プログレイスvsフラナガン感想。あ、こっち側か。警戒し過ぎなフラナガンが結果的にプログレイス対策を見せた? vsレリクは?【結果・感想】

プログレイスvsフラナガン感想。あ、こっち側か。警戒し過ぎなフラナガンが結果的にプログレイス対策を見せた? vsレリクは?【結果・感想】

ルイジアナ州イメージ
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2018年10月27日(日本時間28日)、米・ルイジアナ州で行われたWBSS S・ライト級1回戦。
 
WBC同級ダイヤモンド王者レジス・プログレイスが元WBO世界ライト級王者テリー・フラナガンと対戦し、3-0(119-108、118-109、117-110)の判定でプログレイスが勝利。準決勝へとコマを進めた試合である。

 

いつも通りの巧みなボディワークとカウンターで、開始直後からプレッシャーをかけるプログレイス。それに対し、フラナガンはガードを高く上げて距離をとる作戦。
 
両者がパンチを打ち込むタイミングを測る中、プログレイスが軽いジャブのヒットを重ねてポイントを奪取。
8Rには得意のカウンターをガードの外から当て、この試合で唯一のダウンを奪う。
 
後半に入っても警戒心を解かないフラナガン。
焦れたプログレイスは、自ら前に出てパンチを打ち込んでいく。
 
結果、10R以降は逆にフラナガンがプログレイスの左にカウンターを合わせる展開に。
 
 
そして、試合はそのまま大きな動きもなく終了。
終始細かいジャブを当て、大きな被弾を許さなかったプログレイスが大差判定勝利を収めた。
 
「ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニーがロドリゲスを追い詰める」
 
なお、プログレイスは次戦で同じく1回戦でエドゥアルド・トロヤノフスキーに勝利したキリル・レリクとの一戦が予定されている。
 

プログレイスvsフラナガンはプログレイスが勝つと勝手に思ってました。フラナガンのことをよく知りもせず

先日行われたWBSS S・ライト級1回戦。
優勝候補の1人と言われるレジス・プログレイスが、元ライト級王者テリー・フラナガンの挑戦を受けた一戦である。
 
僕はこの試合の勝者は11月3日に英国で行われるジョシュ・テイラーvsライアン・マーティン戦の勝者と準決勝を戦うものだと勘違いしており、相手がキリル・レリクだと聞いて驚いてしまった。
「お、そうなのか」と。
 
ジョシュ・テイラーvsレジス・プログレイス戦を期待していたおかげで、軽~く肩透かしを食ってしまった感じである。
 
まあ、どちらにしてもハズレなしのトーナメントなので全然構わないのだが。
というより、僕が勝手に勘違いしていただけなので、言い訳もクソもないのだが。
 
「ジョシュ・テイラーにはイージーゲームだったか? ライアン・マーティンの何もなさに逆に驚いた。もう少し工夫すると思ったけど」
 
そして、挑戦者のテリー・フラナガンをよく知らず、大方プログレイスが勝つのかな? と勝手に思っていた。
 
フラナガン?
ああ、何か強いんだっけ?
 
でもアレでしょ?
プログレイスが勝つんちゃう?
だってアイツ、もっと強いんでしょ?
 
勝敗予想もクソもない、マジで適当に考えていたことを報告しておく。
 

あまりに警戒心が強いフラナガン。vsサウスポーにも慣れておらず、攻め手がまったく見当たらない

実際の試合を観た感想だが、「なるほど、こうなるんだね」といった感じか。
 
基本、レジス・プログレイスはボディ・ワークとカウンター狙いの選手。
相手の出てくる力を利用してカウンターを返し、そこを起点に攻撃の流れを作るタイプなので、相手が出てこない場合は当然こう着が起きる。
 
対するテリー・フラナガンだが、こちらはとりあえず警戒し過ぎだったなと。
 
ガードを高く上げて距離をとり、極力プログレイスの射程に立ち入らない。
カウンターの被弾に気を配り、できるだけ自分からは手を出さず。
常に致命打をもらわない位置をキープし続ける慎重な試合運び。
 
「ドネアvsバーネット感想。ロマンを捨てて実を取ったドネアと背中痛で棄権のバーネット。ここからだったのに」
 
カウンター狙いのプログレイスと、異常なまでにカウンターを警戒するフラナガン。
お互いに決め手がなく、アクションを起こすきっかけを探す時間が続く。
 
特にフラナガンはサウスポーvsサウスポーに慣れていなかったのもある気がする。
強力なパンチが届かない間合いをキープしたはいいが、そこから先の攻め手がまったくない。
奥足重心で距離をとったまま、何もできずにラウンドだけが経過していくジリ貧状態。
 
恐らくプログレイスはフラナガンよりも拳1つ分ほどリーチが長く、中間距離では先にジャブを当てることができる。
 
ぶっちゃけ、このジャブを当てているだけでポイントでリードすることは可能。無理して前に出なくても、勝手にフラナガンが警戒してくれるという楽な展開である。
 
フラナガンはプログレイスの圧力を防ぐことには成功したが、同時に自らの攻撃パターンも放棄してしまった印象が強い。
 
「ジョシュ・テイラーvsレジス・プログレイス訴訟で消滅? 実現すると思ってるんですけどね。英国開催一択なのに何やってんの」
 

カウンター狙いのプログレイスとカウンターを警戒するフラナガン。どちらも決め手がなく、それがプログレイス攻略の糸口に…

うん、これはなかなかおもしろい。
 
申し上げたように、プログレイスは中間距離でのカウンターが得意な選手。
 
射程内に踏み込んだ途端に1発目のリードに右を被せ、左のオーバーハンドにつなぐパティーン。
加えて至近距離でのボディ打ちも強烈なので、強引に身体を密着させるのも得策ではない。
 
