阪神ラウル・アルカンタラのエンジェル・サンチェスっぽさ。チェン・ウェインよりも活躍する? 満点補強の目玉投手の2021年の成績を予想してみる
2020年12月23日、阪神タイガースがラウル・アルカンタラ投手と2021年シーズンの選手契約を締結したことが発表された。
ラウル・アルカンタラ選手と来季の選手契約を締結することで合意しましたのでお知らせします。なお、背番号は「44」に決定しましたので、合わせてお知らせします。
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— 阪神タイガース (@TigersDreamlink) December 23, 2020
ラウル・アルカンタラは2019年からKBO斗山に所属した28歳。
2020年シーズンには31登板20勝2敗 防御率2.54の好成績を挙げて最多勝投手となり、チームの韓国シリーズ進出に大きく貢献した。
また阪神は今シーズンロッテに途中加入したチェン・ウェイン投手とも正式契約を交わしており、来期も外国人8人体制で臨むことになる。
エースの西勇輝を筆頭に青柳晃洋、秋山拓巳、高橋遥人に加え、矢野監督が藤浪晋太郎の先発復帰も公言するなど、来期の阪神はセリーグ屈指の先発陣を形成することが期待される。
そして、その中で新加入のチェン・ウェインやラウル・アルカンタラがどう起用されるかにも注目が集まる。
阪神・大山悠輔、佐藤輝明、広島・坂倉将吾、レイズ・筒香嘉智。気になる選手の開幕後の調子、成績を振り返る
阪神のストーブリーグが有能過ぎる件。福留、能見、藤川で浮いた分を助っ人外国人獲得にうまく回したよな
我が栄光の(ファンではない)阪神タイガースのストーブリーグが活発である。
今シーズン前半に活躍したジェリー・サンズ、後半からセットアッパーを務めたジョン・エドワーズ、便利屋枠としてリリーバー&先発にフル回転の働きを見せたジョー・ガンケル、ケガさえなければクラッチヒッターとして期待できるジェフリー・マルテを残留させ、MLB行きが有力視されていた今季セーブ王のロベルト・スアレスとも2年契約に成功。
ジェリー・サンズ選手、ジョン・エドワーズ選手、ジョー・ガンケル選手、ジェフリー・マルテ選手と来季の選手契約を締結しましたのでお知らせします。
▼4選手のコメントはこちらhttps://t.co/n8xBbvrEnJ
— 阪神タイガース (@TigersDreamlink) December 21, 2020
ロベルト・スアレス選手と来季の選手契約を締結することで合意しましたのでお知らせします。
スアレス選手コメント「またタイガースの一員として戦えることを嬉しく思います。来季こそは、このチームメイトとファンの皆さんと一緒に優勝できるように、チームの勝利に多く貢献できるように頑張ります」 pic.twitter.com/zuIdHV15Wx— 阪神タイガース (@TigersDreamlink) December 24, 2020
さらに今シーズンロッテに途中加入したチェン・ウェインに加え、アルカンタラと同じKBOで47本塁打、135打点をマークしたスイッチヒッター、メル・ロハス・ジュニアとの正式契約も発表された。
チェン・ウェイン選手と来季の選手契約を締結することで合意しましたのでお知らせします。なお、背番号は「14」に決定しましたので、合わせてお知らせします。#陳偉殷 #阪神タイガース
▼チェン選手コメントはこちらhttps://t.co/RS2U1nXoIW— 阪神タイガース (@TigersDreamlink) December 22, 2020
メル・ロハス・ジュニア選手と来季の選手契約を締結することで合意しましたのでお知らせします。なお、背番号は「24」に決定しましたので、合わせてお知らせします。
▼詳細はこちらhttps://t.co/e2qpvMV6Jr pic.twitter.com/Armd9N93Av
— 阪神タイガース (@TigersDreamlink) December 25, 2020
