最強ゴロフキンが無敗のドミニク・ウェイドを迎え撃つ!! 世界ミドル級王座統一戦予想!! ゴロフキンはKO防衛記録を伸ばすことができるか?
2016年4月23日(日本時間24日)に米カリフォルニア州イングルウッドにあるザ・フォーラムで行われるWBA・WBC暫定・IBF世界ミドル級王座統一戦。同級3位で無敗のドミニク・ウェイドが王者ゲンナディ・ゴロフキンに挑戦する。
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なおこの試合は当初、IBF指名挑戦者であるトリアーノ・ジョンソンがゴロフキンに挑戦する予定だったが、ジョンソンの負傷により次点となるウェイドとの指名防衛戦となった経緯がある。
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15試合連続KO防衛中のゴロフキンが、26歳の無敗のホープを相手にどのような試合を見せるか。近く開催が望まれるWBC王者のサウル・アルバレスとの統一戦への期待も高く、圧勝が至上命題といえる一戦である。
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柔軟性とリーチのある挑戦者だが、ゴロフキンには敵わない
挑戦者のドミニク・ウェイドだが、僕はこれまでこの選手のことをまったく知らなかった。そこで今回、ウェイドの試合をいくつか観てみた次第である。
感想を率直に申し上げると、この選手がゴロフキンに一矢報いるのは厳しいのではないだろうか。
懐が深くリーチも長い。
リラックスした構えからのコンビネーションはスムーズで、左の使い方もうまい。基本的にはフットワークのあるアウトボクサーだが、チャンスのときは積極的に打ち合うこともできる。上背もあるので、対戦相手からすれば相当やりづらい選手ではないかと思う。
ざっと見ただけだが、このドミニク・ウェイドは決して悪い選手ではない。
ただ、残念ながらゴロフキンには敵わない。ゴロフキンとまともに勝負するには絶対的に爆発力が足りない。
身体の強さやパンチの強さ、いわゆるフィジカル的な部分での強さを感じないのである。さらに長身選手にありがちな、距離を詰められるとバタバタとバランスを崩すところも頼りない。
至近距離で見せる体幹のブレなど、印象としては2010年に内山高志に挑戦したアンヘル・グラナドスに近いように感じたが、いかがだろうか。まあ、あの選手に比べれば、ウェイドの方がすべてにおいて上だとは思うが。
恐らくこのウェイドは普通の相手であれば十分力を発揮できる選手だと思う。だが、相手がゴロフキンではさすがに厳しいと言わざるを得ない。
ゴロフキン相手にもっとも健闘したといえるのが2015年5月のウィリー・モンロー・ジュニアだと思うが、あの選手と比べれば今回のウェイドは数ランク落ちる挑戦者だろう。
「悪い選手ではないが、○○の相手ではない」←どうも予想記事を書くたびにこの言い回しを枕詞のように使っているが、実際そうなのだから仕方がない。「またそれかよ」と思うかもしれないが、どうか大目に見ていただければと思う。
勝敗予想は序盤~中盤までのゴロフキンのKO勝ち。多少長引いたとしても、結局ゴロフキンが倒すんじゃないか?
