アンドレ・ウォード降臨!! サリバン・バレラを大差判定で下してL・ヘビー級のテストマッチを楽々クリア!! セルゲイ・コバレフ戦が楽しみ過ぎて血管がちぎれそうなんだがww

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夜桜イメージ
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2016年3月26日(日本時間27日)に米・カリフォルニア州オークランドのオラクル・アリーナで行われたL・ヘビー級の12回戦。
9カ月ぶりの試合となったアンドレ・ウォードが登場し、IBF1位のサリバン・バレラを寄せ付けずに3-0(117-109、119-109、117-108)の大差判定勝利を収めた。

ウォードのL・ヘビー級のテストマッチと位置づけられ、無敗対決として注目された試合だったが、結果はウォードの貫禄勝ち。期待されるセルゲイ・コバレフ(WBO、WBA、IBF統一王者)との一騎打ちへ弾みをつける勝利を挙げた。

この試合を観戦した統一王者コバレフは「11月にぜひ試合をしよう」と乗り気のコメント。PFP上位ランカー同士の頂上決戦はさらに現実味を帯び、対決の機運は高まるばかりである。

「コバレフvsウォード感想。コバレフ敗れる!! ウォードが3-0の判定で王座奪還!! 神の子がクラッシャーに鼻差で勝利」

盤石のウォード。強敵のサリバン・バレラを楽々退ける。今回もさすがだったね?

L・ヘビー級のテストマッチを大差判定で楽々クリアしたウォード。

アンドレ・ウォードはやっぱりアンドレ・ウォードだった。
今回の試合をひと言で表すなら、この言葉にすべて集約されると思う。

無敗の強敵サリバン・バレラにほぼ何もさせることなく、完璧かつ無難な試合運びで階級の壁を超えて見せた。

「ケル・ブルックは強化版ハメドだ!! ケビン・ビジェールに圧勝!!」

いつも通り涼しい顔をしたまま大差のポイントアウト。
まあ順当ですね。
うん、さすがウォードだ。

途中ややラフになる場面もあったが、それ以外は無敗の強敵を赤子扱い。
相手の大きさと圧力に押し込まれるシーンも多少見られたものの、徐々に慣れていけば問題なくクリアできるだろう。

「パッキャオvsブラッドリー第3戦目予想!! フィリピンの英雄のラストマッチの行方は?」

ダウンを奪った3Rも、無理に倒しにいかないところもウォードらしい。
異次元のディフェンス技術と絶妙のタイミング。盤石の強さを示してのL・ヘビー級第一歩といっていいだろう。

などと、サラッとまとめていい試合だったのかこれは?
みなさんにとっては見慣れたアンドレ・ウォードすぎて、驚きすらないのだろうか。

僕個人としては、寒気がするほど圧巻の試合だったのだが。

「ジャーマル・チャーロvsトラウト予想!! IBF王者が曲者トラウトを迎え撃つ」

相手の呼吸を読んで動きを先回りする能力こそがウォード最大の持ち味

ディフェンスに傾向した万能型ボクサーであるアンドレ・ウォード。
この選手のすごさは並みはずれた洞察力、そして卓越したディフェンス技術を高水準で両立させていること。そしてメイウェザー同様、局面局面で最も確率が高い方法を選択するクレバーさ、徹底して勝利だけを追求する姿勢、観客からブーイングを受けてもブレない強靭なメンタルにあると言われている。

だが、僕が思うにこの選手のすごさはそれだけではない。
相手の呼吸を読む勘のよさと、相手の動きを先回りする瞬発力。これこそがアンドレ・ウォードの最大の持ち味ではないかと思っている。

「パッキャオがブラッドリーに完全勝利!! ラバーマッチを制し有終の美を飾る」

相手が攻撃に移る一瞬の硬直や攻撃の終わりにフッと力が抜ける瞬間。アンドレ・ウォードはこの一瞬の間を狙う嗅覚が抜群に優れているのである。
今回の試合でも、バレラが動く瞬間や全身に力を込める一瞬の硬直を逃さず、絶妙のタイミングでパンチを打ち込むシーンが試合を通じて見られた。いわゆる動き出しを狙って出鼻を挫くというヤツである。

「ゴロフキンがウェイドを子ども扱い!! もう相手おらんなこりゃ」

また、バレラが攻撃から防御に転ずる合間の一瞬、ほんの少し身体が流れる瞬間を狙ってカウンターを打ち込む反応の速さ。攻撃から防御に移る1秒にも満たない間を狙って打つ正確性。
この静から動へ転じる反応の速さこそがウォードの最大の持ち味ではないだろうか。
これはビクトル・ポストルにも通じるのだが、相手の無防備になる瞬間を狙い打つタイミングと精度が信じられないくらいハイレベルなのである。

