え、コイツと? アンドレ・ウォードがアレクサンデル・ブランドと激突。前哨戦でこのタイプを選んだのは意外だった【予想】

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オラクルイメージ
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2016年8月6日(日本時間7日)にカリフォルニア州オークランドのオラクル・アリーナで、アンドレ・ウォードvsアレクサンデル・ブランドの一戦が行われる。

この試合は2016年11月に予定されているアンドレ・ウォードvsセルゲイ・コバレフ戦に向けた前哨戦の意味合いを持ち、ウォードにとっては必勝が義務づけられた試合である。

さらに、当初は2015年11月に行われたサウル・アルバレスvsミゲール・コット戦のアンダーカードとしてセッティングされていた試合でもあり、対戦相手のブランドにとっても念願の一戦となる。

「“カネロ”・アルバレス、コットに大差判定勝ち!! 最高峰の技術戦に完勝し、王座獲得!!」

自分がPFP No.1であることを証明するため、コバレフとの一騎打ちを控えるアンドレ・ウォード。ファン待望のメガマッチに向けてどんな試合を見せてくれるかに注目である。

ほう、こんなタイプの相手を選んだのかウォード。前哨戦にしてはちょっと意外だったな

今回の対戦相手であるアレクサンデル・ブランドは上体が柔らかく動きも速い変則的なボクサー。39歳のベテランではあるが、フリースタイルなボクシングを得意とする選手である。

「最強巨神兵コバレフの攻略法判明? チレンベ(チレンバ)の大健闘で大差判定ながら不安を残す」

低いガードでリラックスした構えから、大きく飛び込んでのフックやいきなりの右。距離が詰まったところでハンドスピードを活かした連打を浴びせ、再び距離をとる。
また、上体の柔軟性を活かしたスウェーとフットワークで相手を空転させてカウンターを狙う待ちのスタイルにも対応できる。

「最強のクソ試合製造機アンドレ・ウォードさんが本日も安定の完封。ブランドを寄せつけず」

ただ、全体的な動きには粗さが目立ち、フィジカル面の強さもあまり感じない。
スピードもあり防御勘もいいとは思うが、どこか脆弱で頼りない。年齢的なものもあるのだろうか、5、6Rあたりで失速する傾向も見られる。

僕はこのアレクサンドル・ブランドという選手を観たのは初めてなのだが、正直ちょっと意外だった。
セルゲイ・コバレフとの一騎打ちに向けた前哨戦ということで、ウォードはもっとどっしりとしたファイタータイプを選ぶと思っていた。
しかも、この試合はもともと2015年11月のカネロvsコット戦のアンダーカードで組まれていた試合である。つまりブランドの本来の階級はS・ミドル級ということになる。

・本来の階級がS・ミドル級
・スピードと勘が持ち味のアウトボクサータイプ

これは自分より身体の大きなコバレフとの一戦を見据えて選んだ相手なのだろうか。いまいちそうは思えないのだが。ウォード戦を想定してイサック・チレンベを選んだことがひしひしと伝わってくるコバレフとはちょっと趣の違いを感じる。

「俺的PFPのNo.1コバレフ登場!! イサック・チレンベに勝ってウォード戦へ進めるか?」

タイミングの合う相手がいなかったのか。2015年の試合が中止になった手前、優先的に交渉が進められたのか。それともウォード自身の余裕なのか。真相はわからないが、一世一代の一騎打ちに向けた準備にしてはちょっと驚いてしまった。

「ワイルダーがアレオーラを下してV4!! 圧勝? 意外と危なかったぞこの試合」

展開としてはウォードが至近距離でさばく感じか? 体格的にハンディがない分、大胆にいけるのかな

今回の試合、ウォードはどのように戦うのだろうか。
もともと自分と同じS・ミドル級のブランドが相手ということで体格的なハンディは少ない。その分、かなり大胆に距離を詰めてくるのではないだろうか。

「アンドレ・ウォード降臨!! サリバン・バレラを大差判定で下してL・ヘビー級のテストマッチを楽々クリア!!」

チョンチョンと細かく左を動かしてタイミングを計り、高速のジャブを一発。さらに左を出しながら頭を下げて踏み込み、身体を密着させる。
相手の左腕に自分の右腕を絡めて動きを封じ、身体を密着させたまま右足を踏み出す。小さくアングルを変えたところで絡めた右腕を脇の下にねじ込み、空いたボディに左を突き刺す。
相手の腰が折れた瞬間に腕を離して距離をとり、右側に回り込んだ位置からテンプルに右フック。

「左だけ? 違うわ! スティーブンソンがウィリアムスを4RKOで下す!! L・ヘビー級たまらんな」

ウォードが身体を寄せたまま小刻みなシフトウェイトを繰り返し、ブランドを翻弄する。ショートのフックやボディを当てては離れ、くっついては当てる。こんな光景が展開されるのではないだろうか。

ブランドもスピードのある選手だが、残念ながらウォードには及ばない。両者の動きを比べると全体的にブランドの方が無駄が多く燃費も悪い。一瞬の身体のさばきなどを見ても、必要最低限のアクションで最短距離を詰めるウォードに対してブランドは無駄にオーバーな動きでバランスも崩しやすい。

恐らくブランドはウォードの左にカウンターを合わせてくると思う。そして恐らく間に合わずに被弾すると思う。予備動作が小さく直線的なウォードの左と、外旋回で大振りのブランドのカウンター。相手に到達するまでの時間にはかなりの差があるだろう。

