カネロがジェイコブスに辛勝。相手のよさを消すのが得意なジェイコブス。カネロ打倒一番手はまさかのアイツ?【結果・感想】

カネロがジェイコブスに辛勝。相手のよさを消すのが得意なジェイコブス。カネロ打倒一番手はまさかのアイツ?【結果・感想】

ラスベガスイメージ
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2019年5月4日(日本時間5日)、米・カリフォルニア州ラスベガスで行われたWBC、WBA、IBF世界ミドル級王座統一戦。WBC&WBAスーパー王者サウル・“カネロ”・アルバレスがIBF王者ダニエル・ジェイコブスと対戦。3-0(116-112、115-113、115-113)の判定で勝利し、3団体統一に成功した一戦である。
 
 
序盤からガードを高く上げ、ジリジリと距離を詰めるカネロ。それに対し、ジェイコブスはサイドに大きく動きながら細かいジャブを返す。時おりサウスポーにスイッチするいつものスタイルでカネロにペースを掴ませない。両者大きな山場のないまま淡々と試合が進む。
 
中盤に入ると、ジェイコブスがラウンドごとに右、左とスイッチしながらカネロの出足を止める。
オーソドックスで構えた際は至近距離で打ち合い、サウスポーにスイッチした際は距離をとってのアウトボクシング。一回り大きなフィジカルを活かしてカネロをロープに押し付けるシーンも。
 
だが、要所で見栄えのいいパンチを浴びせたカネロが着実にポイントを重ね、最終的には僅差の勝利。期待されたビッグファイトにはならなかったが、DAZNとの大型契約3戦目を勝利し、ミドル級王座統一に成功した。
 
カネロがカラム・スミスに完勝。階級屈指のビッグマンがカネロに蹂躙される現象を“ロッキー・フィールディングの呪い”と名付けよう
 

期待はずれと言われてるみたいだけど、僕はおもしろかったんだよね。ジェイコブスの研究の成果がよく見えて

DAZNでO.A.されたカネロvsジェイコブス戦をようやく観たので、その感想を。
 
ちょろっと耳に挟んだ情報では「期待はずれ」「盛り上がりに欠けた」という意見が多かったのだが、個人的にはかなりおもしろかったww
 
いや、別に僕の見る目があるとか、みんなが気づかない部分での技術戦を楽しんだとか、そういうイキった話ではなく。思った以上にジェイコブスがカネロを研究、工夫してきた成果が見られてよかったなぁと。
 
2017年のゲンナジー・ゴロフキン戦でも思ったが、ダニエル・ジェイコブスという選手は本当に相手のことをよく研究する。自分の長所短所と相手の長所短所を比較し、どの部分で勝機があるかを考える。そして、何度もシミュレーションを繰り返して本番に臨むのだと想像する。
 
また、その作戦を最後まで遂行するメンタルの強さ。ゴロフキン戦でも試合終了後はロープにもたれるほど疲労困憊だったし、今回も前に出て打ち合いたい気持ちを抑えているのがよく伝わってきた。
 
カネロ勝利という結果に文句はないが、それ以上にジェイコブスががんばった試合だった気がする。
 
「ゴロフキンvsデレフヤンチェンコ予想。デレフヤンチェンコって結構いいよね?」
 
会場にいたゴロフキンのコメントもよかったよね。
「いい感じのスパーリング」
「退屈だった」
だっけ?
 
