トレバー・バウアーファームで初登板。やっぱりまっすぐが軸のピッチャーだよね。ホップ成分が高い“手元で伸びる”球。モーションの大きさはちょっと気になるかな
2023年4月16日に横須賀スタジアムで行われたイースタンリーグの西武戦に横浜DeNAベイスターズのトレバー・バウアーが初登板。4回53球を投げて被安打4、奪三振6、無失点の好投を見せた。
また、この試合はベイスターズの公式YouTubeでも生配信され、同時接続が最大で7万7000人を超えたとのこと。
バウアーの次回登板は22日の楽天戦(2軍)が有力視されており、順調にいけば5月初旬の1軍デビューが見込まれる。肩の張りで調整が遅れたものの、今後はさらに球数、イニング数を伸ばしていくことになる。
トレバー・バウアーNPB初先発初勝利。凄みと柔軟性を感じるピッチング。松山をスプリットチェンジで三振に取った7回は感動したよ
ファームでの初登板はなかなかよかった。やりたかったことが概ねできたっぽいね
史上2人目のサイヤング賞受賞投手として横浜DeNA入りしたトレバー・バウアー。
一時は肩の張りで調整が遅れたものの、すぐに持ち直してファームでの初登板を迎えたわけだが。
上述の通り結果は4回53球を投げて被安打4、奪三振6の無失点。ピンチの場面ではオールまっすぐで連続三球三振、最速155kmを計測するなど実力の高さを見せつけている。
僕もバウアーの動向にはかなり注目しており、この日もYouTube配信をがっつり視聴させていただいた(後追いだけど)。
で、感想としてはなかなかよかったのではないかと。
新球スプリットチェンジを含む持ち球をすべて試す、ピンチの場面でのギアチェンジ等、本人がやりたかったことが概ねできた印象。登板から2日経った今も何の報道もないので身体も問題ないっぽい。
本人のコメント通り、現時点での100%が出せたと言えそうである。
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やっぱりまっすぐがキモのピッチャーだよね。2020、2021シーズンとそん色ない球が行っていた
具体的には、やはりこのピッチャーはまっすぐがキモになるなと。
前回「バウアーは2020年シーズンからストレートの質が向上して各数値が良化した」と申し上げているが、マジでそんな感じ。
平均球速こそ落ちたものの、ホップ成分が上昇して浮き上がる系の球質に変化した。いわゆる“手元で伸びるストレート”である。
トレバー・バウアーはDeNAベイスターズで活躍できる? めちゃくちゃいいと思うけどな。2021年のコンディションを維持できれば相当やりそう。サイヤング賞投手がピークアウト前に来日
高めに伸びるまっすぐを軸に同じ位置からカーブやスライダーを落として打者を翻弄、2020年には短縮シーズンながらも防御率1.73でサイヤング賞を獲得した。
このまっすぐの質をキープできていれば日本の打者は相当苦労させられる。
コンディションに加えてマウンドやボールの違いがどこまで影響するかに注目していたところ……。
初登板を観る限り全然大丈夫っぽい。
140km後半がポンポン出る上にピンチで一段ギアを入れた際は2020年シーズンとそん色ない球が行っていた。
肩のスタミナ、怪我の再発に関しては未知数だが、あのまっすぐが投げられるのなら十分やれそうである。
カーブ、スライダーも問題なし。ツーシームを多投していたのは意外だった。どの球種もハイレベルだったね
変化球に関してもほぼ問題なし。
得意のカーブは130km弱で落下するパワフルな球で、こちらもMLB時代と大差ない。
スライダーは135kmちょいで鋭く落下するものと130km前後でフワッと沈む(カーブに近い軌道)ものを使い分けているっぽいが、これも特に違和感はなさそう。
135kmちょいで沈む方のスライダー(スラッター)はうまく拾われてヒットゾーンに飛ばされたが、アレは恐らく各打者が軌道に慣れているから。
スライダーを高速化してスラッター化するのは数年前からのトレンドだが、各投手がこぞって投げているせいで目新しさはない。泳がされながらもバットに当てられるケースは今後もあると予想する。
だが4回には他の球種とうまく組み合わせて三者凡退で終わらせているので、押し引きのコツはすぐにつかむはず。そこまで心配しなくてもいいのではないか。
藤浪晋太郎がまたしても炎上。4登板中3登板で試合を壊す先発はちょっと…。好意的に見てた僕ですら厳しいと思っちゃった
そしてちょっと意外だったのが、ツーシームを多投していたこと。
カウント球として左打者のフロントドア、右打者のバックドア気味に使っていたわけだが、アレは2020、2021シーズンはあまり投げていなかったもの。
バウアーのツーシームは沈むというより横滑りする気味の軌道で、どちらかと言えばシュートと呼ぶ方がしっくりくる。
なので、ボールからストライクにする際に効果を発揮する。
試しに投げてみたら打者がいい反応をしたのか、もともと投げる予定だったかは不明だが、投球のいいアクセントになる球だと思う。
新球スプリットチェンジも2球ほど投げていた(と思う)が、なるほど。140km弱で右斜め下に落ちていく球はうまく制御できれば間違いなく有用。フワッと空中で一瞬止まる印象で、決め球としても機能しそうである。
そんな感じで変化球も軒並みハイレベルで素晴らしい。
投手vs打者の1対1の勝負に限れば相当やれる(と思う)。
モーションの大きさが気になった。クイックを急ぐあまりカーブが抜けたり。神経質な部分が出ると…
懸念材料としては、上述の通りブランクによるスタミナ切れや怪我の再発。それに加えてランナーを背負った際の対応だろうか。
このピッチャーは基本、足を高く上げるフォームで投球動作が大きい。
ランナー1塁の場面でクイックや牽制を試みていたが、モーションを急ぐあまりカーブが抜けるシーンも目についた。
なので、恐らく各チームは隙を見てどんどん走ってくる(はず)。
メンタルの浮き沈みが激しい分、ランナーに気を取られてイライラする→自滅のパターンもあるかも? と思ったり。
ランナーを出そうが目の前の打者を抑えればOK、点を取られなければ問題ないと割り切れればいいのだが、神経質な性格っぽいのでね……。
生トレバー・バウアーのためにハマスタで現地観戦。苦労しながら阪神打線を7回途中3失点にまとめて5勝目。お目当てのシーンを山ほど観たぞ笑
能力は上々。
スタミナや身体の状態、メンタル面は未知数。
最初に感じた印象とそこまで変わらない初登板だったことをお伝えしておく。
まあ、試合中にブチ切れるバウアーを観てみたい気もするけどねww
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