ソフトバンクが4勝1敗でヤクルトを下し日本シリーズ優勝!! 第五戦の勝利で連覇を達成!!【2015年シーズン】

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草原イメージ
2015年プロ野球日本シリーズ。
パリーグの覇者ソフトバンクvsセリーグの覇者ヤクルトの激突は10月29日に神宮球場で第五戦が行われ、ソフトバンクが5-0でヤクルトに勝利。対戦成績を4勝1敗として日本一を決めた。
日本シリーズ連覇を達成したソフトバンクは、当時黄金時代を築いていた西武による1990年~92年の連覇以来の快挙を成し遂げた。

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作戦どうこうではなく、両チームに根本的な戦力差があり過ぎた

まず最初にあれだけ偉そうに予想しておきながら、まったく当たらなかったことを全力で謝罪したいと思う。
というより普通に恥ずかしいww

「日本シリーズ2015予想!! ヤクルトがソフトバンクに勝つには?」

4連勝でソフトバンクの優勝と予想しておいて、結果は4勝1敗。
第三戦に先発するのは館山だと言っておきながら、実際は杉浦先発。
その館山がキャリア最高の神ピッチをしてヤクルトを勢いづけると言っておきながら、あのありさま。
何から何まで間違いばかりで恥ずかしいことこの上ない。本当に申し訳ないですww

「ソフトバンクが圧倒的な強さで連勝!! ヤクルトはここから逆転できるのか? ソフトバンクの優勝決定か?」

とはいえ、シリーズ全体を通しての結論は「力の差があり過ぎた」。これに尽きると思う。
打線の破壊力はもちろんのこと、やや弱いと思われていた先発陣でさえソフトバンクはヤクルトのはるかに上をいっていた。
特に第一戦、第二戦に先発した武田とバンデンハーク。この2人に石川と小川で対抗することは現実的に不可能だった。
石川も小川もレギュラーシーズンの長いスパンで見れば安定した力を発揮するピッチャーだが、武田やバンデンハークのような絶対的な存在ではない。特にバンデンハークに関しては、前回も言ったが初見で打つのは不可能に近い。日本球界でもトップ5に入るほどの力がある投手だと個人的には思っている。

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安定して10勝、防御率3.40前後をマークする投手を多く抱えるチームはレギュラーシーズンでは強いが、短期決戦では絶対的な力を持ったピッチャーがいるチームが強い。今回の結果はそのことを証明する典型的な例だったのではないだろうか。

ヤクルトの先発陣が五戦すべてで5回を持たずにマウンドを降りていることから、いかに先発陣がソフトバンク打線相手に機能しなかったかということもわかると思う。

実際のところ左専用の久古、セットアッパーのオンドルセク、そして抑えのバーネット。ソフトバンク打線にそこそこ通用したといえるのはこの3人くらいではないだろうか。だが、その3人にたどり着くまでに勝負の大勢が決まってしまったのである。

いい勝負をする可能性のあったのは巨人?

さらに言うと、ソフトバンクのチーム状態は決して万全ではなかったのだ。

四番の内川はシリーズ開幕直前で欠場が決まり、セットアッパーの五十嵐、ロングリリーフ要員の千賀はともに不調。ベストの布陣とはほど遠い状態だったのである。
だが打順を1つ繰り上げることで内川の穴を埋め、五十嵐、千賀の不調はバリオスと森でカバーする。凶悪守護神のサファテは言わずもがなだし、寺原に関しては出番を与えられることすらなかった。
主力の欠場や不調の穴を感じさせないというより、根本的な戦力が違い過ぎてハンデにもならなかったという方が正しい表現だろう。

これは余談だが、もし寺原がヤクルトにいれば、第一戦と第五戦をまかされていたのは石川ではなく寺原だったと思う。

タラレバの話になってしまうが、セリーグのCSを戦ったヤクルト巨人阪神のうち、ソフトバンクと少しはマシに勝負できる可能性があったのは巨人ではないかと思っている。
レギュラーシーズンで疲弊しきっていた阪神は論外として、巨人の投手陣であれば多少はいい勝負ができたのではないだろうか。

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作戦は明白で、菅野マイコラスの二大エースを武田バンデンハークにぶつけて終盤のリリーフ勝負に持ち込むのである。ヤクルトの先発陣は5回も持たずにKOされてしまったが、菅野マイコラスならソフトバンク打線相手でもある程度は投げられるはずだ。どうにかこの2人に長い回を投げてもらい、7、8、9回でマシソン山口澤村をフル回転させて僅差の勝利を狙うのである。

巨人打線ではどうせ武田バンデンハークは打てない。だが、結果的に打てないのはヤクルト打線でも同じである。それなら石川小川よりも、菅野マイコラスの方がソフトバンク打線に太刀打ちできる可能性はあったのではないだろうか。
残念ながらリリーフ陣の質も巨人よりソフトバンクの方が上だ。だが先発で対抗できる可能性のある巨人なら、もう少しマシな日本シリーズになったのではないかと思うのだ。まあ、最後に勝つのはソフトバンクだろうが。

ちなみにセリーグで唯一ソフトバンクに対抗できる戦力があったのは間違いなく広島だが、あそこは首脳陣の超絶謎采配によって4位に沈むという快挙を成し遂げている。

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戦力差を言い訳にせず、勝つために最大限の努力をした真中ヤクルトに称賛を

巨大戦力の前に散った真中ヤクルトだが、それでもどうにか勝とうとする姿勢は感じられた。ありったけの戦力をかき集めて小さな綻びを探そうという強い気持ちは見られたのである。

