ソフトバンクが圧倒的な強さで連勝!! ヤクルトはここから逆転できるのか? ソフトバンクの優勝決定か?【日本シリーズ2015第三戦】

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プロ野球日本シリーズ2015。パリーグの覇者ソフトバンクが、本拠地福岡ドームでセリーグの覇者ヤクルトを相手に2連勝を飾った。

「ソフトバンクが4勝1敗でヤクルトを下し優勝!!」

巨大戦力と的確な戦術でヤクルトにつけ入る隙を与えないソフトバンク。圧倒的な強さで本拠地連勝を飾り、舞台は神宮へと移る。
果たしてここからヤクルトの逆転優勝はあるのか。その可能性は?

ソフトバンクが強い。
前回の記事で「ソフトバンクが4勝0敗で優勝する」という予想をしたが、かなり実現の可能性が高まってきたのではないだろうか。
全然嬉しくないけどな!!

「日本シリーズ2015予想!! ヤクルトがソフトバンクに勝つには?」

そこで今回は「ソフトバンク圧倒的な強さで連勝!! ヤクルトはここから逆転できるのか? ソフトバンクの優勝決定か?」と題して、第三戦以降にヤクルトが逆転勝利をする可能性を探っていきたいと思う。

申し訳ないけど優勝はソフトバンクです。ヤクルトは勝てません

ヤクルトがここからソフトバンクに勝てるかどうか?

結論から言うと「無理」だ。
福岡ドームで2連敗したヤクルトが、ここから4勝して逆転優勝する可能性はほぼないと断言できる。というよりも、100%無理と言いきっても大丈夫ではないかと思えるほど、両チームには絶望的な力の差がある。

ここから先、ヤクルトができるのは4連敗をまぬがれるために1勝を目指すことくらいではないだろうか。
まさかここまで戦力に差があるとは思っていました
まさかここまでヤクルトの力が通用しないとは思っていました

27日以降、恐らく先発投手は以下になるだろう。
第三戦:ヤ)館山 vs ソ)中田
第四戦:ヤ)杉浦(or石山?) vs ソ)摂津(orスタンリッジ?)

かろうじて分がありそうに思えるのが第三戦の館山vs中田だが、決して有利なわけではない。ただ単に先発の力量が互角というだけである。そもそもリリーフ陣の質量にはかなりの差があるし、打線に関しては言わずもがなである。

狭い神宮ならもっと打てるのではないかと思うかもしれないが、残念ながら福岡ドームも十分狭い
しかもヤクルト打線は第一戦の武田のカーブに崩され、第二戦のバンデンハークのストレートにねじ伏せられている。2014年の阪神と同様、完全に打撃を崩されている状態である。

果たしてこの状態のヤクルト打線は中田を打てるのか。
そして、館山はソフトバンク打線を抑えきることができるのか。
答えはともに「No」だ。
ひょっとしたらヤクルト打線が中田を打つことはあるかもしれない。だが、恐らく館山はもっと打たれる。

さらに言うと、ソフトバンクはまだ勝ち継投すら出していない。完封したがっていたバンデンハークを工藤監督が説得して、サファテの調整登板にあてるほどの余裕っぷりである。しかも打線は4番の内川が欠場しているのだ。

第一戦、第二戦と、ヤクルトはありとあらゆる手を尽くしながら、戦力を温存しまくっているソフトバンクにまったく歯が立たないのである。
第一戦が4-2、第二戦が4-0と、点差だけ見ればそこまでボロ負けには思えないかもしれない。だが内容的には大人と子ども、一軍と二軍、ティア1とティア2くらい差のある試合だった。

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ではヤクルトは第三戦にも負けた場合はどうするのだろうか。
負けたら終わりの第四戦では杉浦or石山ではなく、エースの石川を中四日で登板させるのかもしれない。

万一、第四戦に石川vs摂津(orスタンリッジ)でヤクルトが勝利したとする。さらに第五戦に小川を中四日でもってきて、vsスタンリッジ(or摂津)に勝利したと仮定する。
これで2勝3敗。俄然わからなくなったと思うかもしれないが、残念ながらそうはいかない。これをやってしまうと、第六戦の武田、第七戦のバンデンハークに太刀打ちできる先発がいなくなるのだ。

