プレミア12開催に先立ち、日本野球の国際化と国内リーグの強化を同時に実現する方法を考えてみる【NPB】

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グローブイメージ
2015年11月8日より、WBSC世界野球ランキング12の国による対抗戦「WBSCプレミア12」が日本と台湾の共催でスタートする。

「世界野球WBSCプレミア12」

侍ジャパンは11月5、6日に福岡で行われるプエルトリコとの強化試合を経て、11月8日に札幌ドームでの韓国戦に挑むことになる。

「プレミア12なんてやる意味がない。メジャーリーガーが出ない大会に価値はない。こんな大会に本気になってるのは日本だけ」

日本シリーズの終了とともに、息つく間もなく国際大会のスタートである。特にシリーズに出場していた侍ジャパンのメンバーには過酷な日程だが、ぜひとも野球の国際化のため、日本野球のためにがんばっていただきたいものだ。

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今回は「プレミア12開催に先立ち、日本野球の国際化と国内リーグの強化を同時に実現する方法を考えてみる」と題して、国際野球にまったく詳しくない僕が、あえて野球の国際化の重要性を説いてみようと思う。

国内のリーグ戦と違い、国際大会に興味のある方はあまり多くはないかもしれないが、興味があればおつき合いいただければ幸いである。

国内でプレーする外国人が参加できる大会に

今回、野球の新たな国際大会である「世界野球WBSCプレミア12」が開催されるわけだが、個人的にはこの大会が野球の国際化を促進する一助となることを願っている。
そのためにも実現可能かどうかは置いておいて、プレミア12への参加資格NPBにおける外国人枠の変更を提案したいと思う。

具体的には以下の2つだ。
・プレミア12の参加資格に「国内球団に在籍3年以上の外国人選手」という項目を追加する
・NPBの1チームあたりの外国人枠(一軍登録)を1枠増やして5枠にする

 
「敗因は実力? 采配? 侍ジャパン敗退。アメリカに準決勝で2-1で敗れて世界一奪還ならず。小久保監督は退任の意向」
 
早い話がラグビーのワールドカップをパクるのだ。

まず参加資格についてだが、現状のプレミア12の参加資格を見ると「五輪憲章に基づいたルール」となっている。要するに国籍を重視したかなり厳しめの参加資格である。
これははっきり言って、野球の国際化を進める上では足かせでしかない。とりあえずここを大幅に緩めるのだ。

「侍ジャパンの今後は? プレミア12終了、韓国戦に敗北した侍ジャパン。小久保監督辞めろ? 采配と資質に疑問あり?」

NPBには母国で芽が出ずに日本で才能を開花させた選手が何人もいる。「国内球団に在籍3年以上の外国人選手」という条件を追加することで、その中からひょっとしたら侍ジャパンでプレーしてみたいと考える選手が出てくると思うのだ。

阪神のメッセンジャーやソフトバンクのサファテなどは日本球界歴が長く実力も確かだ。こういう選手が侍ジャパンに参加したいと言ってくれれば、戦力としても最高だと思うのだがどうだろうか。

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そして、とにかくNPB主導で大会を引っ張るのだ。そうすれば、いずれプレミア12がラグビーワールドカップのように「参加することが名誉」に思える大会になるかもしれない。結果的に日本がその大会のボス的な存在になれるのである。

国際大会としての「格」が上がれば、侍ジャパンの一員としてプレミア12に出たいと考える外国人選手もさらに増えるはずだ。結果的に日本人選手との切磋琢磨が生まれ、国内リーグの活性化にもつながるのである。

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ラグビーのトップリーグをお手本にして、外国人選手を増やす

外国人枠の拡大については、ラグビーのトップリーグと日本代表の関係が非常にいいお手本になると思う。外国人枠を拡大することによって、NPBを国際色のあるリーグに変えるのだ。
 
