ワイルダーvsフューリードローww ワイルダーのパンチって何で当たんの? フューリーは2度のダウンから立ち上がる【結果・感想】
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2018年12月1日(日本時間2日)、米・カリフォルニア州ロサンゼルスで行われたWBC世界ヘビー級タイトルマッチ。
同級王者デオンティ・ワイルダーが挑戦者で元統一王者タイソン・フューリーと対戦し、1-1(115-111、110-114、113-113)の判定でドロー。ワイルダーが8度目の防衛を果たした一戦である。
ヘビー級の無敗同士の対戦が実現した今回。
初回から軽快な動きとシャープなジャブを見せるフューリーに対し、ワイルダーは積極的に自慢の強打を振るっていく。
中盤までは一進一退の展開ながら、ややフューリーの左がワイルダーの顔面を捉えるシーンが目立つ。
ところが9R。
コーナーにフューリーを追い詰めたワイルダーが右の打ち下ろしを側頭部にヒット。フューリーが崩れるように膝をついてダウンを喫する。
だが、カウント9で立ち上がったフューリーはうまく立て直し、ワイルダーに追撃を許さない。
さらに最終回。
再びワイルダーの強打がフューリーを捉え、フューリーが仰向けでダウン。
会場のボルテージも最高潮に達したが、なんとフューリーが立ち上がり続行の意思を見せる。
疲労困憊のワイルダーも攻めきれず、そのまま試合終了。
三者三様の判定により、ドローでワイルダーの防衛が決定した。
「世の中には二種類のボクサーがいる。ワイルダーとそれ以外である。天才ワイルダーがオルティスとの再戦を右1発で制する」
ワイルダーvsフューリーいい試合だった。フューリーかな? とも思ったけど、ドローもアリだね
まず、何よりいい試合だった。
僕はうっすらフューリーの勝ちかな? と思ったが、ドローでもまあ問題ない。
両者の持ち味が十分発揮された好試合。
タイソン・フューリーのブランクがどこまで影響するか、2015年のクリチコ戦並みのコンディションでないと厳しいのでは? という声が多かったが、そこもバッチリ仕上げてきていた。
最終回のダウンからフューリーが立ち上がったのにはめちゃくちゃ驚かされたし、そこから形成を逆転するメンタルとテクニックもすごかった。
どちらにしても最高の一戦。ヘビー級のDQN同士のアゲアゲなお祭りだったと思う。
「フューリーを苦戦させたワリンがクッソいい選手だった件。ヘビー級3強時代が崩れる日も近い?」
そして、どうやら再戦の話がさっそく持ち上がっているとのこと。
うん、いいと思うよ。
どんどんやったらええんちゃいますか?
どうせ、アンソニー・ジョシュアを引っ張り出すのはめんどくさいんでしょ?
ペースを支配したのはフューリー。2年半のブランクも問題なく、動けるデブの本領を目いっぱい発揮した
今回の試合、申し上げたように個人的にはタイソン・フューリーの勝利だったと思う。
いや、ポイントどうこうはともかく、どちらがペースを握っていたかの話。
やはり、全体的に試合をコントロールしたのはタイソン・フューリーの方だったなと。
「ワイルダー陥落! フューリーがヘビー級史上最強でいいよな。オラが町のごんたくれは“パーフェクトな2秒”を与えられず」
とりあえず、心配された2年半のブランクについてはほぼ問題なし。
前戦を観る限り、ちょっとワイルダー戦は時期尚早かな? という印象を受けたが、まったくそんなことはなく。今回に関して言えば、かなりの水準まで戻してきていたのではないか。
何より、フューリーが左ジャブの連打でワイルダーを止める作戦を選択したのはちょっと意外だった。
1発で試合を終わらせるワイルダー相手に、あの間合いに長くとどまるのは危険度が高い。
特にコンディションが戻りきっていないフューリーでは、バックステップが間に合わずにあっさり追いつかれてしまう。
恐らくフューリーもそれを自覚していて、もっと遠い位置をキープしようとするのでは? と予想していた。
「ワイルダーvsフューリー間近! でも、この試合って予想するようなヤツなんだろか。むしろ、アトラクションとして楽しむべき?」
それが実際には真逆。
サイドに動きながら積極的に左を出してワイルダーを釘付けにし、鋭い踏み込みにもしっかり対応。
フューリーが思ったよりも左のカウンターが得意ではなかったのも含め、終始ワイルダーをコントロールしながらラウンドを重ねていく姿は観ていて楽しかった。
ワイルダーの勤勉さと野獣性。意外と諦めないんだよねこの人。てか、何でパンチが当たるんだろか?