福留孝介や能見篤史、藤川球児といった2010年代を支えたメンバーがチームを去ったものの、来期も継続される外国人枠5を目いっぱい生かした阪神の補強姿勢は有能としか言いようがない。
助っ人外国人を眺めるのが大好きな人間としては、ストーブリーグにおける阪神のアグレッシブさには自然とワクワクしてしまうww
つうか、ガチですげえな阪神。
KBOの最多勝投手とMVPを同時にかっさらってくるって、どれだけ有能なんだよw
日本で言えば菅野智之と柳田悠岐が同じチームに行くようなもんですからね。こんなもん、ファンじゃなくてもワクワクしますよ(僕は阪神ファンではない)。
そんな感じで、今回は先発の一角を期待されるラウル・アルカンタラに注目してみたいと思う。
ラウル・アルカンタラはなかなかいいと思う。巨人のエンジェル・サンチェスとスタイルが近い
ラウル・アルカンタラの投球映像を一通り漁ってみたところ、率直に申し上げてなかなかいいと思う。
コンスタントに150kmを超えるストレートに140km近いスライダーに加え、130km半ばのスプリット。時おり2シーム系も投げているようだが、スピードボールは基本的に4シームが中心となる。
他の方もおっしゃっていたが、印象としては今シーズン巨人で先発ローテを任されたエンジェル・サンチェスに近い。
サンチェスも150km超えのストレートに140kmちょいのカッター、スプリットを駆使しながらカーブで緩急をつけるスタイルで、両投手とも手元で沈む系の球でゴロを打たせるのを得意としている。
決して力のあるストレートでゴリゴリ三振を奪うタイプではないが、まとまりがあって大崩れしにくいピッチャーと言える。
両者のピッチングをざっと観たイメージだと、
ストレート→アルカンタラ
カット系(スライダー系)→サンチェス
スプリット系→サンチェス
カーブ→サンチェス
2シーム→アルカンタラ
といった感じ。
我が阪神タイガース(ファンではない)の2020年助っ人総括。ボーア、サンズ、ガンケル、エドワーズ。異国での変則シーズン、お疲れさまでした
ストレートはどちらもやや角度が足りず、スピードは出るもののそこまで空振りが取れない球質。
アルカンタラも低めのストレートをすくい上げられて外野まで飛ばされるシーンが目につくし、サンチェスに関しては軽くバットに当てられただけで内野の頭をポンポン越されていた記憶がある。
だが、アルカンタラの方が上背がある分、角度と馬力は感じる。
カット系(スライダー系)については、ストレートの軌道からクイッと小さく横滑りするサンチェスに対し、アルカンタラのスライダーは膨らみが大きく打者のバットから逃げきれていない。
それこそ左打者の内側にフワッときたところをパコーンと持っていかれる映像が容易に想像できる。
スプリット系に関しても、サンチェスは左打者の外側に鋭く落ちる軌道だが、アルカンタラのスプリットはいったんフワッと浮いてから沈む。このわずかに浮く瞬間が打者にとっては見極めやすい球となってしまうのかなぁと。
火の玉ストレートで一世を風靡した藤川球児がMLBで活躍できなかった要因もスプリットの軌道がフワッとしていたことだと思っているのだが、アルカンタラもややそれに近いように思える。
そして、130km前後のカーブで緩急をつけるサンチェスと、カーブはほとんど投げずに右打者の内側に2シームを食い込ませるアルカンタラ。
アルカンタラは内側の2シームを得意とする反面、カーブの軌道はいまいち。映像がほとんどないので何とも言えないが、パワーカーブでピッチングに幅を持たせていたサンチェスとは引き出しの多さに差がある。
共通点の多い両者だが、一番の違いはこの部分と言えそうである。
上記をまとめると、
・ラウル・アルカンタラは巨人のエンジェル・サンチェスと近い
・ストレートはアルカンタラだが、変化球はサンチェスに軍配が上がる
・スプリット系が若干ヌルいアルカンタラは左打者に苦労するのではないか
今シーズンのサンチェスの左右成績が対右→.212、対左→.247だったことを加味すると、アルカンタラは対右の成績が良化、対左の成績が悪化すると考えられる。