「名将小久保覚醒ww WBC史上最高の監督小久保が藤浪を使わない理由? 絶妙継投と総力戦で打倒イスラエル」
 
ここ数年、日本ラグビーのトップリーグにはワールドクラスの選手がどんどん入団してリーグを活性化させている。しかも、そのうちの何人かが日本代表として国際大会に参加してくれるのである。ワールドクラスの選手とプレーすることで日本人選手のレベルも上がり、必然的にリーグ全体のレベルも上がるという相乗効果も生まれているのだ。

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サッカーのようにワールドカップへの参加資格が厳しい競技は、国内リーグが充実すると代表が空洞化するという逆転現象が起きやすい。国外から実力のある選手が多く流入するため、自国の選手がレギュラーシーズンでの出場機会を奪われるからである。

だがラグビーのように出場資格の緩い競技は、国内リーグが活性化することによって代表の強化にも直接つながるのである。実力のある外国人選手を増やして国内リーグを活性化すれば、助っ人外国人がそのまま代表選手になる可能性も生まれて代表の強化に直結するのである。

野球の話に戻るが、要するにプレミア12の参加資格に「国内球団に在籍3年以上の外国人選手」という項目を追加すること、外国人枠(一軍登録)を1枠増やして5枠にすることによって、日本野球そのものを向上させることができるのである。 
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プレミア12が国際大会として価値あるものになっていくのか、日本代表として侍ジャパンの一員になりたいと願う外国人選手が増えるのか。卵が先か、鶏が先かはわからない。
世界における競技レベルがラグビーと野球では差があることもネックになるだろう。
それでも日本でプレーするすべての選手にとって、侍ジャパン入りが一つの目標となれば必ず日本のリーグのレベルアップにつながるはずなのだ。

外国人枠を増やすのはチームバランスを考えると短期的にはマイナスかもしれない。だが、国際化を含めた中長期的な目で見れば絶対に野球界は好転する。

日本野球の低レベル化、ガラパゴス化は深刻だ。食い止めるには国際化しかない

今後もスポーツ界のグローバル化はさらに進むだろうし、スポーツ界全体の発展を考えても国際化は避けて通ることはできない道である。
その中で、野球は日本が世界の中心になれる可能性のある数少ないスポーツだ。

「シーズンオフは選手を休ませたい」
「こんな罰ゲームみたいな大会、やる意味がない」
「ファンは国内のリーグだけで満足している」

こういった声は本当によく聞こえてくるのだが、正直僕には何を言っているのかまったく理解できない。
国内野球の人気低迷、そして今後の野球界の発展を考えれば日本が先陣を切って国際化を進めなくてはならない立場にいることは明白なのだが。

気づいている人は多いと思うが、ここ数年の日本野球の低レベル化、小型化は冗談抜きで深刻だ。特に今年のセリーグはマジでヤバかった。
とにかく速いストレートと、ツーシームやカットボールなどのブレ球に弱すぎるのだ。巨人のマイコラスや広島のジョンソンが1年目から沢村賞級の活躍ができたことはいい例である。

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日本(主にセリーグ)で活躍できそうな助っ人外国人投手の条件というのは本当に単純だ。
身長が190cm以上あってストレートの球速が140km後半。そして最低限ストライクゾーンに投げられるだけのコントロールがあること。それだけのスペックがあれば、今のセリーグであれば大抵通用してしまうのである。
ジョンソンにはスライダー、マイコラスにはカーブ。一定以上の球威のあるストレートの他にもう一つ決め球があるだけで、今年のセリーグならほぼ無敵状態で打者を牛耳ることができるのである。

おわかりだろうか。
このまま指をくわえていると打者のスケールは年々小型化し、どんどんガラパゴス化、低レベル化に拍車がかかってしまう。そしていずれ、WBC二連覇という過去の栄光にすがる裸の王様の出来上がりである。
そうならないためにも、国際化を進めてレベルアップを図ることは日本の野球界にとって急務なのだ。

アジアシリーズを潰したことをいまだに根に持ってるからな?

