タドニッパ(タドーニッパー)は強いのか? 村田諒太の11戦目を予想する。ラスベガスでの2度目の試合で世界戦アピールできるか
2016年7月23日(日本時間24日)、WBC世界ミドル級4位の村田諒太が米・ラスベガスのMGMグランドガーデンで、元WBC米大陸ミドル級王者ジョージ・タドニッパと対戦する。
各団体で上位にランキングされる日本の村田諒太の11戦目。今回の相手は37歳のベテランながら34勝2敗3分24KOの戦績を誇るタドニッパ。年末に世界タイトルへの挑戦を目論む村田にとっての壁となるか。それとも自慢の強打でくせ者のベテランを粉砕することができるか。
「村田1Rで圧勝!! 廃棄処分するようにタドニッパをKOする。100点満点じゃないか?」
日本人では王座を獲得することが極めて困難と言われるミドル級で果敢に挑戦を続ける村田諒太。2015年11月以来、2度目となるラスベガスのリングで快勝して存在感をアピールしたい。
クロフォードvsポストルのアンダーカードという大舞台での村田諒太。問題なく勝てるのではないだろうか
村田諒太、2度目のラスベガス降臨!!
村田諒太の2度目のラスベガス、しかもテレンス・クロフォードvsビクトル・ポストル戦のアンダーカードという舞台である。恐らく注目度はそこまで高くはないだろうが、こういう舞台で試合ができること自体が恵まれているというか、さすがは無敗のオリンピック金メダリストといったところだろうか。
「クロフォードvsポストル予想!! 虚弱クリチコ・ポストルがソリッドスター・クロフォードに挑む!!」
ラスベガス初登場となった前回のガナー・ジャクソン戦はややアピール不足となってしまったが、今回のタドニッパ戦はどうなるか。年末に世界戦を考えているのであれば、ぜひとも豪快なKOで勝利したいところである。
「村田諒太の課題が見えた? 実力は? ガナー・ジャクソンに判定勝ちでラスベガスデビュー戦を飾る」
結論から申し上げると、今回の試合はKO勝ちできるのではないかと思う。それも割と早いラウンドでのKO勝ちが見られるのではないだろうか。
タドニッパの過去の試合をいくつか観たが、正直、村田なら何とでもなる相手な気がする。
ガードを高く上げて頭を振りながら近づき、自分の距離になったところでジャブ。そこから右のストレートにつなぐ。至近距離で相手の周りを回りながら打ち合い、各ラウンドごとに僅差でポイントを拾う。
リーチがあるので左のジャブは伸びるが、力のあるパンチを打ち込むには自分の距離まで近づく必要がある。タドニッパの身体つきや動きだけを見るとアウトボクサータイプに思えるのだが、実際は近距離が得意なタイプである。
また当て勘があまりよくないため、どうしてもはっきりとポイントを奪取するラウンドは少なくなる。ガード自体は高いのだが、やたらと左右に広げた構えなので真ん中からジャブを被弾するシーンも目立つ。
「名前で損してるぞペッチバンボーン。そんなに悪い選手じゃないような…。勝つのは井上尚弥だけど」
何と言うか、全体的にかなり雑なボクサーという印象である。
パワーがある方でもないし、これなら村田が普段どおりにやればKO勝ちできるのではないかと思ったのだが、どうだろうか。
試合予想は村田の3RKO勝ち。願望もあるけど、そのくらいで倒せるんじゃないかな
今回の勝敗予想だが、割と強気に村田の3RKO勝ちでいきたいと思う。
もちろん2度目のラスベガスということで個人的な願望も含まれていることは間違いない。だが、前回のペドロソ戦の出来とタドニッパの過去の試合を観ると、あながちなくはないように思える。
「村田諒太は日本を捨てちゃえよ? ペドロソをまったく問題にせず4RTKO勝ち」
繰り返しになるが、タドニッパのガードは確かに高いが、やたらと両腕を開いた特徴的な構えである。あのガードであれば、村田のジャブが間を突き抜けるのではないだろうか。
左のジャブをヒットしてタドニッパを後退させ、自分の得意な距離になったところで右ストレート。タドニッパがひるんだところで打ち下ろしの右フックをドカン。これでテンカウントKO勝ち。村田が妙なプレッシャ―を感じず普通にやれば、かなり早いラウンドでいつものパターンがハマるような気がする。
というか、村田の試合でこれ以外のパターンを知らないのだが。
あえて懸念材料を挙げるとすれば両者の得意な距離の違いだろうか。
申し上げた通り、タドニッパは至近距離での攻防が得意な選手である。まともに打ち合うタイプではないが、自分の力が一番発揮できる距離は実は至近距離だ。
