NTTドコモレッドハリケーンズがトヨタ自動車に敗れてシーズン終了。トヨタのスピード感がすごかった。TJ・ペレナラ、マピンピ退団
2021年5月8日、熊本県・えがお健康スタジアムで行われたトップリーグ2021プレーオフトーナメント準々決勝。NTTドコモレッドハリケーンズvsトヨタ自動車ヴェルブリッツの一戦は33-29でトヨタ自動車ヴェルブリッツが勝利。5月15日に東大阪市花園ラグビー場で開催される準決勝に駒を進めている。
なお今シーズンNTTドコモに加入したTJ・ペレナラは退団、古巣ハリケーンズに2023年までの契約で復帰することが発表されている。
また同じく1年契約で加入した2019年W杯南アフリカ代表WTBマカゾレ・マピンピも退団が決定的とのこと。
パナソニックがサントリーを下す。無敗対決を制して6度目の優勝。FB野口竜司のプレーの軽さが流れを変えたよな
NTTドコモ残念でしたね。TJ・ペレナラもマカゾレ・マピンピも退団みたい。期待感の高いチームだったけど
トップリーグとしてのラストシーズンも大詰めを迎えている2021年シーズン。
南アフリカ代表WTBのマカゾレ・マピンピ、NZ代表SHのTJ・ペレナラの補強もあって個人的に注目していたのがこのNTTドコモレッドハリケーンズである。
NMB48渋谷凪咲は推せる。間違いない。
今年僕が注目してるNTTドコモのアンバサダーってだけで全面的に信用できる。
やっぱり時代はラグビーだな()
レッドハリケーンズアンバサダー NMB48渋谷凪咲 突撃!!レッドハリケーンズ選手紹介 ~フォワード編~ https://t.co/Kfbw92w4tq @YouTubeより
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) December 8, 2020
リーグ戦でもホワイトカンファレンス第3位と好成績を挙げ、この日の準々決勝に臨んだわけだが……。
結果は惜しくも33-29での敗戦。
躍進を遂げた2021年シーズンが終了するとともに、TJ・ペレナラ、マカゾレ・マピンピの両助っ人も退団がほぼ決定とのこと。
いや〜、残念でしたね。
間違いなく今年のチームは強かったし、わざわざ現地観戦するくらいの期待感もあった。
TJ・ペレナラカッチョよすぎて気絶しそうw マピンピさんはこのチームには合わないとあれほど…。NTTドコモvsキヤノン現地観戦感想
特にTJ・ペレナラは来年以降も日本で観たかったところ。スクラムハーフ1人があれだけ試合を支配するというのはなかなかの衝撃だったので。
NTTドコモは勝たなければいけない試合だった。でも、トヨタ自動車のスピーディな試合運び、ペナルティの少なさは素晴らしかった
ただ、今回は絶対に勝たなければダメな試合だったとも思う。
絶好調のFBトム・マーシャルを中心に前半を15-11で折り返し、一時は29-21と8点差までリードを広げるなど後半62分にトライを奪われるまでは完全な勝ちゲーム。
あそこで勝ちきれないところがまだまだ成熟しきっていないチームというか、ベスト4の舞台に立つにはわずかに足りないことの証左か。
とは言え、不運が重なって流れを手放したのも確かである。
前半はパワフルな突破、素早い詰めで出色のパフォーマンスを見せていたCTBパエアミフィポセチだったが、後半に入ってからはやや空回り気味に。
素早い出足がオフサイドになったり、ゲインを切ったところでノックオンをしてしまったり。
またチーム全体としても後半開始早々にキックオフの処理をミスしてノーホイッスルトライを奪われたり、敵陣深く蹴り込んだボールが逆側に弾んで相手ボールになったり。直後のラインアウトでうまくキャッチできなかったり。
あとはまあ、TJ・ペレナラの内側を狙われたというのもあるかな。
密集サイド、スクラムサイドのディフェンスはドリフトを採用していたと思うが、カバーに入るFWとのギャップを突かれてゲインを切られるシーンが何度か見られた。
後半に入って細かいミスが増えたこと、それが悪いタイミングで出たこと。
そういった諸々の積み重ねは間違いなく疲労が溜まる上に流れも自然と相手に傾く。
しかもこの試合のトヨタはリスタートがめちゃくちゃ早かった。
ラインアウトの球入れはもちろん、タッチキックをキャッチした選手が間髪入れずに投げ入れるシーンも多かったのではないか。
で、NTTドコモの出足が鈍ったところで怒涛の17フェーズからの決勝トライ。
71分のあのトライが実質トドメとなったわけだが、後半から見られたNTTドコモの小さなほころびが最終的にデカい穴になって返ってきた印象である。
と同時に、ペナルティを犯さずあれだけスピーディな試合運びを貫いた後半のトヨタは本当にお見事だった。
パナソニックがトヨタに苦戦しつつも後半に突き放す。続々退団が発表されてるけど、もう少しまともなシーズンで観たかった
NTTドコモにとっては絶対に勝たなければいけない試合。
だが、それ以上にトヨタの底力が光った一戦だった。
マピンピはもう少しフィットするチームで観たかった。FBで使いたくなる気持ちはめちゃくちゃわかるw
なお今シーズンで退団が決定的なマカゾレ・マピンピについてだが、やはりこの選手はもう少しフィットするチームで観たかったというのがある。
僕はシーズンが始まる前から「NTTドコモにマピンピは合わない」と連呼してきたが、結局本領を発揮したとは言えないまま全日程を終了してしまった。
マピンピ加入のNTTドコモに注目。でも、チームスタイル的にNTTドコモじゃマピンピを生かしきれないような…
試合を観れば一目瞭然だが、NTTドコモは明らかに中央で勝負するチーム。
パワフルなFWやCTB陣の縦突進でゲインを切り、密集サイドの細かいつなぎで徐々に前進する。フィニッシュのトライもFW第3列など内側の選手が中心で、スペースのある位置でWTBにボールが回るシーンはほとんどない。
マピンピのステップ、縦横無尽に走り回る走力は間違いなく魅力的だが、何だかんだでそれが生かされたのはほぼほぼカウンターと言っても過言ではない。
その証拠に今シーズンのマピンピは出場6試合で計4トライ。
パナソニックの福岡堅樹が8試合で計10トライ、神戸製鋼の山下楽平が8試合で計7トライを挙げていることを考えると、W杯優勝国の代表WTBとしてはまったく物足りない。
もちろんこれはマピンピの能力が低いというわけではなく。
繰り返しになるが、純粋にチームのスタイルにフィットしていないのが一番の要因である。
日本大学vs日体大学戦現地観戦感想。秩父宮クッソ寒いw 総合力の日大と勢いの日体大。日大は結構期待できそう
4月3日のヤマハ発動機戦でキャリア初のFB起用などもあったが、今回の試合を観ればマピンピの走力を真ん中で使いたくなるのはめちゃくちゃ理解できる。
というか、仮に神戸製鋼入りしていれば絶対に活躍できたと思うんですけどね。
もちろん外国人枠の問題もあるので一概には言えませんが。
逆にボールを動かして周りをうまく使うTJ・ペレナラはNTTドコモにモロにフィットしていた。
ついでに言うと、CTBのパエアミフィポセチは全盛期に日本代表で観たかったなと。
初めて代表入りを果たしたのが2016年。
ところが2023年のフランスW杯の年にはすでに35歳という。
能力があっても、こういう巡り合わせの悪さで注目されない選手も多いのかなと思わされる。