8億歩譲って第六戦の武田に勝利したとしよう。だが、第七戦のバンデンハークに勝つのは無理だ。というより、この2人を相手に今のヤクルトが連勝するのは不可能だ。ただでさえ石川小川以外の先発で武田に勝つことが奇跡に近いのに、それより上のバンデンハークを相手に連勝するのは宝くじを当てるようなものである。

逆に第三戦に勝ったとしても、次の第四戦も勝つのはかなり厳しいと言わざるを得ない。
1敗して本気になったソフトバンクは間違いなくフルパワーのリリーフ陣をつぎ込んでくるだろう。そうなれば、いかに強打のヤクルト打線といえどもチャンスはほとんどないといっていい。
そして第五戦に武田、第六戦にバンデンハークをスライド登板させてこられれば万事休すだ。
ヤクルトも石川小川で対抗したいところだが、申し上げたとおり武田とバンデンハークを相手に連勝するのは不可能である。

どうにか守備力で最少失点にしのいでいるヤクルトだが、そのがんばりすら不毛に思えるほどの絶望感である。

ヤクルトの誤算その1:8番今宮

第一戦、第二戦と今宮を8番に配置したオーダーを組んだことはヤクルトにとって誤算だった。

ソフトバンクは第一戦は1番川島2番明石、第二戦は1番福田2番明石と、左打者の明石に2番を打たせていた。そして今宮は8番で自由にバットを振らせていたのである。

最悪だ。
何をやってるんだ工藤。
お前は鬼か。

てっきり2番今宮という無能采配を発動してくるのかと思いきや、よりにもよって最も効果的と思われる8番今宮である。

これだけの巨大戦力を保持しながら、何をちゃんと采配しているのだ。お前には遊び心はないのか。ハンデをつけて日本シリーズを盛り上げようという気はないのか。
巨大戦力のチームは監督が無能なお笑い采配に終始するからおもしろいのであって、こんな有能な采配はいらないのだ。
まったくわかってない。

しかもよく見たら、今宮がインサイドアウトの軌道でかなりいいスイングをしていたではないか。あれなら石川の低めのシンカーやスライダーにも対応できたのもうなずける。

低打率の2番打者で打線を分断するはずが、余計な有能采配のおかげで切れ目がなくなってしまったこと。本来休憩所になるはずだった8番が絶好調だったこと。8番今宮はヤクルトにとって誤算どころか二重苦だったのである。

だが、今度の試合はDH制がない。もしかしたら2番今宮が実現するかもしれない。というよりも実現してくれなくては困る。
そうならなかった場合、たとえば今宮を1番に配置するオーダーを組んだ場合は、残念ながらヤクルトは4連敗でシリーズを終えることを覚悟しなくてはならないだろう。

ヤクルトの誤算その2:松田復調

ヤクルトにとって、松田の復調は本当に誤算だった。
ロッテとのCSセカンドステージではあれだけブレーキになっていた松田が日本シリーズではこの好調ぶりである。
3番柳田4番李大浩と、下位打線の中村を分断する打者になるはずが、見事に打線をつなぐ潤滑油になってしまっている。しかも先述のとおり8番今宮も好調で、打線に切れ目がまったくない。内川の不在を忘れるほどの強力打線っぷりである。前回の記事でソフトバンクの数少ない弱点にあげた2人が、揃ってキーマンになってしまっているのだ。

恐らくロッテとの第三戦の1打席目に打ったヒットがきっかけになっているのだと思う。こういうことがあるから野球は怖い。

ヤクルトの誤算その3:第一戦先発の武田を打てず

ヤクルトは第一戦先発の武田を打てなかったことが誤算だった。
前回の記事でも言ったとおり、ヤクルトが勝つには第一戦をとることが絶対条件だったのだ。
第一戦先発の武田を早い回に打ち崩し、リードを保ったままリリーフ陣が最少失点でしのぎきる。第二戦のバンデンハークはどうせ打てないのだからここは捨て試合と考え、第三戦に小川を持ってきて必勝態勢を作りたかったのだ。
勢いをつけたまま第四戦、第五戦と連勝して一気に寄り切る。ヤクルトが勝機を見出すにはこれしかなかったのである。

