K-1 vs RISE対抗戦感想。キックの深みをより感じる6試合だった。メンバーはよく知らんけど。そしてなぜ安保瑠輝也はここに名前がねえんだよ笑

K-1 vs RISE対抗戦感想。キックの深みをより感じる6試合だった。メンバーはよく知らんけど。そしてなぜ安保瑠輝也はここに名前がねえんだよ笑

2023年3月12日の「K-1 WORLD GP 2023 JAPAN ~K’FESTA.6~」、26日の「Cygames presents RISE ELDORADO 2023」内にて開催されたK-1 vs RISE対抗戦。
計6試合が行われ、結果は4勝2敗でRISEが勝ち越し。2022年6月のTHE MATCH 2022に続いてRISE勢がK-1勢を退けている。
 
 
また下記によると両団体は今後も対抗戦の継続に前向きとのこと。


中でもTHE MATCH 2022で玖村将史に敗れた志朗が試合後にリング上でリベンジマッチを呼びかけるなど、両者の動向に注目が集まる。
 

K-1 vs RISEの対抗戦は熱い。天心vs武尊戦以降、キックに興味がなくなってたけど

僕自身、去年のTHE MATCH 2022以降キックに興味が向かなくなっていたのだが、両団体の対抗戦が開催されると聞いて「お、マジか」と。
 
THE MATCH 2022はメインの那須川天心vs武尊戦はもちろん、細かなルールの違いによる影響が非常に興味深かった。
クリンチやワンキャッチルールに慣れていないK-1勢はこの部分に対応しきれず、実力伯仲の中でRISE&SB勢にわずかずつ上を行かれた。
 
K-1は最高だけど最強じゃなかった。K-1勢が苦戦した理由? よくも悪くもキックボクシングではなく“K-1”なんだろうな。RISE&SBとの対抗戦感想、雑感
 
要するに普段と異なるルールで勝利するには“それ用”の人選が重要になる。
 
THE MATCHでは両団体ともエースで四番タイプをズラッと並べたが、実績や名前だけで勝てるほど対抗戦は甘くない。
K-1陣営としても山崎秀晃、野入正明、武尊の3人が負けたことでそれを実感したのではないか。
 
 
正直、今回の対抗戦は名前を聞いてもピンとこない選手も多かった(特にK-1側)のだが、それなりに考え抜かれたメンバーだと期待しつつ視聴をスタートした次第である。
 
なお出場メンバーに関してはいろいろ意見もあるようだが、僕は両団体ともスケジュールや体調を考慮した中でのベストメンバーがこれだったんじゃないの? と勝手に思っている。
 

○寧仁太アリvs實方拓海×(判定3-0 ※30-28、30-28、30-28)

手足が長く上背もある寧仁太アリがサウスポーの實方拓海をローを中心に攻め、前進を鈍らせたところでパンチで迎撃する。
實方も時おりいいパンチを当てていたものの、最後まで寧仁太の距離を攻略できず。
 
より長い時間、間合いを支配した寧仁太がわずかに上回った試合である。
 

○安本晴翔vs斗麗×(判定3-0 ※29-28、30-29、30-28)

この試合は中間距離では斗麗、遠間と接近戦では安本という印象。
 
腕が伸びる間合いで真っ向から打ち合えば斗麗が上回るが、立ち回りのうまい安本がなかなかその距離を作らせない。
ローのタイミングやアングル調整、さらに序盤は思わず蹴り足をキャッチしたりとそのつど斗麗の流れをぶつ切りにする。
 
得意な間合いに持ち込むまでの駆け引き、接近戦での回転力、前後左右のフットワーク、などなど。
総合力で安本晴翔に軍配が上がった。
 
僕のクマンドーイがスターになる日。トーナメント決勝で田丸辰と対戦。那須川天心を手こずらせたクマンドーイはやっぱり強かったんだよ笑
 

○玖村将史vs鈴木真彦×(判定3-0 ※30-28、30-28、30-27)

玖村将史はTHE MATCH 2022で志郎に判定勝ちしている選手で、僕の中では異なるルールでも力を発揮できる1人(K-1勢の中では)。
 
相手を常に正面に捉え、素早い方向転換と前に出る馬力でグイグイ追い詰める。そして流れの中でスパッと打ち出すパンチでダウンを奪う。
 
志郎戦での右フックは凄まじいパワーと当て勘だったし、この試合でもノーモーションのジャブで鈴木に尻餅をつかせている。
 
個人的にはホームで戦うよりもRISEに出張してもらいたかった選手でもある。
 
 
一方の鈴木真彦はRISE勢の中ではかなりK-1寄りのファイターだと思っている。
中間距離での打ち合いが得意で蹴り足のキャッチやクリンチはあまり使わない。左右に動きながら相手を呼び込み、フルスイングのカウンターを合わせる流れを持ち味とするが、ディフェンス面はややヌルく芯で攻撃をもらいやすい。
 
