アフマダリエフが右だけでロニー・リオスを封じる。岩佐亮佑戦でも思ったけどホントに右が多彩だよねこの人。フルトンとの統一戦? その前にタパレスとの指名戦?【結果・感想】

アフマダリエフが右だけでロニー・リオスを封じる。岩佐亮佑戦でも思ったけどホントに右が多彩だよねこの人。フルトンとの統一戦? その前にタパレスとの指名戦?【結果・感想】

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2022年6月25日(日本時間26日)に米・テキサス州で行われたWBA/IBF世界S・バンタム級タイトルマッチ。同級2団体統一王者ムロジョン・アフマダリエフにWBA1位ロニー・リオスが挑んだ一戦は12R2分6秒TKOでアフマダリエフが勝利。3度目の防衛に成功した試合である。
 
 
ジェシー・ロドリゲスとシーサケット・ソー・ルンビサイによるWBC世界S・フライ級タイトルマッチと同日に行われたこの試合。
ただ前回も申し上げたように僕はリアルタイム視聴はできず。
 
ジェシー・ロドリゲスがシーサケットを翻弄して8RTKO勝利。ロマチェンコみたいだったね。機動力の差を見せつけて蜂の巣に
 
帰宅後に見逃し配信を観ようと思ったのだが、あれ? アフマダリエフvsリオス戦が見つからない。DAZNがバグっているのか我が家だけがおかしかったのかは不明だが、頭出しの欄に表示されず「ん?ん?」と戸惑いながらようやく見つけた次第である。
 
というか、そもそもこの試合がメインじゃなかったんですね。
ウズベキスタン出身とは言えアフマダリエフはS・バンタム級の2団体統一王者。軽量級のジェシー・ロドリゲスや女子の試合よりも扱いが下というのは……。
 
こういうのを見ると、トップランクのボブ・アラムが井上尚弥の売り出しにあまり積極的ではないのもわかる気がする。
 
井上尚弥vsノニト・ドネア in さいたまスーパーアリーナイベントをPrime Videoで視聴。井上の頰がゲッソリだったな。バンタムに留まれる時間も残り少ないのかも?
 
なお余談だが、この日は新宿の駅前を歩いていたところ前方からおっさんがノシノシと。
普通にすれ違おうとしたのだが、寸前でおっさんが謎の方向転換→肩がドン!
「え? 何で?」と振り返るとそのおっさんも立ち止まってこちらを睨みつけている。
 
あまりの意味不明さに「な、なな!!」となったのだが、いや超怖え笑
だって絶対話が通じないヤツだもん。
 
もうトカイ怖えよ。
ケンカとかしたくねぇよ。
 
人目があったから普通に立ち去ったけど、誰もいなければ猛ダッシュで逃げてたところだぞ、お?
 
そんな感じで心に深い傷を抱えたまま(笑)の視聴だったことをお伝えしておく。
 

アフマダリエフがうまかった。ほぼ右だけでリオスを翻弄したのはすごいね。岩佐亮佑戦でも多彩な右に驚いたけど

まず試合の感想だが、アフマダリエフがうまかったなぁと。
 
2Rに左手を負傷したとのことで、3R以降はほぼ右だけでの対応。
左を使う際はボディが中心、最終回以外はほとんど右のみでロニー・リオスを翻弄してみせた。
 
そして、この右リードが多彩過ぎて……。
 
内側と外側を交互に行き来しつつガードの間からどんどん顔面を跳ね上げる。
頭を振るリオスを先回りするようにスパスパと当てまくり、遠間からは鞭のような外旋回のフックで側頭部を薙ぎ払う。
 
リオスが強引に前に出てくれば左ボディを入れてスルッとサイドに回り込む。
で、再び外側から右をヒットして距離をリセット。
 
今回のアフマダリエフは出来がいまいちだったと言われているようだが、え? そうなんすか?
僕はむしろ右だけでリオスをコントロールしたことをすごいと思ってしまったのだが。
 
2021年4月の岩佐亮佑戦でも思ったのだが、この人は前手の右が本当に器用。
中間距離で後手に回る岩佐など今まで観たことがなかったせいでめちゃくちゃ驚いた記憶がある。
 
岩佐亮佑、敵地でアフマダリエフに5RTKO負け。レフェリーがストップのタイミングを探してたよね。セコンドが声をかけてもよかった?
 
