トレバー・バウアーはDeNAベイスターズで活躍できる? めちゃくちゃいいと思うけどな。2021年のコンディションを維持できれば相当やりそう。サイヤング賞投手がピークアウト前に来日
横浜DeNAベイスターズと1年契約に合意した前LAドジャースのトレバー・バウアーが2023年3月24日に都内で入団会見を行った。
バウアーDeNA入団会見、「米国でのDV容疑について質問した日本の記者は誰もいなかった」と英紙報道 球団は『問題なし』と判断#DeNA #バウアーhttps://t.co/16DZnwP3FQ
— 中日スポーツ (@chuspo) March 25, 2023
2020年のシンシナティ・レッズ時代にサイヤング賞を獲得したものの、21年にDV疑惑で194試合の出場停止処分を課されたバウアー。
処分は明けても獲得を表明するMLB球団はなく、かねてから縁のあった横浜DeNAへの入団が決定している。
なお日本の球団にサイヤング賞経験のある投手が入団するのは1962年に中日でプレーしたドン・ニューカム以来2人目。これまで日本にきた助っ人とは比べものにならない大物と言える。
トレバー・バウアーNPB初先発初勝利。凄みと柔軟性を感じるピッチング。松山をスプリットチェンジで三振に取った7回は感動したよ
- 1. DeNAのトレバー・バウアー獲得にはクソほど驚いた。反対意見もあると思うけど、僕は楽しみ
- 2. コンディション次第だけど、相当やるんじゃないの? 映像を観ればすごさが一目でわかる
- 3. 2020年から数字が良化。それまではストレートとカーブ中心のイニングイーターのイメージだったけど
- 4. 軸となる球をカッターとスライダーに変更。スライダーを“スイーパー”に、カーブはよりパワフルなものに改良
- 5. ストレートのホップ成分が上がってその他の球種がさらに効果的に。2019年と2020年で球筋が全然違ったよね
- 6. MLBでの投球を日本でどの程度再現できる? 僕は問題ないと思ってるけど。コンディションさえよければ
- 7. 5年連続二けた勝利&サイヤング賞のバウアーと獲得にGOを出したDeNAを信じろ。契約途中に干された選手を1年限定で獲得するのはアリだよね
DeNAのトレバー・バウアー獲得にはクソほど驚いた。反対意見もあると思うけど、僕は楽しみ
横浜DeNAがトレバー・バウアーの獲得を発表したのが2023年3月14日。
ちょうどWBCの真っ最中だったこともあってあまり触れてこなかったのだが、実はクソほど驚いていたことを告白する笑
侍ジャパン4連勝で準々決勝進出。プールB東京ラウンド感想。弱者の兵法の中国、打撃のチェコ。ヌートバー、大谷翔平、ダルビッシュその他
僕が第一報を知ったのは確か14日の朝。
何気なくネットニュース? Twitter?(どっちだか忘れた)を眺めていると、「Trevor Bauer」と「Yokohama DeNA Baystars」の文字が。
何ごとかと思って読んでみたところ、トレバー・バウアーがDeNAに入団すると。
「は? ウソだろ?」と思って大急ぎでGoogle翻訳してみたのだが、何度やってもやっぱりバウアーがDeNAに入団すると書いてある。
おいおいおいおい。
とんでもないことになっとるがな。
例の謹慎後から続報がないな~とは思っていたが、まさか日本にくるとは。
マジな話、トレバー・バウアーが日本でプレーするなど驚き以外の何ものでもない。
干された理由がアレなので当然反対意見も出るとは思うが、個人的にはめちゃくちゃ楽しみにしている。
てか、当時僕もあれこれ調べたけど明らかに処分が重すぎましたからね。
真相がわからないので何とも言えないが、女性との間に“ハードなプレー”に対する認識のズレがあったのかな? などと勝手に想像している。
禁止薬物には比較的寛容だが、女性関係、DVには厳しいMLB。
ドーピングへの拒否感は凄まじいが、下半身ネタは平然とスルーするNPB。
スキャンダルに対する両リーグの向き合い方が顕著に表れた移籍でもある。
コンディション次第だけど、相当やるんじゃないの? 映像を観ればすごさが一目でわかる
経緯はともかく2023年シーズンを横浜DeNAでプレーすることが決まったトレバー・バウアー。
ここから先はこの選手がNPBでどこまでやれるかを考えてみる。
まず個人的な意見としてバウアーは相当やると思っている。
メジャー通算83勝、2020年にサイヤング賞受賞と抜群の実績を持つバウアーだが、実際の映像を観てもやっぱりすごい。
それこそWBCの決勝で先発したメリル・ケリーなどとは格が違う。
2021年のピッチングをそのまま再現できれば日本の打者はまず打てないのではないか。
侍ジャパンが3-2でアメリカを下して優勝。大谷vsトラウト? フィクションとしては落第だけどこれは現実。世界一の野球小僧を宇宙一うまく使える栗山英樹
