佐々木尽が星大翔に11RTKO勝利。コレジャナイ感、期待はずれのモタモタ。小原戦で見せたジャブがいっさい出ない、意味不明なスイッチその他【結果・感想】

佐々木尽が星大翔に11RTKO勝利。コレジャナイ感、期待はずれのモタモタ。小原戦で見せたジャブがいっさい出ない、意味不明なスイッチその他【結果・感想】

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2023年7月8日に東京・エスフォルタアリーナ八王子で行われたWBOアジア・パシフィックウェルター級タイトルマッチ。同級王者佐々木尽がランキング6位星大翔と対戦し、11R1分44秒TKO勝利で初防衛に成功した試合である。
 
 
今年4月に前日本王者小原佳太に衝撃的な3RTKO勝利を挙げた佐々木尽。
 
この日も豪快なKOが期待されたが……。
 
試合は序盤から両者が頭をつけて打ち合う展開。
佐々木のアッパーが星の顔面を何度も跳ね上げるが、星もボディ、フックとコンパクトなコンビネーションで対抗する。
 
だが中盤から佐々木の馬力、パンチの的確さが星を上回り始める。星も懸命に腕を振るが、ダメージが蓄積して徐々に攻め込まれる流れに。
 
そして11R。
ロープを背負った星が佐々木の連打を浴びたところでレフェリーが試合をストップ。
11R1分44秒、佐々木尽のTKO勝利が決定した。
 
ファン・カルロス・トーレスが好きすぎる。長濱陸に判定勝利。日本人が中量級で勝負するにはアジア圏での無双が最低条件?
 

問題なく佐々木尽が勝つと思っていた。星大翔はいい選手だけど、根本的なスピード差が…

佐々木尽vs星大翔。
 
今年4月にベテラン小原佳太を豪快にKOし、世代交代を見せつけた佐々木尽が地元八王子で防衛戦に挑んだ今回。
 
対戦相手の星大翔は戦績5勝2敗3分3KOの選手。「目標は世界」と公言する佐々木にとっては問題なくクリアしたい相手である。
 
僕もこの選手の過去の試合を観て「ああ、普通に佐々木尽がKOするんじゃねえか?」と思った。

パッと見、うまさがある上に耐久性も高そう。
接近戦での上体の柔軟性や微妙に角度を変えるポジショニング等、やりにくい相手という印象。
 
ただ、芯でパンチを食うシーンが多いのに加えて根本的にスピードが足りない。
相手を懐に入れないためのジャブも少ない。
 
これだと佐々木尽のジャブや踏み込みスピードには対応できないのではないか。
前手のジャブでタジタジにされ、どこかのタイミングでぶん回しのフックを側頭部にもらってダウンとか、そんな感じ。
 
ラウンドはわからないが、佐々木尽のKO勝利は固いように思えた。


僕としても、佐々木には前回同様目の覚めるようなスカ勝ちを期待している。
本人的にもこの相手にはインパクトのある勝ち方をしたいと考えているはず。
 

佐々木尽が微妙すぎた。小原戦の出来を考えれば普通に勝つだろうと思ったけど

ところが実際の試合は予想以上に長引いた末に佐々木尽の11RTKO勝利。
星大翔の柔軟性、接近戦でのうまさは過去の映像通りだったが、それ以上に佐々木尽が微妙すぎた
 
上述の通りこの試合は佐々木が圧倒すると思っていて、一番の理由が小原戦で見せたジャブ。
中間距離からやや遠い位置から打ち出すジャブは過去の佐々木尽にはなかったもの。そのジャブが小原のフットワークを封じる役割を果たした。
 
前手の左で小原を怯ませ、動きを止めたところで鋭く踏み込み得意のフックをドカン。
小原の強打でダウンを食うなど相変わらずの危なっかしさだったが、何だかんだで豪快なKOにこぎ着けたのはあのジャブあってのものだと思っている。
 
で、今回も佐々木のパンチ力や踏み込みスピードを考えれば問題はなさそう。
小原戦同様、前手のリードを駆使する展開さえ作れれば普通に勝つだろうと思った次第である。
 
佐々木尽vs小原佳太→100点満点、阿部麗也vsキコマル→微妙、井上拓真vsリボリオ・ソリス→ダントツ最下位。天心、オラスクアガ、佐々木尽がこの日の功労者
 

ジャブがまったく出ない佐々木。自ら接近戦を挑みにいくのも謎。最後まで続いた「コレジャナイ」感

だが、この日の佐々木はまったくと言っていいほどジャブが出ない。
それどころか、自ら前に出てわざわざ接近戦を挑んでいく。
 
近場でのアッパーは今回もよかったが、あれをやるのは中間距離での差し合いがある程度機能してから。
実際ロープを背負った局面でも星はピンピンしていたし、危ない角度、タイミングでボディをもらってもいた。
 
頭の位置を変えながら近づく工夫も感じられたが、そこに至るまでのプロセスがあまりに微妙。
 
接近戦ではむしろ星の方がよかったくらいで、打たれない位置に頭を持っていったり、身体全体でアングルを変えたりと実力の高さが垣間見えた。
 
 
1発の威力の差、精度の差を考えればどこかで佐々木が押し切るとは思ったが、最初から最後まで「コレジャナイ」感が漂っていたことをお伝えする。
 
本人的にも「ボクシング人生で一番よくなかった」とのこと。


そのコメントには100%同意である笑
 
マービン・エクスエルドって5Rトーナメントで優勝したマービンか! 尾川堅一とここまでやれるのはさすが。やっぱり短いラウンドの選手だよな
 

ジャブを出さずにスイッチしたり接近戦を挑んだり。え? それ意味あるの? それで「世界」とやらに通用するの?

マジな話、今回の佐々木尽にはだいぶガッカリさせられている。
 
前回の試合で見せた中間距離でのジャブ作戦を止める理由があるのか。
できもしないスイッチで遊ぶ余裕があるのか。
わざわざ自分から接近戦を挑む必要があったのか。
 
「いろいろ試している」「うまさが身についた」という意見も見かけたが、いや、それ必要か?
本人の言う「世界」とやらは付け焼き刃の左構えが通用するような場所なの?


むしろ小原戦のスタイルを洗練させていく方がよほど重要だと思うのだが。
 
クロフォードvsスペンス戦正式決定? 僕はここからの決裂もあると思ってるよw 勝敗予想はクロフォード:4、スペンス:3、交渉決裂:3くらい
 
申し上げたようにやるべきことをやっていたという意味では星大翔の方がよかった。
途中からどこかで星のカウンターが当たらねえかな? と思いながら観てたしね。
 
「【ボクシング】佐々木尽が11回TKO勝ちで2度目の防衛も「がっかりさせる内容だった」 試合後に左肩を負傷していたと明かす」

試合後に中屋廣隆チーフトレーナーが5月4日から22日まで米ネバダ州ラスベガスで行った合宿でのスパーリング中に、佐々木が左肩の靱帯(じんたい)を損傷していたことを明かした。

うん、まあそうでしょうね。
さすがにあの小原戦からここまで経験値がリセットされるのはどう考えてもおかしいので。
 
だからと言って擁護する気はまったくないが。
 
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