小久保が侍ジャパン史上最高の有能監督な件について。WBCで世界一を目指す日本野球にふさわしい采配の数々を語る【継投、打線】

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ボールパークイメージ
開催中の2017年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)。
プールBを戦う小久保監督率いる日本代表(侍ジャパン)は第一試合のキューバ戦に11-6、第二試合のオーストラリアに4-1と勝利し、さい先のいいスタートを切る。
 
そして3月9日に東京ドームで行われたオーストラリアvs中国戦でオーストラリアが11-0と勝利したため、この日試合のなかった日本の1位突破が決定した。
 
打線と投手陣が噛み合い、早くも2次ラウンドにコマを進めた侍ジャパン。
だが打線の不調や投手陣の失点の多さなど、強豪国との対戦に向けて強化試合から指摘される不安要素が解決したとは言い難い。
特に監督経験がないまま就任した小久保監督の采配を不安視する声は多く、プレミア12での采配ミスを繰り返すのではとファンをやきもきさせている状況である。
 
「プレミア12なんてやる意味がない。メジャーリーガーが出ない大会に価値はない。こんな大会に本気になってるのは日本だけ」
 
2009年以来、2大会ぶりの世界一奪還を目指す侍ジャパン。その今後は果たして。
ここから劇的な改善を見せるのか。それとも多くの不安要素が表面化してしまうのか。
3月10日の中国戦以降、チームの立て直しに注目である。
 
「敗因は実力? 采配? 侍ジャパン敗退。アメリカに準決勝で2-1で敗れて世界一奪還ならず。小久保監督は退任の意向」
 

断言しますが、今回の侍ジャパンは強いです。小久保監督は有能です

まず最初に申し上げておきたいのだが、今回の侍ジャパンは強い
そして、小久保監督は間違いなく有能である。
 
「無能監督」
「最悪の評価」
「お願いだから辞めてくれ」
「素人采配連発」
「選手がかわいそう」
 
大会本番がスタートしたにもかかわらず、目を覆いたくなるような罵詈雑言を浴びせ続けられる小久保監督。もはや批判することが目的化しているとしか思えないような誹謗中傷も含め、あまりに辛辣な評価の数々が並ぶ。
 
ただ、以前にも申し上げたように、僕は小久保監督に対してそこまで悪感情はない
というより、誰もやりたがらない代表監督を引き受けてくれたにもかかわらず、理不尽な暴言に晒される姿はむしろ応援対象のそれである。
 
「侍ジャパンの今後は? プレミア12終了、韓国戦に敗北した侍ジャパン。小久保監督辞めろ? 采配と資質に疑問」
 
「小久保は監督の器じゃない」
「選手が小久保に振り回されてる感じがする」
「勝とうとする姿勢が見られない」
 
うん。
ここまでくるともはや批判ですらない。ただの悪口である。
 
「目指せNPB! WBCで就活中の外国人選手たち。「日本でできれば最高」? でも、そんな甘いもんじゃないのだよ」
 
恐らく2015年プレミア12の準決勝、韓国戦の継投が尾を引いているのだと思うが、それにしても言われ過ぎにもほどがある。
 
正直これだけの有能監督が適切な評価も受けられずに潰されていくのは、野球ファンの1人として忍びない。
 
というわけで、ここから先は今回の侍ジャパンがいかに強いか。そして小久保監督がいかに有能かについて語っていこうと思う。
 
「阪神香田がヤバい。香田勲男容疑者52歳。職業:2017年阪神投手コーチ兼投手陣崩壊担当」
 
もちろん反対意見は多数あると思う。
もし「そんなわけねえじゃんww」という方がいれば、それもOK。
自分とは違う意見の人間もいることを知っていただければ幸いである。
 
