映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」感想。鉄板の展開とハッピーエンドに着地する安心感。原作&アニメのファンなら楽しめる内容。でも、トワの魅力のなさが…

映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」感想。鉄板の展開とハッピーエンドに着地する安心感。原作&アニメのファンなら楽しめる内容。でも、トワの魅力のなさが…

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映画「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」を観た。
 
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「劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」(2022年)
 
スライムとして異世界に転生した元サラリーマン、リムル=テンペストが興した魔物の国テンペスト(魔国連邦)。
 
シオンやシュナとともに平和な日々を満喫していたリムルだったが、そこに突然ソウエイが報告に現れる。
正体不明の一団が突如としてテンペストに侵攻、リーダー格の1人がゲルドと交戦中とのこと。
 
大急ぎで現場に向かうリムルだが、一足先に到着したベニマルがゲルドに切りかかった男の刃を受け止める。
そして反撃に打って出ようとするが、次の瞬間男の顔に見覚えがあることに気づく。
相手もベニマルの様子に気づき、戸惑いの表情を浮かべるのだが……。
 
驚くことにその男は大鬼族オーガの生き残り、ベニマルやシオンたちの兄貴分的存在だったのである。
 
 
詳しく話を聞くと、男は傭兵としてジスターヴ王国に雇われたが故郷の危機を知り引き返すことに。ところがその最中に追手に襲われたのだとか。
そして瀕死の重傷を負ったところをラージャ小亜国の女王トワに救われ、今は“ヒイロ”と名乗っているという。
 
テンペストの西に位置するラージャ小亜国はかつて金の採掘で栄えた国。だが、現在は資源が枯渇し国民は貧しい生活を強いられている。
その状況を打破するためにヒイロはジュラの森を訪れたが、故郷を滅ぼしたオークの姿に思わず激高してしまった。
 
 
リムルはヒイロの謝罪を受け入れラージャ小亜国への協力を約束するが、同時に裏にある陰謀の臭いを感じ取るのだった……。
 
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ようやく劇場版転スラを観てきたぞ。第2期の駆け足っぷりにアニメへの熱量が低下気味で…

小説投稿サイト「小説家になろう」発のライトノベルを原作とする漫画「転生したらスライムだった件」
現在月刊シリウスで連載中で、アニメも第2期まで放送されている。

 
僕も転スラに関しては漫画もアニメも楽しく視聴しているのだが、今回劇場版が公開されると聞いて映画館に足を運んだ次第である。
 
と言っても公開から1か月ほど(2022年11月25日公開)経ってようやく観に行ったのは、個人的に転スラのアニメに冷め気味だったから。
 
第1期~第2期の11話くらいまでは非常によかったのだが、そこからだんだんと駆け足になり「おいおい」と。
特に各国の要人が結集する“人魔会談”や魔王が一堂に会した“ワルプルギス”は説明が重要なパートにもかかわらずいろいろな部分が端折られ、結果的に「これ、原作を知らない人でも理解できるの?」状態に。
 
ワルプルギスなどはリムルがランガやシオンとともにクレイマンをボコる→魔王ミリムが正気に戻る&カリオンとフレイが魔王の座を降りる等、見どころ満載の部分なのに。
 
楽しみにしていた分失望も大きく、おかげで劇場版への熱量も著しく減退してしまった。
 
 
あとはまあ、前の週に観たスラムダンクの映画「THE FIRST SLAM DUNK」があまりに素晴らしくてその余韻が残っていたのもある笑
 
映画「THE FIRST SLAM DUNK」が最高すぎた。何回泣きそうになったかわからん。特定の人にはとことん刺さる。主人公宮城リョータの視点ですべてを回想シーンに
 

ぶっ飛ぶような迫力や目を奪われるほどの風景描写はないけど、安心感のある作品。アニメの延長として観るには最適じゃない?