対するワイルダーについてだが、こちらもめちゃくちゃがんばった。
左の精度で劣り、距離を支配される苦しい展開。
強引に前に出るシーンも作ったが、フューリーのリーチと見切りで目立ったヒットを奪えず。
何度も言うように、ポイント云々はともかく大苦戦だったことは間違いないと思う。
ただ、その中でも左を出し続け、絶えずプレッシャーをかける勤勉さ。
あれだけフューリーに右の打ち下ろしを見切られ、左を空転させられてもめげることなくジャブを打ち続ける。
前回のルイス・オルティス戦でも、劣勢の中でも諦めずに前進し続け、最後にビッグパンチをぶち当ててみせた。
この選手は一見、大雑把で淡白な印象を受けるが、実は意外と根気強い。
何だかんだで苦戦も多い選手なので、その分経験値も豊富なのかもしれない。
そして、1発1発の殺傷力が桁違いで、相手に与えるプレッシャーも半端じゃない。
少し集中を切らしただけで一気に持っていかれそうな状況がずーーっと続くというのは、相手にとっては相当しんどい(はず)。
正直、僕はこの選手のパンチがなぜ当たるのかがよくわからない。
今回も序盤だけを観れば、「永遠に当たらんでしょコレ」状態だったと思う。
それがなぜか吸い寄せられるように両者の距離が詰まり、暴風雨のようなフルスイングに巻き込まれる。
後半になってフューリーの動きが落ちた?
ワイルダーがパンチの軌道を微妙に変えた?
あれこれと理由は考えられるが、それ以上に「ワイルダーの野獣のような圧力にのまれる」というのがファイナルアンサーなのかなぁと思ったりしている。
ダウン後のフューリーの粘りはすごかった。失神から立ち上がり、右のカウンターをぶち当てて形成を逆転しやがった
ついでに言うと、ダウンを食った後のタイソン・フューリーの粘りはマジですごかった。
というより、12Rのリカバリーはこの試合のハイライトと言っても過言ではない。
だって、完全に大の字で失神しとったからね彼。
あそこからしれっと立ち上がって、しかもMAXパワーのワイルダーに打ち勝つって。
何がどうなったらあんなことになるんすか?
冗談抜きで、あそこのシーンには心底びっくりさせられた。
それこそ、あの12Rを観られただけでも、この試合を楽しみにしてきた甲斐があったというくらい。
「野獣ワイルダーがオルティスを豪快KO!! やべえ、おもしろかったww オルティスは勝たなきゃダメな試合だったな」
しかも、よく観ると9R、12Rのダウン後にフューリーは右のカウンターでワイルダーをピヨらせていることに気づく。
ワイルダーのフルスイングの右に内側から右を通し、最短距離でカウンターをぶち当てる。
これによってワイルダーは前に出られなくなり、逆にフューリーに反撃を許す展開。
「疲労によってワイルダーは詰めきれず」という記事を読んだが、ちょっと違う。むしろアレはダメージによる失速だったと思うのだが、どうだろうか。
これまでの相手はワイルダーの野生的なパンチで萎縮させられ、ガードを固めるばかりだった。
だが、今回のフューリーは深いダメージを負いながら自ら前に出て打ち合い、コンパクトなカウンターで形成を逆転して見せた。
絶望的なダウンから復活したのはもちろん、僕はどちらかと言えばそちらの方に目を奪われてしまった。
とにかくアレだ。
両者マジでナイスファイト。
ダイレクトで再戦するのか、アンソニー・ジョシュアと絡むのかは不明だが、ここにきてヘビー級のビッグマン同士がようやく遭遇したことはめちゃくちゃ喜ばしい。
今後も間を空けずによろしくお願いします。
うっす。
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