エマヌエル・ロドリゲスがメルビン・ロペスを圧倒、約4年ぶりのIBF王者に。やっぱり差があったよな。できればKOして欲しかったけど【結果・感想】

エマヌエル・ロドリゲスがメルビン・ロペスを圧倒、約4年ぶりのIBF王者に。やっぱり差があったよな。できればKOして欲しかったけど【結果・感想】

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2023年8月12日(日本時間13日)に米・メリーランド州で行われたIBF世界バンタム級王座決定戦。同級2位エマヌエル・ロドリゲスと同3位メルビン・ロペスの一戦は3-0(120-105、120-105、120-105)の判定でロドリゲスが勝利。2019年5月以来、約4年ぶりの王座返り咲きを果たした一戦である。
 
 
井上尚弥に敗れて以降、不運続きだったエマヌエル・ロドリゲス。
今回ようやく王座返り咲きのチャンスを迎えたわけだが。
 
対戦相手のメルビン・ロペスは戦績29勝1敗19KOの強豪だが、過去の試合を観る限りトップ選手とは差がある(気がする)。
いい選手には違いないが、ロドリゲスには歯が立たないのではないか? と思っていた次第である。
 
エマヌエル・ロドリゲスvsメルビン・ロペス。これはロドリゲス勝つんちゃうか? ロペスはいい選手だと思うけど。ラッセル次男とどちらが強敵?
 
・常に頭の位置を変える、打ったら動くを徹底する
・右に回りながらリードジャブで試合を組み立てる
・リーチは長いがその分復元が遅い
・若干攻防分離気味で狙いを定めやすい
 
上記がメルビン・ロペスに対する僕の印象だが、実力的にはトップレベルのちょい下くらい。ゲイリー・アントニオ・ラッセルを圧倒したロドリゲスがこの選手に負ける感じはしない。
リードの差し合いで互角ならロドリゲスの勝利は固いのではないか。
 
 
展望としてはだいたいこんな感じである。
 
西田凌佑がエマヌエル・ロドリゲスに勝利。ジャブで圧倒してロドリゲスに中間距離を諦めさせる。そういえば比嘉戦でも接近戦やってたわ
 

ちょっと差があったかな。ロペスの実力はトップレベルのちょい下くらい? ロドリゲスはおめでとうございます

まずメルビン・ロペスの実力がトップレベルのちょい下という印象はその通り。両者の実力にはやや差があった気がする。
 
ただ、できればロドリゲスにはKOしてほしかった。
だいたい7、8Rくらいには動きを見切っていたと思うが、そこからペースが上がらず。実際に倒しにいったのは11、12Rのみ。
あそこまで追い詰めたらもう少し早く仕留めにいってもらいたかった。
 
 
まあでも、今回は戴冠を優先したのかもしれないが。
 
井上に敗れてからのロドリゲスは微妙な判定やバッティングによるノーコンテスト、相手の体重超過、コロナの影響での中止等、「嘘だろ?」と思うことが山ほどあった。
 
ガバリョの勝ちもなくはない? かな? ロドリゲスはトレーナーが井上パパを恫喝してから運が一気に離れていったよな
 
それを踏まえると、あえて無理をせずに“勝ち”に徹したのも悪くない? のかも?
右目の腫れも酷かったしね。
 
 
とにかく両者ともにナイスファイト。
ロドリゲスは王座返り咲きおめでとうございます。
 

早々にボディ攻撃を封じられ、カウンターも通用しないロペス。中間距離で歯が立たないのはキツい

敗れたメルビン・ロペスだが、立ち上がりはよかったと思う。
 
右リードを見せてから左のボディストレート。
ロドリゲスはレイマート・ガバリョ戦でもボディを嫌がっていたが、ロペス陣営も下から崩す作戦だったと想像する。
アレを続けていけば試合を優位に運ぶこともできたのではないか。
 
だが、ロドリゲスはそれにあっさり対応する。
ロペスの右リードに左を合わせ、攻撃の起点を作らせない。
 
で、ロペスが手を出せなくなったのを確認してから左を顔面に。いきなりの右を混ぜつつ圧力を強めていく。
 
 
ボディ攻撃を封じられ出鼻をくじかれたロペスは1R後半からカウンター狙いに切り替える。
ロドリゲスに先に手を出させて打ち終わりに鞭のような右を返す。
 
ところがこの右がまったく間に合わない。
一つ一つのアクションが大きいロペスはロドリゲスのシャープなジャブについていけない。
左で顔面を跳ね上げられ、右を返す瞬間にはロドリゲスはその場にいない。
ほぼ同時のタイミングで動いているのにパンチスピード、精度があまりに違う。
 
