井上拓真vs栗原慶太のOPBFタイトルマッチだって。1ミクロンも思い入れがない両選手だけど、おもしろそうな試合ではあるよね【予想・展望】

井上拓真vs栗原慶太のOPBFタイトルマッチだって。1ミクロンも思い入れがない両選手だけど、おもしろそうな試合ではあるよね【予想・展望】

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先日、下記の試合が発表された。


元WBC世界バンタム級暫定王者井上拓真がOPBF同級王者栗原慶太に挑戦するとのこと。
2021年1月14日開催で場所は東京・後楽園ホール。タイトルに「第75回フェニックスバトル」とあるので、大橋ジム主催の興行ということか。
 
 
新型コロナウイルスの影響で海外から選手が呼べない中、日本人選手同士の注目カードがどんどん決まっている。
少し前にも井上浩樹に勝利して日本S・ライト級王者となった永田大士に元日本ライト級王者近藤明広が挑戦することが発表されたばかり。
 
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その他、元WBO世界S・フェザー級王者伊藤雅雪と無敗ホープの三代大訓の対戦が12月26日、WBOアジアパシフィックS・ライト級王者岡田博喜と日本ライト級4位の富岡樹の一戦が12月14日に予定されているなど、タイトルマッチ以外にもビックリするようなマッチメークが目白押しである。
 
「おいおい、どうした日本ボクシング界」
「そんなに飛ばしたら年明けで息切れするんじゃねえか?」
と余計な心配をしたくなるほどに。
 
これがいいのか悪いのかは何とも言えないが、どちらにしろ海外からの入国制限が緩和されるまではこういう状況が続くのかな? という気もする。
 

栗原慶太にはほぼ興味がないけど右ストレートはすごいよね。1発の威力なら井上尚弥にも匹敵する?

まずOPBF王者栗原慶太についてだが、申し訳ないことに僕はこの選手に毛ほども興味がない。
 
以前試合を現地観戦したことがあるのだが、ディフェンス面のあまりのザルっぷりにおっかなくなった記憶がある。
 
ほとんどといっていいくらいに頭の位置が動かず、相手のパンチングパワーを1ミリも逃がさず100%顔面で吸収する豪快さ。
 
正直、あれだけ芯でもらいまくる光景を観たのはこの選手とS・バンタム級の松本亮くらい。
「おいおい、お前の顔面はキャッチャーミットでできとるんかい」みたいな。
 
 
だが、その反面攻撃力は秀でていて、15勝のうちKOが13という超絶倒し屋でもある。
パンチの炸裂音もほかの選手とはまったく別ものというか、軽量級でこの破壊力はアカンやろと言いたくなるほど。それこそ1発の威力に関しては井上尚弥にも匹敵するのでは? というくらい圧倒的なものがある。
 
中でも目につくのが右ストレート。
いわゆるパンチの伸びが抜群で、腕が伸び切ったところからさらにもう一段肘から先が“グンッ”と前に出るイメージ。
僕の勝手な意見だが、“爆腕”の異名を持つキックボクサー大月晴明と少し印象が被ったりもしている。

 
この試合とか、めちゃくちゃヤバかったですよね。

1Rの最初のダウンなどは特に顕著で、しなりを利かせた右が顎? 側頭部? をスパッとかすめて、一瞬遅れて相手の田中選手が尻もちをつくという。
腕力の強さもあるのだと思うが、よく見るとインパクトの瞬間に拳が石みたいに固くなっている感じがする。
 
田中一樹選手もかなりいい選手だったが、栗原慶太の馬力に飲まれちゃったなぁと。
 

最後に負けたのが勅使河原弘晶戦。でも、この試合は勅使河原がデカかったし、右クロスをもらいまくったのが痛かった

ちなみに栗原慶太が最後に負けたのが2017年6月の勅使河原弘晶戦。

うん、この試合はね。
勅使河原がデカかったよね。
 
向かい合った両者は体格の違い、身体の分厚さの違いが一目瞭然。
両者ともにディフェンスの緩さを攻撃力でカバーするスタイルではあるが、何だかんだで勅使河原の強フィジカルが栗原の強打をねじ伏せた試合だったかなと。
 
階級アップによってブルドーザーのようなフィジカルをさらに高めた勅使河原だが、この頃はよく体重を落とせたなぁと改めて思う。バンタム級最終戦となった帝里木下戦をたまたま現地観戦したのだが、あまりの体格差に帝里がかわいそうになったくらい。
 
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あとはまあ、右クロスが得意な勅使河原と、近場で左ガードが下がる栗原の特徴がモロに合致したというのもある。最後のラッシュも右クロスで栗原がグラっときたところからスタートしているし、上記の田中一樹戦でも栗原は右をもらって一瞬腰が落ちるシーンが見られる。
 