2022年途中にロッテに加入したロベルト・オスナが4勝1敗10S 防御率0.91と抜群の成績を残したが、MLBの一線級が実力を発揮すれば普通にあんな感じになる。
先発とリリーフの違いはあるが、バウアーもオスナ同様無双する可能性は十分ありそう。
ブランクの影響次第だが、1年間ローテーションで回ればそれなりの結果を出すと予想する。
2020年から数字が良化。それまではストレートとカーブ中心のイニングイーターのイメージだったけど
バウアーのキャリアを振り返ると2015年から5年連続二けた勝利を挙げているものの、防御率に関しては2018年の2.21以外は概ね4点台。最多勝争いや防御率ランキングに顔を出すタイプではなく、どちらかと言えば“ボチボチのイニングイーター”なのだと思う。
だが、サイヤング賞を獲得した2020年は防御率1.73、ドジャースに移籍した2021年は2.59と一気に数字が良化。2020年は短縮シーズン、2021年は7月から謹慎していたのであくまで参考記録だが、この成績の伸びについては注目してよさそう。
申し上げたようにバウアーはもともと総合力で勝負する投手で、飛び抜けたスペックがあるわけではない。
ストレートを中心にカッター、スライダー、カーブをバランスよく織り交ぜトータルで打者を打ち取るスタイル。
特にカーブの評価は以前から高く、下記によると「高めの4シーム、同じ高さから落ちるカーブがあれば打者は反応できない」というのが持論とのこと。
「【最強は誰だ?】サイ・ヤング賞投手がまさかの来日。並み居るメジャーの強打者たちをきりきり舞いさせたトレバー・バウアー|横浜DENAベイスターズ|プロ野球」
2015年以降の球種配分を見ても2019年まで(2016年以外)はストレートの次にカーブの割合が多く、17勝を挙げた2017年は全投球の30%以上をカーブが占めている。
我の強さから投手コーチやチームメートとの軋轢を起こすこともあるが、成績自体はしっかりと残す。自らの理論を結果で証明し続けてきたこともまた事実なのだろうと。
軸となる球をカッターとスライダーに変更。スライダーを“スイーパー”に、カーブはよりパワフルなものに改良
2020年から成績を急激に伸ばしたバウアーだが、この年から投球の軸になる球をカッターとスライダーに変えていることがわかる。
○2019年
・ストレート40.2%
・カーブ19.7%、
・カッター16.5%
・スライダー13.9%
に対して
○2020年
・ストレート47.4%
・カッター20.3%
・スライダー15.9%
・カーブ15.7%
全投球の20%ほどを占めていたカーブの割合を16%弱に減らし、カッターとスライダーをそれぞれ数%ずつ増やす。
さらにこの年はストレートが47.4%と全体の半分近い割合。前年から投球スタイルをガラッと変えている。
また各球種に注目してみると、
スライダーは
・2018年
平均球速82.1マイル
横変化7.6
縦変化-2.0
変化量8.1
・2019年
平均球速79.6マイル
横変化10.8
縦変化-2.7
変化量11.3
・2020年
平均球速80.9マイル
横変化10.1
縦変化-3.1
変化量10.7
・2021年
平均球速80.9マイル
横変化10.1
縦変化-3.0
変化量10.6
2019以降、球速をやや抑えつつ横変化と縦変化の数値が上昇。
特に横変化の増加は顕著で、これはスライダーをここ数年のトレンドである“スイーパー”に進化させた結果と言えそう。
得意のカーブに関しては、
・2019年
平均球速79.2マイル
横変化4.7
縦変化-12.2
変化量13.1
・2020年
平均球速79.9マイル
横変化5.2
縦変化-13.1
変化量14.1
・2021年
平均球速79.7マイル
横変化5.6
縦変化-13.2
変化量14.4
2020年からややスピードアップ、横変化と縦の落差も大きくよりパワフルなものになっている。
トレバー・バウアーファームで初登板。やっぱりまっすぐが軸のピッチャーだよね。ホップ成分が高い“手元で伸びる”球。モーションの大きさはちょっと気になるかな
ストレートのホップ成分が上がってその他の球種がさらに効果的に。2019年と2020年で球筋が全然違ったよね
そして何より顕著なのがストレートの質。
全投球中もっとも割合の高い球で、僕はバウアーが覚醒した一番の要因がコレだと思っている。
・2018年
平均球速94.6マイル
横変化-4.7
縦変化8.5
変化量9.8
・2019年
平均球速94.6マイル
横変化-5.5
縦変化8.9
変化量10.5
・2020年
平均球速93.7マイル
横変化-5.5
縦変化10.5
変化量11.9
・2021年
平均球速94.0マイル
横変化-5.7
縦変化10.5
変化量12.0