勝敗予想はアンドレ・ウォードの大差判定勝ち。KO勝ちの期待も捨てきれないけど

今回の勝敗予想は、アンドレ・ウォードの大差判定勝ちでいきたいと思う。
KO勝ちという線も捨てきれないのだが、何となく最後まで安全運転でポイントアウトしてしまうように思える。だってアンドレ・ウォードだから

コバレフ戦に向けて弾みをつけるというか、どこかで色気を出してもらいたいところではあるが、アンドレ・ウォードに限ってそれは考えにくい。

まあ、ボディを効かせてのダウンとか観たいですけどね。

ウォードの鋭い踏み込みからの左を警戒するあまり、徐々に手が出せなくなるブランド。頭を押し付けられ、ロープ際まで押し込まれる。身体を密着させてコーナーでもみ合う両者。離れ際にウォードが連打を放ち、ブランドの顔が跳ね上がる。

至近距離でのシフトウェイトを繰り返すウォードに対応できずに消耗していくブランド。もみ合いの中で一瞬のスペースにボディとフックをねじ込むウォード。

こんな感じで、結局はウォードのワンサイドゲームになりそうな気がするが、どうだろうか。
ブランドに勝機があるとすれば大振りのフック一発の逆転勝ちだと思うが、慎重なウォードにそれが当たるとは思えない。

アンドレ・ウォードに勝つにはどうすればいい? ゴリゴリのインファイトならどうよ

必要以上に動かず、常に相手とのスペースを確保して踏み込みのチャンスを待つ。
十分にカウンターを警戒させたところで高速の左をヒット。動き出しの溜めをほとんど作らない踏み込みに相手は反応することができない。
身体を密着させ、小さなシフトウェイトを繰り返してアングルを変え、死角に回り込んでパンチを当てる。相手が反撃できないポジションに回り込み、危険地帯からはさっと離れる。

大胆かつ効率的なウォードの万能型ボクシングである。

さらにL・ヘビー級での初戦となったサリバン・バレラ戦では、相手の圧力と自らの身体が大きくなった分動きが抑えられ、より効率的なボクシングが進化を見せていた。

極限まで無駄をそぎ落とした究極の省エネファイト。
冗談抜きで、手堅さと効率性だけならメイウェザー以上なのではないだろうか。

「メイウェザーはボクシングを終わらせた? アンドレ・ベルトとのラストマッチ発表を受けて」

実際のところ、この選手に勝つにはどうすればいいのだろうか。

これといっていいアイディアがないのだが、一つの方法としては強引に超接近戦に持ち込むことではないかと思う。
いわゆるマルコス・マイダナがエイドリアン・ブローナーにやったようなラフファイト。もしくはショーン・ポーターvsデボン・アレクサンダー戦のショーン・ポーターの作戦である。

「サーマン←才能だけでやってる人がポーターに辛勝!! ノンストップのハイスピードバトル!!」

ウォードがカウンターを打つ前に強引に身体を押しつけてロープに押し込み、身体を密着した状態からボディとフックを打ち込む。とにかく前に出て顎の下に頭を押しつけ、ウォードにシフトウェイトするスペースを与えない。頭を下げてボディを打ち込み、ブレークがかかるまで強引に顔面にフックを叩きこむ。
ウォードのディフェンス能力を考えると、恐らくこの作戦ではクリーンヒットを奪うことは難しい。それでも、各ラウンドごとに僅差でポイントを拾い、最終的に中差の判定勝ちを狙う作戦である。

もちろん12Rを通して前に出続けるスタミナと、ウォードのパンチへの耐久性が必須であるのは言うまでもない。
どれだけ前進し続けてもウォードに流れがいくラウンドは必ずあるはずで、それでも心折れずに流れを引き戻す底力とメンタルも必要になる。

ちなみに、過去にこの作戦を遂行しようとしたのが2013年のエドウィン・ロドリゲス。だが、残念ながらこの選手は序盤でスタミナが尽きてしまった。
1~3Rくらいまではこのインファイト作戦が本当に機能していたと思うが、レフェリーに減点をとられたあたりで出足が鈍り、後はウォードの独壇場である。

「サンタクルス初黒星!! ジャッカル・フランプトンに判定で敗れる!!」

しかも、それまでの3Rでポイントを奪取できていたとも言い難い。ウォードを面食らわせることには成功していたが、ロープに押し込まれながらもパンチを当てていたのはウォードである。恐らくあのままのペースで試合が進んでもロドリゲスが勝つのは難しかっただろう。本来インファイターではないロドリゲスにとっては、あれが限界だったのかもしれない。

そう考えると、インファイトでウォードに勝つにはゴリゴリのインファイトを実行できるタイプである必要がある。やはりコバレフがパワー差を活かして捻り潰すくらいしかチャンスはないだろうか。

「コバレフ圧勝!! 試合後にチキンソン呼ばわりでなぜかWBC王者を挑発ww」

もしくはアルツール・ベテルビエフ。あの選手であればインファイトでウォードを慌てさせることが可能かもしれない。というより、もしかしたら正攻法でいってもかなりいい勝負ができるのではないだろうか。

「コバレフvsウォード予想!! PFP最強を賭けた2016年最大のメガマッチ!!」

そういう意味でも、前哨戦の相手にウォードがアレクサンデル・ブランドのようなタイプをチョイスしたことは意外だった。

とりあえず今回の試合はウォードがどんな勝ち方をするか、いかにブランドに圧勝して弾みをつけるか。そこに注目したいと思う。もちろんウォードが負けるわけがないという前提で。

というか、アンドレ・ウォードってなんで人気ないんだろうな。
さんざん塩試合と言われてはいるけど、普通におもしろいと思うんだよな。

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