ルイス・ネリがフローイラン・サルダールをフルボッコに。階級下&知名度のある相手は得意よねw 井上尚弥vsネリ戦は相変わらず現実味がなくて…【結果・感想】

ルイス・ネリがフローイラン・サルダールをフルボッコに。階級下&知名度のある相手は得意よねw 井上尚弥vsネリ戦は相変わらず現実味がなくて…【結果・感想】

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2023年7月8日(日本時間9日)にメキシコ・メテペックで行われたS・バンタム級10回戦。WBC2位のルイス・ネリがフローイラン・サルダールと対戦し、3度のダウンを奪ったネリが2RTKOで勝利。通算戦績を35勝1敗27KOとした試合である。
 
 
WBCの時期挑戦権を持つルイス・ネリがフローイラン・サルダールと対戦した今回。
サルダールは比嘉大吾や井上拓真等、日本の有力選手との対戦も豊富。ただ以前はS・フライ級を主戦場としていたこともあり、直近4戦で1勝3敗と負けが先行している。
 
 
この日も立ち上がりこそ得意の右でネリを後退させたが、徐々にネリのパワーに押され気味に。
 
2Rにネリがペースを上げると、連打を抑えきれずに立て続けにダウンを奪われる。
そしてコーナー付近で3度目のダウンを喫したところでレフェリーが試合をストップする。
 
これでルイス・ネリは2022年10月のダビド・カルモナ戦から3連続KO勝利。タイトルマッチに向けてますます勢いづく一戦となった。
 
ピカソがンゲビンヤナにTKO勝利。アフリカ系選手の大味っぷり、引き出しの少なさ。亀田興毅のアフリカ視察、スカウトにはちょっと期待してる
 

ネリにとっては“おいしい”マッチメーク。サルダールはいい選手だけど、ネリの勝ち以外に想像しにくい

ルイス・ネリvsフローイラン・サルダール。
 
井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦の勝者との対戦を熱望するネリが迎えたこの試合。
対戦相手のフローイラン・サルダールは日本でもおなじみだが、もともとS・フライ級を主戦場とする選手でネリの前に立つにはやや役不足。完全にタイトルマッチに向けた調整試合と言えそうである。
 
僕はこの対戦を聞いたのが結構ギリギリだったのだが、正直ネリの勝利以外に考えられず。
申し上げたようにサルダールにとってのS・バンタム級は適正を大きく超えており、ネリの馬力をどうにかできる気はしない。
 
バンタム級の比嘉大吾に僅差判定負けなので少しは粘るかもしれないが、さすがに勝つまではいかない(と思う)。
前々回のダビド・カルモナ同様、ネリ陣営は階級下の“ちょうどいい”相手を調達してきたなぁと。
 
比嘉大吾、堤駿斗、森武蔵振り返り。割と強かったカルコシア、ちゃんと強かったジェミノとサルダール。比嘉のガッカリ感が尋常じゃない
 
マックジョー・アローヨ、ダビド・カルモナ、フローイラン・サルダール。
この辺の試合はネリにとっては階級下の適度な相手。知名度もそこそこでいわゆる“おいしい”マッチメークというヤツである。
 

右のフルスイングが持ち味のサルダール。井上拓真も比嘉大吾もあの右でダウンを奪われている

実際の試合についても、まあそうなるよなと。
 
リング上で対峙した両者は一見同じ体格に思えるが、よく見るとサルダールの腹回りにはかなり余裕がある。現地観戦した比嘉大吾戦と比べても明らかに緩い。
 
開始直後こそ顔面やボディに得意の右を打ち込んだが、踏み込みに合わせてネリが前に出始めてからは思ったような動きができなくなる。
 
 
今さらだが、サルダールの持ち味は右のフルスイング。
遠い位置から一足飛びで踏み込むと同時に打ち出す右である。
 
この右の当て勘が非常にいい上に先に左を見せたりサイドから打ち込んだりとそのつど変化をつけることも可能。
井上拓真や比嘉大吾も動きに慣れない序盤にこの右でダウンを奪われている。
 
今回もサルダールが勝機を見出すならそのパターンしかない。
ネリが動きに慣れない&体力満タンの時間帯に右のビッグパンチを当てる。逆にそれができない場合は勝つのはちょっと難しくなる(気がする)。
 
佐々木尽vs小原佳太→100点満点、阿部麗也vsキコマル→微妙、井上拓真vsリボリオ・ソリス→ダントツ最下位。天心、オラスクアガ、佐々木尽がこの日の功労者
 

ネリはサルダールの踏み込みに合わせて自らも前に出て強引に打ち合いに持ち込む。アレをやられるとサルダールは糞詰まりを起こすよね

ただ、2Rに入るとネリは自ら前に出てスペースを潰していく。
サルダールの踏み込みと同時に1歩踏み出し強引に打ち合いの展開に持ち込む。
 
サルダールはこれをやられると一気に厳しくなる。
得意のビッグパンチを打つにはある程度のスペースが必要。
だが、今回のネリのように“前”で勝負されるとそのスペースが奪われるためあっという間に糞詰まりを起こす。
 
