上司と部下の言い分つれづれ。言うことを聞かない部下になめられまくった俺の慟哭

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言うことを聞かない部下に絶望し、部下になめられまくって枕を濡らした僕の業務報告を始めます。

先日、この記事をアップしました。
「仕事のやる気をなくさせる上司の行動、言動を考える」

上司の行動、言動で仕事に対する情熱を失ったという内容の記事です。僕の実体験を紹介しながら、どんな感じで仕事への情熱を失っていったのかをご報告いたしました。

今回はその逆で、「言うことを聞かない部下」についてのお話です。
とはいえ、有名コンサル会社の担当者による一般的なお話ではなく、先日の「仕事のやる気をなくさせる上司の行動、言動を考える」同様、僕自身の経験談によるものなので「お役立ち情報」とはなりにくいかと思います。
ただ、脚色なしの実体験ですので、それなりに生々しいお話なのではないでしょうか。
「ただの愚痴じゃん」と言われればそれまでですが、もしご興味がありましたらおつき合いください。

10人未満の零細制作会社が舞台です

やっかいなベテラン社員がいたんです。

まず、舞台となるのは以下のような会社でした。
・10人未満の零細制作会社
・紙媒体中心のドキュメント制作会社

ひと言で言うと弱小プロダクションです。営業数人、制作数人の必要最低限の人数で回している会社でした。

仕事のやり方としては、基本的に一つの仕事を一人の制作が最初から最後まで担当する流れが主でした。
もちろん、その仕事に波及する仕事もすべてその人間が担当するのが基本路線で、例えば「新発売の電化製品の取扱いマニュアル作成」という仕事があった場合、そのマニュアルに付随するドキュメント(かんたんマニュアルや保証書など)の作成も同じ担当者が引き受けることになります。
なので、隣にいる人間は自分とはまったく違う仕事をしていて、何をしているかをお互いに把握していない状況が生じるわけです。

「昼食代を7割削減!! 手間なし無理なし、簡単すぎて笑える節約術」

僕が入社した当時、その会社には勤続30年のベテラン社員がいました。
非常に縄張り意識が強い人で、受け持った仕事を自分一人でやり遂げることに異様な執念を燃やしていました。明らかにパンクしていて、100人中100人が「ダメだ」と断言する状況に置かれても「できる」と言い張るような、まあはっきり言ってめんどくさい人でした。

「フリーランスが仕事を獲得する方法。初対面でも仕事を依頼されるのは案外簡単?」

周囲の人間も、その人が意固地になることがわかっているので、どんなピンチに陥っていても声をかけずに放置し、いよいよやばくなるまで放っておくといった状態が続いていました。

「仕事ができない人は「相手への敬意が足りない」ってそりゃ知ってる」

数年後、そのベテラン社員は定年で会社を去りました。
とはいえ、それまでの風習がいきなり変わるわけもなく、相変わらず風通しの悪い状態は継続しています。

・社内ルールが明確でなく、各自がとにかく自分勝手に仕事をしている
・総勢10人未満の会社なのに、どこに何があるのか本人以外にわからない
・担当者本人が一日休んだだけで現場が混乱する
・一つの取引先の仕事を長期にわたって同じ人間が担当するので、ハウスルールが担当者にしかわからない
・各人が、いつも自分が使っているパソコンを別の人間に使われることを異様に嫌がる
・担当者が一日休むというだけで、「あの時のあのデータはどこにある?」という不毛な会話をしなくてはならない

こんな状況の中、僕は制作のリーダーをやらされる羽目になったわけです。
「リーダー」と言えば聞こえはいいですが、役職があるわけでもないし手当てが出るわけでもない。通常業務が軽減されるわけでもありません。言ってみればマクドナルドの名ばかり管理職のようなものです。

はっきり言って、お断りしたくなるような損な役回りでした。

目標は「風通しをよくしたい」それだけでした

仕事の状況がすぐにわかるような、風通しのいい会社にしたい。

僕の掲げた目標はそれだけでした。
そのために「社内ルールを明確化して、仕事の流れを共通化する」という目標を立てました。

とにかく誰が今、何をやっているのか、どんな仕事が動いているのか、データはどこにあるのか。それを明確に把握できる社内ルールを作りたいと思いました。誰かが休むとなったときに「あのデータはどこにある? 今何やってる?」という不毛な会話をしなくていいような状況を作りたいと思いました。
簡単に言うと、当たり前のことを当たり前にやる会社にしたいという、ごく当たり前のことを願った次第です。

「会社で老害に遭遇したことある? 僕はあるよ?」

具体的には
・作業用のフォルダ構成を共通化
・仕事ごとに7桁の連番をつけてIDで管理
・社内のパソコンに番号をつける
・IDをデータベースに登録して現在の状況を把握(先方確認中、社内作業中など)
・先方に提出するPDFの作成方法を統一(見本用のPDF、最終提出用のPDFの作成方法など)
・データの保存場所(バックアップ場所)の統一
といったことを実行しました。

おおまかに説明すると、
1)仕事が発生
2)データベースに登録(ID、仕事名、取引先名、作業内容、保存先パソコン)
3)先方からの支給データを作業フォルダに保存
4)作業スタート
5)作業済みのPDFを提出→データベースの「状況」欄を「先方確認中」に変更
6)先方からの修正指示を受け取る→データベースの「状況」欄「社内作業中」に変更
7)最終データ提出→データベースの「状況」欄「完了」に変更
8)仕事が「完了」後、30日が経過するとデータベースの「状況」欄が「バックアップOK」に変わるので、データをバックアップ後にパソコンから削除

