僕のスレイマン・シソコ!! 鋭い左と距離感。でもトップレベルと比べて若干バネが足りないかな…。キーロン・コンウェイもがんばってたな【結果・感想】

僕のスレイマン・シソコ!! 鋭い左と距離感。でもトップレベルと比べて若干バネが足りないかな…。キーロン・コンウェイもがんばってたな【結果・感想】

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2021年5月8日(日本時間9日)、米・テキサス州で行われたWBA S・ウェルター級インターコンチネンタル王座戦。同級王者キーロン・コンウェイにリオ五輪銅メダリストのスレイマン・シソコが挑戦し、2-1(96-93、95-94、92-97)の判定でシソコが勝利。戦績を13戦全勝8KOとした一戦である。
 
 
AT&Tスタジアムに7万人以上の観客を集めて行われた同興行。
セミセミに登場した全勝のスレイマン・シソコは開始直後から遠間からのシャープな左でコンウェイの顔面を跳ね上げる。
対する王者コンウェイも得意の左で対抗するものの、シソコの巧みな出入りに手を焼きクリーンヒットを奪えない。
 
劣勢の流れを変えるべく中盤からカウンター狙いに切り替えたコンウェイ。
シソコの左リードにカウンターで左を被せ、すぐさま右のオーバーハンドにつなぐ。
だが足を使ってディフェンシブに傾倒するシソコを捉えきれず、逆にワンツーを続けざまに被弾するなど苦戦を強いられてしまう。
 
終盤9Rにダウンを奪い、一気にペースアップを図ったコンウェイだったが、ラウンド後半から立て直したシソコを攻略しきれず。
結局最終10Rもシソコがペースを保ったまま試合終了のゴングが鳴らされる。
 
ダウンを奪われた9R以外、終始試合をコントロールしたシソコのワンサイドに見えたものの、判定はまさかの2-1(96-93、95-94、92-97)という僅差。


やや疑問の残る結果ではあるが、スレイマン・シソコが元五輪同メダリストの実力を発揮した一戦となった。
 

実はこの日一番楽しみにしていた試合。高山勝成と似たような境遇で結果を出したシソコはもっと評価されていい

カネロvsサンダースのアンダーとして組まれた今回の試合。
セミファイナルの高山vsソト戦を含む3試合のうち、実は僕がもっとも楽しみにしていたのがこのスレイマン・シソコvsキーロン・コンウェイの一戦である。
 
スレイマン・シソコに関しては、2021年3月のローマン・ゴンサレスvsファン・フランシスコ・エストラーダ戦のアンダーに出場していたのを観たのが初めて。
メインまでのつなぎとしてボーッと眺めていたところ、「あれ? コイツ強くねえか?」と。
 
平岡アンディ、レイモンド・フォード、オースティン・ウィリアムズ他先週末振り返り。あと、何気に一番目を引いたのがノーマークのアイツ…
 
サウスポーのダニエル・エチェバリアというクッソ微妙な選手を圧倒し、最後は右ストレート一閃でのTKO勝利。
 
やや猫背気味+ハイウェイストなスタイル、無造作に前に掲げた両腕など、どことなくPFP上位の常連テレンス・クロフォードっぽさがある。
個人的にはかなり好みの選手で、今回カネロのアンダーカードに出ると聞いてもっともテンションが上がった経緯がある。
 
 
しかも本人のSNSを見ると、どうやら急遽決まった試合らしい。


準備期間1ヶ月程度&敵地で結果を出したことを考えると、似たような境遇でエルウィン・ソトに敗れた高山勝成よりも評価されてもいいようにも思える。
 
もちろん世界タイトルと地域タイトルの違い、階級の違いもあるので単純な比較はできないが、とにかく僕はスレイマン・シソコが勝ったことがめちゃくちゃ嬉しいw
正直、メインのカネロvsサンダース戦よりも上と言ってもほどに。
 

ジャッジ1人がコンウェイを支持。本当に手を出しながら前進しているだけでポイントになっちゃう風潮があるんかな

今回の試合、何よりもジャッジ1人がコンウェイを支持していたことに驚かされた。
 
僕のグダグダ素人採点では、97-93でシソコの勝利。ダウンを奪われた9R以外、コンウェイが取ったラウンドは1つ(もしくは2つ)で、かろうじて96-94くらいが妥当かなぁといったところ。
 
コンウェイを支持したジャッジは92-97をつけたとのことで、これはちょっとどうなの? と。
シソコが2Rしか取っていないというのはさすがにあり得ないと思うのだが……。
 
先日もちょろっと申し上げたが、現状、腕を振りながら前に出ているだけでポイントにしてしまうジャッジが何割か存在している気がする(ガチで)。
特にアウェイ? Bサイド? 存在が地味な側がアウトボクシングを敢行した場合、不利な結果が出るケースが多いような……。
 
ムザラネ専用機と化したサニー・エドワーズ。ここまで塩に振り切って徹底する覚悟ってのもお見事ではある。どホームの試合とはいえ
 
てか、別にキーロン・コンウェイもそこまで華のある選手には見えなかったですけどね。イギリス国籍&マッチルーム所属なので多少のアドバンテージはあるのかもしれませんが。
 
この辺の話は深入りするとややこしくなるのでやめておきますが。
 

おもしろい試合でしたね。両選手ともに高い実力を示したし、一見凡戦に思えるかもしれないけど僕としては楽しめた

具体的な感想だが、とりあえず普通におもしろい試合だった。
 
スレイマン・シソコは前回思った通り左リードが鋭く距離感も抜群。終盤にカウンターの右でコンウェイの動きを止めるなど、近い位置での対応力もある。
さすがは元五輪銅メダリストというか、初めての大舞台でも実力の高さを示したと言えるのではないか。
 