そんな感じで紆余曲折? を経て鑑賞を終えたわけだが、感想としては「安心感のある作品だった」
 
 
今作は割と早い段階であらすじが公開され、オリジナルキャラであるヒイロの存在、ビジュアルも明かされている。
 
オーガ族の生き残りのヒイロががテンペストで暮らすベニマルたちと再会、ラージャ小亜国のピンチを知らされるところから物語は展開していく。
 
この辺はまともな情報が明かされないまま公開日を迎えたスラムダンク映画とは大違い。“ごく普通の”プロモーションを経ての封切りとなった。
 
SLAM DUNK(スラムダンク)新作映画の声優交代にファンが激怒? アニメ再放送での陵南戦直後の発表は完全にマズったよな。キャラのイメージが定着したところだったし
 
内容的にも非常に無難で、時間軸としてはアニメ第2期終了直後辺り。英雄ヨウムをファルムスの王にするべくディアブロが奔走している最中に起きた出来事である。
 
ベニマルやシオンたちの兄貴分を登場させ、滅ぼされたオーガの里のストーリーを掘り下げつつ他国との国交を進める。
まさしく「転生したらスライムだった件」っぽさをそのまま再現した内容となっている。
 
なおかつ近年のバトルアニメのようなCG全開のド迫力なシーンがあるわけでもなく、「君の名は(2016年)」以降、アニメ映画の常識となった目を奪われるような風景描写もない。
 
あくまで“アニメの延長”というか、本編に影響を与えない範囲にとどめた作品と言える。
 
ぶっ飛ぶようなインパクトはないが、70~80点は確実に超えてくる。
後付けと言われればその通りなのだが、肩の力を抜いて観られる&適度な爽快感という転スラのよさを踏襲した構成。
 
最初に「安心感のある作品」と申し上げたのはそういう意味である。
 

オリジナルキャラが活躍する鉄板の内容。ご都合主義な部分もあるけど、原作&アニメファンにはおススメできる

オーガ族の生き残りであるヒイロがテンペストに襲来し、ベニマルたちと再会。事情を知ったリムルがラージャ小亜国を訪れ王女トワと出会う。
ところが思った以上にラージャ小亜国は悪の手に侵食されており、ヒイロはそれを食い止めるべく命を捨てる覚悟で奔走する。
 
オリジナルキャラを中心にストーリーが展開→主人公たちの活躍によって解決に向かう。で、最終的には“いいヤツ側”が全員ハッピーになる。
ハラハラさせながらも何だかんだでハッピーエンドに着地する安心感と主人公がムカつくヤツを屠る爽快感。ヒーローものの定番をそのままなぞった作品である。
 
 
正直、今作にはご都合主義な部分が端々に見られる。
ヒイロがオークに対する怒りをあっさり引っ込めたり、リムルがにラージャ小亜国への支援を決断するのが異様に早かったり。
 
中でもラストの「ヒイロが力尽きる→トワが最後の力を振り絞ってヒイロを生き返らせる→トワが息を引き取る→原初の紫(ヴィオレ)がトワを生き返らせる→みんなハッピー」のやり過ぎ感は尋常じゃない。
 
あんなにあっさり死んだり生き返ったりされると「おいおい、ここまでの約2時間は何だったの?」「そんな力があるならもっと簡単に解決できたんじゃないの?」という気になる。
ハッピーエンドを演出するのは結構だが、せめてもう少し捻りを加えようぜと笑
 
 
ただ、そういった細かい部分に目をつぶれば今作は十分楽しめる。
 
・原作やアニメのファン
・いわゆる「俺TSUEEE!!」が好き
・変化球はいらない、“普通”の物語でいい
上記に当てはまる人には問題なくおススメできる作品である。
 
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リムルが強くなりすぎたせいで扱いにくいキャラに。オーガ一族を中心に据えたのはなるほどと思ったよ

そして、オーガ一族の生き残りであるヒイロを中心に据えたのはなるほどと思った。
 
本来、主人公リムルと因縁のあるキャラを登場させてストーリーを転がすのが定番なのだと思うが、恐らくそれをやるといろいろな不都合が出る。
 
上述の通り転スラは「俺TSUEEE!!」が基本。強敵相手に無双するリムルの姿にスカっとするための作品である。
ただ、覚醒魔王となった現在のリムルははっきり言って無敵に近い。それこそまともに勝負できるのは他の魔王や原初の悪魔連中くらい。
 
