バージル・オルティスvsカバロウスカスはおもしろそうだよな。オルティスを勝たせるための試合だと思うけどカバロウスカスもがんがれ【予想・展望】
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2021年8月14日(日本時間15日)、米・テキサス州で行われるウェルター級12回戦。WBA同級ゴールド/WBOインターナショナル王者のバージル・オルティスJr.がWBO5位のエギディウス・カバロウスカスと対戦する。
2021年3月に元王者のモーリス・フッカーを7RKOで下し、戦績を17戦全勝17KOとしたオルティスJr.。
近い将来のテレンス・クロフォードへの挑戦を希望しており、今回はその試金石とするためにも快勝が求められる。
対するカバロウスカスは2019年12月にテレンス・クロフォードの持つWBO王座に挑戦するも、9RTKOで初黒星。だが3Rにはクロフォードを一瞬グラつかせるなど、試合を通して実力の高さを発揮している。
そして2020年9月の再起戦でミカエル・ゼウスキーを8RTKOで下し、今回再びトップ戦線への浮上をかけてオルティスに挑むことになる。
バージル・オルティスvsカバロウスカスのThis is boxingな一戦。オルティスの若さとカバロウスカスの失速癖で大盛り上がり
オルティスvsカバロウスカスの組み合わせはおもしろいよね。オルティスがいい勝ち方をすればクロフォードに振り向いてもらえる?
GBPのスター候補、バージル・オルティスJr.が王座挑戦経験を持つエギディウス・カバロウスカスと対戦するとのこと。
オルティスは前回のモーリス・フッカー戦のあとにWBO王者テレンス・クロフォードへの挑戦希望を表明しており、今回はその前哨戦的な位置付けの試合と言えそう。
有力選手の多くがPBCに集結する現在のウェルター級。
トップランク所属のクロフォードは2018年6月のウェルター級進出以降、常にビッグマッチを希望し続けてきたものの、思ったようにキャリアが進まず。
10月開催予定の次戦でトップランクとの契約が切れるとのことで、今後の動向に注目が集まる。
一方のオルティスJr.はGBP所属。クロフォード相手に9Rまで粘ったカバロウスカスをこの試合で圧倒すれば、クロフォードの目をこちらに向けることも可能になる?
と言いつつ、仮にクロフォードがGBPと契約してもオルティス戦の次が続かないという噂も……。
トップランク時代と同様、プロモーターが全力で用意した挑戦者を黙々とボコるだけの時間に逆戻りしそうな気がしないでもない。
そもそも論として、カバロウスカスとケル・ブルックに勝利した時点でクロフォードがトップランクに残る意味はほぼない(目ぼしい相手がいないGBPと契約する意味もあまりない)と言っていい。普通に考えればPBC勢とのビッグマッチを模索する方向に向かうのだろうと。
クロフォードよ、お前がNo.1だ…。ケル・ブルックを4RTKOで沈める。見えない右キター♪───O(≧∇≦)O────♪
まあ、クロフォードへの挑戦どうこうはともかく、バージル・オルティスvsエギディウス・カバロウスカスの組み合わせはなかなかおもしろい。
オルティスにとっては間違いなく過去最強の相手だろうし、カバロウスカスにとってもパーフェクトレコードを継続中のオルティスに勝てば一気に評価が上がる。
どちらかと言えばオルティスのステップアップのためのマッチメークだとは思うが、それを覆す可能性も十分ありそうな……。
勝敗予想はオルティスの10RKO。中間距離での差し合いから近場での打ち合いが得意な両者。先に相手を怯ませた方が有利になるんだろうか
前置きが長くなったがそろそろ本題に。
今回の勝敗予想だが、オルティスの10RKO勝利でいきたい。
申し上げたようにこの組み合わせは結構おもしろいと思っていて、オルティスを勝たせるための試合と言ってもそこまで簡単な話ではない。カバロウスカスの勝利も十分あり得る気がしている。
過去の試合を観る限り、両者の射程はほぼ同じ。
身長、リーチともに178cmのオルティスに対し、カバロウスカスは身長175cm、リーチ180cm。数字上はほぼ互角だが、パッと見ではオルティスの方がやや大柄な印象である。
