RIZINのMVPが山本アーセン? バカ言ってんじゃねえよ。MVPはあびる優に決まってるだろ

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夕暮れイメージ
2015年12月29日、31日の2日間にわたって開催された年末格闘技イベント「RIZIN」

かつて「皇帝」の異名でMMA界を席巻したエメリヤーエンコ・ヒョードルの3年ぶりの現役復帰、ボブ・サップvs曙の12年ぶりの再戦、シュートボクシング女子王者であるRENAのMMAデビューなど、よくも悪くも日本の格闘技界の話題をさらった一大イベントである。

大会のメインとして開催されたヘビー級トーナメントではキング・モーが優勝。
そして山本”KID”徳郁の甥である山本アーセンがヒクソン・グレイシーの息子のクロン・グレイシーと対戦し、敗れはしたもののその健闘が認められて大会MVPを獲得した。

その他、壮絶なKO勝ちを見せた女子格闘家のギャビ・ガルシアや大会第一試合を盛り上げた高坂剛、桜庭に完勝した青木真也、K-1からの参戦となったHIROYAや武尊の活躍など、盛りだくさんの内容で幕を閉じた。

「RIZIN」はボチボチよかったぞ。リアルタイムで観てないけどな

実に5年ぶりに大晦日の格闘技が地上波に帰ってきた。

僕もいち格闘技ファンとしてこの「RIZIN」には大いに期待していたし、あれやこれやと煽るような記事も書いてきた。

自分でも思うがかなり好き勝手なことを言っている。
かつての狂乱の時代を取り戻すことはできないとしても、少しでも格闘技観戦に興味を持つ人が増えてくれればいいと思ったし、日本の格闘技が久しぶりに盛り上がることが純粋に嬉しかったというのもある。世間の冷ややかな目はある程度予想できたが。

ちなみにだが、あれだけ偉そうに語っておきながら僕はこの番組をリアルタイムで観ていない

世界戦ラッシュが続いたボクシングを中心に観ていたというのが一番の理由だが、観ようと思っていた試合の結果を先にインターネットで知ってしまったせいもある。
まあ、これは油断していた僕が悪いので何を言う気もないのだが。

そんなこんなで未視聴のまま延び延びになっていた「RIZIN」だが、先日ようやく一通りの試合を観終わったところである。

とりあえず、思いつくままに感想を述べていこう。

有名選手推しと煽りVTRねじ込みの編集がちょっとやり過ぎじゃね?

みなさんもおっしゃっていたように、フジテレビの番組構成がかなり偏っていたのはやはり残念だった。できればもう少しヘビー級トーナメントにスポットを当てて欲しかったが。

やはり日本代表である石井慧があっさり負けてしまったのが痛かった。勝ち進んだとしても放送事故的な試合を見せられるだけだったことは内緒だ。

「ボクシングよりUFCの方が上? もうめんどくせえよ」

一通り観てわかったのは、恐らくフジテレビは大晦日の視聴率が喉から手が出るほど欲しいのだということ。
今回の年末格闘技の地上波復活もそうだ。過去のコンテンツの使いまわしで視聴率が欲しいフジテレビとRIZIN側の利害が一致しただけで、テレビ局側に格闘技を人気のコンテンツにしていこうという気概は残念ながら感じることができなかった。

やっぱり聞こえた「日本の格闘技はダメだ」という批判

わかっていたことではあるが、やはりだった。

「UFCに比べたら茶番過ぎる」
「日本の格闘技界はダメだ」

耳にタコができるほど聞かされた短絡的批判。

往々にして僕の大嫌いな自称・真の格闘技ファンからの声であることは間違いないのだが、依然として格闘技界隈にはこの連中が巣くっていることを改めて思い知らされた次第である。

UFCに比べて?
あいかわらず何を言っているのかわからない。
通算200回近く開催されているイベントと、第一回が終了したばかりのイベントを比較して「日本の格闘技はダメだ」と言いきってしまうその思考回路が理解不能である。

「山本美優負け~。RENAすごいね、UFC行けるんでないか? 木村ミノルの秒殺KO負けで度肝を抜かれた」

サップvs曙が酷かった。ヒョードルが強かった

注目を集めたこの2試合だが、結果はどちらも不完全燃焼と言うしかないだろう。サップvs曙戦はご存知の通りのおサムい結末、シング・心・ジャディブがヒョードルに勝つのが難しいというのもある程度予想の範囲内である。
要するに、どちらの試合も話題先行の客寄せカードの意味合いが強い組み合わせだったということである。