といった仕事の流れになります。

こうすることで隣の人間が今何をやっているか、どの仕事がどのような状況なのかをすぐに知ることができます。
またフォルダの構成を共通化することで、本人がいなくてもその作業を継続することが可能になり、本人が明日休むという場合でも「データがどこにあって、こういう状況で~」といった不毛な会話をする必要がなくなります。さらに、IDを検索すれば過去のデータをすぐに見つけることも可能です。

少しずつルールが守られなくなる。そして誰もいなくなった……

三か月で社内ルールは有形無実化しました……。

上記の社内ルールを僕が考えたわけですが、これらを実行するのは別に難しいことではなく、ちょっとした意識の持ちようでどうにでもなることでした。
例えば「仕事の開始時に作業フォルダを作ってデータベースにID登録をする」。
これ自体は数十秒もかからずにできる簡単な作業です。

ところが、ここにたどり着くまでの苦労はなかなかのものでした。
・ブラウザからアクセスできるデータベースの作成
・共通フォルダの構成を考案
・PDFファイルの作成方法など、作業ルールの共通化
・日々のバックアップ、仕事完了後のバックアップの保存場所の確保
・これらの流れをすべて明文化したマニュアルを作成

もちろん通常業務をこなしながらの作業です。
あり得ないくらい大変でしたが、具体的な計画や準備をした上での提案こそ意味があると思ったので、多少無理を承知で実行した次第です。

その上で、他の制作担当には「何か改善個所があれば提案してくれ」とお願いしました。
「その通りだと思えばすぐに従うから」
そう伝えました。

そして運用を初めたはいいものの、僕が苦労して考えた社内ルールは徐々に守られなくなっていくのです。
最初はデータベースの「状況」欄の変更を怠り、次は日々のバックアップを怠り始める。三か月もすれば、僕が考えたルールはほぼ有形無実化している状況でした。

もちろん僕も黙って傍観していたわけではなく、そのつどルールを守るように注意をしていました。
だが、彼らは僕が何かを言うたびにふてくされ、口をきかなくなったり態度を硬化させてしまうため、こちらもだんだん注意するのが億劫になっていったわけです。

もう一度言いますが、僕はリーダーとしての手当てをもらっているわけでもないし、通常業務が軽減されているわけでもない、ただの名ばかり管理職です。
だからといって手抜きをしていいとは思いませんが、ルールを守る気がない相手を注意し続けるだけの気力も持ち合わせていないのも、また動かしようのない事実でした。

困ったときだけ「助けてください」とか言ってくんじゃねえよ? あ?

普段は僕をなめきって聞く耳持たないくせに、困ったときだけ「助けてください」はないんじゃないの?

「こんなことやる意味がない」
「もっとこうした方がいい」
僕が社内ルールを守るように注意している際にも、こういった安易な批判は聞こえてきました。

何度も言いますが、僕は役職を与えられているわけでもないし、その分の手当てをもらっているわけでもありません。通常業務を抱えながら別枠で社内ルールを考えたわけです。

もっと言うと、別にそのリーダーの地位に執着もないので、もしも我こそはという人がいれば代わってもらえないかとさえ思っていました。

好き勝手に安易な批判はするが、具体策はいっさい考えない。
何じゃそりゃ。
ふざけんな。
僕自身、これに関しては「だったらお前がやってみろ」の理論は通用すると思っています。

あるとき、社内のパソコンがクラッシュしたことがありました。
そのパソコンを使っていた部下がバックアップを怠っていたため、運悪く前日のデータの復元が困難になりました。本人は「たまたま前の日だけバックアップを忘れた」と言っていましたが、実際のところはわかりません。

大至急新しいパソコンを買ったはいいが、
「LANのつなぎ方がわからない」
「プリンタドライバのインストール方法も知らない」
「アプリケーションのライセンス認証の変更もできない」
とのこと。

ふざっけんな!!

結局セットアップから必要なアプリケーションをインストールし直す作業すべてを僕がやる羽目になりました。

この事態に疲弊しまくった部下が僕にこう言ったのです。
「差分だけを自動でバックアップがとれる方法はないのか」
「もう一箇所バックアップをとれる場所が欲しい」
「何とかしてくれ」

みなさんは「開いた口がふさがらない」という経験を実際にしたことがありますか? 僕はこのとき、生まれて初めて経験しました。

なぜ貴様の失敗の尻拭いをさせられた上に、貴様の好き勝手な希望をかなえるために俺が脳みそをひねらなくてはならんのか? ああん?

反抗するなら責任を持って反抗してくれ。困ったときの尻拭いも全部やってくれ






苦労して作った社内ルールは有形無実化し、コケにされまくった結果、僕はすっかりやる気をなくしました。おかげさまでせっかく風通しがよくなりかけた社内の雰囲気も元の木阿弥です。そして、もはや僕にはその状況を変えるだけのバイタリティは残っていませんでした。

もしかしたら僕がリーダーの器でない人間だっただけなのかもしれません。従うに値しない人間だと周りから判断されていた可能性もあります。実際のところ、マネジメント能力が低いことは自覚しているつもりです。

だが、単に「面倒だ」という理由で従わないのであれば、何か起きたときの対処も自分でやってくれと思うし、いいアイデアがあるなら具体的な方法まで考えて提案してくれという話です。安易な批判は何の意味もないことを承知してくれと心から思います。

これでも僕は不測の事態が発生した際に被害を最小限に抑えられるような運用方法を考えたつもりだし、大して難しくもない作業で情報共有が可能になる運用方法だったと思っています。

そこまで苦労して頭をひねっても結局従わないのだから、「だったらお前が代わりにやってくれよ」となるわけです。

何度も言いますが、この立場に執着もありませんでしたし、がんばったところで給料が増えるわけでもありまん。誰かが代わるというならいつでもお願いしたいくらいでした。

リーダーなら部下と腹を割って話をするべき?
いやいやいやいや。
バカバカしいったらありゃしない。

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