「「リスペクト」を便利使いするお前らに言いたいことがある。「マスコミ対応もプロフェッショナルの仕事だ」ってのはお前らマスコミ側が言うことじゃないから」
 

どう見てもドリームチーム。特に日本の野手陣の充実度は尋常じゃない

とりあえず大前提として。
今回の侍ジャパンは強い
 
投手陣はメジャー組や大黒柱として期待していた大谷翔平が辞退したおかげで馬力不足は感じるが、野手については文句なしの布陣である。
 
2016年シーズンに覚醒した2冠王筒香。
2年連続トリプルスリーの山田。
日本史上最高の天才右打者内川。
イチロー超えの安打製造機秋山。
2016年大ブレークの「神ってる」鈴木誠也。
日本一のセカンド菊池。
大型ショートストップ坂本。
日本が誇る長距離砲中田翔。
精神的支柱で好守の松田。
そこにメジャー組から唯一の参加となった青木。
 
「田中マー君快投!! フライボール・レボリューションへの対抗策? 2シームを減らしてスライダーとカッター、カーブを増やす?」
 
冗談でも何でもなく、充実度だけで言えば連続世界一を果たした2006年、2009年にも匹敵する陣容である。
 
確かに強化試合では調子が上がらず周囲をやきもきさせたが、それはあくまで選手個人の調整の問題。決して小久保監督の責任ではない。
 
実際、本番の2戦での打線の破壊力と鉄壁の守備は見事に日本代表のそれだった。
しかも怪我で参加を辞退したもう1人のトリプルスリー柳田と、二刀流大谷翔平を欠いているのである。
 
「大谷翔平が日ハムの足を引っ張っている? 相手を勢いづけたのは覚醒した投手大谷だった?」
 
改めて考えるまでもなく、凄まじいほどのドリームチームである。
 

試行錯誤の末に理想のオーダーにたどり着いた小久保の有能ぶりにカタルシスを感じるww

そして次は小久保監督が問答無用に有能である件について。
 
多くの野球ファンからさんざん「無能」呼ばわりされ、史上最悪の監督として認定されつつある小久保だが、何度も言うように僕はこの人を有能だと思っている。
 
というより、正確には「有能だと思うようになった」
 
「小久保を無能呼ばわりしておけばいいだけの2017年WBC。侍ジャパンの進む道は? 4番中田? スモールベースボール? ロースコア?」
 
25勝7敗。
これが2013年に小久保監督が就任して以来、2017年3月9日時点での侍ジャパンの成績である(NPB球団との壮行試合は含めず)。
 
たとえばだが、この成績を約140試合のシーズンに換算すると100勝を超える計算になる。
 
シーズン100勝?
うははww
もはや圧倒的過ぎて言葉がない。
小久保ジャパン、クッソ強い。
 
もちろん対戦相手のレベルもまちまちなので、戦績だけで判断できないことも承知している。
「問題は試合内容、采配の中身だ」というのはその通り。
 
 
ちなみにだが、
 
1.山田 DH
2.菊池 二
3.青木 中
4.筒香 左
5.中田 一
6.坂本 遊
7.平田(鈴木) 右
8.松田 三
9.小林 捕
 
これが今回のWBC本番で小久保監督が組んだオーダーである。
 
すばらしい。
完璧過ぎる。
マネーボール時代のアスレチックス打線並みに萌えが止まらないww
 
「【感想】マネーボール全否定? 2002年アスレチックスは弱くなかった? ビリー・ビーンのマネジメント能力と打線萌え」
 
足が速く1発もあるアベレージヒッター1番山田に、右打ちの得意な万能2番菊池。
そこに続く中軸は青木筒香中田という破壊力抜群の3人。
そして、強化試合で調子の上がらなかった坂本を3番から6番に下げ、守備の名手で1発も期待できる平田(鈴木誠也)、松田を下位打線に起用。
ラストバッターは打撃はもの足りないが、リード面に成長を見せるキャッチャー小林。
 
何やかんやと試行錯誤を重ねた末にこの並び、この守備位置にたどり着いた小久保監督は有能としか言いようがない。
 

「4番は中田」の呪縛を解いた柔軟性は評価するべき。実はできそうでできないことじゃね?