試合展開としては、概ね両者のスタイルどおりになるのではないだろうか。
ウェイドが距離をとろうとリングを左回りに回る。それをゴロフキンがジグザグに追う。
お互いにスムーズな連打が得意な選手なので、局面局面でコンビネーションの打ち合いになる。そして、その都度ゴロフキンが打ち勝つ。
恐らくゴロフキンはウェイドのコンビネーションを楽々防ぎきるだろう。小さなバックステップや最小限のパーリング、ガードを上げながらの細かいポジションチェンジを繰り返してウェイドに的を絞らせない。
対するウェイドはガードの間を狙って打ち込んでくるゴロフキンのコンビネーションに相当苦慮するはずだ。
ご存知のようにゴロフキンは相手の間を読むのがうまい。ウェイドが自分のタイミングで打ち込もうとするたびにゴロフキンは後の先を狙って手を出す。アクションを起こすたびにガードの真ん中を打ち抜かれるので、だんだんとウェイドはガードを下げることができなくなるはずだ。結果的に自分から手が出せなくなり、コーナーに詰められてラッシュの餌食。まさしくゴロフキンの必勝パターンである。
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恐らく普通にやれば3〜4R、遅くとも6RくらいにはゴロフキンがKO勝ちを収めるのではないだろうか。上背があるのでやりにくさを感じて長引くかもしれないものの、十中八九ゴロフキンのKO勝利は動かないと予想する。
見たところ、ウェイドには右のガードが下がる癖がある。もしかしたらゴロフキンのアッパー気味の左を顎に被弾してダウンというシーンがあるかもしれない。
逆にウェイドが有利に試合を進めるとすれば、左のさし合いからのコンビネーションでゴロフキンの上をいった場合だろう。
ただ、その可能性は非常に低いのではないかと思う。少ないアクションで芯をずらす防御技術に長けたゴロフキンに、ウェイドのパンチがまともに当たるシーンがどうしても想像できない。
考えられる展開は2通り。最悪なのがウェイドが勝ちを捨てて逃げに徹した場合
今回の試合は3~4R、遅くとも6RでゴロフキンがウェイドをKOすると申し上げたが、実際には2通りの展開が考えられるのではないかと思っている。
まず1つ目は先述したとおりである。
ウェイドが左回りで距離をとり、ゴロフキンが追う展開である。ウェイドは足を使ってアウトボックスするものの、ゴロフキンの追い足から逃れることができない。早いラウンドで打ち合いが発生し、局面局面でゴロフキンが打ち勝つ。手が出せなくなったウェイドがコーナーで亀になったところにゴロフキンがラッシュ。こんな感じで中盤までには勝負が決するというのが1つ目である。
そして、問題の2つ目はウェイドが逃げに徹した場合だ。
比較サンプルは2015年2月のvsマーティン・マレー戦。挑戦者のマーティン・マレーがゴロフキンの強打から終始逃げに徹した最悪の試合である。試合序盤で早々に勝利をあきらめたマレーが、ゴロフキンの連続KO勝利をストップすることだけに注力し、その上でKO負けを喫したという最低のクソ試合である。
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実を言うと、僕はマーティン・マレーに対してはそこそこ好印象を持っていた。2011年のフェリックス・シュトルム戦などはすばらしい試合だったし、ファイティングスピリッツとテクニックを兼ね備えたいい選手だと思っていたのである。
だがあのゴロフキン戦の消極的な試合運びを観て以来、僕はこの選手のことが大嫌いである。もはや視界に入ることすら気に食わない。1秒でも早く引退してボクシング界から消えていただきたいと願っている。
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そして僕は、今回のウェイドがマレーのような逃げのボクシングに注力することをひそかに心配している。
要するに、これはドミニク・ウェイドという選手がどんなメンタル、どんなモチベーションで試合に臨むのかにかかっている。
一世一代のチャンスで大物食いをしてやろうと考えているのか、それとも大きな実力差があるゴロフキンには土台勝てないと思っているのか。せめてKO記録を止めてやろうなどとたくらんで、守りを固めて逃げるのか。
繰り返しになるが、ウェイドが高いモチベーションで勝ちにきた場合は早いラウンドで決着がつく可能性が高い。せいぜい中盤までにゴロフキンがウェイドを倒しきるだろう。
だが、ウェイドがガードをガッチリ固めて逃げに徹した場合、試合は長引く。しかも内容的にはヘドが出るほどつまらないものになる。
ガードを固めて逃げ回り、距離が近づいたらクリンチ。ゴロフキンがクリンチを振りほどいて打ち込むが、ウェイドが長い腕をさらに巻きつけて動きを封じる。そしてロープの反動でダメージを逃がしつつ時間稼ぎに徹する。
こうなると最悪だ。
観客席からのブーイングが止まらないフラストレーションの溜まる試合になり、視聴したことを後悔するほど不毛な数時間を過ごす羽目になる。
まだ26歳と若いウェイドが、自分にはこれからもチャンスはくるなどといった舐めくさったメンタルでリングに上がるのか。それともゴロフキンに一矢報いてやろうという決意のもとリングに上がるのか。この試合の見どころはもはやそこだけと言っても過言ではない。
まあ、試合前のコメントを聞く限りさすがにマーティン・マレーのようなことにはならないとは思っている。実際のところはわからないが。
とにかく試合まであと少しである。
最新のPFPでも変わらず上位につける中量級最強のゲンナディ・ゴロフキン。注目される“カネロ”・アルバレス戦に向けて、何としてもいい勝ち方をして弾みをつけたいところだ。
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