常に相手の正面に立ち、馬力と謎の当て勘を活かしてゴンゴン攻める玖村将史。
左右に動きながら中間距離で打ち合う、マン振りカウンターが持ち味の鈴木真彦。
 
どう考えても噛み合うスタイルの両者だが、結果はダウンを奪った玖村が勝利。
前手の差し合い、ディフェンス面で一枚も二枚も上回っていた。
 
 
いや、でもマジでいい試合でしたね。
もし次回があるなら上述の通り玖村将史にはRISEのリングに上がってもらいたいし、鈴木真彦には継続的にK-1に参戦してほしい。どちらもタイプ的にかなりいいパフォーマンスをしそうなので(無茶を言うな)。
 
 
なお志郎、鈴木真彦以外に玖村の相手が務まる人材がRISEにいるのかは知らん。
大﨑一貴って53kgだっけ?
 
THE MATCH 2022結果一覧&ひと言感想(中盤3試合)。体重が上がるとやっぱり爆発力のあるK-1に傾くかな
 

○門口佳佑vs新美貴士×(判定3-0 ※30-29、30-28、30-28)

サウスポースタイルでガツガツ前に出る新見に対し、同じくサウスポーの門口はボディから顔面、前蹴りで対抗。近場のコンビネーションで逆に新見を後退させる。
 
お互いに近場での回転力で勝負するスタイルだが、打撃のバリエーションや身体の強さで門口がことごとく上回る。
 
解説が「極真の試合みたいですね」と言っていたが、なるほど。
近い距離で相手の攻撃をいなしながらボディとローをバシバシ打ち込む光景は確かに極真空手っぽさがある。
 
3R後半はさすがに打ち疲れが見えた門口だったが、判定は文句なしの3-0。
繰り返しになるが、接近戦でのバリエーションにかなりの差を感じる試合だった。
 

○南原健太vs愛鷹亮×(1R2分57秒TKO)

この試合も門口vs新見戦同様、接近戦での引き出しに差があった印象。
 
ラウンド序盤はローで距離を取る南原に対し、愛鷹は鋭い踏み込みからの1発を狙う。
だが一瞬のタイミングで南原の後ろ回し蹴りが愛鷹の側頭部にヒット。愛鷹が1度目のダウンを喫する。
 
その後はダメージを感じさせない愛鷹が無理やり前に出るが、近場での打ち合いで逆にコーナーに追い詰められる。
 
右を被弾した南原が一瞬グラつくものの、すぐに立て直して再びコーナーを背負わせる。
 
で、ショートの右フックを側頭部にヒットし返しの膝を顔面へ。
崩れ落ちる愛鷹を見た瞬間にレフェリーが試合をストップする凄まじいKO勝利である。
 
 
申し上げたように両者には接近戦での引き出しに差があり、愛鷹にとってはローで圧力を鈍らされた時点で厳しくなった。
もう少しローやジャブがあればまた違ったのかもしれないが。
 
まあ、僕が愛鷹亮をあまり信用していないってのもあるんですけどね。
 

○白鳥大珠vs佐々木大蔵×(判定3-0 ※30-28、30-28、30-28)

白鳥大珠は元ボクサーということでパンチが得意な印象だが、どなたかが「白鳥の持ち味は実はキック」とおっしゃっていたことを覚えている。
 
この試合はまさにそんな感じで、白鳥のリーチと多彩な蹴りがめちゃくちゃ有効だった。
 
外側からの右ローで佐々木の出足を止めつつ左回りを封じる。
逃げ場を塞いだところで左ハイを見せ、佐々木がのけぞった瞬間にストレートを顔面に。
 
おお、なるほど。
パンチで試合を組み立てるのではなくあくまでキックありきのパンチ。
長身サウスポーの持ち味を活かすにはこれが一番いいのかもしれない。
 
 
対する佐々木大蔵だが、これはアレか?
サウスポー苦手か?
 
自分の攻撃が当たらない位置で釘づけにされ、中に入るパターンはいきなりの右のみ。
 
2R後半から開き直って接近戦に巻き込むことに成功したものの、その時点で試合のすう勢は決まっていた。
長身サウスポー対策は当然してきたのだと思うが、ペースアップがあまりに遅かったなぁと。
 
武尊vsスーパーレック。負傷離脱したロッタンの代役+フライ級タイトルマッチだって。手足が長くてキックが強いスーパーレックをパンチ勝負に巻き込めるかが見どころ?
 