成績予想は9勝6敗 防御率3.52くらい? 2桁勝てば御の字だけど、変化球が良化すれば覚醒する可能性も…
ラウル・アルカンタラの2021年シーズンの成績予想だが、9勝6敗 防御率3.52でいきたい。
エンジェル・サンチェスの今シーズンの成績が15先発で8勝4敗 防御率3.08。
120試合制+故障離脱があった上での成績なので、フルシーズン働いていれば10勝ちょいは行っていただろうと。
で、そのサンチェスと似たスタイルのアルカンタラもそのくらいの成績を残すと予想しておく。
ただ、申し上げたように両者ともに沈む系の球でゴロを打たせるタイプなので、内野守備に大きく影響されることが考えられる。
ショート坂本勇人を中心に堅い内野陣を擁する巨人と違い、阪神はリーグ最下位のチーム失策85。内野が土のグランドということもあり、ゴロPが自軍の守備に足を引っ張られる光景は毎年の風物詩となっている。
なので、アルカンタラも内容の割に勝ち星と防御率が伸びない可能性も十分あり得る。
2021年シーズンが143試合制、アルカンタラが先発ローテで1年間回ることが前提だが、シーズンを通してだいたい9、10勝くらい。2桁勝ってくれれば御の字かなぁと。
2020年阪神雑感。藤浪晋太郎、髙橋遥人、スアレス、サンズ、大山、ボーア、福留、陽川、藤川その他。実はかなりバランスのいい編成だったんだよな
まあでも、このピッチャーはスライダーorスプリットの質を良化させれば一気に化ける可能性もある。
現状ではストレートがどこまで通用するかがキモになるはずで、狙い球を絞られた際の引き出しの少なさが影響しそうな印象。
今のバリエーションの中に頼れる変化球がもう一つ加われば、エース級の活躍を見せることも全然あり得る(と思う)。
最近の助っ人外国人はクズ度が足りない。たまには前代未聞の社会不適合者も悪くない?
なお、これは僕の勝手な好みなのだが、個性的な助っ人外国人というのもたまには観てみたい思いは少なからずある。
下記の記事によるとラウル・アルカンタラは中日ビシエド級の人格者らしく、性格面での適応は問題ないと言われている。
「阪神新助っ人アルカンタラは“ビシエド級”の人格者!? 成功のカギは「家族のような接し方」にあり」
うん、素晴らしい。
「崔東原賞(日本で言う沢村賞)に選ばれた初のラテンアメリカ選手として、トロフィーは絶対に現地で受け取りたい」ということで、韓国シリーズの真っ最中ながらも表彰式に駆け付けたとのこと。
こういうエピソードを聞くと、アルカンタラを応援したくなる阪神ファンの方も多いのではないか。
物足りないけどな!!
いや、物足りない。
まったく物足りない。
近年、助っ人外国人も調査段階で性格が重視されるケースが増え、どの選手も来日後は真摯に日本野球に向き合う様子が見て取れる。球団としてもこういう助っ人は安心感があるし、応援するファンもより思い入れは強くなる。
だが、一昔前は明らかにアウトなヤツも普通に来日していたわけで。
特に野村克也と確執を起こす助っ人は多く、ダレル・メイやトッド・リンデンはその筆頭格である。
その他、審判にボールを投げつけたバルビーノ・ガルベス、仮病とサボりを連発した上で1試合投げただけで帰国したブラッド・ペニー、打たれるたびに悪態をつき、解雇直後に浅草を観光していたダン・ミセリ。などなど。
少し前まではあまりの畜生っぷりが逆におもしろくなってくるレベルのクズにお目にかかれたものだが、ここ最近ではほぼゼロと言っても過言ではない。
正直ああいう社会不適合者もたまにはいいかな? とも思うんすよね。チームメートや首脳陣はたまったもんじゃないだろうが。
乱闘と同様、遠目から観ている分にはめちゃくちゃ楽しいのでねww
ソフトバンクが強過ぎて脱力感しかない。巨人に2連勝で本拠地へ。藤川球児さんが引退後を満喫してて嬉しくなりますよw
まあ、阪神に関してはダレル・メイあたりが性格重視のきっかけになっているのだと思うが。
解雇になったジャスティン・ボーアもめっちゃええ子だったしね。
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