アンカハス健在!! ゴンサレスを10RKOで下す。パッキャオvsマルケスみたいな試合。ドウェイン・ビーモンとやらんかな【結果・感想】

NO IMAGE

テキサス州イメージ
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2018年2月3日(日本時間4日)、米・テキサス州で行われたIBF世界S・フライ級タイトルマッチ。
同級王者ジェルウィン・アンカハスが、ランキング9位のイスラエル・ゴンサレスと対戦。アンカハスが10R1分50秒KOで勝利した試合である。
 
 
開始早々、左のフックでダウンを奪ったアンカハス。
その後も鋭い踏み込みと右のリードでヒットを重ね、優勢に試合を進める。
 
対するゴンサレスは、アンカハスの左をカウンターで迎撃する。
アンカハスの踏み込みに合わせ、大振りのフックを返してペースを取り戻しにかかる。
 
両者の激しい主導権争いが続いた終盤、コーナーでの打ち合いからアンカハスの左がヒット。ゴンサレスがこの日2度目のダウンを喫する。
 
すぐに立ち上がり、懸命に反撃するゴンサレス。だが、リング中央でアンカハスのショートの左を被弾して再びダウン。これを見たレフェリーがカウントを取らずに試合をストップ。
10R1分50秒、ジェルウィン・アンカハスが4度目の防衛を飾った。
 
「ダラキアンvsビロリア、ニエテスvsレベコ、ビーモンvsラモス、ラミレスvsアメドなど。やっと観たのでまとめて感想を書いていくぞ」
 

アンカハス防衛おもしろかった!! イスラエル・ゴンサレスもいい選手だったと思うよ

まず試合の感想なのだが、表題の通り。
おもしろい試合だった。
 
トップランクと契約後の最初の防衛戦ということでそれなりに楽しみにしていたのだが、結果的には期待以上だった(と思う)。
 
「田口すごかった。メリンドに完勝するとはね。負けるとか言って申し訳ないww L・フライ級で規格外のフィジカルと戦術の幅」
 
また、僕は相手のイスラエル・ゴンサレスをまったく知らなかったが、かなりいい選手だったのではないか。
 
タイプとしては、タフなカウンター使いとでも言えばいいか。
しかも、身長もアンカハスと同じ168cm。
前回のジェイミー・コンラン同様、やはりカウンターが得意な長身選手というのはそれなりに期待が持てる。
 
しかもジェイミー・コンランと違い、今回のゴンサレスはかなりタフで我慢強い。
右フックがアンカハスの顔面をかすめるシーンもかなり見られたし、相手のチョイスとしては悪くなかったと思う。
 
この試合の評価がどうなのかは知らんが、僕の中では問答無用でテンションが上がる試合だった。KOラウンドとなった10Rのエキサイティングさを含め、さすがはネクストパッキャオ()である。
 
「チャーロvsセンテノ予想。センテノに圧勝すればミドル級のチャーロ兄の疑いが晴れるかな? そしてゴロフキン戦の実現を…」
 

慎重なアンカハスとカウンターをガンガン狙うゴンサレス。ちょっとパッキャオvsマルケス戦っぽかった

試合を通して思ったのは、アンカハスが慎重だったなと。
 
1Rでいきなりダウンを奪い、そこから一気にいくかと思ったが、あまり爆発はせず。
サイドに回りながら右を出し、時おり大きく踏み込んでの左を見せる程度。
 
ゴンサレスは明らかにカウンターを狙っていたし、そこに踏み込むのは得策ではないという判断か。
 
2017年2月の帝里木下戦や前回のコンラン戦では懐に入っての左右ボディが印象的だったが、今回はむしろ遠い位置での右リード。そしてレンジの長い踏み込みからの左。間合いの外から襲いかかるサウスポーというのは、確かにパッキャオと似ている。
 