対するキーロン・コンウェイもいい選手だった。
身長181cmで身体も分厚く、全体的にシソコよりも一回り大きい。
左リードの差し合いでは歯が立たないと判断して以降、近場でのカウンター狙いに切り替えたりといった柔軟性も感じられる。
 
過去の試合を観る限りもう少しガードが低い選手なのかと思ったが、この試合ではむしろがっちり顔面を固めるスタイルに。
 
シソコのワンツーに対抗するためだと想像するが、実際シソコもだいぶ攻めあぐねていた。中盤以降は得意の左リードからのワンツーが機能しない時間を強いられている。
 
と言ってもシソコの勝利を覆すほどではなかったが。
 
 
結果的に動きの少ない試合になったせいで初見の方には退屈な凡戦に映ったかもしれないが、スレイマン・シソコに期待していた僕としてはぼちぼち満足度は高い。
今後もこの“スケールの小さいクロフォード”に注目していきたいと思った次第である。
 
カネロvsサンダース感想。カネロの凄さと大観衆の熱気に目を奪われた。同時にボクシングのしょーもなさも山ほど目の当たりにしたよね
 

序盤は左リード勝負。中盤、コンウェイがカウンター狙いに切り替えて以降、シソコが苦労するシーンが…

申し上げたように今回の試合は僕的にはなかなか楽しめたわけだが、同時にスレイマン・シソコが王者クラスと比較してどうかな? という部分も見えた試合だった。
 
この試合で僕が勝負を分けると思っていたのが中間距離での差し合い
両者ともに鋭い左リードの使い手で、どちらも前で勝負するタイプでもある。
恐らく序盤はこの左リードの差し合いが展開されるはずで、ここで自分の距離をキープできた方が有利になるだろうと。
 
僕のスレイマン・シソコ、カネロのアンダーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!! キーロン・コンウェイとの一戦、急遽決まったっぽいね
 
で、結果的にコンウェイはシソコの左リードに歯が立たず。
お互いに左が得意と言っても、遠い位置からまっすぐ伸びる左を打つシソコに対してコンウェイの左は若干射程が短い(シソコに比べて)。
また顔の位置があまり動かないため、毎回この左をモロにもらってしまう。高いガードで追撃を防いでいたものの、リード勝負では完全にシソコに上をいかれていた。
 
 
そして、左の差し合いではかなわないと判断したコンウェイが中盤からカウンター狙いに切り替えるわけだが……。
 
これ以降、シソコが苦労するシーンが目立ち始める。
 
シソコの初弾の左に対し、ワンテンポずらしてカウンターの左を返すコンウェイ。
もしくは左をガードした直後に追撃の右に合わせて打ち下ろし気味の右を放つ。
 
ガードを上げて距離を詰め、先にシソコに手を出させてカウンターで追撃を封じる流れ。
 
シソコとしては遠間から思いきりワンツーを打ちたいのだが、手を出すたびにコンウェイのカウンターが飛んでくるせいでなかなか連打がつながらない。
止むを得ず距離をとってサイドに動き、遠い間合いからのやり直しを強いられる。
 
クリーンヒットの数、各ラウンドごとのポイントはシソコが取っていたとは思うが、決して楽な試合ではない。大観衆の前でインパクトを残せたかと言えばかなり微妙なところ。
 
エルウィン・ソトに敗れた高山勝成よりも評価されるべきとは言ったが、実際に観客の心を掴んだのがどちらだったかは一目瞭然である。
 

王者クラスに対抗するにはバネが足りないんだろうな。誰を狙うにしても厳しいように思える。てか、全員アル・ヘイモン傘下か

要するにこれ系の選手としてはバネが足りないのだと思う。
 
繰り返しになるが、初弾の左リードはめちゃくちゃ鋭い。
相手の射程の半歩外で対峙する抜群の見切り、距離感もある。
 
だが、追撃の右を出すまでに一瞬の間ができる上に打ち終わりの復元力も低い。
相手のパンチをスウェイで避けた直後に間髪入れずにリターンを返す上体の柔軟性もない。
 
フロイド・メイウェザーやテレンス・クロフォードといったレジェンドクラスの選手は
「初弾の左(右)をヒット→相手のカウンターをスウェイで避ける→上体の反動を活かしてカウンターを返す」流れを得意とする。
 
特に相手のパンチを鼻先で避けた直後に上体のバネを発動して打ち込むリターンはめちゃくちゃ効果的。
2020年11月のテレンス・クロフォードvsケル・ブルック戦における前手の差し合いなどは、まさしくトップ選手同士の駆け引きと呼べるもの。今回の試合とは完全にレベルが違う。
 
鋭い左リードと見切りに加え、ああいうバネがあってこそのトップクラスということがよくわかる一戦だった。
 
クロフォードよ、お前がNo.1だ…。ケル・ブルックを4RTKOで沈める。見えない右キター♪───O(≧∇≦)O────♪
 
なお、現在この階級はチャーロ弟が3団体を独占し、先日パトリック・テシェイラを下したブライアン・カスターノがWBOに君臨する。さらにWBAの正規王者にはエリスランディ・ララが返り咲いている。
 
どの王座を狙うにしろ、今のシソコでは相当厳しいように思える。


まあ、そもそも全員アル・ヘイモン傘下なのでマッチルーム所属のスレイマン・シソコにはノーチャンスという噂もありますが……。
 
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