「ビクトル・ポストルやべえ!! 強いボクサー見つけた!!」

相手の呼吸に合わせて身体を振ってリズムを取る。
相手が攻撃姿勢に入る一瞬、身体が硬直した瞬間を狙ってスピーディなジャブで迎撃する。

バレラとしては、今まで経験したことのないタイミングでパンチが飛んでくるので防御のしようがない。というより、動きを先読みされて本来来るはずのないタイミングでパンチが飛んでくるので、対処できるわけがないのである。

先ほども申し上げたように、このパンチのタイミングはビクトル・ポストルのそれと共通するものがある。だが、クオリティの高さや正確性、多彩さはアンドレ・ウォードの方がはるかに上だ。

「エロール・スペンスvsクリス・アルジェリ予想!! メイウェザーの秘蔵っ子がベールを脱ぐ?」

サリバン・バレラは間違いなくいい選手だった。ウォードと同時代に生まれてしまったのが不運なだけで

アンドレ・ウォードを相手に何もできずにキャリア初の敗戦を味わったサリバン・バレラ。

ただ、この選手がすごいボクサーであったことに異論はまったくない。あれだけのタイミングと正確性を持ったウォードのカウンターに序盤は翻弄されたものの、5R以降にどうにか対応してみせたのは驚きだった。

「コバレフvsウォード予想!! PFP最強を賭けた2016年最大のメガマッチ!!」

動き出しを狙われていることを察知して始動のタイミングに変化をつける、距離をつめてラフに腕を振り回してイラつかせるなど、あのウォードを相手に非凡なものは随所に見せた。

「エロール・スペンスがクリス・アルジェリをまったく問題にせず!! こりゃ本物だ」

知名度自体は低いものの、この選手が世界のトップレベルであることは間違いない。
ただ、この選手の不運はセルゲイ・コバレフ、アンドレ・ウォードといった怪物と同時代に生まれてしまったことである。これはもう運命だと思ってあきらめるしかない。
タイミングさえ合えば、もしかしたら穴王者を下しての王座奪還という可能性は十分に考えられる。チャンピオンになれる素質は十分に持った選手であるだけに、そんな方法しか選べないのが残念で仕方ないが。

「アンソニー・ジョシュアがチャールズ・マーティンに圧勝!!」

ただ、現状は主要4団体のうち3団体をコバレフが独占している絶望的な状況であることを付け加えておく。

ボクシングのディフェンスを追及していくと、最後はL字にたどり着く

フロイド・メイウェザーや今回のアンドレ・ウォードを見ていると思うのだが、ボクシングのディフェンスを突き詰めていくと、最終的にはこのL字に行きつくのではないだろうか。

「メイウェザー、やっぱり判定勝ち!! 現役ラストの試合でも挑戦者ベルトに何もさせず」

リード側の手は無理に高く上げずにリラックスして構える。いつでもジャブを出せるように、相手のパンチをはたき落とせるように。
利き手側はアゴをカバーする位置にややクロス気味に置く。こちらも肩の力を抜いて終始リラックスさせ、防御から攻撃への切り換えに極力間ができないように心がける。

「ロマゴン、アローヨを大差判定で退ける!! 半病人のゴンサレスにアローヨは歯が立たず」

相手と対峙する際は基本的に斜向いで向き合い、打ち込む的の大きさを最小限に抑える。できるだけ相手に身体の中心を晒さず、アゴとボディをショルダーブロックで守る。
相手がパンチを出す瞬間に頭を下げて懐に潜り込み、標的がすべて隠れる位置にエスケープ。

つまり、防御から攻撃、攻撃から防御に転じる動きにはガードを上げる動作すら邪魔になるという結論である。
腕を上げる動作が入ると、どうしても一瞬攻防分離になることは避けられない。何よりガードの位置からパンチを出し、再び戻すという動きは関節本来の稼働域を考えると不自然極まりない。

「メイウェザーはボクシングを終わらせた? アンドレ・ベルトとのラストマッチ発表を受けて」

つまり、ポイントゲームと化した現代ボクシングにおいて最も都合のいいスタイルがこのL字ガードということなのだ。
ボクシングという競技の究極が「打たせずに打つ」である限り、このスタイルを極めることが最も効率的で機能的。そういうことなのだ。
もちろん目のよさと天性の読みの鋭さ、相手との抜群の距離感を持っていることが前提となるが。

「ジョー・スミスがフォンファラにアップセット!! 1RでのTKO勝利でトップ戦線殴り込み?」

セルゲイ・コバレフvsアンドレ・ウォード? 何じゃこの試合ww 実現したら血管がちぎれるぞ

L・ヘビー級のテストマッチを見事にクリアしてみせたアンドレ・ウォード。近い将来、セルゲイ・コバレフとの一騎打ちが濃厚との話だが、この試合が実現すれば本当にすごい試合になると思う。