「村田V1戦はブランダムラさんと横浜アリーナで。ええやん、東京ドーム開催に向けて前進してる。しかも勝てば次戦はアメリカだって」
 
というか、試合のイメージとしてはパッキャオvsファン・マヌエル・マルケス戦っぽかったなと。
 
右のリードを出しながら踏み込みのタイミングを測るパッキャオと、カウンターで迎撃する気満々のマルケス。
 
パッキャオの踏み込みがマルケスの反応と予測を上回ればパッキャオ。
逆にパッキャオの踏み込みが鈍れば、Vol.4のようにマルケスのカウンターが火を噴く。
 
お互いがお互いの得意分野を警戒しつつ、ピリピリした緊張感が漂う試合。
 
まあ、間合いの外から踏み込みむサウスポーと、抜群のタイミングでカウンターを打ち込む選手がぶつかればこういう感じにはなるよね、という話ではあるのだが。
 
「尾川堅一ドーピング陽性!! まあ、いろいろ不運が重なったかな。処分がどうなるかは知らんけど、割とよくあることだよ」
 

アンカハスの右フックいいね!! フィジカルの強さを活かした復元力の高さ

改めてというか、アンカハスの右フックの鋭さはやっぱりいい。
 
右リードでガードの上を叩き、遠い位置から踏み込んでの左。
パッキャオ同様、身体を目いっぱい伸ばしての左ストレートである。
 
「ロマゴンサスペンド!? 神経学的検査って? その他、エスカンドンvsニャンバヤル、京口vsパラス、アンカハスvsスルタン振り返り」
 
間合いの外側から凄まじい踏み込みで打ち込み、威力を増大させるパンチ。だが、その分どうしても打ち終わりの体勢は崩れやすい。
 
神の左()を持つ日本の山中慎介も、踏み込みのレンジが長い分打ち終わりに身体が大きく流れる。特にリーチの長い相手に打ち終わりを狙われ、ピンチに陥るシーンは目立つ。
 
「山中がネリと再戦? やめた方がよくね? 勝てそうに見えないんだが。というより、ホントにこの試合やっちゃうんすか?」
 
当然、アンカハスにもその心配はつきまとう。
今回の試合でも、打ち終わりにゴンサレスのカウンターがたびたび顔面をかすめていた。
 
「アレクサンダー勝てんかった…。オルティスとの元王者対決にドローで復帰戦を飾れず。やっぱり階級が合ってないような…」
 
ただこの選手のよさは、何と言ってもそこからの復元力の高さ
身体が伸びきった状態から体勢を立て直し、返しの右フックを打つまでがめちゃくちゃ速い。しかもそのパンチに十分な威力もある。
 
「比嘉がフエンテスを1RKO。もうフライ級は十分でしょ。WBC狙いでシーサケットvsエストラーダの勝者に挑戦だろ」
 
あの右フックのせいでゴンサレスは思いきりカウンターを打てなくなり、じわじわと体力を削られるジリ貧状態に陥ってしまった。
 
ゴンサレスが思いきり腕を振れないのであれば、アンカハスもある程度大胆に踏み込める。しかも、左の大振りを意識させたフェイントも効きやすい。
 
「どん詰まりのリナレスvsヘスタ。お互いに相手の持ち味を打ち消し合った結果、大差判定でリナレス勝利。ヘスタやっぱりいい選手」
 
10Rの最初のダウンはコーナーでの打ち合いからの右。
さらに、KOを決めた2度目のダウンは踏み込みを意識させておいての左ショート。
 
これはパッキャオにも共通するのだが、恐らく下半身を含めた身体全体のフィジカルが強いのだと思う。
強靭な下半身を活かした急激なストップアンドゴーにより、身体が伸びた状態から素早い立て直しを実現する。
 
「アローヨvsクアドラスはKOか判定で逃げ切るかの2択だよな。アローヨに勝ってほしいけど。そして岡田隆志とかいう隠れ名選手」
 
そして、持ち前のフィジカル面に陰りが出た結果、パッキャオはマルケスとの4戦目で豪快なKO負けを喫してしまった。
 
「田中恒成フライ級初戦。ロニー・バルドナドは結構おっかない? 無敗対決の世界前哨戦を制してタイトルマッチに進めるか」
 

着実に階段を昇るアンカハス。いろいろ言われるけど、戦略的にはパーフェクトだよね。いずれはドウェイン・ビーモン戦が観たいぞ

しかし、何だかんだでアンカハスのキャリアが軌道に乗ったようで、個人的には嬉しい。
 
「感動しちゃったよシーサケットvsエストラーダ。引き出しの多いエストラーダをシーサケットがテーブルごとひっくり返した」
 
母国で下積みを重ね、ときには中国のリングでスーパーかませと試合をこなす。
ようやくマックジョー・アローヨとの世界戦にこぎ着けたはいいが、開催地はわけのわからん公民館みたいな場所。聞くところによると、ファイトマネーもクッソ安かったとか。
 
「マックジョー・アローヨ、アンカハスにまさかの敗北。フィリピンにおけるパッキャオの影響はマジで甚大だなと思いました」
 
ただ、そこから先は一気に視界が開けた感が強い。
モナコのリングでホセ・アルフレド・ゴンサレスをKOし、オーストラリアでは5万人を超える観衆の前で帝里木下をボコる。さらに敵地英国に乗り込み、地元のジェイミー・コンランに圧勝。
とうとうトップランクとの契約を勝ち取り、今回はアメリカのリングで華々しくデビューである。
 
「ま~た誰得マッチww サンダースvsマーティン・マレー。痛いの大っ嫌い。絶望的に退屈で平和な試合になる予感がするぞ」
 
Superfly Vol.2に出ない、井上尚弥との統一戦を回避など不満はあるだろうが、しっかりとネクストパッキャオとしての道のりを歩んでいる。
 
個人的にこの選手はできるだけ今の階級で防衛を続けるべきだと思っているが、今のところ戦略的にはパーフェクトに近いのではないか。無茶な階級アップをせずに階級に留まることが正解かどうかは知らんが。
 
 
そして、できることならどこかで僕のオススメのドウェイン・ビーモンとのマッチメークが観たい。
 
「比嘉大吾vsフエンテス予想。寒がりフエンテスさんが沖縄上陸。比嘉は凱旋防衛戦で連続KO継続なるか」
 
軽量級時代のメイウェザーをスケールダウンさせた(と個人的には思っている)ドウェイン・ビーモンvsパッキャオの後継者(と言われている)ジェルウィン・アンカハス。
エストラーダやシーサケットなどのSuperfly勢とは別リーグになってしまった今、何とかドウェイン・ビーモン戦を実現してくれないかと勝手に期待している。
 
まあ、ドウェイン・ビーモンの知名度がなさ過ぎて難しいとは思うのだが。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 
 

 
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!