武尊vsスーパーレック戦が無料公開されたので視聴してみた。思った以上に武尊の完敗ですね。この階級で最強ではないと本人が認めちゃったのも残念【結果・感想】

武尊vsスーパーレック戦が無料公開されたので視聴してみた。思った以上に武尊の完敗ですね。この階級で最強ではないと本人が認めちゃったのも残念【結果・感想】

2024年1月28日に東京・有明アリーナで開催された「ONE CHAMPIONSHIP 165」。
下記の通りメインイベントの 武尊vsスーパーレック戦目当てに足を運んだわけだが。
 
武尊vsスーパーレック戦現地観戦。いい試合だったけど内容は完敗かな。K-1以外のリングで1勝2敗、トップ選手に2敗は結構重い気がする
 
その試合が公式YouTubeで公開されたので再視聴してみた次第である。

正直、今回は武尊の完敗としか言いようがない。
3Rの猛ラッシュは確かにすごかったが、それ以外はスーパーレックのラウンドで文句はない。
会場で観ていても「ああ、負けだろうな~」と思ったことをお伝えする。
 
で、無料公開に伴い初めて画面で視聴した感想を。
会場で観た印象との違いを含めてあれこれ言っていくことにする。



 
なお試合直後に引退を示唆していた武尊だが、あれから数日経って現役続行に傾いている印象。
これは本当によかったと思う。


 

当日はスーパーレックの強さに驚いた&武尊は無防備にローをもらい過ぎ。武尊だからあそこまでやれたんだろうけど…

まず現地で観た感想は下記。
 
・スーパーレックがクソ強い
・コンビネーションがめちゃくちゃ速い
・ジャブを多用する作戦には驚いた
・アレは那須川天心を参考にしたのでは?
・武尊はいまいち出力が上がらない
・3Rのラッシュはすごかったけど
・いくらなんでもローを蹴らせ過ぎ
・ジャブへの対応もマズい
・K-1のファイトが染みついている印象
 
開始早々に思ったのが、スーパーレックがクソ強い
あれこれ展望を漁った中に「武尊圧勝」を断言する方がいて、武尊の長所とスーパーレックの短所を山ほど並べて根拠を述べていた。
その印象があったせいでスーパーレックの強さにはかなり驚かされた。
 
またスーパーレックは蹴り→パンチのコンビネーションがめちゃくちゃ速い。
ローから顔面、ジャブからローといったバリエーションも豊富。
得意のキックを中心に武尊の前進をうまくさばいていた。
 
中でもジャブをあれだけ多用したのは意外だった。過去の試合を観る限りスーパーレックはあそこまでジャブを使う選手ではない。恐らくTHE MATCH 2022の那須川天心を参考にしたのだろうと。
 
格闘技ファンは今度から「那須川天心と武尊の試合あったじゃん」と言える。THE MATCHにより天心と武尊はジャンルを超えたスターに。でもフジテレビの判断は正しかったよ
 
一方の武尊だが、こちらは開始直後からいまいち出力が上がらない。これまでの武尊なら3Rのラッシュ時にもう一段ペースを上げていた(と思う)のに。
前回のベイリー・サクデン戦同様、5R制に慣れていないのは明らかである。
 
さらにローとジャブを無防備にもらい続けたのもキツい。
特にローはもらい過ぎで、2Rの時点で身体が流れていた上に終盤はダメージのせいでパンチに体重が乗らない。
真正面からねじ伏せるのがスタイルなのはわかるが、さすがにもう少し何とかならなかったか。
 
 
そんな感じで、僕の中での敗因は“真っ向勝負こそ至高”“打ち合い上等”のK-1のファイトが染みついていること。5R制の配分を含めてルールに対応できていない様子が感じられた。
 
 
武尊だからあそこまでやれた。
対応力の差によって完敗を喫した。
 
どちらの側面もある試合だったなぁと。
 
武尊vsタン・ジン。武尊反応遅くなったか? 試合開始すぐに「これは勝ちそうだな」と思ったらダウン食らった。本人的には「下に集中しすぎた」らしいけど
 

初めて画面で視聴。基本的には現地観戦のときと同じ感想ですね

で、今回初めて画面で観たわけだが……。
 
基本的な感想は現地観戦のときと変わっていない
 
スーパーレックはクッソ強い&武尊はローをもらい過ぎ。
いまいち出力が上がってこないのもベイリー・サクデン戦と同じ。
 
またスーパーレックの蹴りとパンチのコンビネーションは画面上でもやっぱり速い。
5Rはもしかしたら武尊のポイントかな? とも思ったが、改めて観るとスーパーレック優位で間違いなさそう。
 
「武尊はがんばったけど完敗だった」という結論そのままである。
 

思った以上に武尊の完敗だった。ダニエル・プエルタスの方がはるかにうまく戦ってるんじゃない?