申し上げたように全体的に被弾の多いタイプではあるが、特に近場での右クロスは狙い目なのだと思う。もちろんその位置は栗原の得意な右が当たる間合いでもあるのだが。
 

井上拓真にも思い入れはないのだが、いい選手だと思う。パンチスピードにパラメータを全振りした分、決定力不足が顕著

一方、挑戦者の井上拓真だが、残念なことに僕はこの選手にもあまり思い入れがない。
 
久高寛之やマーク・ジョン・ヤップとのサバイバル戦をクリアした頃は「おお、すげえな。がんばれ」と思っていたが、暫定王座についたCPフレッシュマート戦や初黒星を喫したノルディ・ウーバーリ戦が微妙にタルかったせいで一気に印象が薄れてしまった。
世界再挑戦となれば当然観るとは思うが、今のところは名前を聞いても「ほーん、がんばってね」くらいの選手である。
 
井上拓真がウバーリに大差判定負けで王座統一失敗。相手に恐怖を感じさせる1発が出るといいな。兄貴みたいな
 
まあそんなことを言ってもアレなので、過去の試合をあれこれ漁ってみたところ……。
はっきり言って、かな~りいい選手だと思う
 
パンチスピードがあり距離の取り方もうまい。栗原慶太とは真逆で頭の位置を動かし続ける意識も高い。左リードの的確さに加え、井上一族の持ち味? でもある強靭な足腰を活かした出入りとバランスのよさでヒットを重ねるスタイルは相当やっかいなのではないか。
 
そもそもデビュー戦で福原辰弥とぶつけるって、どれだけ茨の道を歩かせんねんという話で。トレーナーである父親の方針だと想像するが、24歳ながらもここまでよく擦り減らずにきているなとも思わされる。
 
 
逆に短所? 弱点? としては、決定力不足と射程の短さかなと。
現在の戦績が13勝1敗3KOと、倒し屋の兄・井上尚弥に比べてKO率がすこぶる低い。
 
また、射程が短く強いパンチを当てるにはある程度間合いを詰める必要があり、その分被弾の危険も高くなる。パンチスピードにパラメータを全振りしているというか、相手のレベルが上がるにつれてフラストレーションの溜まる試合が増える印象。
 
基本は左で試合を組み立てるスタイルだが、井上尚弥のようにジャブだけで相手を恐怖させるほどの威力はない。そのせいか、身体の強い相手に押し込まれてタジタジになることも。
 
それこそダビド・カルモナ戦あたりまでの井上尚弥を二段階ほどスケールダウンさせたような……。決してパワーレスだとは思わないし、いろいろなタイプと対戦しているのもあるとは思うが。
 

勝敗予想は栗原慶太の3RKO。理由は井上拓真の勝利予想が多いから。でも、井上vsサルダール戦を観れば栗原にも可能性はあると思う

今回の勝敗予想だが、栗原慶太の3RKO勝利でいきたいと思う。
 
理由は井上拓真の勝利予想が多そうだから。世論と同じことを言ってもつまらないので、あえて穴狙い? の逆張りをしてみようと。
 
てか、両選手ともに思い入れもないので正直どちらが勝ってもいいのだが、どちらかと言えば栗原が勝った方がおもしろいんじゃねえの? ってことでね。
 
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何となくだが、普通にやれば井上拓真が有利かなぁという気はしている。
 
ディフェンスが緩い上にべた足気味の栗原に対し、井上には距離の調整のうまさに加えてパンチ&出入りのスピードがある。
左を中心にフットワークを駆使して正面に立たないように意識しつつ“当てては離れ”を繰り返していれば、高確率で栗原は置いてきぼりを食うのではないか。左右の違いはあるが、2018年末のCPフレッシュマート戦を踏襲するイメージで。
 
 
ただ、栗原が勝つチャンスも十分あると思っている。
参考になりそうなのが、2016年9月の井上拓真vsフローイラン・サルダール戦。
初回にサルダールが右のクロスでいきなりダウンを奪ったものの、そこから井上が持ち直して徐々に流れを変え、判定勝利を挙げた試合。
 
申し上げたように栗原は左ガードが低く狙い目は右クロスだと思うのだが、実はそれは井上も同じだったりする。
近場で連打を放った直後に左ガードが下がり、なおかつその場に留まる瞬間がある。この試合でも打ち終わりに近距離で無防備になった瞬間をサルダールに狙われてダウンを喫しているし、栗原の右が当たるとすればあそこなのではないか。
 
さらに言うと、井上は今回、CPフレッシュマート戦のような試合運びは選択しないと予想する。観ている側からすればアレははっきり言ってつまらないし、井上パパも「よくない試合だった」と評していた。せっかくの国内注目試合であることを考えると、それなりに打ち合いにくると考えられる(そうじゃないと困る。栗原が勝てないから)。
 
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なので、栗原が勝利するなら田中一樹戦と同じ前半KO。12Rを見据えた組み立てなどとは言わず、ある程度の被弾は覚悟で近場での打ち終わりを狙って右をドカン。サルダールがやったように、井上が右の軌道に慣れる前にピヨらせることができれば。
 
栗原がサルダール以上の1発の威力とCPフレッシュマートと同等の圧力を発揮すれば、恐らく5RまでにKOできる(はず)。
 
 
そんな感じで基本はどちらが勝っても構わないのだが、おもしろそうな組み合わせではあるので好試合に期待しておく。
 
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