個人的にこの選手が聖人君子扱いされているのに違和感があったのだが、カネロに黒星をつけられたことで吹っ切れた感が強い。守銭奴っぷりも板についてきたし、自分を取り繕わない最近の姿勢は嫌いじゃないww
 

左右のスイッチを繰り返し、インファイトと遠い位置での差し合いを使い分ける。疲労気味のカネロが印象的だった

実際の試合についてだが、申し上げたようにジェイコブスの研究の成果が山ほど詰まった試合展開だった。
 
常に左右に動いて正面を外し、遠い位置から左を伸ばす。ジェイコブスは身体を伸ばすようなフォームで打つので、ある程度距離があってもパンチが届く。インファイトが得意なカネロの危険地帯に極力立ち入らない作戦。
 
また、中盤からはラウンドごとに右構え、左構えを切り替えていたのもよかった。
右構えの際には近場で打ち合い、左構えの際には遠い間合いで。
 
カネロの得意な左ボディをとことん警戒し、右ガードの位置には細心の注意を払う。その分、ダイナミックな右ストレートは出ないが、コンビネーションの起点となる左を自由に打たせないことでカネロのインファイトでの危険度を大幅に低下させていた気がする。
 
一回り大きな体格を目いっぱい利用し、リング中央でのもみ合いではカネロを押し込むシーンもあり。デカくて動けるヤツの典型的な試合運びに思えた。
 
「井岡一翔結構危ないんじゃ? アストン・パリクテのパワーと長さに屈するかも。カネロvsジェイコブスっぽくなる?」
 
なお僕は今回、どちらかといえばジェイコブスは遠い位置での持久走を徹底すると予想していた。
だが、ここ最近(前回)のカネロは対戦相手が大きいこともあり、比較的ガードを高めに構えることが多い。ガードを上げてじっくり距離を詰め、自分の得意な位置まで近づいたところで攻撃開始。ブロック&リターンの傾向が強まっている気がする。
 
恐らくジェイコブス陣営もそれに気づいていて、動き回るだけではカネロのプレッシャーをしのぎきれないと判断したのかもしれない。ラウンドごとに構えを左右にスイッチしつつ、リング中央でのフィジカル勝負。これでカネロの体力を削る方法を選択した。
 
終盤、カネロが若干失速しているように見えたが、もしかしたら目まぐるしくペースを変えるジェイコブスに振り回されて疲労した部分もある? のかな?
 
「“カネロ”・アルバレスvsジェイコブス…!! ミドル級で唯一カネロに勝てる可能性があるのがコイツ。当てて走って走りきれ」
 

勝つのは難しかったなぁ。見栄えのいいカネロのパンチを抑えきれず。てか、ロッキー・フィールディングとは何だったのか

とはいえ、残念ながらあのやり方でカネロに勝ちきるのは難しい。
 
フィジカルでは上回っていたが、インファイトでの差し合いではやはりカネロ。
 
ジェイコブスの連打をロープ際の見切りでかわし、パンチの一つを選んでカウンターを返す。カネロのパンチは1発1発の見栄えもいいし、動きながらパンチを出すジェイコブスはどうしてもバランスを崩しやすい。また、じっくりプレッシャーをかけられ右をねじ込まれるシーンもあり、全体を通して見ればペースを握っていたとは言い難い。
 
相手のよさを消すのが得意なジェイコブスだが、それと引き換えに自分のよさも消えてしまう。2015年のピーター・クイリン戦で見せた豪快なカウンターなどめったに決まるもんじゃない。同レベルの相手にはどうしてもこういうジリ貧の展開になりやすいのかなと。
 
てか、これは前回僕がロッキー・フィールディングに期待した流れだったんですけどねww
カネロよりも一回り大きく、それなりに動ける。しかも動きながらのカウンターが得意。あの選手もうまく工夫すれば、この試合と似たような展開を作れたと思うのだが……。まさか真っ向勝負で撃沈するとはね。
 
前回申し上げたセリフをあえてもう一度言わせていただくと、
「ロッキー・フィールディングとは何だったのか」
 
「カネロのボディでロッキー・フィールディング堕ちる。って、久々の「◯◯とは何だったのか?」案件きたな」
 

カネロ打倒の一番手はまさかのアイツ? 結局「動けるサウスポー」っていう原点回帰なんじゃ…


ちなみにだが、今回の試合で打倒カネロを果たすにはやはりサウスポーが有効なのかな? という気がした。
 
見切りがよくカウンターが得意なサウスポーが足を使って撹乱する。今回のジェイコブスも左構えからの左ストレートがよく当たっていた。原点に立ち返るではないが、やや左ガードが低いカネロにはそれが有効なのかなと。
 
