勅使河原弘晶ならタパレスには勝つだろ。士別市立博物館で輪島功一特集を見てきた僕が言うんだから間違いない。11月27日にIBF挑戦者決定戦だって
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2021年11月27日(日本時間28日)に米・ネバダ州ラスベガスでOPBF S・バンタム級王者勅使河原弘晶がIBF世界同級挑戦者決定戦に出場するらしい。
対戦相手は元バンタム級王者でランキング4位のマーロン・タパレス。
「勅使河原、11・27米ベガスでIBFスーパーバンタム級挑戦者決定戦出場」
記事によると、この試合はWBO同級王者スティーブン・フルトンとWBC王者ブランドン・フィゲロアによる統一戦のアンダーカードとして予定されているとのこと。
なお相手のマーロン・タパレスは2019年2月に日本の岩佐亮佑と対戦し、11RTKO負けを喫している。
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勅使河原弘晶vsマーロン・タパレス。日本人選手が海外のリングに上がる機会が増えてるけど…
勅使河原弘晶が元バンタム級王者マーロン・タパレスとタイトル挑戦権をかけて激突する。
新型コロナウイルスの影響で日本に外国人選手を呼べない中、国内有力選手が海外のリングに上がる機会が増えている。
今年8月にワシル・ロマチェンコと対戦した中谷正義もそうだし、11月17日にオーストラリアでティム・チューと対戦する井上岳志もそう。
来日後に隔離期間を要する日本と違い、実績、実力のある選手にとっては行動制限が緩和されている海外の方がチャンスが多い印象である。
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そして、2018年に戴冠したOPBF王座を4度防衛してきた勅使河原弘晶もついに。
まだ正式発表はされていないようだが、あれこれ報道を漁るとほぼ確定と考えてよさそうである。
以前から何度も申し上げているが、今の日本は海外のスポーツ選手の出稼ぎ先としてまったく旨味がない。
先日井岡一翔に挑戦したフランシスコ・ロドリゲスJr.も不満タラタラだったし、MMAの堀口恭司のベラトール挑戦も来日後の隔離期間が大きな理由らしい。
まあ、中谷正義や井上岳志は階級的に「そうせざるを得ない」と言った方が正解だとは思うが。
勅使河原のダンプカーのようなフィジカル。階級アップがプラスになった典型的なパターンかな
勅使河原弘晶に対する僕の印象としては、
・ダンプカーのようなフィジカル
・サウスポーが得意
主にこの2つである。
腕を下げ、背筋を張った構えで相手と対峙。
上体を小刻みに振りながら圧力をかけ、押し出すようなジャブで距離を取りつつフルスイングの右につなぐ。
このクロス気味に打ち込む右がめちゃくちゃ強力で、直近の6戦はすべてKO勝利。特にS・バンタム級進出以降は馬力が一段アップし上位ランカーを寄せ付けない強さを発揮している。
ディフェンスは見切りによるスウェーが中心。その分被弾も多く強引に攻め込まれるとまっすぐ下がるシーンも目につく。
僕も後楽園ホールでこの選手の試合を何度か観たが、後ろの席の観客が「勅使河原はディフェンスが悪すぎる」「これじゃ世界は難しい」云々話していたことを覚えている。
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だが、申し上げたように2018年10月の階級アップ以降、馬力が一段上がり全体的にスケールが大きくなった印象である。
もともとディフェンス面のヌルさを攻撃力で相殺するスタイルではあったが、S・バンタム級に進出してからは一気に突き抜けたというか。
多少の被弾はお構いなしにズンズン圧力をかけ、相手のパンチに被せるようなカウンターで後退させてそのままねじ伏せる流れ。
正直、最初に勅使河原を観たときはあまりピンとこなかったのだが、ここ最近のパフォーマンスは文句なしにいい。
階級アップがプラス方面に働いた典型的なパターンと言えそうである。
妙な当て勘のある右。vsサウスポーが得意だと思うけど、本人がそれにあまり気づいてないような?
また、恐らく勅使河原弘晶はvsサウスポーが得意。
相手の左側に踏み込むと同時にクロス気味に放つ右がもっとも得意とするパンチだと思うが、この右がめちゃくちゃ強力かつ妙な当て勘がある。
勅使河原のベストバウトのひとつに2017年6月の栗原慶太戦があるが、あの試合でも勅使河原の右は栗原の顔面を何度も捉えていた。
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さらに右を振り抜いた直後の返しの左も強力。
右を被弾して相手の動きが止まった一瞬を狙って渾身の左をブンッ!!
