WBSSの資金難にはビックリしたな。てっきり大財閥の御曹司が道楽で金出してるもんだとばかり……。バランチェク離脱、井上尚弥試合枯れ
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開催中のWorld Boxing Super Series(WBSS)がヤバいらしい。
この大会は各団体の王者を集めて行う最強決定トーナメントで、WBA世界バンタム級王者の井上尚弥も参加している。
現在、バンタム級とS・ライト級準決勝の日程発表を待っている段階である。
ところが、2018年10月に行われた1回戦からすでに3か月が経過。いまだに詳細の発表はない。
それどころか、一部選手へのファイトマネーの未払いが報じられるなど、WBSSの存続自体が危ういという噂も。
先日、ようやくS・ライト級準決勝の日程が発表されたものの、依然予断を許さない状況が続いている。
「ゾラニ・テテ負傷欠場w 散々待たせてドネアvsステフォン・ヤングて。WBSSしょっぱ過ぎる。二度と真の王者()とか語るんじゃねえw」
WBSSの動向を詳しく追ってなかったけど、ここまでの流れを振り返ってみるか
ゴタゴタ続きのWBSS。
当初は「真の世界一決定戦!!」「これぞファンが待ち望んでいたもの!!」と大歓迎されていたのが、一向に日程が発表されない状況に「あれ?どうしちゃったの?」の雰囲気が漂い始める。
そして、あれよあれよのうちにファイトマネー未払いが報道され「おいおい、何がどうなってんのよ」。今では「シリーズ2で終わるんだろうけど、せめてバンタム級だけは完結させてくれ」という諦めの境地へ突入している。
井上尚弥がパヤノをワンパンKOした際のワクワク、熱狂もいいかげん冷めつつある。
「井上尚弥がワンパンKO。パヤノを瞬殺ってマジっすかw ロドリゲスだ? いくらでもかかってこいよだね」
一応、ここまでの流れを振り返ると、
2018年12月7日、WBSSトーナメント打ち切りの危機が報じられる。
いくつかのソースによると、1回戦のファイトマネーを受け取っていない選手が複数いるとのこと。
DEVELOPING: The World Boxing Super Series is in jeopardy of being cancelled ahead of the semifinals, according to multiple sources. Several fighters are still awaiting their bonus checks from the Season 2 quarterfinals. Updated story from @MikeCoppinger: https://t.co/xiX4H9fsUJ
— Bible of Boxing (@ringmagazine) 2018年12月7日
それを受けて、WBSSプロモーターのザワーランド氏が2018年12月26日、一連の報道を否定。タイミングの問題で選手にファイトマネーがまだ渡っていないだけだと主張する。
Kalle Sauerland: 'All WBSS fighters have been paid': https://t.co/mmfyDfSGT2 by .@NoSparring @WBSuperSeries @SauerlandBros #Boxing #Boxeo #Editorial #Opinion #WBSS #WBSSSeasonTwo #WorldBoxingSuperSeries #AliTrophy #WBSS2
— Bible of Boxing (@ringmagazine) 2018年12月26日
ところが2019年1月30日。
S・ライト級1回戦を勝ち抜いたIBF王者イバン・バランチェクが、ファイトマネーの未払いや運営側のレスポンスの遅さを理由にトーナメントからの撤退を表明する。
140 titlist Ivan Baranchyk pulls out of @WBSuperSeries over financial and other issues. My story: https://t.co/kjtPHt0vPu #boxing @loudibella @SauerlandBros
— Dan Rafael (@danrafaelespn) 2019年1月31日
そして、その翌日。
なぜかS・ライト級準決勝ジョシュ・テイラーvsイバン・バランチェク戦が、2019年5月18日に英国で行われることが正式に発表される。
CONFIRMED: @JoshTaylorBoxer vs @IBaranchyk WBSS Semi-Final & IBF World Championship set for @TheSSEHydro Glasgow, 18 May 🔥🔥🔥
📝 Full details: https://t.co/b7pNbhSbbl#TaylorBaranchyk #WBSS2 🏆 #AliTrophy pic.twitter.com/ge18wZWAhz
— World Boxing Super Series (@WBSuperSeries) 2019年1月31日
だいたいこんな感じだろうか。
その間「ファイトマネーの未払いは解消した」「トーナメントから離脱するのはバランチェクだけではない」「準決勝の日程は来週発表される」などの細かい報道もあったようだが、真剣に動向を追いかけていなかったせいであまり詳しくはない。
「15R時代との比較。12Rに短縮されたことでボクシングは変わったの? 日本にはホームアドバンテージがあるの? スタッツ遊び第2弾」
大ざっぱなイメージとしては、
WBSS運営「準決勝の日程は近々発表するお(やっべえ、金ねえよ)」
バランチェク「ファイトマネーくれないからやーめた」
WBSS運営「5月18日にテイラーvsバランチェク戦やるぞ!!(まあ落ち着けって)」
ファイトマネー未払いでトーナメントが崩壊する前に、大急ぎで体裁だけ取り繕ったのかな? という印象。
WBSSは大財閥の道楽だとばかり思ってた。だって、クルーザー級に50億なんて正気の沙汰じゃないでしょ