それに対し、村田の得意な距離は中間距離。両手がちょうど伸びきる位置が村田が最も力のこもったパンチを打てる距離である。
つまり村田としてはタドニッパに近づかせないこと、自分の得意な距離で勝負し続けることが重要になる。
村田にはどうも、相手に距離を詰められると途端に窮屈になる傾向がある。それが2015年11月のガナー・ジャクソン戦なのだが、あの試合のようにどん詰まりの展開を強いられないように注意したい。
「顔面崩壊で完敗和氣。ダメだ、全然感動しなかった…。グスマン4度のダウンを奪い世界タイトル獲得」
恐らく今回のタドニッパは距離を詰めてくるはずなので、左ジャブから得意のボディで懐に入られないことを意識したい。
まあ、それでも負けることはないと思うが。
たとえ懐に入られたとしてもKOされることはないだろうし、最低限普通に判定勝ちはできるはずである。もっと言うと、パワーとパンチスピードにもかなりの差があるので懐に潜られて苦戦することもないだろう。
183cmの村田に対し、タドニッパは178cm。身長的にも村田の打ち下ろしがちょうどタドニッパの顔面に当たりやすいように思える。
というか、むしろこの相手を圧倒できないようだと今後が不安になってしまう。そのくらい今回の試合は圧勝を義務づけられた試合と言えるのではないだろうか。
2度目のラスベガス。
クロフォードvsポストル戦のアンダーカード。
年内の世界挑戦へ向けた試合。
これだけの条件が揃った上でのこの相手である。陣営としても、何が何でもKOで圧勝してもらわなくては困ると思っているに違いない。
村田の世界戦は実現するのか? ビリー・ジョー・サンダースとの一戦は組まれるのか?
2016年内の世界タイトルマッチを目論む村田諒太だが、実際のところ実現は可能なのだろうか。村田のターゲットとして名前がたびたび挙がっているビリー・ジョー・サンダースは村田とのタイトルマッチに首を縦に振るのだろうか。
現在のミドル級戦線を見ると、まず絶対王者ゲンナジー・ゴロフキンは9月にケル・ブルックとのタイトルマッチが決定している。また、WBA正規王者のダニエル・ジェイコブスは7月30日にセルヒオ・モラとの防衛戦に進むとのことである。
「正気か? ケル・ブルックがゴロフキンに挑戦? しかもミドル級正規のウェイトで?」
そして肝心の村田のターゲットであるサンダースだが、噂によると9月17日(現地時間)に行われるカネロvsリアム・スミスのアンダーカードに出場するかもしれないとの話である。
「“カネロ”・アルバレスがリアム・スミス挑戦にファン失望? ゴロフキンとの一騎打ちを回避」
さらに、仮にカネロがリアム・スミス戦をクリアした場合、次戦はサンダースのタイトルに挑戦するという計画もあると聞く。これはもちろんゴロフキン戦へ向けたチューンナップの意味合いが強いことは間違いないが、確かにネームバリュー的にも悪くないチョイスに思える。
いや、マジでこれはどうなのだろう。
この状況で村田がタイトル戦線に入り込む余地は残っているのだろうか。
サンダースの次戦が本当にカネロとのタイトルマッチになるのなら、タイミング的にも年末に村田が挑戦するのは難しくなるのではないだろうか。
たとえばサンダース陣営がカネロと村田の両者から対戦オファーを受けたとして、どちらを選ぶかは考えるまでもないような気がする。
村田がサンダースに勝てるかどうかはともかく、年末のサンダース戦を実現するのは並大抵ではないように思えるのだが。
「井岡がララを11RKOに下して快勝!! エストラーダ戦は…ないかなぁ。案外正規王者vs暫定王者の統一戦になるかもね」
そう考えると、今のところ一番現実的なのは9月のタイトルマッチにねじ込むくらいだろうか。
今回の試合が7月23日。そして次戦が9月17日。間隔的にはギリギリ間に合う。慎重な村田陣営がGOサインを出すか。それとも時期尚早と判断するか。ただ、ここを逃すと次がいつになるかはまったく読めなくなる。どちらにしても非常に微妙なラインである。
無敗のオリンピック金メダリストというブランドを傷つけずに最大限の利益を得る。そのために陣営がどのような舵取りをするか。このあたりの判断にも大いに注目したい。
まあ、それも含めて今回の試合の出来次第なのかもしれないが。
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