というより、最終的な結論は思った以上に完敗だった
 
試合後の感想に「キックボクサーとしての技術が違う」「クオリティに差があった」という意見があったが、確かにそんな感じ。
 
ローとジャブを中心にダメージを蓄積させ、終始自分の距離で勝負したスーパーレック。
 
3Rの大ピンチは身体を丸めて耐え切り4、5Rに再び盛り返した。
 
近場のハイキックを防がれたところから反撃を許したが、直後にそのハイキックを自重するシーンがある。
ピンチの局面でもああいう冷静さを失わないのはさすがである。
 
 
対する武尊は無防備にローをもらいまくる→その結果、勝負どころで決め切ることができない。最終5Rは踏ん張りが利かずにパンチの威力、前に出る圧力が明らかに落ちている。
 
 
それこそ2023年1月のダニエル・プエルタスの方がはるかに健闘している。

この試合のプエルタスは初弾に必ずカウンターを被せることでスーパーレックに手を出しにくくさせた。
またローの引きに合わせて距離を詰める→近場の打ち合いに巻き込み常にケージを背負わせることに成功している。
 
ガードを上げてにじり寄る

ジャブで動きを止められる

まともにローをもらう

痛みを我慢して前に出る

膝をもらう
の無限ループで削られまくった武尊とは大違い。
 
遠い距離で勝負したい&入り際に膝を合わせたいスーパーレックの戦法をことごとく潰したのは素晴らしい。
 
吉成名高vsプレーオプラーオ感想。キック界の至宝、ボクシングの井上尚弥と並ぶ才能等、賞賛が止まらない吉成も数年前まではトイレタイム要員だった
 

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この階級では最強ではないと本人が認めたのが残念。個人的にそこの素直さはいらないかな

そして、実を言うとコレ↓もちょっと残念だった。


陣営に心ない言葉を浴びせるのはダメだし本人の「自分にはこの作戦しかない」という言葉もその通りなのだと思う。
 
そんなんわかっとるわ。
こちとら全部わかった上でアレをやっとんねん。
 
あのファイトが武尊の最大の魅力なのも理解している。
 
 
ただ、本人がそれを言ってしまうのは……。
 
要するに自分はこの階級における最強ではないと認めることになるわけで。
「K-1は最高で最強」と言い続け、それを証明するためにTHE MATCHやONEの舞台に立つと豪語していたはずなのに……。
 
試合後に自身のYouTubeでも完敗と言っていたが、個人的にそこの素直さはいらなかったなぁと。
 

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武尊をやたらと持ち上げる空気が大嫌い。いつの間にか「最強ではないけど最高」にすり替わってるけど…

僕は武尊の試合は好きだし応援もしているが、やたらとこの選手を持ち上げる空気は大嫌い。
那須川天心戦でのルールにいまだにゴチャゴチャ聞こえてくるのもどうなのよ? と思っている。
本人は何も言っていないのに。
 
また“武尊アゲ”のためにスーパーレックに健闘したダニエル・プエルタスを利用するのもよくわからない。
 
階級、ラウンド数、ケージファイト、水抜き禁止……。
K-1で武尊に負けたプエルタスとは何もかもが違うのに。
 
あれだけルールにこだわっていた割にそこはスルーなの?
異なるルール、相手に対応するためにプエルタスが努力したとは考えないの?
その対応力がなくて完敗した武尊は大絶賛なの?
 
“スーパーレックを追い詰めた”という事実以外はすべて闇に葬るの?
よく言うリスペクトとやらはそんなに薄っぺらいもんなの?
 
ONE165現地観戦感想。イベントとして楽しかった。人気の秋山成勲、感極まる青木真也。“知らん人同士のゴロゴロ”もちゃんとおもしろい
 
前回申し上げたようにこの試合の負けはかなり重いと思っている。
Krush、K-1の約10年で40勝1敗だった選手が外のリングに立った途端に1勝2敗、他団体のトップ選手にはいずれも完敗した。これは結構な事件である。
 
ところが現状は「俺たちは武尊のファイトに惚れている」「勝ち負けよりも大事」という空気が充満している。
 
「最高で最強」がいつの間にか「最強じゃないけど最高」にすり替わっているわけだが、そういう空気を作れるのも武尊のカリスマ性なのかもしれない。
 

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