そう考えると、何だかんだでエリスランディ・ララやオースティン・トラウトのようなタイプがカネロ攻略にはもっとも適しているのではないか。
 
そして、ジェイコブスのようにリング中央で当たり負けしないフィジカルがあればなおいい。距離をとってカウンターを狙うだけでなく、近場でカネロのプレッシャーを受けてもへこたれない選手。
 
となると、僕の中ではもうアイツしか残ってないのだがww
 
ビリー・ジョー・サンダース。
 
WBO王座を保持したまま試合決定→ドタキャンを繰り返し、周囲を振り回しまくった挙句にクソ動画流出→禁止薬物陽性のクソコンボで沈んでいったネタキャラ王。
 
実際アイツの右ジャブと足があれば、カネロの左を抑えつつの当て逃げが可能なのではないか。もしアレなら、大金を積んでホームのマンチェスター・アリーナにカネロを呼びつけてやればいい。ホームタウンデシジョンを目いっぱい使って、ボクシング界のスターを塩漬けにしてやれ。
 
「村田諒太はGGGかカネロ? いやいや、ブラントVol.3→返上→アンドラーデにしとけって。WBO王座があれば振り向いてくれるんじゃない?」
 
いや、適当なことを言っているのは自覚しておりますが。
 
てか、アイツの現状のコンディションはどの程度なんだろうか。2018年12月に復帰を果たし、近々2戦目を迎えるらしいけど。
 

今回は試合前からサイコーだったww この茶番っぷりこそボクシングのTHE REAL!!

しかしアレだな。
今回は試合前からかなり楽しませていただいた。
 
前日計量では両者ともにミドル級リミットの160ポンドをクリアしたが、当日計量では169ポンドのカネロに対してジェイコブスは173.6ポンド。
両者の間で交わされた「リバウンドを170ポンド以下に抑える」「できない場合はファイトマネーの10%(約1億1000万円)を没収」という条項をジェイコブスが無視し、大幅に増量してリングに上がったという。
 
リング上で対峙した両者の体格差は明らかで、見るからにジェイコブスが大きい。胸板も分厚く、正直同じ階級の選手同士には思えないほど。
 
「メイウェザークズ過ぎワロタw 那須川天心のしくじり先生がクソおもしろかった件。ジャンルを引き上げるって大変よね」
 
いや、もうサイコーすぐるww
IBFの当日計量が統一戦に限って撤廃されたのが2017年5月。これはカネロvsゴロフキンVol.1の開催が大きく影響したと言われていた記憶がある。
要は、少しでも優位な状況を作るためにカネロ陣営が要求を通したと。
 
Aサイドが自らの優位を維持するために後付けでルールを変更するケースはボクシング界ではよく見かけるが、今回はそれを逆手に取られた形。
IBFの当日計量が行われない代わりにリバウンド幅を条項に入れたはいいが、相手側は罰金覚悟で体重超過を犯してリングに上がってきやがった。
 
うん。
もう一度言うけど、サイコーすぐるww
人気、知名度に物を言わせて好き勝手にルールを変えるAサイド。
契約条項をシカトし、平然とルール違反をカマすBサイド。
このモンキービジネス、茶番っぷりこそ、ボクシングのTHE REAL!! な感じが出てていいww
 
「俺は人気がある。だからどいつもこいつも俺の言うことを聞け」
「体重超過? ルール違反? 知るかバーカ。だってそっちの方がお得じゃん」
感情移入できるヤツがどこにもおらへんww
 
しかもそれが、現在のボクシング界でもっとも高額なファイトマネーが支払われる試合で行なわれている事実。
つまり、これこそがボクシングのTHE REAL!! なのであるww
 
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