だが、結果的に見事に武田に抑え込まれてしまったことで、勝利の可能性は一気にしぼんでしまった。一戦目を落としたことで二戦目を捨て試合にすることもできず、勝ち目の薄いバンデンハークに小川をぶつけざるを得なくなったのだ。

しかもあの日の武田は3回以降はほぼノーチャンスだった。
ヤクルトが武田を仕留めるには、フワフワしていた立ち上がりの1回。あそこしかなかったのだ。あのチャンスを無得点で終わったことがすべてだったのである。
極端な話、2015年の日本シリーズは第一戦の1回表で勝敗が決まったといっても過言ではない。

ヤクルトの誤算その4:先発石川、キャリア最高のピッチングができず

これも前回言ったのだが、ヤクルトがソフトバンクに勝つには先発の石川がキャリア最高のピッチングをしなくてはならなかった。
石川は悪いピッチャーではないが、武田、バンデンハークのようなトップクラスのピッチャーに比べれば一段劣る。つまり、石川が武田に対抗するにはどう考えてもキャリア最高のピッチングが必要だったのである。キャリア最高のピッチングを披露して、リリーフ陣に絶好のタイミングでバトンを渡さなくてはならなかったのだ。

結果は見てのとおり、4回8安打3失点。これでは勝てない。

もちろんキャリア最高のピッチングなど、狙ってできるものではないことはわかっている。奇跡などそう簡単に起きてたまるかという意見ももっともだ。
だが、石川はやらなくてはならなかったのだ。ソフトバンクに勝つためには、不遇時代を切り抜けた軟投派のエースの集大成を見せなくてはならなかったのである。

無理だったけど。

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ヤクルトが1勝するには

絶望的に優勝の可能性が低いヤクルト。こうなったら、4連敗を避けることを最優先に考えてもいいかもしれない。どうにかして巨大戦力ソフトバンクに一矢報いるのだ。たとえ敗れるとしても、神宮での1勝という金字塔を打ち立てるのである。

そのためにはどうすればいいか。

答えはやはり先発投手だ。
それも第三戦の館山がキャリア最高のピッチングをすることである。

先ほども申し上げたとおり、先発投手にかろうじて分があるとすれば第三戦の館山vs中田だ。ここで館山がキャリア最高のピッチングを披露して、どうにか接戦をものにするのである。
館山がソフトバンク打線を無得点に抑えているうちに、早い回で相手先発を打ち崩して終盤のリリーフ陣につなぐのだ。

またキャリア最高のピッチング?
また奇跡頼み?
そのご指摘はもっともだ。

ただ安心してほしい。今回の奇跡はこれまでよりもかなり確率が高い。
僕は前回の記事で、ヤクルトがソフトバンクに勝つには石川小川館山の3人が揃ってキャリア最高のピッチングをする必要があると申し上げた。だが結果は見てのとおり、石川も小川もキャリア最高のピッチングとは言い難い内容だった。

これを逆に考えるのだ。
3人連続で奇跡が起きる可能性より、3回のうち1回奇跡が起きる可能性の方がはるかに高い。最初の2回がダメでも、ひょっとしたら最後の1回に奇跡が待っているかもしれないのだ。

いや、きっと奇跡は起きる。そうに違いない。
野球のチャンスは常に3回だ。
ストライクが3つで初めてアウト。
アウトが3つでチェンジ。
だったら3回目に奇跡が起きる可能性は高いではないか。
チャンスは必ず3回あるのだ。

しかも館山はトミー・ジョン手術から3度も復活している!!
間違いない。館山はやってくれる。
トミー・ジョン手術からの3度の復活を思えば、キャリア最高のピッチングなど奇跡でも何でもない。

館山はソフトバンク打線をキリキリ舞いさせ、ヤクルトにいまだかつてない勢いをもたらしてくれる。
絶不調のバレンティンも目覚め、山田の打棒も復活してそのまま一気に4連勝で優勝だ。奇跡の男・館山昌平の完璧すぎるシナリオである。

いや~、空しい。

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