個人的にこの客寄せカードに文句を言うつもりはない。
以前の記事でも申し上げたとおりサップvs曙戦については「よくこの試合を組んだな」と思うし、ヒョードルに現役復帰を決心させた榊原は本当に有能だと思う。

残念なのは、那須川天心vs武尊の試合が組まれなかったことである。

散々過去のビッグネームで煽ったのだから、那須川天心vs武尊戦を「日本格闘技界の主人公決定戦」とでも銘打って、サップvs曙戦とヒョードル復帰戦の間に組めばよかったのだ。
サップ、曙、ヒョードルという客寄せパンダで視聴者を引きつけ、那須川天心と武尊の存在に気づかせる。この戦いに勝利した方が日本格闘技界のニューヒーローとなり、ライバル伝説は続いていく。ここまでのシナリオが完成していたはずなのに。

誰がこのカードの実現をためらったのかは知らんが、何ビビってんだよという話である。

RENAはよかった

RENAはよかった。

やっぱり格闘技界しょっぱいな。用品メーカーの代表が特定の選手の人間性を批判するってすごいことだぞ

今回のイベントの内容とは少し離れるが、やっぱり格闘技界はしょっぱい

以前の記事でも申し上げたと思うが、格闘技界というところは格闘技用品メーカーの代表が特定の選手の人間性を名指しで批判する業界である。しかもそれが大した問題にもならずにスルーされ、あげくの果てに周りも一緒になって選手批判を始める始末である。

前にも言ったが、これは普通に考えてちょっと信じられないことだ。
野球で言えば、ミズノの社長がダルビッシュやイチローの人間性を公式に批判するようなものである。しかもそれが大した問題にならないどころか、周りから称賛される風潮さえあるのだ。

「日本の格闘技が不人気な3つの理由【低迷? 迷走?】」

こういう常識外れを目にするたびに、つくづくしょっぱい業界なんだなと思ってしまう。

MVPが山本アーセン? バカ言うなってw あびる優以外いないだろが

格闘技デビュー戦ながらクロン・グレイシーに善戦し、計り知れないポテンシャルやスター性を見せつけた山本アーセン。山本”KID”徳郁の甥ということもあり、大会MVPに異論を差し挟む余地はないだろう。

絶対に違うけどな!!

何を言っているのだ。
どう考えてもMVPはあびる優だろ。
いや、マジで。

断言するが、今回のRIZINで最も爪痕を残したのは誰かと聞かれれば、それは間違いなくあびる優だ。

「RIZIN」終了後、いろいろな方のブログやSNSでの感想を見て回ったが、
「試合はおもしろかったがあびる優がうるせえ!!」

このフレーズを何回見たかわからない。
才賀紀左衛門の嫁、さすがであるww

所英男vs才賀紀左衛門の試合時間が約5分。
この短い時間の間に日本全国津々浦々、古今東西老若男女、観る者聞く者すべてに嫌われるという快挙。あれだけの不快感と嫌悪感をわずか5分間で出せるのはある意味才能である。

しかも驚くことに、あびる優は自分の夫を応援しているだけだ。
自分の惚れた男を応援するという純粋かつ本能的な行動のみで、これだけのオーディエンスを敵に回す。まさに天から与えられし才能と呼ぶしかない。

5分間叫び続ける体力にも感服である。
やってみるとわかるが、あらん限りの大声を5分間あげ続けるというのは予想以上に辛い。
30秒もすれば気づくはずである。想像を絶する肺活量を要することに。そして、あびる優の人智を超えた言霊に。

遊園地の絶叫マシンを見てもわかるとおり、普通の人間が絶叫できる時間などせいぜい1分である。ところがあびる優はその5倍だ。「限界を超えた強さ」とはよく言うが、あびる優は愛の力で限界の扉をこじ開けたのである。

あの細身の身体で常人の5倍の肺活量を見せつけ、愛する者のために声援を送り続け、しっかりと日本全国から嫌われる。
勇者である。大会MVPを受け取るにふさわしい勇者である。

「RIZINどうだった?」と聞かれたら、こう答えよう。

あびる優だった

これですべての説明がつく。

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