一連の流れに対する感想だが、割とガチでビックリしている。
他の方がどう感じたのかは不明だが、少なくとも僕はWBSSが財政難に陥ることなどあり得ないと思っていた。
根拠としては、シリーズ1のクルーザー級。
賞金総額50億円とも言われたトーナメントで、大盛況の中オレクサンドル・ウシクの優勝で幕を閉じた大会である。
「まんまだったなウシクvsガシエフ。無策のガシエフが12R空転させられ大差判定負け」
そして、個人的に50億という金額にはめちゃくちゃ驚かされた。
言っちゃあ悪いが、決して人気階級ではないクルーザー級のトーナメントにこの金額をポンと出せる太っ腹ぶり。
これは恐らく相当なパトロンがバックについているのではないか。
いまいち資金源の実態が掴めない部分も含め、かなりの大物が動いているのだろうと。
それこそ、ロスチャイルド家のような大財閥が道楽で投資している様を漠然とイメージしていた次第である。
ちょび髭を生やした御曹司が指を鳴らす→デカいジュラルミンのケースを持った“じいや”が登場→「ザワーランド君、これを使いたまえ」
みたいな。
なので、ジェイソン・モロニーvsエマヌエル・ロドリゲスの試合会場がガラガラだろうが関係ない。なぜなら俺たちには“じいや”がついてるから。
「ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニー」
どれだけ客入りが悪かろうが、バックにいる大財閥はワイン片手にニヒルな笑いを浮かべているものだとばかり思っていたのだが。
それがまさか、ファイトマネーの未払いなどという典型的なアレになるとは……。
「ファンの待ち望んだ真の世界一」もクソもあったもんじゃねえww
はい、尋常じゃないほどの世間知らずは重々自覚しております。
「俺のコバレフが勝ったどー!! アルバレスの圧力を抑え込んで王座返り咲き。慎重な破壊神ってのもいいじゃないですか」
想像以上に収益が上がってないんだろうな。本来なら今ごろ各階級の王者が群がっていたはずが……
まあ、そういった理想や空論はともかく。
現実的には、思った以上に収益が上がっていないのだろうなと想像している。
あくまで報道通りファイトマネーの未払いがあったと仮定して、WBSSは当初の予定よりもはるかに客入りが悪く浸透もしなかったのではないか。
運営側としては、
シーズン1のクルーザー級、S・ミドル級で盛大に花火を打ち上げる→注目を集めたところでシーズン2のバンタム級、S・ライト級スタート→そのままの勢いで人気階級でのトーナメントを実現
といった流れを目論んでいた気がする。
「プログレイスvsフラナガン感想。あ、こっち側か。警戒し過ぎなフラナガンが結果的にプログレイス対策を見せた?」
恐らく今頃は世界中から注目され、各階級の王者がワラワラと群がっているはずが、実際にはちっとも注目度が上がらず。
特に米国でのシカトされっぷりは深刻で、ドル箱階級のウェルター級やミドル級には見向きもされない。結果的に資金繰りがショートし、にっちもさっちもいかなくなっているのかなと。
「ボクシング新興国の開拓を」
「WBSSのブランドイメージを守る」
「ボクシングの価値を高める」
などなど。
いちいちカッコいいことを言ってはいたが、現状はそれどころじゃない。
予算は底をつき、追加の資金調達は難航。
業を煮やした出場選手からは、トーナメントの離脱を申し入れられる。
やせ我慢も限界にきたところでの、苦し紛れの日程発表だったのではないか。
「田中恒成vs田口良一決定か。どうなるかがまったくわからん。今回はTBSで全国中継されるってさよかったな」
人気階級の王者がわざわざトーナメントで潰し合う必要はない。ランカーにチャンスが巡ってこない弊害もあるよね
確かに人気階級の王者であれば、わざわざ他団体の王者と大急ぎで潰し合う必要はない。
普通に防衛戦を重ねるだけでそれなりのファイトマネーを手にすることが可能で、統一戦はタイミングを見て引き延ばした方が有利になる。
「ファンの望む試合を実現する」「階級最強決定戦を」という志はすばらしいが、人気選手にとっては決して旨みが多い企画とは言えない。
ヘビー級のデオンティ・ワイルダーがアンソニー・ジョシュアに50億のファイトマネーでオファーしたんだっけか?
そりゃあ最強トーナメント()なんて必要ないわな。
「テイラーvsバランチェク実現? WBSSとかいう壮大な茶番に幸あれ。アリトロフィーの名誉()よりも実が欲しい」
あとはまあ、以前から感じていたのが、WBSSは王者以外の選手へのチャンスが極端に減るという弊害もある。
現状、S・ライト級トーナメントにはWBA、IBF、WBOの王者が参加しており、最低でも2019年後半までは各団体のランカーに王座挑戦の機会は回ってこない。
しかも優勝者は自動的に統一王者となるので、挑戦しやすい相手を選ぶこともできなくなる。
トーナメントによる瞬間最大風速は凄まじいが、それはあくまで一時的なもの。業界全体の活性化を考えると、あまり乱発するのもどうなの? という気もしないでもない。
「愛しきレイ・バルガスw マンサニージャに大差判定勝利。ベリスタインのラスト・サンはポテンシャルだけで勝ち続ける」
で、運営自体が滞ったせいで各王者が意味不明に試合枯れするというね。
2018年のナオヤイノウエの稼働時間が合計182秒ってのはさすがにマズいからな。本人にとっても日本ボクシング界にとっても。圧倒的に強いのはわかったけど、24、25歳の時期に年間2Rじゃ話にならんわな。
「ロドリゲスが井上尚弥に勝つ姿が想像つかないんだが。5月にグラスゴーで準決勝。WBSSのグダグダ運営を見るのも楽しいw」
結果論ではあるが、顔見せでもいいから2018年末にノンタイトル戦でもやっておけば……。
いや、そんなこたぁいいからお前は銭をひねり出しやがれww
井上尚弥がWBSSの価値を高める! 仕掛け人激白「新型のタイソン」「脱帽しかない」https://t.co/oRkmcVEKGx
— THE ANSWER (@theanswerc2) 2018年10月8日
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