もちろんプレミア12という大会が初めからスムーズに運営されるとは思っていない。国際大会の草創期など不手際の連続である。
事実、参加国の一つであったメキシコが準備不足を理由に出場しないことを決めたとの報道も出ている。とてもじゃないが、今の段階では国際化を押し進める旗印となるのは難しいだろう。

ただ、だからといって存在価値まで否定する理由はどこにもない。

ではどうすればいいのか。
簡単な話だ。
この大会を助っ人外国人発掘の場にすればいいのである。MLBがWBCを選手発掘の品評会と考えるように、NPBもプレミア12を各国の有力選手を発掘する場として大いに利用すればいいのだ。

国際スカウトがわざわざその国まで足を運ばなくても、各国の代表クラスの選手が勝手に日本と台湾に集まってくれるのだからこんな楽なことはない。「これは」と思った選手をどんどんスカウトすればいいのである。
力のある外国人、これから伸びそうな外国人を早い段階で日本に連れてきて、日本野球の土壌で成長させるのだ。そして最終的なゴールは先述した通り侍ジャパン入りである。

僕はアジアシリーズに関しても同じことを思っていたのだが、一切そういう流れがなかったのが不思議でならなかった。
そればかりか、聞こえてくるのは「盛り上がらない」だの「やる必要がない」だの「罰ゲーム」だの、ネガティブな言葉ばかりである。

特にアジアシリーズには僕自身いろいろ思うところがあって、野球関係者の中にもネガティブな発言や態度をとる人間が当たり前のようにいたことは残念だった。

特に2013年のアジアシリーズで義大ライノス(台湾)vsボローニャ(イタリア)の解説席に座っていた高津臣吾(現ヤクルト投手コーチ)の態度は本当に許せないものだった。見下した口調、小バカにしたような物言い。まるで「俺様にこんな仕事をさせやがって」と言わんばかりの不遜で不愉快な解説だったことを今でもはっきりと覚えている。僕はあれ以来、高津のことが大嫌いである。

アメリカ、韓国、台湾。いろいろな国でプレーし、最後は独立リーグに流れ着くほど現役にこだわり続けた高津が偉大な選手であることに異論はない。だが、これだけさまざまな世界でさまざまな角度から野球を見たはずの高津が、国際大会に出場している他国の選手を認めなかった事実。これは到底承服できるものではない。
投手コーチとしていかに有能だろうが関係ない。僕は心底高津が嫌いである。

あなたたちの大好きな野球は衰退一直線ですよ

「選手を金儲けの道具にするな」

この言葉もよく耳にするが、本当に何を言っているのだろう。どれだけ考えても意味がわからない。

金儲けの道具にするな?
何を言っているのだ。プロのスポーツが儲けなくてどうするというのだろうか。

というより、そもそもNPBは儲かっていない。そんなことはNPBのHPを見れば一目瞭然だ。

見てわかるとおり、ただのデータの羅列である。しかも使いづらいことこの上ない。MLBのサイトを見れば、あまりのクオリティの差に唖然とするはずである。

おわかりだろうか。
ファンの入り口となるオフィシャルサイトのリニューアルさえままならないNPBが、儲かっているわけがないのだ。
そして収入源が頭打ち状態のNPBにとって、唯一ドル箱コンテンツになる可能性を秘めているのが侍ジャパンなのだ。人気低迷に喘ぐ日本野球界の救世主となるべき存在が侍ジャパンであり、野球の国際化なのである。
そう考えれば「金儲けの道具にするな」などという発言がそもそも出てくるわけがないはずなのだ。

さらに、
「国内リーグだけで満足している」
「メジャーリーガーの参加しない国際大会などやる意味がない」
とおっしゃっている方たちに僕は強く言いたい。

あなたたちの好きな野球は今、衰退一直線ですよ。

競技人口の減少。フィジカルエリートが他のスポーツに流れる現状。
今、野球界は間違いなく衰退の一途を辿っている。国際大会が必要ないという方々は、この事実を真正面から見つめるべきである。
あなたたちが満足しているという国内リーグ。これ自体が衰退する可能性が高いことを強く認識するべきなのだ。そして、それを食い止めるには国際化が必須だということに早く気づくべきなのである。

興行、実力両面で、現状の日本プロ野球は非常にヤバい状況であることをしっかりと認識した上で、国際大会の必要性についてもう一度考えなくてはならないのだ。

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