 
ところが彼らをストーリーの中心に置いてしまうと本編に影響する可能性が……。
 
映画と本編で矛盾が生じるのは絶対にダメだが、バトルを盛り上げるにはそれなりの強敵が必須になる。
そこのちょうどいい落としどころがベニマルたちの兄貴分を登場させることだったのだろうと。
 
 
以前から何度か申し上げているが、チート級の強さを持つ“お師匠さま”キャラは作中での扱いが非常に難しい
 
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ストーリーの中心に据えると作品のバランスをぶっ壊す危険性を孕むが、キャラの魅力、人気を考えると簡単に退場させるわけにはいかない。このさじ加減は作者の腕の見せどころと言えるのではないか。
 
・比古清十郎(るろうに剣心)
→筋金入りの人間嫌い
 
・イズミ・カーティス(鋼の錬金術師)
→内臓の欠損による稼働時間の短さ
 
・鱗滝左近次(鬼滅の刃)
→弟子を失ったトラウマ
 
何らかの制限を設けることで無敵っぷりに歯止めをかけ、極力ストーリーの端っこに追いやる。
今回の劇場版転スラに関して言えば、「オーガ一族の問題は自分たちで決着をつけたい」という彼らのプライドを全面に出すことでリムルの無双を抑え込んだ。
 
リムルがひたすら相手を蹴散らす姿を求めていた人には物足りないかもしれないが、諸々を加味するとああいうスピンオフ的な内容になるのも仕方なかったのかもしれない。
 
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トワの魅力のなさ。キャラ設定があまりに古すぎるのと、声優がダントツで下手くそ…

概ね満足度の高い「転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編」だが、不満な点を挙げるとするならラージャ小亜国女王トワの魅力のなさに尽きる。
 
ジスターヴ王国の追っ手に瀕死の重傷を負わされたヒイロを助け、生命力を著しく消耗したトワ。
それでも危険を顧みずに毒の浄化を続け、そのたびに自身の身体が呪いに蝕まれていくわけだが、いや~、魅力ねえなぁ笑
 
自らを犠牲にして国民に尽くし、縁もゆかりもない男を迷いなく助ける。
さらに突然来訪してきたリムルを心から信頼し、リムル不在のピンチには勝手に暴走してさらなる窮地に追い込まれてしまう。
 
いや、ホントに魅力ねえなぁコイツ笑
 
山に囲まれたラージャ小亜国の国土や国を侵す瘴気等は恐らく「風の谷のナウシカ」辺りからインスパイアされているのだと思うが、トワのキャラもまんまそれ。あそこまで自己犠牲をいとわないキャラ設定はさすがにやりすぎである。
 
ちょろっと調べてみると、「風の谷のナウシカ」は1984年公開の映画とのこと。
 
おおう……。
今から40年近く前のキャラをがっつり持ってきたらね。
そりゃあ違和感も生まれますよ。
 
もちろんああいう純粋無垢なキャラが年代を超えて支持されるというのも事実なのだとは思うが。
 
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そして何よりアカンと思ったのが、声優が下手くそすぎたこと。
 
当たり前だが今作は主要キャラに関してはアニメ版と同じ声優、ラスボスのラキュアは桜木花道役の木村昴が担当している。
 
ところが肝心のトワだけはなぜか俳優の福本莉子……。
リムルを始めとしたレギュラーメンバーやラキュアに比べてトワだけがダントツに下手くそなのである。
 
 
だ~か~ら~!!
いつも言ってんだよ笑
 
本職の声優にこだわる必要はないけど、最低限のレベルはクリアしろって。
 
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「君の名は」の神木隆之介とか上白石萌音はめちゃくちゃよかったでしょ?
あのクオリティが出せるなら本職の声優でなくても全然問題ないが、そうじゃない場合はマジで地獄。
今作のようにゾワゾワッとした違和感を抱えたまま2時間を過ごすハメになる。
 
 
てか、福本莉子の名前でそこまで集客が伸びるとは思えないんですけどね(さすがに失礼すぎる?)。
 
どちらにしろトワのキャラとしての魅力のなさ、声優の下手くそさによって僕の評価が星4つ→星3つに落ちたことを報告しておく。
 
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