これまでの相手(井上拓真戦、比嘉大吾戦)は動きに慣れられるまでは右一辺倒の攻撃が通用したが、残念ながらネリはそれを許してくれなかった。
 
 
そして当のルイス・ネリはトレーナーの変更が功を奏したか、ダビド・カルモナ戦あたりから取り戻しつつあるどう猛さでゴリゴリペースを引き寄せていく。
 
ルイス・ネリがよかった。この階級にフィットしてきた感がある。相変わらずの前半型で危なっかしいけど。ホバニシャンは初のKO負け
 
至近距離で両者のフルスイングが交錯し、パワフルさで上回るネリが次々にダウンを奪う。
1度目はややオープン気味な左、2度目は上から押さえつけるような連打で押し潰す。そして3度目も圧力に押されて下を向いたサルダールを上からタコ殴りにしてレフェリーストップを呼び込む。
 
正直、試合としては緻密さもクソもない。組み立てなどいっさい感じられない大味っぷりである。
階級下の相手にフィジカル差を見せつけただけというか。
 
とても打倒井上尚弥を語れるような内容ではなかったが、調整試合ということを加味すればOK? なのか?
比嘉大吾があれだけ苦戦した相手を寄せ付けなかったわけだしね。
 

井上尚弥vsルイス・ネリ戦にはいまいち現実味がない。私怨で日本から追放した分、逆に厄介な気が…

階級下ながらも強豪のフローイラン・サルダールに圧勝したルイス・ネリ。
試合後のインタビューで改めて井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦の勝者への挑戦を訴えたわけだが、いや、これはどうなんでしょうね。
 
以前にも申し上げたが、僕は井上尚弥vsルイス・ネリ戦にいまいち現実味を感じない。
 
 
現状、ルイス・ネリは日本での試合を禁じられている。
直接の原因は2018年3月の山中慎介戦での体重超過だが、ぶっちゃけあの処分は私怨に近い。
 
現に大幅な体重超過&カメラの前でコーラをがぶ飲みしたリボリオ・ソリスは普通に日本で試合をしているし、先日3kg近い体重超過をやらかしたジョシュア・フランコも(半永久的な)招聘禁止を食らったという話は聞かない。
その時点でルイス・ネリの処遇に整合性などない、一時の感情によるものなのは明らかである。
 
だが、逆にそれが物事をややこしくしている感が……。
 
ルール(規定)に従って機械的に処分を下すだけなら不適切な場合はあとから撤回できる。
ところが、怒りに任せて追放した選手を「時期がきたから」と簡単に許せるかは疑問。むしろメンツやファン感情に影響されて解除を拒否するパティーンもありそう……。
 
ルイス・ネリが代役カルモナから3度ダウンを奪ってTKO勝利。久しぶりのネリらしい試合。打倒フルトンにはまったくつながらないけど笑
 

海外での開催は所属の問題が…。犬猿の仲のPBCとトップランクが協力できるの?

だったら海外開催はどうよ? という話だが、今度は所属の問題が絡んでくる。
 
ルイス・ネリの所属するPBCと井上尚弥の所属するトップランクが犬猿の仲というのはよく聞く話で、今回の井上vsフルトン戦(フルトンはPBC)はあくまで日本開催だから実現したもの。
フルトン陣営と交渉したのは日本のプロモーターであり、トップランクのボブ・アラムはほぼノータッチである。
 
ところが海外(北米)開催の場合はPBCとトップランクの協力が必須となる。
 
そこで果たしてうまくいくのか?
スムーズに交渉がまとまるのか?
様式美のように決裂を繰り返すあいつらに任せてちゃんと実現できるのか? という話。
 
そもそもポール・バトラー戦で4億、フルトン戦で6億とも言われる井上のファイトマネーを賄えるの?
ドル箱スターの井上を海外のリングに渡すことにDocomoが納得するの?
 
などなど。
 
フルトンが勝てば問題ないが、井上が勝った場合は懸念材料が多すぎていまいちピンとこない。
正直ルイス・ネリが井上に勝てるとは思えないのだが、実際にはそれ以前の話だったりする。
 
ルイス・ネリvs井上尚弥戦を北米開催? どうせやるなら日本でいいじゃん。サム・グッドマンが井上への挑戦を希望。グッドマンじゃちょっと厳しそうな…
 

日本でやればドル箱カード間違いなし。儲け話の前ではすべてがふっ飛ぶかも笑

てか、井上尚弥vsルイス・ネリなんてどう考えても日本でやりたい試合ですからね。
キャパ15000人の有明アリーナ開催で10万以上の応募があったと大橋会長が自慢していた記憶があるが、井上vsネリ戦が決まればそれ以上になることは確実。
 
そんな儲け話が目の前に転がっているなら山中戦での恨みつらみなどあっという間に吹き飛ぶのではないか笑
 
諸々を加味すると、何だかんだで日本開催が一番有力かもしれませんね。
 
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