特に僕がいいなと思っているのは、小久保監督の柔軟さである。
就任当初から「4番は中田」「それ以外は白紙」と言い続け、4番中田ありきのオーダーを明言する姿勢に疑問を呈する声は多かった。
そして、実戦に入ってもいまいち機能しない打線に対し、4番中田に固執する采配は小久保監督批判の一番の材料となっていた。
 
だが2015年に行われたプレミア12。
ここで小久保監督はこれまで続けてきた4番中田を諦め、新たに選出された西武の中村を起用するのである。
 
さらに大会3戦目の韓国戦において、
 
3.山田 二
4.中村 DH
5.筒香 左
6.中田 一
 
というオーダーにたどり着くのである。
 
アベレージ、長打力ともにチーム最強打者である山田を3番に据え、爆発力はあるがスランプの長い中田を重圧の大きい4番から比較的楽に打てる6番に下げる。そして、その重圧をベテラン中村に丸投げする。
 
これによって4番中村5番筒香という重量打線が形成され、6番中田にポイントゲッターとしての役割を任せることができる。
 
選手の格や好不調、打線のつながりを考えた上で最良のオーダーと言えるのではないだろうか。
 
いや、これは素直にナイス判断だと思うのだが。
侍ジャパンとしての認知度や広告塔としての役割を考慮すると、4番中田を外すのはかなり勇気のいる決断だったはず。
 
「名将小久保覚醒ww WBC史上最高の監督小久保が藤浪を使わない理由? 絶妙継投と総力戦で打倒イスラエル」
 

4番に筒香を据えて最強打線完成。センター青木とサード松田は有能小久保の最高傑作

そしてプレミア12終了後、故障によって代表を外れた中村に代わり、再び4番には中田が座る。
だがWBC本番を迎えた今回、小久保監督は就任以来最大の決断をする。2016年シーズンに大きく飛躍した筒香をジャパンの4番に指名するのである。
しかも4番筒香、5番中田というプレミア12で成功を収めた並びを踏襲しつつ。
 
また強化試合で不調を極めた坂本の3番を諦め、メジャー組で唯一侍ジャパン入りした青木を任命。しかも守備位置は普段守っているライトではなくセンターとして。
これによって山田をDHに回すことが可能になり、「2番セカンド菊池」を欠くことなく山田との共存に成功。しかもショート坂本、セカンド菊池という世界でもトップクラスの二遊間を完成させるのである。
 
センター秋山ではやや爆発力に欠け、調子の上がらない坂本を3番で使わざるを得ない。しかも守備位置の被る山田と菊池は共存が難しい。これが侍ジャパンの大きな課題だった。
 
だが3番センター青木という決断によって、これらの課題を一気に解決してしまうのである。この采配こそ、まさしく小久保監督の有能ぶりを表す最たる例ではないだろうか。
もちろんセンターの守備で好プレーを連発し、高い対応力を見せた青木がすばらしかったのは言うまでもない。
 
さらに言うと、調子の上がっていなかったサード松田を信じて使い続けたことも大いに評価したい。
長打力と意外性を兼ね備えた松田を8番に入れることで、打線に一掃の厚みを持たせる。下位打線に1発のある打者を置けるというのは強いチームの条件だが、鈴木や松田はその役割にピッタリの選手である。
 
それだけではない。
センターに青木が入ることで、好打者ではあるが国際舞台においては爆発力の足りない秋山を終盤の守備固めに回すことができ、飽和状態だったライトを鈴木誠也と平田の2人に絞ることに成功。両者の調子を見ながら無理なく起用することができ、より無駄のないオーダーが完成する。
 
また内野で言えば、サードを松田に託したことで、こちらも打撃面にもの足りなさがある田中広輔を後半のユーティリティ枠として待機させることができる。
 
巨大戦力を余すところなく、なおかつ無理なく使い切る手腕。
中堅の中心選手とベテランをうまく融合させ、チームに結束力という名の化学反応を生み出す。
何から何まで有能としか言いようがない。
 
この2つの英断は意外とサラッと流されているが、実は小久保の有能ぶりを示す最たる例ではないかと思っている。
 
「片手間で成功したってええやん。楽して金稼いで何が悪い? 新庄「野球なんて、マジバイト」←ステキやんww」
 

柔軟な考えと続けざまの緊張感ある試合で劇的な成長を遂げた小久保。あとは投手起用がうまくなればパーヘクツ!!

