ヤンキース田中将大後半戦好発進!! 7回3失点のQSで今季6勝目【登板結果】

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海岸イメージ
MLBヤンキースに所属する田中将大投手が17日(日本時間18日)に本拠地にシアトル・マリナーズを迎えての後半戦初戦に先発。
103球を投げて7回5安打3失点7奪三振2四球の粘り強い投球を披露し、今季6勝目(3敗)をマークした。
これで3戦連続でQS(6回3失点以内)をマークした田中将大。シーガーに2打席連続ホームランを喫するなど、絶好調とは言えない内容ながら、Aロッドの逆転弾を呼び込む我慢の投球でチームに勝利をもたらした。

「ヤンキース田中将大、完璧な投球で5勝目!! 今季初めて100球を超える」

7年総額1億5500万ドルの大型契約を結びながら故障離脱するなど、地元メディアやファンから厳しい視線を送られる田中。今日のピッチングはすべての雑音を払拭するまでのものだったとは言いがたいが、3試合連続のQSもさることながら、何より勝ち星がついたことで今後に期待が持てる登板だったのではないだろうか。

立ち上がりから球に威力が感じられない田中。今日はよくない……

初回。
先頭の1番ミラーが左打席に入る。
初球。外角からストライクになるスライダー。1ストライク。
2球目。外側に落ちるスプリット。これをミラーが引っ掛けてファーストゴロ。1アウト。

2番シーガー。
初球。左バッターの外角への92マイルツーシームが外れて1ボール。
2球目。外角へのカーブでストライク。
3球目。外角へ初球と同じコースへのツーシーム。シーガーがバットを出すが、力のないレフトフライで2アウト。

3番カノが左バッターボックスに入る。
初球はカーブが内側へ。ボール。
2球目。内側への93マイルのフォーシームが外れてボール。カウント2-0。
3球目。外角へのスプリット。カノがバットを出すが、これまた力のないセンターフライで3アウト。

初回をわずか8球であっさりと終わらせ、上々の立ち上がりを見せた田中。
とはいえ、今日はあまり球が走っていない。変化球も打者の手元での鋭さがいまいち感じられない。コントロールはいいようだが、ちょっと厳しい投球になりそうだ。そんな印象の初回だった。

2回。
先頭は4番のネルソン・クルーズ。
初球は真ん中高め、やや内よりのツーシームで1ストライク。
2球目は内側からのカッター。2ストライク。
追い込んだところで外側に1球スライダーを見せ、4球目に高めのフォーシーム。
2-2となったところで、最後は低めへのスプリット。これをクルーズが腕を伸ばして何とか当てるが、打球はライトへフラフラと上がるフライ。1アウト。

組み立てとしては完璧だ。しかし、球にキレがないために最後のスプリットをバットに当てられてしまう。本来なら空振りか内野ゴロになるべき球のはずなのだが。見せ球に使った高めのフォーシームも威力がないためにいまいち効果的な球になっていない。やはり今日の田中はあまり調子がよくないようである。

その後、四球とヒットのランナーを1、3塁において迎えるバッターは8番モリソン。
初球は外側からストライクになるスライダー。モリソンが空振りして1ストライク。
2球目は外側へのスプリットが外れて1-1。あ、ちっともキレがない。やばい。
3球目。真ん中低めに落ちるスプリット。ファール。やはり今日はこれを当てられてしまう。本来は空振りしてもらいたい球なのだが。
4球目。外側を狙ったフォーシームを叩き付けてしまい、カウント2-2。
5球目。真ん中低めのスプリット。しかし力み過ぎ。打者のだいぶ手前でバウンドして、カウント3-2。
6球目。真ん中低めにもう1球スプリット。しかしこれも力み過ぎでボール。フォアボールで満塁。
腕を振ろうとしているのは伝わるだが、球になかなか力が乗らない。いや苦しい。

2アウト満塁で9番ズニーノ。
初球は外側へのスプリット。ズニーノがこれを空振りして1ストライク。
2球目は外側へのフォーシーム。外れてボール。
3球目。初球と同じ外側へのスプリット。ズニーノが空振りでカウント1-2。よし、いいぞ。
4球目。もう一度同じコースへのスプリット。ズニーノが手を伸ばして何とかバットに当ててファール。
5球目。さらにもう1球外側へスプリット。ズニーノ空振り三振!! おっし、今のはいい球。
この回のピンチを切り抜ける田中。
相変わらず球のキレはいまいちだ。ズニーノは明らかに外の球にバットが止まらなかったので助かったが、やはり今日はかなり苦労しそうな出来である。今後の展開が思いやられる1、2回だった。

「ヤンキース田中将大復の復活したのか? 不調は続くのか? フォームの比較で検証する」

あ、やばい!! そう思った瞬間、打球はライトスタンドに一直線

ヤンキースが1点を先制して迎えた3回。
1アウトを奪い、左打席に2番シーガーを迎える。
田中が1ボール投じたカーブが真ん中に入る。あ、甘い!! そう思った瞬間、迷わずバットを振り抜くシーガー。
バシッ!!
小気味いい炸裂音を残し、打球はライトスタンドへ一直線。
ソロホームランであっという間の同点。