この逆ワンツー? で栗原慶太を棒立ちになるまで追い詰めてみせた。
そして、勅使河原の右はvsサウスポーの試合でさらに威力を発揮する。
いったん左側に身体を沈ませたところから伸び上がるように打ち込むので、相手にとっては見えない位置から突然飛んでくる印象。前手の右の下から伸びてくるというか。
サウスポーのガードの真ん中を突き抜ける軌道なので、右構えの相手に比べて豪快に顔を跳ね上げるシーンが目立つ。
2018年6月の帝里木下戦、2109年8月の大森将平戦、2020年10月の河村真吾戦。どちらかと言えばvsサウスポーの方がいい勝ち方をしていた気がする。
勅使河原はvsサウスポーが得意なんだろな。
あの変な角度の右が飛び込んでくる顔面にちょうど当たる感じ?
早い段階で右カウンターのタイミングを見つけたのがデカい。
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) August 10, 2019
何となくだが、本人が自分がサウスポーが得意だってことに気づいてない感じも……。
直近の河村真吾戦でようやくそこにたどり着いたかな? みたいな。
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タパレスには勝てるでしょ。階級アップ後のタパレスにはそこまで怖さがない
で、今回のマーロン・タパレス戦だが、はっきり言って勝てると思う。
階級アップによって一段スケールが上がった勅使河原に対し、タパレスはバンタム級時代に比べて馬力が目減りしている(気がする)。
もともと身長163cm、リーチ165cmとサイズがある方ではなかったが、S・バンタム級進出以降はその部分でも「おや?」と思わせる試合が目立つ。
基本は中間距離での差し合い、近場のボディで相手を怯ませ顔面に左をぶち込むスタイルだが、最初の差し合いで距離が合わないケースが増えたというか。
KO負けを喫した2019年12月の岩佐亮佑戦でも、距離をとって対峙する岩佐に右リードが届かず得意の左ストレートもバックステップとガードであっさり外されていた。
また、ボディを効かされると弱気になる+後半の失速が著しいことを考えると、この階級のマーロン・タパレスははっきり言ってそこまで怖くない(と思う)。
vsサウスポーが得意でダンプカーのようなフィジカルを兼ね備えた今の勅使河原なら十分勝機はあると予想する。
懸念があるとすれば、タパレスに押し込まれたときにどうなるか? くらいか。
両者ともに“前に出てナンボ”のタイプで、なおかつ勅使河原は強引に攻められるとまっすぐ下がるシーンが目につく。
タパレスのラッシュをどの程度持ちこたえられるかが重要になるのかなと。
まあ、大森将平戦の荒々しさが健在なら大丈夫だとは思うが。
ジム移籍後の河村真吾戦では持ち前の野性味が若干薄れていたのが気になるけど。
タパレスに関しては堅実にいくより強引に力技でねじ伏せた方がいいんじゃないの? と思ったり……。
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ちなみに直近のタパレスの試合はまさかのS・フェザー級契約。
映像をちょろっと眺めたが、冗談みたいにパンパンに膨れた身体と信じられないくらいのスローな動きに一瞬別人かと思ってしまった。
勅使河原の勝利は2年前からの決定事項。なぜなら僕が士別市立博物館で輪島功一特集を見てきたから
そして何より、僕が士別市立博物館で輪島功一特集を見てきたことが大きい。
2019年に北海道旅行に行った際にたまたま士別市立博物館に寄ったのだが、そこで輪島功一氏の出生を知った次第である。
唐突な輪島功一リスペクト pic.twitter.com/uHNUccgJhR
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) August 16, 2019
→「士別市立博物館」
→「輪島功一コーナー」
いや、偶然看板を見かけて立ち寄った博物館で偉大なチャンピオンの歴史を知れたのはラッキーでしたよね。
つまり、この試合は2年前から決まっていたことであり、勅使河原弘晶がタパレスに勝つことも歴史的事実なのである。
なぜなら僕が士別市立博物館で輪島功一特集を見たから()
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