかなか盛り返せない
・ボディが弱点
・前回の激闘から約2ヶ月
カネロ
●長所
・カウンターからの連打が得意
・左ボディを含めたインファイトが大得意
・上体のクネクネディフェンスは秀逸
・ド派手な動き、見た目のよさによる判定力
・謎の打たれ強さ
●短所
・絶対的に上背が足りない
・追い足がない
・中盤から高確率でスタミナ切れを起こす
だいたいこんな感じだろうか。
恐らくカネロ陣営は「前半を何とかしのげば後半にチャンスはある」「近づいてのボディ→オーバーハンドの右を打ち込めればダウンさせられるかもしれない」と考えているのだと思う。
とはいえ、エレイデル・アルバレスにKO負けを喫して以降のコバレフは、安全圏から左中心で削るスタイルへの傾倒が見られる。
前半の体力消費も最小限に抑えられ、後半になっても同じペースをキープすることが可能。個人的にはこれがヤード戦でのセカンドウィンドを引っ張り出す大きな要因にもなったと思っている。
「これが僕のコバレフ! ヤードに苦戦しつつも11RKO勝利で初防衛に成功。最高にカッチョいい」
試合間隔を考えると、やはりコバレフの判定勝利が妥当かなぁ。ってか、勝たなきゃダメだよね
一応、コバレフがヤードとの激闘から約2ヶ月ということを加味すると、そこまでいいコンディションでリングに上がれるとは思えない。1度目の計量で体重超過したと言うし、中盤以降の落ち込みは今まで以上だと想定できる。
仮に前半5Rまでをすべてコバレフが取ったとしても、そこからの7Rをカネロが6-1でいければポイントでは並ぶ。そこに持ち前の判定力が発揮されれば、スプリットデシジョンでまくることは可能。
何となくだが、カネロ陣営はそこまで計算しているのかなぁと想像する。
とはいえ、コバレフが後半のラウンドをすべて奪われるとはさすがに考えにくい。仮にカネロにペースを握られたとしても、何ラウンドかはコバレフに流れるはず。
前半をカネロが防御主体でしのぎ、後半からペースアップ。9Rまでは調子よく追い上げるがラスト3Rでペースダウンする。それに伴い、息を吹き返したコバレフが左中心で攻め、カネロをコーナーに追い詰めてラッシュを浴びせる。
だが、カネロもロープ際の上体反らしを駆使してコバレフの打ち疲れを誘い、そのままタイムアップ。
結果は2-1の判定でコバレフ勝利。非常に大雑把ではあるが、こんな流れを予想しておく。
仮にカネロが初回から攻撃的に出た場合はコバレフがカネロをストップする結末もあり得るのではないか。
「ベテルビエフvsグヴォジク何やコイツら気持ち悪っw フィジカルの暴力と超絶カウンター」
いや、もうね。
前回も申し上げたが、この試合は絶対にコバレフが勝たなきゃダメなヤツ。選手の好き嫌いはともかく、さすがにカネロが勝つのはいろいろな意味でアカンと思う。
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