ジョシュ・テイラーにはイージーゲームだったか? ライアン・マーティンの何もなさに逆に驚いた。もう少し工夫すると思ったけど【結果・感想】

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2018年11月3日(日本時間4日)、英・スコットランドで行われたWBSS S・ライト級1回戦。
WBC同級シルバー王者ジョシュ・テイラーが無敗の挑戦者ライアン・マーティンと対戦し、7R2分21秒TKO勝利。2019年に予定される2回戦にコマを進めた一戦である。


序盤からガードを上げてじりじりと距離を詰めるライアン・マーティンに対し、ジョシュ・テイラーは距離をとってカウンターで対抗。前後左右に動き回り、的確なヒットを重ねていく。
 
距離感をつかんだ4、5Rはボディ中心の攻撃でペースを支配するテイラー。
マーティンもパワフルなスイングで反撃するが、テイラーの出入りについていけない。
徐々にボディにダメージを蓄積させ、ガードが下がったところに顔面への連打を浴びてしまう。
 
7Rにはテイラーのコンビネーションを側頭部に浴び、ロープ際でラッシュを受けてダウン。
後頭部への反則打をアピールするも覆らず、無念のTKO負けを喫する。
 
 
なお、無敗対決を圧勝でクリアしたテイラーは、先日アンソニー・イギットに勝利したイバン・バランチェクと2回戦で対戦することが決定している。
 
「ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニーがロドリゲスを追い詰める」
 

ジョシュ・テイラーはよかったけど、ライアン・マーティンがあまりにも無策すぎたかな。相当な工夫が必要になると思ってたけど

ジョシュ・テイラー勝利!!
 
WBSS S・ライト級トーナメントの優勝候補の一角と目されるテイラーが、ライアン・マーティンとの無敗対決を順当に制した今回。
 
個人的にジョシュ・テイラーには注目しているので、1回戦を無事に突破したのは本当によかった。
 
とはいえ、この試合に関してはライアン・マーティンが無策すぎたなと。
もちろんテイラーの動きもよかったとは思うが、それ以上にライアン・マーティンがあまりに真正面から勝負しすぎた感が強い。
 
「村田はブラントに勝負師として負けてる。準備、経験、覚悟。すべての面でブラントが上回り完勝。文句なしの感動的な試合だった」
 
予想記事でも申し上げたように、ライアン・マーティンという選手のイメージはパワフルだが攻防分離なファイター
 
堅いガードに強烈なワンツーが持ち味で、ボディ打ちもうまい。
フィジカルも強く、リング中央で当たり負けすることはまずない。
これまでは中間距離での打ち合いで相手を圧倒し、勝利を積み重ねてきた選手である。
 
だが、全体的に攻防分離気味で追い足がある方でもない。
過去の試合を観ても、基本的には腕が伸びる中間距離での打ち合いが中心。足を使う相手を追いかけるようなシーンは見当たらない。
 
これだと、出入りの激しいジョシュ・テイラーについていくのは難しいのではないか。
 
恐らくだが、普通にやったのではかなり厳しい試合になる。
サイドに回り込まれ、ガードの間から連打を浴びて蜂の巣になるパティーンが濃厚?
 
この試合でライアン・マーティンが勝機を見出すには、相当な工夫が必要になる。
 
だいたいそんな感じの予想をしていた。
 
「ジョシュ・テイラー出陣。ライアン・マーティンとの無敗対決。vsプログレイス戦実現に向けてがんがれテイラー」
 

ライアン・マーティンには何もなかった。ジョシュ・テイラーにとってはかなりのイージーゲームだったんじゃないかな

そして、結果的には何もなく
 
ライアン・マーティン陣営は、ジョシュ・テイラー攻略の工夫、手立てをいっさい持ち合わせていなかった。
 
ただただ愚直に真正面から勝負を挑み、ジョシュ・テイラーに短所を突かれて負けた。
本当にそれだけの試合だった。
 
この手の攻防分離系がジョシュ・テイラーのようなタイプを仕留めるなら、ミドル級のチャーロ兄くらいの排気量と爆発力がほしい。もしくは村田諒太のように逃げ場を奪うプレスが必要になる。
 