2018、2019年に比べて平均球速こそ落ちているが、縦変化の数値が一気に増えていることがわかる。
いわゆるホップ成分の上昇で、縦変化(zMOV)が10を超えると“伸びのあるストレート”の部類に入るとのこと。
要するに“手元で浮き上がる”まっすぐである。
スライダーの変化量(横にも縦にも)を増やしてスイーパー化。
得意のカーブは落差とスピードを増してよりパワフルに。
そこにカッターを加えた3球種がバウアーの主な持ち球。
で、手元で伸びるストレートがこれらの球種をより効果的なものにする。
マジな話、ストレートの違いは一目瞭然ですからね。
2018、2019年と2020、2021年の映像を比較すれば球質が変わっていることははすぐにわかる。
バランス型の変化球投手ではあるが、ピッチングの根幹を支えるのはやはりストレート。
独自の理論を実証するために日々研究を欠かさないバウアーの持ち味がよく表れた推移だなぁと。
藤浪晋太郎がまたしても炎上。4登板中3登板で試合を壊す先発はちょっと…。好意的に見てた僕ですら厳しいと思っちゃった
MLBでの投球を日本でどの程度再現できる? 僕は問題ないと思ってるけど。コンディションさえよければ
上述の通り各球種を進化させる+投球パターンをガラッと変えることで成績を向上させたトレバー・バウアー。
じゃあ、このピッチングを日本でどの程度再現できるの? という話だが。
僕の意見としては、ほぼ問題ないと思っている。
最初に申し上げたようにトレバー・バウアーのすごさは2020、2021年の映像を観れば明らか。WBC米国代表のメリル・ケリーなどとは格が違うし、このレベルの選手にとってはマウンドやボールの違いなどは些細な問題でしかない(気がする)。
しかもベイスターズの本拠地・横浜スタジアムはマウンドの土をメジャーに近いものに改良してあるとか。
2021年のストレートの平均球速94.0マイル(約151.3km)が仮に149~150km前後に落ちたとしても十分速い部類だし、ホップ成分を維持できればカッターとスライダー(スイーパー)の組み合わせで全然やれる(はず) 。
あとは日本のボールでカーブのキレをどこまで出せるか。
繰り返しになるが、あくまでコンディション次第だがトレバー・バウアーが日本で活躍する可能性は高いと思う。
順調にいけば防御率2点台半ば、二けた勝利くらいの成績は出せるのではないか。
たとえば2017年のマイルズ・マイコラス(巨人)の14勝8敗、防御率2.25に匹敵する? かも?
トレバー・バウアーめちゃくちゃいいな。
WBC決勝で先発したメリル・ケリーなんかとは格が違うよ。2021年のコンディションをそのまま持ってこられたらまず打てないんじゃねえか?
ボールとかマウンドの違いなんて小事レベルで。実際にはいろんな要素が絡むんだろうけど、これは楽しみですね。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) March 28, 2023
もちろん約1年半のブランクに加えてマイコラスのいた2015~2017年よりも日本野球はレベルが上がっている。
また3月29日に実戦登板を予定していたのが肩の違和感で白紙になったという情報もある。
【球団発表】
DeNAは、トレバー・バウアー投手(32=前ドジャース)が、26日の練習中に右肩の張りを訴えたことを発表した。#baystars #ベイスターズ #DeNA #バウアー #サイ・ヤング賞— 日刊スポーツベイスターズ番 (@nikkan_baystars) March 29, 2023
現実的にはGW明けに初登板、先発数15~20試合あたりが妥当なラインかなぁと思っているのだが。
5年連続二けた勝利&サイヤング賞のバウアーと獲得にGOを出したDeNAを信じろ。契約途中に干された選手を1年限定で獲得するのはアリだよね
とにかく僕はサイヤング賞を獲得した投手がピークアウトする前の状態(32歳)で日本にきたことにめちゃくちゃテンションが上がっている。
僕のことを信じる必要はないが、5年連続二けた勝利&サイヤング賞の実績と獲得にGOを出したDeNAを信じようぜ!! ということで笑
トレバー・バウアー2戦目先発で7失点初黒星。単純に球が遅い&ゾーン内で勝負しすぎ&巨人がこれ系の投手が得意ってのが感想かな。ランナー1塁の対応は急務ですね
てか、何らかの事情で契約途中でMLBから干された選手を1年限定+格安で引っ張ってくるのはアリですよね。
2017年にドジャースとの契約が残っていたアレックス・ゲレーロを中日が年俸1億5000万円の1年契約で獲得した例もあるし。
バウアーの場合は事情が事情なので賛否あるのは仕方ないが、やり方自体はウルトラCというわけではない。
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