前々から申し上げているように、僕はPFPのNo.1はゴロフキンでもロマゴンでもなくセルゲイ・コバレフだと思っている。

「コバレフ圧勝!! パスカルはなすすべなく敗れてキャリア4敗目」

だが、今回の試合を見てその考えが若干変わりつつある。

コバレフとウォードが戦えば、ひょっとしたらウォードがコバレフに何もさせずに完封するかもしれない。そんな思いが大きくなっているのである。

「ロマゴン強し!! ビロリアに何もさせずに9回TKO勝ち!! こんな化け物に誰が勝てるんだ?」

コバレフも一級品のテクニックを持った選手であることに異論はない。
以前にも申し上げたように、僕はコバレフはフェリックス・トリニダードとテレンス・クロフォードのハイブリッド版だと思っている。パワーやパンチの伸び、威力や精度はトリニダード。身体全体のバランス、ボクシングのクオリティはクロフォード。それくらい僕の中でのコバレフの評価は高い。

「テレンス・クロフォード防衛!! ハンク・ランディを5RでKOに沈める見事な勝利!!」

だが今回のサリバン・バレラ戦を見て、ウォードの才能はちょっと次元が違うのではないかと思い始めている。

ウォード自身、階級を上げたことで身体全体のスピードは落ちている。
特にスーパー6の頃などは、まるで「右のロイ・ジョーンズ」とでも言うようなフリースタイルボクシングを持ち味としていた。

「え、コイツと? アンドレ・ウォードがアレクサンデル・ブランドと激突」

だが、今回の試合ではスピードを抑えた分、確実性を格段に増した盤石の試合運びを見せていた。そして、それが却ってウォードの凄みを際立たせる結果となっていたのである。

ウォードの持ち味である相手の呼吸を読んで先回りする能力。これまでは一瞬のスピードと卓越したディフェンス技術に隠れがちだったが、階級アップでスピードを抑えたことによって、この能力がより強調されているのである。

いかにコバレフといえど、このカウンターをしのぐのは至難の業ではないだろうか。というより、カウンターを被弾しやすいというのがコバレフの唯一の弱点である。

恐らくコバレフはフィジカルの差を活かしてウォードを捻り潰しにかかるはずだ。だが、今回ばかりはウォードの超絶テクニックがコバレフの万能性を無効化してしまうように思える。

「俺的PFPのNo.1コバレフ登場!! イサック・チレンベに勝ってウォード戦へ進めるか?」

PFP最強を決める試合の行方は!? 両者が全盛期のうちに絶対実現して欲しいぞ

セルゲイ・コバレフvsアンドレ・ウォード。
L・ヘビー級の枠にとどまらず、PFP最強決定戦と言っても過言ではないこの試合。

たとえば両者の体格が同じであれば、勝つのは間違いなくウォードだろう。
だが、いつも申し上げているように僕はフィジカル至上主義者である。
「フィジカルは技術を超越する」
この理論に当てはめると、コバレフは僕の中で無敵のコンプリートファイターに位置づけられる。その最強コバレフが、フィジカルで劣るウォードに翻弄されると断言するのはどうもはばかられるのである。
とはいえ、現状ウォードがコバレフのパンチを被弾する姿が想像できないのもまた本音である。

「最強ゴロフキンが無敗のドミニク・ウェイドを迎え撃つ!! 世界ミドル級王座統一戦予想!!」

ウォードにスキが生じるとすればもみ合いの後の離れ際。この瞬間にフッと気が抜けて顔面ががら空きになるシーンが目立つのだが、コバレフが狙うとしたらここだろう。
この一瞬を狙って左フックを打ち込めば、コバレフにワンチャンが起きる可能性は十分に考えられる。
ただ、セルゲイ・コバレフ戦という人生最大の大一番において、ウォードの集中力は極限まで高まっていると考えられる。これまでのようなヌルゲーモードになるとは思えないのが辛いところではある。
 
「L・ヘビー級アツ過ぎもっと盛り上がって(^○^) バレラがスミスに大差判定勝利。神々の階級」
 
いや、この試合はマジでわからない。
普段は外れてもいいから強気の予想をして結果的に大恥をかくというのが僕の王道パティーンなのだが、それすらもできないww
改めて両者の試合を見なおして考えたいと思うが、今のところはウォード有利と予想しておく。

まだ正式決定したわけではないし、コバレフはアドニス・スティーブンソンとの統一戦を望んでいるという話もあるので実現自体が何とも言えないのだが。

「ホプキンス引退!! ジョー・スミスにリングアウト負けで伝説に終止符。出がらし状態の51歳がラストマッチで豪快に散る」

とりあえず思うのは、セルゲイ・コバレフ、アンドレ・ウォード、そしてゲンナジー・ゴロフキン。この3人のウェイトが微妙に違うという事実が非常に残念だということである。

「ゴロフキンが豪打のレミューに勝利!! 圧倒的な差を見せつけデビッド・レミューをストップ」

この3人による三つどもえの頂上決戦など、考えるだけで卒倒してしまう。

ん?
カネロ?

ああ、そんなヤツもいたっけ。

「カネロ・アルバレスとカーンがまさかのミドル級タイトルマッチ!? 斜め上のマッチメークに業界騒然!!」

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