ロニー・リオスはブロック&リターンが中心の選手だが、前進している最中は頭の位置があまり動かない。
比較的顔面を狙いやすかったとは思うが、それを踏まえた上で。
 
ガツガツ攻めるだけではないうまさがあるというか、アフマダリエフの右の多彩さを改めて見せつけられた。
 

リオスは厳しかった。最後までアフマダリエフのフットワークに追いつけず。最後のボディカウンターは見るからに痛そう…

対するロニー・リオスだが、こちらはちょっと手詰まりだった印象。
 
申し上げたようにこの選手はガードを固めてプレスをかけるブロック&リターンが持ち味で、前戦では同じくファイタータイプのオスカル・ネグレテに判定勝利を挙げている。
2019年7月にはそれまで無敗を継続していたディエゴ・デラホーヤを6RKOで下したりと、距離の合う相手との打ち合いではかなりの強さを発揮する。
 
その反面、2017年8月のレイ・バルガス戦、2018年3月のアザト・ホバニシャン戦など、アウトボクシングをされるとグダグダになる傾向が強い。
これはガードを上げて圧力をかけるタイプの宿命なのだと思うが、一定以上のスピードとカウンターを兼ね備える相手に足を使われるとどうしても置いてきぼりを食ってしまう。
 
特に今回のアフマダリエフはアングル調整が絶妙。リオスもがんばって追いかけたが、結局最後まで方向転換が間に合わなかった。
 
7、8、10、12Rと要所で勝負をかけたものの、距離が詰まるとガードの内と外からそのつど右リードで動きを止められてしまう。
ラウンド序盤に距離を詰める→効かされて出足が鈍る→後半から反撃を許すの繰り返しできっかけらしいものはどこにもなかった。
 
 
勝負を決めた最終12Rの左ボディのカウンターはヤバかったですよね。
 
顔面への連打で顔が下がり気味になり、下を向いたまま前に出ようとしたところにズドン。
一瞬遅れてうずくまるリオスの様子からもダメージの深刻さは明らか。
観ているこちらまで腹が痛くなる1発だった。
 
岩佐亮佑がジャフェスリー・ラミドのスピードについていけず。ラミドは相当ヤバいと思ったけど相当ヤバいなw 岩佐は引退を表明
 

フルトンとの統一戦はおもしろうそう。その前にタパレスとの指名戦? 亀田和毅にもチャンスがきてほしいけど

この勝利で戦績を11戦全勝8KOとしたムロジョン・アフマダリエフ。
防衛も3度目ということでそろそろWBC/WBO王者スティーブン・フルトンとの4団体統一戦が期待されるところだが……。
 
でも、その前に日本の勅使河原弘晶を2RでKOしたマーロン・タパレスとのIBF指名戦があるんだっけ?
できればWBAの挑戦権を保持する亀田和毅にもチャンスがきてほしいけど……。
などなど。
 
暫定王座を廃止→挑戦者決定戦を乱発した影響がモロに出ているわけだが、この日の試合順などを鑑みると実はアフマダリエフ自体がそこまで重宝されていないという噂も?
 
フルトンもアフマダリエフ(と井上尚弥)の名前をちょいちょい出しているので両者の機運は高まっていると想像するが、何と言っても“ボクシング”なのでね笑
正式発表されるまでは予断を許さないというか、常に予想の斜め上をいくモンキービジネスっぷりを発揮してくるスポーツなので。
 
 
ただ、ムロジョン・アフマダリエフvsスティーブン・フルトンは純粋におもしろそう。
 
両者ともにアウトボクシングもできる上に接近戦でも強い。
どちらかと言えばアウトボクサー寄りのフルトンと、どちらかと言えばファイター寄りのアフマダリエフ。
アフマダリエフが追いかけてフルトンがカウンターを狙う流れになるのかな? とは思うが、マジでよくわからない。
 
ルイス・ネリが代役カルモナから3度ダウンを奪ってTKO勝利。久しぶりのネリらしい試合。打倒フルトンにはまったくつながらないけど笑
 
さらに身長166cm、リーチ173cmと身長に対して腕が長めのサウスポーのアフマダリエフが似たような体格(身長165cm、リーチ171cm)の井上尚弥にどう対応するかにも興味がある。
 
マッチルームとPBCはもちろんだが、とにかくボブ・アラムがんばれと。
井上がトップランクと契約してよかったと初めて思える展開になることを期待している笑
 
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