だがライアン・マーティンにはそのどちらもなく、自分の力が一番発揮できる中間距離〜至近距離での打ち合いに持ち込む術が見当たらない。
 
この部分をマーティンがどうするかが、この試合の最大の注目点だったわけだが。
まさか何も用意してこないとは思わなかった。
 
「テテがアロイヤンに快勝! テテがよかったよね。この対応力は予想してなかった。何をIQ高い感じ出してんだよ」
 
いや、マジか。
ジョシュ・テイラーに勝ってもらいたいとは思っていたが、ライアン・マーティンがここまで無策だとは。
 
正直、もう少し作戦を立ててリングに上がるのでは? と予想していたのだが。
というか、できればマーティンにはテイラーを苦戦させてもらいたかったのだが。
 
「テイラーvsバランチェク実現? WBSSとかいう壮大な茶番に幸あれ。アリトロフィーの名誉()よりも実が欲しい」
 
ジョシュ・テイラーとしては、常に相手の外側に留まり左リードに右を被せていればいい。
基本、リードの差し合いだけでも十分上回れるし、その位置にいれば強烈な右は絶対に飛んでこない。
 
射程内に立ち入る際には先に手を出し、マーティンを防御一辺倒にしておく。
打ち終わりにその場に留まらないことだけを意識していれば、致命的な1発を食うことはまずない。
 
序盤でたっぷりボディを意識させ、ガードが下がった中盤からは顔面への攻撃に切り替える。
そこで再びボディを見せ、最後は顔面へのコンビネーション。これで壮絶なダウンを奪ってジ・エンド。
 
割とガチで、テイラーにとっては今回はかなりのイージーゲームだったのではないか。
 
「やっばw プログレイスがレリクを顔面粉砕TKO。こんな一方的になるとは…。勝てるとしたらバランチェクの方が可能性高い?」
 

ジョシュ・テイラー攻略には先手だよね。マーティンも一瞬「お?」と思わせたけど、やっぱり厳しかったな

あえてライアン・マーティンの見せ場を挙げるとすれば、5Rの最初の20秒か。
 
ガードを上げて距離を詰め、テイラーをコーナーに追い詰めたシーン。
右アッパーから始まる左右の連打を浴びせ、テイラーのクリンチを引き出したところ。
 
すぐにテイラーに身体を入れ替えられて手が止まってしまったが、流れ自体は悪くなかった。
マジな話、あれを続けられれば何かが起きた可能性もあったかもしれない。
 
「WBSSの資金難にはビックリしたな。てっきり大財閥の御曹司が道楽で金出してるもんだとばかり……。バランチェク離脱」
 
うん。
確かにジョシュ・テイラーを攻略するにはあれだよなと。
 
強引に前に出て連打を浴びせ、サイドへの動きを封じる。
近場での連打で反撃の余裕を与えず、無理やりまっすぐ後退させてコーナーを背負わせる。
 
とにかく先手先手でカウンターのチャンスを奪い、自由に動くスペースを与えないこと。
 
「ベストバウトきました。テイラーvsポストル興奮したわ〜ww ポストルに感動したかな」
 
ただまあ、今回のライアン・マーティンがそれをやるのはキツかったというのも事実ではある。
申し上げたように、マーティンにはチャーロ兄ほどの火力も村田諒太ほどのフットワークもなく、テイラーのようなタイプに追いつくのは至難の業。
 
初回からアクセル全開で襲いかかるという手もあるが、さすがにこの舞台で一か八かの勝負を仕掛けるのは酷な気がする。
 
フィニッシュとなった7Rの1発が後頭部だったかどうかはともかく、ライアン・マーティンにとってはあまりにも厳しい組み合わせだった。
 
「スティーブンソンvsグヴォジク!! ま〜たおもしろそうな試合を組みやがってw キャリア終盤に勝負に出たかスティーブンソン」
 
むしろ、この選手にとってはvsレジス・プログレイスの方が相性的にはよかった? かも?
 

ジョシュ・テイラーvsイバン・バランチェクだと!? 何だその糞尿撒き散らしそうな組み合わせはw やっぱりS・ライト級おもしれえww


なお、これでジョシュ・テイラーは2回戦でイバン・バランチェクと対戦することが決定したわけだが。
 
マジな話、この組み合わせはなかなかおもしろいと思う。
普通にテイラーのKO負けもあり得る気がするのだが、どうだろうか。
 
どんどん前に出て腕を目いっぱいぶん回すバランチェクに、テイラーがどう対応するか。
下がりながらカウンターを狙っていたのでは、恐らくバランチェクの圧力からは逃げ切れない。
 
この選手を止めるには懐に入ってのインファイトだとは思うが、それを実現するだけの勇気とフィジカルがテイラーにあるか。
 
こういうラフな選手こそ、打倒ジョシュ・テイラーの一番手な気がする。
 
「リナレスがS・ライト級進出? アブネル・コットを3RTKOで再起に成功。S・ライト級でマイキー、ラミレスに挑戦だと?」
 
てか、やべえなS・ライト級ww
笑いが止まらんくらいおもしれえじゃねえかww
 
この層の厚さはたまりませんな。
 
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