井岡一翔とエストラーダの交渉が難航? まさかの井岡vs中谷潤人戦だと? フェルナンド・マルティネスが統一戦を打診だと? せっかくフランコとの再戦に勝ったのに…
 
最初のボディ狙いをあっさり攻略され、打ち終わりのカウンターは間に合わない。前手のリードは開始早々に封じられた。
 
「リードの差し合いで互角ならロドリゲス勝利は固そう」という僕の勝手な予想よりも両者の差は大きかった(気がする)。
 

接近戦で強引に勝負に出たロペスはよかった。明らかに慣れてなかったけど

4、5Rに意を決して前に出たロペスはよかったと思う。
 
あのままカウンター狙いを続けても勝機は薄い。
それほど中間距離での差し合いでの差は大きかった。
 
この流れを変えるためには多少強引にいくしかない。
差し合いを拒否して身体ごとぶつかっていく判断は間違いではなかった(気がする)。
 
ロドリゲスもガツガツくるタイプは苦手そうだしね。
 
 
でもまあ、アレっすね。
続かなかったですよね。
 
頭が当たるくらいの勢いで突っ込むのはいいのだが、そこからゴリゴリが続かない。ロドリゲスを慌てさせるどころか、すぐに腕を振るスペースを与えて中間距離に戻されてしまう。
 
過去の試合を観る限りメルビン・ロペスは中間距離で勝負するタイプ。もともとああいう馬力勝負は慣れていないのだろうと。
 
 
そして、7、8Rにはほぼ手詰まり状態。
自分からは仕掛けられずにやれることは左右に動き続けてカウンターの1発にかけるくらいくらい。
ロドリゲスがとどめを刺しに来ないことが逆に辛そうなに見えたほどである。
 
井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦を視聴。戦力差を把握すると舐めプを始める横着さはヤンキー気質によるものだろうな。それでも無敵だけど
 

ロドリゲスを攻略するには横の動きが重要? やっぱりロドリゲスvsジェイソン・モロニー戦はいい試合だったよね

実際メルビン・ロペスの実力はどのくらいだったのだろうか。
僕はマイケル・ダスマリナスとどっこいか少し上かな? と勝手に思っているのだが。
 
たとえばファン・カルロス・パヤノより上、ドネアに勝利したアレハンドロ・サンティアゴには及ばないとか、そんな感じか。
 
うまく相手を選べば王座戴冠は可能だが、階級トップのエマヌエル・ロドリゲスに勝つのはキツい。みたいな。
 
ノニト・ドネアいよいよかもしれんな。サンティアゴはドネアの苦手なタイプだったけど、それ以上にドネアの動きの悪さが…。僕は旅に出ます()
 
一方、勝利したロドリゲスはさすがの実力。“井上尚弥さえいなければ”というのもその通りなのだと思う。
 
と言いつつ、この選手を倒すには横の動きが重要になりそう。
 
第一候補としてはやはり現WBA王者ジェイソン・モロニーか。
メルビン・ロペス以上のフットワークがあり、なおかつインファイトも可能。カウンターをチラつかせながら圧力をかけるロドリゲスにとっては的が絞りにくいスタイルである。
 
ジェイソン・モロニーvsアストロラビオ。え? これモロニー勝ったか? ドローすらあり得たような…。アストロラビオの対策がよかった
 
何度も申し上げているが、2018年10月のWBSS1回戦、エマヌエル・ロドリゲスvsジェイソン・モロニー戦はガチでいい試合だった。
 
 
なおモロニーはWBC王者のアレハンドロ・サンティアゴとの統一戦を目指しているとのこと。僕としても既出のロドリゲスvsモロニー戦よりもそちらの方が新鮮味があっていい。
 
ノニト・ドネアが脱落した今、バンタム級への興味はロドリゲスとモロニーがどれだけ活躍するかのみである。
 
 
え?
井上拓真?
 
もういいよアイツの試合は。
 
相手の実力が一定以上になると途端にマラソンおっ始めるんだもん笑
 
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