田中恒成vsエドゥアルド・バカセグア、阿部麗也vsルイス・アルベルト・ロペス。田中の相手、これでいいの? 見間違いじゃなくて? 阿部麗也はホントにがんばってもらいたい【予想・展望】

田中恒成vsエドゥアルド・バカセグア、阿部麗也vsルイス・アルベルト・ロペス。田中の相手、これでいいの? 見間違いじゃなくて? 阿部麗也はホントにがんばってもらいたい【予想・展望】

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2023年12月26日のS・バンタム級4団体統一戦、井上尚弥vsマーロン・タパレス戦の話題が山ほど聞こえてくる。
ただ僕はタパレスが井上を何とかできるとは思えず、正直勝敗に対する興味は薄い。
 
むしろ関心は井上が何RでタパレスをKOするかくらい。世の中の熱狂ぶりに比べていまいち気持ちが盛り上がってこない。
 
マーロン・タパレスが井上尚弥に勝つ方法を考える会。井上のvsサウスポーを振り返って絶望した。タパレスは前半勝負しかなさそうだけど…
 
それに対して先日発表された試合はなかなか興味深い。
 
2024年開け早々に東京、大阪でそれぞれ行われる「Prime Video Presents Live Boxing」第6、7弾。
那須川天心のボクシング3戦目や寺地拳四朗の防衛戦、田中恒成の2020年末以来の世界戦等、相変わらずの詰め込みっぷりである。


また第4弾でキコ・マルチネスとの挑戦者決定戦を制した阿部麗也の世界初挑戦も正式発表されており、こちらも同じくらいテンションが上がっている。


というわけで今回は上記の中から僕の興味をひいた試合を取り上げていくことにする。
 

田中恒成vsエドゥアルド・バカセグア

まずはコレ。
元WBO世界フライ級王者田中恒成が約3年2か月ぶりの世界戦を迎える。
対戦相手はWBO同級2位のエドゥアルド・バカセグア。24戦18勝4敗2分の選手である。
 
 
田中はこの試合に勝てば世界6階級制覇王者オスカー・デラホーヤを上回る史上最速21戦目での4階級制覇となるわけだが……。
 
あの、いいんすか? コレ。
対戦相手のエドゥアルド・バカセグアをちょろっと眺めたところ、正直世界戦の舞台に立っていい選手には見えない。
 
ずんぐり体型でスピードもない。
連打型でもなく前に出る圧力も微妙。
 
こう言っちゃなんだが、田中に4階級制覇をさせるために引っ張ってきたとしか思えないのだが。
 
 
今回も「階級下の相手」「キャッチウェイト」等を理由に那須川天心が盛大にディスられていたが、対戦相手の質で言えばこちらの方がはるかに酷い気がする。
 
いや、マジか。
マジなのか? 田中恒成。
 
それとも僕が観た試合が間違っているのか?
ひょっとしたら僕ごときにはわからない強さを秘めているのか?
 
気軽に眺めた試合があまりにもアレだったせいでまあまあの衝撃を受けている笑
 
田中恒成vsヤンガ・シッキボ。田中は4階級制覇の準備完了かな。シッキボは“惜しい”選手だった。アムナットになれそうなポテンシャルなのに素直過ぎた
 

2019年大晦日の田中vsトロハツ戦と感じが似ている。あのときも「え? これ?」ってなった記憶が…

この感じは2019年大晦日の田中vsウラン・トロハツ戦と少し似ている。
 
あのときも事前にトロハツの試合を漁って「これは大晦日の舞台に立つレベルか?」となり、実際の試合でも「やっぱり」と思った覚えがある。
 
それこそ「雑魚」「弱すぎる」等の心ない声も多数聞こえてきた。
 
これに対して「トロハツのキャリアを調べもせずに勝手なことを言うな」的な反論も見かけたが、いや、知らんがなと笑
 
世界一を決める舞台、それも1年でもっとも注目度の高い大晦日のリングに実力が伴わない選手が出てくれば「おいおい」となるのは当たり前。
 
雑魚だのなんだのと罵声を浴びせるのはダメだが、その舞台にふさわしくない選手を連れてくるのもそれはそれでアウトである。
 
で? 何?
選手のキャリアを調べてからモノを言え?
紡いできた(笑)物語がどうたらこうたら?
 
めんどくせえなオイ。
たかがスポーツ観戦でそこまで重いものを背負ってられっかよ笑
 
 
そんな感じで今回の田中vsエドゥアルド・バカセグア戦もあの試合と似たテンションになりそうな……。
 
 
勝敗予想はどうしますかね?
バカセグアがある程度がんばると想定して田中の8RKOとか?
 