今回のフラナガンはこのカウンターへの警戒心が強く、とにかく危険地帯に踏み込まないことを意識していた。
さらにサウスポー同士の試合にも慣れておらず、プログレイスを崩す術もない。
 
「WBSSの資金難にはビックリしたな。てっきり大財閥の御曹司が道楽で金出してるもんだとばかり……。バランチェク離脱」
 
そして、これがかえってプログレイス攻略(まではいかないけど)の可能性を生み出していた気がする。
 
カウンターを狙う相手には、自分から手を出さない。
追い足のないプログレイスの射程に極力立ち入らない。
 
フラナガンの攻め手のなさと強過ぎる警戒心が、結果的にプログレイスの攻撃力を抑え、動きの少ない展開を作り出した。
試合自体はクソほど眠かったが、意外と見どころは多かったように思う。
 
これまで猛獣的な強さを見せつけてきたプログレイスだが、決して難攻不落ではない。
 
8Rに焦れたフラナガンが自分から踏み込んだ途端にカウンターの餌食になったが、それ以外は本当によく我慢したと思う。
この選手にもう少し距離を詰める手だてがあれば、ガチで何かが起きた可能性も……。
 

キリル・レリクvsプログレイス戦が決定!! って、前回のレリクvsトロヤノフスキー戦もおもしろかったよね


これでキリル・レリクvsレジス・プログレイスの準決勝が決定したわけだが、この試合もまた……。
 
マジな話、僕にはどちらが勝つかがまったく分からないのだが。
 
「バルテレミーvsレリク、グローブスvsユーバンクJr.の感想を。バルテレミーの体調の悪さとグローブスの泥仕合w」
 
ちなみにだが、先日日本で行われたキリル・レリクvsエドゥアルド・トロヤノフスキー戦
井上の衝撃的なKOによって完全に忘れられた感が強いが、実はめちゃくちゃおもしろい試合だったと思っている。

 
多彩な左リードで相手をくぎ付けにし、打ち下ろし気味の右を振るうトロヤノフスキーに対し、縦横無尽なステップとスイッチ、ハンドスピードを活かしたフリースタイルな攻撃を得意とするレリク。
 
序盤2Rはトロヤノフスキーの左で侵入を阻まれたレリクだが、遠い位置からの踏み込みに活路を見出す。
 
トロヤノフスキーの射程の1歩外から強引に踏み込み、一足飛びで懐に侵入。身体を預けるようにロープを背負わせ、近場で無理やり腕を振る。
 
また、3R目からはトロヤノフスキーの1発目のジャブにカウンターを被せ、パンチの戻り際に連打を浴びせながら距離を詰める。
 
早い段階で左リード封じの方法に気づいたことで、それ以降は自分の距離、ペースで攻めることができた。
 
逆にトロヤノフスキーはこのカウンターによってうかつに左を出せなくなり、常に受動的な対応を迫られる展開。
 
ポイント的にはかなり競っていたが、試合を支配していたのは 常にレリクの方だったように感じる。
どことなく、今年6月のジョシュ・テイラーvsビクトル・ポストル戦にも似ていたような……。
 
「ベストバウトきました。テイラーvsポストル興奮したわ〜ww ポストルに感動したかな。どっちもよかったけど」
 

レリクならプログレイスを攻略できる? 恐らくトロヤノフスキーとはまったく逆のやり方になると思うけど

そして、恐らくプログレイスの攻略法はトロヤノフスキーとは逆
 
プログレイスがカウンターを狙っているところに遠い間合いから踏み込めば、あっという間にジュリアス・インドンゴの二の舞。
左のオーバーハンド→ボディの連打に巻き込まれ、一気に主導権を握られてしまう。
 
反面、プログレイスにはトロヤノフスキーやポストルのような多彩なジャブはない。バックステップが効くタイプでもない。
レリクのフットワークなら、比較的容易に射程内に立ち入れるのではないか。
 
「きたぜ亀田和毅。アビゲイル・メディナと暫定世界戦決定。予想は7:3くらいで有利? 一応「2階級制覇をかけて」でいいの?」
 
近場でレリクが持ち味のハンドスピードを発揮すれば、プログレイスのボディワークは間に合わない。
カウンターを合わせる余裕も与えず、高確率で連打を浴びせる展開に持ち込めるはず。
 
本来これはジョシュ・テイラーvsレジス・プログレイスの組み合わせで予想しようと思っていたのだが、キリル・レリクになってもまったく問題はない。
 
この選手であれば、今回のフラナガンが見せた攻略法をよりハイレベルで実行できそうなイメージ。
 
 
実際、レリクvsプログレイスの準決勝はかなり拮抗しそうなのだが、どうだろうか。
 
てか、やっぱりWBSSおもしろいよね。
S・ライト級は日本ではあまり注目度が高くないけど、実は興味深い試合が多い。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 
 
 

 

 

 

 
 

 
 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!