あ〜、完全に失投だった。誰がどう見てもホームランボールだった。
まあ、今のは調子の悪さにつけ込まれたわけではない。さっさと切り替えて、ここからやり直しだ。

3番カノからフロントドアで見逃し三振を奪うなど、後続には素晴らしいピッチングを見せた田中。フォーシームのスピードも94マイルを記録し、徐々に調子は上がってきたようだ。
4番のクルーズには、相手の苦手とする外角にスライダーとフォーシームをうまく制球して連続三振に仕留める。
うん。ホームランの影響はなさそうだ。
というか、あの一本で目が覚めた感じだろうか。スプリットを叩き付ける場面が若干目立つが、ここからの田中に期待である。

4回。
右打者には外側のスライダー、内側のスプリット中心での攻め、左打者にはカーブ、スプリット、スライダーと外中心でカウントを取りつつ、内側にスライダーを見せるなど、ストライクゾーンを広く使う田中。この回の投球はなかなかよかったのではないだろうか。
ただスプリットがちょっと多すぎるのと、今日の球の威力だとなかなか空振りがとれないので、一人の打者への球数が増えているのが気になるところではある。後半に球の勢いが落ちなければいいが。

再び迎えるシーガー。そして再び被弾

ヤンキースが2-1と勝ち越して迎えた5回。
ヒットのランナーを1塁において、迎えるのは先ほどホームランを許している2番シーガー。
ここまで2アウトを奪っているものの、いずれもヒット性の当たりを打たれている。ちょっとこの回に入って捉えられているので注意が必要だ。

初球。外側を狙った92マイルのツーシームが真ん中に入る。
シーガーがこの球に素早く反応する!!
カンッ!!
打球はまたしても小気味いい炸裂音を残し、直線にライトスタンドへ突き刺さる。ツーランホームランで2-3。再びリードを許す展開。

いや〜、これは打たれたな。完璧過ぎて言い訳のしようもない一発だった。
もっと厳しく外側のボール気味に投げたかったのだろうが、その球がやや内側に入ってしまった。
しかしあの92マイルを軽々ホームランされるあたり、今日の田中の球にはあまり威力がないことがうかがえる。特にこの回は相手が田中の球を確実にミートしてきている。ぼちぼち危険信号かも知れない。

続くカノを打ち取り5回を切り抜けた田中。
この先の試合展開が読めないが、何とか粘って欲しいものである。

最後はどうにか7回を投げきる田中。悪いなりにまとめて勝利を呼び込む

ヤンキースが3-3の同点に追いついて迎えた6回。
ここまで77球を投じている田中。やはり今日は若干球数が多い。
先頭の4番クルーズを低めのスプリットで三振に仕留めたが、スライダーが抜けて高めに浮く場面が見られた。抑えが効かなくなり始めている。ちょっとまずい状態だ。

この回、内野安打を許すものの無得点で切り抜けた田中だが、やはりスプリットとスライダーに偏り過ぎに思える。
球が走らないので直球系を減らしているのかもしれないが、それにしても少ない。甘く入ったツーシームを完璧に打たれたことが影響しているのだろうか。それともキャッチャーのリードなのだろうか。
どちらにしろ、もう少し直球系で押して打者の目線を変えることができれば、もう少し楽に打ちとれると思うのだが。現にこの回に入って、低めのスプリットやスライダーを楽々見逃される場面が目立ってきている。

7回。
すでに球数は92球を数えている田中だが、この回もマウンドに上がる。
8番モリソンを2-2からの外角低めのスプリットで三振に打ち取り1アウト。最後に投げたスプリットは素晴らしい変化だった。この球を投げられれば誰も打てない。少し甦ったか?

続く9番ズニーノ、1番ミラーをいずれも内野ゴロに打ち取り、この回を三者凡退で切り抜けた田中。球数も103球となりここでお役御免となる。

7回は下位打線だったこともあってすんなり切り抜けられた印象だが、全体を通してはピリッとしない内容であった。特に球数が増えてきた6、7回はなかなか際どい内容だった。
7回103球、被安打57奪三振四死球2。相手が決して強力とは言えないマリナーズ打線だったことも幸いしただろう。

とはいえ、7回の田中のテンポのいい投球が裏の回のAロッドの逆転ホームランを呼び込んだことも間違いないだろう。結果的に田中に勝ち星がついた試合だが、それを自分の力でたぐり寄せたと言ってもいいのではないだろうか。

今日の田中の投球は、球があまり走らない中、悪いなりに丁寧に投げようという意識が感じられた。
直球系は使い物にならないと判断したのか、スライダーとスプリットの割合を増やしてどうにかしのいでいたようだが、このあたりはさすが器用だと言うべきだろう。もう少し球に力があれば、フォーシームを見せ球として使って楽な投球ができたのだろうが、今日に関してはあれが精一杯だったと思われる。

とはいえ今日も100球を超えて投げられたこと、QSを達成できたこと、結果的に勝利投手になれたことなど、今後に向けて明るい材料は多い。
また、あれだけスプリットを多投して肘や腕の問題がなければ、ある程度怪我の心配はしなくてもいいのかもしれない。

迫力はないがさすがの投球
今日の田中将大はそんな印象だろうか。

また次回登板も楽しみである。

「ヤンキース田中将大、自己ワーストタイの3ホームランを許すも今季7勝目」

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