第三戦の先発。杉浦と館山の順番を入れ替えた判断はしびれた。
第三戦の先発が杉浦と発表されたとき、多くの人は「真中監督が珍しく判断をミスった」と言っていた。
なぜこの状況で館山ではなく力の劣る杉浦なのか。2連敗して後がない状況で戦力を温存している場合じゃないだろう。この試合をとることに全力を尽くせよ。そういった声が大多数を占めていたのだ。もちろん僕も同じことを思った。
 
「ヤクルトはなぜ弱くなったのか。2015年の優勝時と2017年では何が違ったのか。意外と球場にも原因があるかもよ?」
 
だが、そうではなかった。
恐らくだが、真中監督は賭けに出たのだ。
ソフトバンクの先発中田に対し、館山なら力量的にややヤクルトに分がある。これは間違いない。
だがたとえ三戦目を館山でとったとしても、第四戦に投げるであろう摂津相手に杉浦では勝ち目が薄い。それなら思い切って杉浦を先に持ってきて、摂津に館山をぶつけることにしたのだ。

杉浦が摂津に投げ勝つ可能性よりも、館山が摂津に投げ勝つ可能性の方がはるかに高い。さらに中田vs杉浦と摂津vs杉浦というマッチアップを比較すると、杉浦が中田に投げ勝つ確率の方がわずかに高い。

つまり第三戦を落とした時点で負けが確定的な状況で、真中監督は中田vs杉浦のマッチアップでの勝利に賭けたのだ。もしここで負けたらシリーズの勝利をあきらめる。だが勝てば摂津vs館山の可能性につなぐことができるし、この後の試合で杉浦をリリーフ待機させることもできる。
真中監督は目先の1勝を追い求めるのではなく、シリーズに勝利することに全力を尽くしていたのだ。そして第三戦に限っていえば、一か八かの賭けに勝ったのである。

もちろんヤクルトがソフトバンクに勝つには武田、バンデンハークの強力2枚看板を打たなくてはならず、厳しい状況に変わりはなかった。だが、僕を含めた多くの人が4連敗を避けるためにどうすればいいかを考えている中で、真中監督はシリーズに勝利する方法を考えていたのである。
そして、天才打者山田がその思いにホームラン三連発という形で満点の解答を出したのだ。

結果的に館山が期待に応えることができずに4敗目を喫し、実質勝利の芽が断たれたヤクルト。だが、圧倒的に劣る戦力であがいたその姿勢は十分賞賛に値するのではないだろうか。

少ない戦力をどうにかやりくりして巨大戦力に立ち向かう。これぞまさしく「弱者の野球」である。
先日の記事でも申し上げたが、僕は野村克也を名将だとは思っていない。あの監督が優勝もしくは上位に食い込んだ年はチームにしっかりと戦力が揃っていた年だ。そうでない年にはちゃんと弱者をやっている。本当の弱者の野球とは、今回の真中ヤクルトだったり2015年シーズンの和田阪神のようなチームをいうのだ。

これは想像だが、今回の日本シリーズでヤクルトの指揮をとっていたのが野村だったら、高い確率で4連敗していたと思う。
そして、報道陣の前で野村はこう言うのだ。
「戦力が違いすぎた」

バレンティンさえ健康なら、少しはヤクルトにも可能性があった?

セリーグの投手相手に打ちまくったヤクルト打線がソフトバンクのリリーフ陣に抑え込まれた状況を鑑みるに、これがそのままパリーグとセリーグの差といっても過言ではないのかもしれない。

極端な話、ソフトバンクの投手陣が脅威に感じていたのは山田だけだったと思う。ソフトバンクは山田さえ抑えれば勝てると考えていたに違いない。
ソフトバンク投手陣vs山田打線。冗談抜きでそういう図式だったのではないだろうか。
セリーグ内では強打を誇った打線も、パワーピッチャーをズラッと揃えたソフトバンクの投手陣には見事に抑え込まれてしまったのだ。

ヤクルトは山田の他にもう一人、まともに勝負できる打者が欲しかった。もう一人ソフトバンクの投手陣に脅威を与える打者がいれば、展開は全然違っていたかもしれない。
その意味でもバレンティンの不調は痛かった。バレンティンさえ健康であれば、三番山田四番バレンティンという迫力のあるオーダーを組めたはずなのだ。

日本の野球では特にだが、怪我をした選手が無理に開幕に合わせて結果的に低調なシーズンを送るというパターンをよく見る。今年のバレンティンはまさにその典型だったのではないだろうか。

手術明けの2015年は4月に復帰したものの1試合で離脱。結局シーズンの大半を棒に降り、日本シリーズでも調子がなかなか上がらなかった。
あの春先にもう少し我慢できていれば、ヤクルトにとってもバレンティン自身にとっても状況が変わってきたのではないかと思うのだ。ヤクルトにとってのバレンティンはそれだけの力と影響力を持った選手だけに、まことに残念である。

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不振を極めるバレンティンを外すべきだという声も大きかったが、じゃあ代わりに誰を出せばよかったのだという話である。ユウイチもデニングもお話にならないし、ミレッジなどはまともに野球ができる状態かすらも怪しい。結局ヤクルトはバレンティンを外すことなどできなかったのだ。

最終的に万策尽き果てて完敗を喫したヤクルトだが、できることをすべてやり尽くした上での力負けだ。これ以上どうすればよかったのだというくらいの完敗である。
来年以降の展望や課題はひとまず置いておいて、ここまで完膚なきまで負ければむしろ清々しいのではないだろうか。

とにかくプロ野球2015年シーズン、お疲れさまだ。
そしてソフトバンク優勝おめでとうだ。

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