大きな身体をやや丸めた前傾姿勢+高いガードの覗き見? スタイルで相手と対峙するオルティスと、ナチュラルにガードを上げて背筋を伸ばした構えのカバロウスカス。
どちらも中間距離での差し合いから近場の連打に移行するスタイルで、強烈な左リードと圧力で相手を怯ませてペースを掴む流れを得意とする。
高いガード+覗き見スタイルのオルティスと、左リード+カウンターのカバロウスカス
申し上げたようにオルティスはガードを高く上げた覗き見の構えが基本の選手。
防御を固めたまま上体を振りつつ前傾姿勢で距離を詰め、フリッカー気味の左で相手の顔を跳ね上げる。
ある程度間合いが詰まればそこからコンビネーションを発動、相手をロープに追い詰めたところでさらに回転を上げる。
硬いガードとボディワーク、パリングで攻撃を弾きながらの前進、近場での多彩なコンビネーションを得意とする連打型のファイターである。
一方のエギディウス・カバロウスカスだが、こちらは基本的にはカウンター使いなのだと思う。
鋭い左で相手の前進を止め、中間距離に釘付けにした状態からさらに追撃の左。
焦れた相手が手を出してきたところで、わずかなバックステップから打ち終わりにカウンターを被せる流れ。
1発1発が強烈な上に上体反らしから連打に移行する身体能力の高さ、相手が怯めば一気に連打をまとめる決定力も兼ね備える。
TKO負けを喫したクロフォード戦でも序盤は瞬間的に懐に侵入するダッシュ力、思い切りのいいフルスイングを見せつけている。
クロフォードさすが。カバロウスカスを9RTKO。もっと無双してほしかったけど。マジでミドル級に上げるの?
ハンマーのような左で相手の前進を止め、カウンターをチラつかせながら袋小路に追い込んでいくスタイルはS・フライ級時代の井上尚弥っぽかったりもする。
じっくり前に出るオルティスをカバロウスカスが左で迎撃する流れになる? 各局面でオルティスが上回りそうな…
試合の展望だが、ガードを上げて前に出るオルティスをカバロウスカスがカウンターで迎撃する流れになるのだろうと。
オルティスの作戦は十中八九いつも通り。特に序盤はガードを上げてじっくり前に出るスタイルを選択する可能性が高い。
それをカバロウスカスが左リードで迎撃するわけだが、この左が果たしてどこまで通用するか。
オルティスが目いっぱい腕を振るにはある程度まで近づく必要があるが、その作業にどれだけ時間がかかるか。
前回のモーリス・フッカー戦では2Rの時点で自分の得意な距離に入れたオルティスだが、カバロウスカスの左をかいくぐって同じことができるか? という話。
バージル・オルティスはウェルター級王者クラス? モーリス・フッカーの限界値が示された。それでもオルティスがデラホーヤになれない理由
しかも、ガードを上げて左を出しながら前に出るオルティスのスタイルはカウンター使いとの相性が悪そうな気も……。
どこかの時点で真正面からの打ち合いが発生するとは思うが、それがいつになるか、各局面でどちらが打ち勝つか。
バージル・オルティスはカバロウスカスほどの強烈な左リード、カウンター使いと対峙するのは今回が初めて(だと思う)。
カバロウスカスもこれまでにオルティスほどの圧力とコンビネーションを両立できるタイプとの対戦経験はない(と思う)。
・左リードの精度
・近場での打ち合い
・オルティスの圧力vsカバロウスカスのカウンター
身体の大きさや前に出る圧力、前戦までの試合運び、その他。
非常に難しいのだが、諸々を考えるとやはりオルティスの馬力とコンビネーションがカバロウスカスを上回りそうな……。
オルティスが手数を減らしてフィジカル勝負を選んだ場合、割と早い段階でカバロウスカスが決壊する可能性もあるのではないか。
僕が人生をかけて嫌っているリゴンドーとThe小者カシメロ。応援はカシメロだけど有利なのは…。でもドネアよりは可能性ありそうだよな
いや、カバロウスカスにはがんばってもらいたいんですけどね。
勝機も十分あると思っているのだが、穴狙いでいくと毎回ちっとも当たらないのが辛いのであります笑
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