「4番中田」という自らぶち上げた固定観念にとらわれず、実戦を通じて理想のオーダーを探し出した小久保監督。
しかも、驚くべきはその経験値。小久保は監督経験ゼロで就任しているため、まだ実戦経験が40試合にも達していないのである。
 
巨大戦力を有しながらもゴミ運用で4位に沈んだ2015年広島緒方や、4年間の集大成が史上最低最悪の無能監督だったDeNA中畑のように、多くの監督は采配面の成熟を見せるまでにそれなりに時間がかかる。それこそ監督の育成に1シーズンを捨てるくらいのレベルで。
 
「ベイスターズCS初進出に際して愚将中畑清を語る。まあCS進出は1年遅かったよな」
 
それに対し、小久保監督の実戦経験はわずか3、40試合。にもかかわらずこの成長ぶりである。
もちろんすべての試合で日本シリーズ最終戦のような緊張感を強いられているせいもあるだろうが、それにしてもこの成長速度には目を見張るものがある。今後のポテンシャルも含め、少なくとも野手起用については有能以外の何物でもない。
 
「有能or無能? 阪神タイガース和田監督の采配がいかに有能だったかを考えるの巻」
 
確かに今のところ、投手起用に関しては疑問符が多い。
プレミア12の継投に始まり、先日のキューバ戦での則本の3イニングや岡田、平野、秋吉、牧田の使い方など理解不能な奇行も目立つ。
 
だが、それも有能小久保であれば時間の問題。
修羅場を経験するたびに劇的な成長を遂げ、名将の1人にたどり着いてくれるはずである。
 
「巨人高橋由伸監督辞任←同情の声多数。阪神金本監督続投←批判多数。そんなにおかしいかね? 仕方ないと思うんだが」
 

ハイリスク・ローリターンの野球日本代表監督。小久保の有能ぶりを見もせず批判してたら、侍ジャパンに未来はない

恐らく今後、大会が進むに連れて緊迫した場面も出てくるのだろう。
そして、その局面での采配如何によって、世間からの小久保批判はさらに大きくなるに違いない。
 
これはもう、代表監督の宿命という以外にない。
サッカー日本代表が外国人監督を積極的に起用する理由は、恐らくこういった部分にも集約されているのだろう。チームづくりに集中してもらうために、あえて日本語のわからない人間を起用してヒステリックなファンの声を遮断する。実に理にかなった選考方法である。
 
「松坂大輔さんの2017年成績予想【定例報告】オープン戦ラスト登板で広島を相手に7回無安打無失点」
 
しかも、結果を出せばより好条件のオファーが期待できるサッカーと違い、野球の代表監督にはその先がない。
 
負ければ意味不明な批判を一身に浴び、優勝以外はすべてゴミ。
なおかつその後の仕事を約束されているわけでもなく、むしろ無能のレッテルを貼られて指導者としての将来を自ら狭めてしまう。
 
こんな役割、誰もやりたがらないのは当たり前の話である。
 
「三浦大輔と黒田博樹の引退があまりにも見事で、FA移籍と生え抜きへの考えが揺らぎそうになった件」
 
そして、小久保はこれらのリスクを背負ってまで代表監督を引き受けているのである。しかも選手を引退した後の初の現場として。
 
 
最強投手陣形成を目論んでオファーしたメジャー組にはすべて断られ、チームの大黒柱と考えていた大谷翔平にはドタキャンされる。しかも期待して送り出した選手たちはことごとく絶不調。
 
これだけの不運、不遇をなぜか一手に背負わされ、理解不能な罵詈雑言を浴びせられる。
その裏で見せる劇的な成長にはまったく気づかれることもなく。
プレミア12におけるたった一度の継投ミスによって。
 
ここまでの逆境の中、何の得にもならない代表監督という役割をまっとうする小久保が無能なわけがないww
 
「2017年田中マー君はサイヤング賞を獲得できるか? 実はダルビッシュよりも可能性が高い?」
 
マジな話、この大会で侍ジャパンが優勝するのは相当難しい。
だがそれは小久保監督が無能だったわけではない。
 
「2017年阪神が5位になる理由。2017年シーズンスタート!! 破綻した内野守備とリリーフ酷使の金本謎采配は解消したのか?」
 
あくまで相手の方が強かった。
単純に戦力で劣っていた。
それだけのことである。
 
 

 

 
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