むしろ田中にとっては苦戦すら許されない相手に思えるが。
 
田中恒成vsクリスチャン・バカセグア。1Rで「田中が勝ちそう」ってなった。でもバカセグアの粘りもよかった。田中vsフェルナンド・マルティネスは実現してほしい
 

阿部麗也vsルイス・アルベルト・ロペス

お次はコレ。
2024年3月2日(日本時間3日)に米・ニューヨーク州で行われるIBF世界フェザー級タイトルマッチ。同級王者ルイス・アルベルト・ロペスに日本の阿部麗也が挑戦する試合である。
 
阿部麗也がルイス・アルベルト・ロペスに8RTKO負け。ちょっと失望したな。久しぶりに「値しない」「ふさわしくない」って思っちゃった
 
上述の通り阿部麗也は今年4月の「Prime Video Presents Live Boxing」第4弾でキコ・マルチネスとの挑戦者決定戦を制してこの試合にコマを進めている。
一時期王者ロペスが統一戦を希望しているという噂もあったが、とりあえず正式発表されてよかった。
 

ロペス強そう。リズムに乗るとどんどん調子が上がるタイプっぽい。阿部麗也が型にはめることができれば…

試合についてだが、ルイス・アルベルト・ロペスを漁ったところ「なかなか強そうだな」と。
 
ベタ足でのしのし近づき中間距離~近場で腕を振りまくる。
やや背筋が立った姿勢のまま両腕をぶん回すスタイルは迫力満点で、変則だが踏み込みの距離、射程が見た目以上に長い。
 
恐らくリズムに乗るとどんどん調子を上げるタイプだと思うが、いったん巻き込まれるとあっという間に持っていかれそうな雰囲気。
 
逆に機動力はそこまででなく器用なイメージもない。ガードの甘さも目につく。
前手のジャブとフットワークで翻弄できればぼちぼち可能性はあるのではないか。
 
下馬評では阿部麗也の不利予想らしいが、型にはめることができれば割と勝機もありそう。
 
たとえばロペスが勝つならKO、もしくは判定。
阿部が勝つなら判定とか、そんなイメージかな? と。
 
松本圭佑vs前田稔輝。期待通りのおもしろい試合。松本圭佑の達人っぷりに驚いた。前田稔輝は右リードが通用するかなんだろうな
 

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おもしろい組み合わせっすね。ロペスのガードの甘さとどこかで打ち合いが発生する阿部

実際、この両者はおもしろい組み合わせだと思う。
 
ロペスのキャリアを振り返るとvsサウスポーの試合は2019年12月のクリスチャン・バエズ戦くらい。
また2023年5月のマイケル・コンラン戦はコンランが多くの時間を左構えで戦っていたことを踏まえると、こちらもvsサウスポーと言っていいかもしれない。
 
そして、どちらの試合も結果は5RKO。ロペスがサウスポーを苦にしている感じはない。
 
 
ただ、バエズもコンランもどちらかと言えば打ち合うタイプ。
阿部麗也のようなアウトボクサーとは真逆で、それだけ被弾しやすくもある。
 
前手のリードと出入りを駆使して戦えば阿部のポイントアウトもあり得るのではないか。
 
 
と言いつつ、この選手には1試合を通してさばき切れるほどの足はない。試合のどこかで必ず打ち合う局面がくる。
前回のキコ・マルチネス戦でもキコマルに懐に入られて連打を浴びるシーンが散見された(特に序盤)。
 
理想は2022年5月の丸田陽七太戦の再現だと思うが、ロペスは丸田のようなきれいなスタイルではないのが……。

ロペスのガードの甘さと阿部のフットワークのヌルさ、どちらが先に表面化するか? が見どころだろうか。
 

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勝敗予想は6:4でロペスだけど、阿部麗也にもチャンスはありそう。クソほど応援するぞ

下馬評通り僕もルイス・アルベルト・ロペスが有利だと思っているが、同時に阿部麗也にもチャンスはある(と思う)。
 
正直、ああいうガツガツタイプはあまり阿部は得意ではなさそう。
だが、ここ数戦で力強さが増している今の阿部ならうまくやれるかも? みたいな。
 
ベタすぎてアレだが、大雑把に6:4くらいでロペスと予想している。
 
というわけで勝敗予想はロペスの10RKOで。
後半のどこか、わずかに集中が切れた瞬間にロペスの変則的な右が入って阿部がガクガクになるとか、そんなイメージ。
 
いや、阿部麗也にはホントにがんばってほしいですけどね。
今回は恐らくキャリアで唯一と言ってもいいチャンス。そこにすべてをかける日本人選手は問答無用で応援したくなる。
 
ワイルダーコケたよ。パーカーに3-0の判定負け。手が出ない、反応が遅れる、足が動かない。2016年のアルツール・スピルカ戦と違いすぎて哀しくなる
 
もっと言うと、単純にポスターがカッコいいんですよね笑


 
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