キックの深みを感じる6試合だった。競技レベル向上のためにもクリンチとワンキャッチ・ワンアタックは必要だと思うけど

感想は以上だが、今回もまたルールの違いによる深みを感じる6試合だった。
 
具体的にはRISE勢の幅の広さ、対応力の高さが際立った。
 
THE MATCH 2022で思ったのは、クリンチやワンキャッチのないK-1勢が真正面からの打ち合い上等なのに対してRISE&SB勢はアングル調整や試合の組み立てに長けているということ。
 
K-1勢の瞬間的な爆発力は確かに脅威だが、トップ中のトップ同士の対戦ではそればかりというわけにはいかない。
 
自分の攻撃を最大化させることに特化したK-1勢と、相手のよさを出させないことを重視するRISE&SB勢というか。駆け引きやディフェンス技術の高さを発揮したRISE&SB勢がすべての局面でわずかずつリードしていた。
 
 
そして今回の対抗戦ではRISE勢が接近戦での強さを見せつけた。
特に目立ったのが安本晴翔、門口佳佑、南原健太の3人。
 
安本は中間距離での差し合いを避けつつ遠い距離と近場を使い分けながら斗麗を翻弄。
門口はゴンゴン前に出てくる新見を真正面から受け止め、接近戦でのバリエーション、回転力で圧倒した。
南原健太もヘッドハンター気味の愛鷹を上下のコンビネーションで上回り、6試合の中でNo.1のインパクトを残した。
 
 
恐らくだが、RISE勢はクリンチやワンキャッチ・ワンアタックルールによって接近戦での対応力も鍛えられているのだと思う。
 
K-1のリングに上がった門口佳佑が蹴り足をキャッチしてしまうシーンが何度かあったが、前蹴り一つとってもキャッチされにくい蹴り方やキャッチしてからの攻撃等、K-1にはない技術があるのだろうと。
 
中間距離ではK-1勢に軍配が上がったものの、それ以外では概ねRISE勢が優勢。中でも接近戦に差を感じたことを考えると、やはりクリンチやワンキャッチ・ワンアタックは競技レベル向上のためにも必要な気がする。
 
もともとK-1がこのルールに落ち着いたのは旧K-1時代に勝利優先のクリンチ合戦が多発したからだと想像するが、すでにそこから20年経っているわけで。
接近戦での技術もその頃より数段上がっているだろうし、RISEの試合を観てもそこまで退屈にはならんと思うのだが……。
 
RISE、GLORY、K-1。ルールの異なるキックボクシングに混乱。「対世界!!(キリッ」→どうしても噛み合わない試合が増えるよな。直樹、山田洸誓、海人、原口健飛、ゴンナパー
 
ちなみに玖村将史はそれを乗り越える馬力と当て勘の持ち主、寧仁太アリは遠間で勝負するネタが實方拓海よりも豊富だったおかげで勝利できたと思っている。
 
接近戦で佐々木大蔵に打ち負けた白鳥大珠は……。
まあ、そういうこともあるよね笑
 

対抗戦のメンバーに安保瑠輝也がいないのが残念すぎて。僕はあの選手の首から下の大ファンですよ笑

上記を踏まえた上で他流試合(ルールの違い)に対応できそうなK-1ファイターを考えてみるわけだが、とりあえず思いつくのは駆け引きやアングル調整をすべてぶっ壊す馬力と当て勘を兼ね備えていること。
 
玖村将史やTHE MATCH 2022で白鳥大珠を1RKOしたゴンナパー・ウィラサクレックがそれに該当する。
 
また、駆け引き勝負の土俵に立てる選手の条件としては、
・上背、リーチがある
・アングル調整が得意
・遠い位置で相手を釘付けにできる
・接近戦でも馬力がある
ことかなぁと。
 
つまり安保瑠輝也である笑
 
マジな話、今回の対抗戦に安保瑠輝也の名前がなかったことが残念で仕方ない。
 
THE MATCH 2022を境にせっかく独占契約が緩くなってきたところなのに。
この前も言ったけど、何でよりによってBreakingDownなんだよ笑
 
安保瑠輝也が1分3Rの謎ルールでシリル・アビディを圧倒。そうか、手ごたえを感じちゃったか…。この人の他流試合に期待してたけどソコジャナカッタ
 
しかも1分3Rのケージファイトって何すかw
“1分間の疑似ストリートファイト”というBreakingDownのコンセプトからも外れてるし、ケージでキックをやるならONEでいいじゃねえかと。
 
 
改めて観てもいい選手なんですよね安保瑠輝也。


試合のおもしろさを残しつつ異なるルールにも対応できるタイプだと思っているのだが。
 
てか、僕はホントにこの選手の大ファンですからね。首から下の!!
思考回路が絶望的に僕の趣味と合わないだけなんですよ()
 

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