ジェシー・ロドリゲスがシーサケットを翻弄して8RTKO勝利。ロマチェンコみたいだったね。機動力の差を見せつけて蜂の巣に【結果・感想】

ジェシー・ロドリゲスがシーサケットを翻弄して8RTKO勝利。ロマチェンコみたいだったね。機動力の差を見せつけて蜂の巣に【結果・感想】

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2022年6月25日(日本時間26日)、米・テキサス州で行われたWBC世界S・フライ級タイトルマッチ。同級王者ジェシー・ロドリゲスにランキング2位で元王者のシーサケット・ソー・ルンビサイが挑戦し、8R1分50秒TKOでロドリゲスが勝利。初防衛に成功した一戦である。
 
 
今年2月にいきなり2階級上げてベテラン元王者のカルロス・クアドラスとのタイトルマッチに挑み、文句なしの判定勝利を挙げたジェシー・ロドリゲス。
初防衛戦では同じく元王者のシーサケット・ソー・ルンビサイとの対戦となったわけだが。
 
結果はロドリゲスの8RTKO勝利。前回に引き続き強豪のベテランを寄せ付けない試合運びに会場も大いに沸いた。
 
 
僕自身はジェシー・ロドリゲスを観たのは前回が初めてだったのだが、いや、いい選手だなと。
最近のクアドラスにあまり興味がわかずノーマークだったものの、まあまあの衝撃だったことを覚えている。
 
 
で、今回のシーサケット戦も相変わらずリアルタイム視聴はできず(先日のTHE MATCHの余韻でいまだに気持ちがボクシングにいかないのもある)。
後追いでようやく眺め終わったので、その感想を言っていくことにする。
 
那須川天心vs武尊感想。衝撃的に強かった天心。この日の天心には誰も勝てないんじゃない? 武尊もあきらめずにがんばった感動的な試合
 

ジェシー・ロドリゲスがすごかった。前回は「いい選手だな」と思ったけど、今回は「すげえわコイツ!」に格上げに笑

まず率直な感想としては、ジェシー・ロドリゲスがすごかった
 
前回は「ああ、これはいい選手ですね」程度だったのが今回は「う〜わ、すげえわコイツ」。
クアドラスとシーサケットはタイプが違うが、驚きの強度が一段上がったことをお伝えしておく笑
 
 
また、シーサケットのコンディションも特に悪くはなかったと思う。
 
スピードや踏み込みの鋭さはロマゴンをKOした2017年前後に比べればやや落ちているが、ワンツーの威力や打ち合いでの馬力は健在。
直近(と言っても2021年3月だけど)のクワンタイ・シッモーセン戦がピンとこなかったせいでだいぶ興味を失っていたのだが、久しぶりの王座復帰に向けてしっかり仕上げてきたのではないか。
 
アフマダリエフが右だけでロニー・リオスを封じる。岩佐亮佑戦でも思ったけどホントに右が多彩だよねこの人。フルトンとの統一戦? その前にタパレスとの指名戦?
 

距離とアングル、右リードでシーサケットを蜂の巣に。ところどころでロマチェンコっぽさも…

そのシーサケットを王者ジェシー・ロドリゲスは各局面で圧倒していく。
 
前手のジャブがギリギリ届かない位置をキープしサイドに動きながらジャブをヒット。
シーサケットが踏み込んでくれば外側に動いて芯を外し、打ち終わりを狙ってワンツー。
近い位置ではシーサケットの回転力に負けないスピードと精度でカウンターを返す。
 
そして、シーサケットの手が止まった瞬間に距離を詰めて連打を浴びせる流れ。
 
 
打ち終わりに身体が流れる瞬間、フッと気を抜いた瞬間、下と見せかけて上、右と見せかけて左、などなど。
ことごとく裏をかいてパンチを通しまくるファイトは「うまいな」「すげえな」と思うと同時にめちゃくちゃおもしろい。
 
中でも接近戦で身体を入れ替えつつ蜂の巣にしていく光景などは……。
 
前回のクアドラス戦ではジェシー・ロドリゲスのことを「強化版亀田興毅」と申し上げたが、この試合の衝撃はそれ以上。実況も言っていたが、ところどころにワシル・ロマチェンコっぽさを感じるパフォーマンスだった。
 
ジェシー・ロドリゲスいい選手!! クアドラスに興味がなくて観てなかったけど。ちょっと亀田興毅っぽい。アンカハスがコケて統一戦が消えた井岡に中谷潤人が?
 
シーサケットもがんばったんですけどね。
だんだんとダメージが蓄積→耐えに耐えた末に7、8Rでドバーッと表面化してしまった印象。
もともとディフェンス面に難がある選手ではあったが、これだけ多角的? に打ちのめされればどこかで破綻するのも仕方なかったかなと。
 

ロドリゲスは階級差があまり影響しないタイプっぽい。フットワークと鋭い右リード、カウンターを兼ね備えたサウスポー

前回も申し上げたのだが、恐らくジェシー・ロドリゲスは階級差がそこまで問題にならないタイプ。
 
・ナチュラルなカウンター
・鋭い右リード
・常に高く上げたガード
・アングル調整と前後の距離感
・サウスポー
 
芯を外すフットワークと高いガード、鋭いリードにナチュラルなカウンターを兼ね備えたサウスポー。しかも今回は機動力に差があるシーサケットが相手ということで、近場でクルクル回り込むロマチェンコばりのステップも多用した。
 
極力触らせない、正面で勝負しない、ガードが堅くカウンターが得意なタイプは比較的体格差を踏み越えやすいと思っているのだが、ジェシー・ロドリゲスはその条件に合致している(気がする)。
 
 
体格差の影響を受けにくい選手でパッと思いつくところではS・フェザー級のシャクール・スティーブンソン、ライト級のワシル・ロマチェンコ、ヘビー級のオレクサンドル・ウシクあたりか(ウシクは僕が興味がなさすぎるのでよくわからん)。


今回の勝利でジェシー・ロドリゲスもこのメンバーに入りそうな勢いである。
 
シャクール・スティーブンソンvsオスカル・バルデス。バルデスじゃシャクールに勝てへんよ。でも、シャクールも万能じゃなさそう。チャンスがあるとすれば尾川堅一一択
 

若干荒削りかな。カウンターと打ち合いに自信があるんだろうけど。シャクールやロマチェンコほど波風がいっさい立たない絶望感はない

だがジェシー・ロドリゲスは今のところやや荒削りなイメージ。
 
前回、今回と危険地帯にとどまる時間が長く、この試合でもシーサケットの連打に捕まって一瞬動きが止まるシーンもあった。
 
恐らく流れの中でのカウンターに自信がある&打ち合いが大好きなのだと思うが、もともと2階級下の選手なので耐久力は未知数。
 
その点、シャクールやロマチェンコは攻撃と防御のメリハリがしっかりついており、よくも悪くも波風を立てさせない絶望感がある。
 
要するに身体能力と見切りに長けたサウスポーは最終的にシャクールかロマチェンコのどちらかに行き着く(将来的には不明)のだと思うが、彼らに比べてロドリゲスはまだまだ未完成なのかもしれない。
 
 
繰り返しになるが、オレクサンドル・ウシクにはまったく興味がわかないのでどうでもいい。
 
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