完敗の村田諒太に「引退してほしくない」理由。コイツの本音が聞きたいんだよな。ボクシング界どうこうじゃなく、てめえがどうしたいかの部分
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2018年10月20日(日本時間21日)に米・ネバダ州ラスベガスでロブ・ブラントに敗れ、王座から陥落した村田諒太。
23日に帰国した際には、報道陣に「今の段階で先のことは言えない」「周りの意見と自分の考えをすり合わせる」と返答。態度を保留している。
村田諒太、ラスベガスから帰国 進退は「まだ言えない」 https://t.co/UEqToj8y0N #スポーツ #スポーツ報知
— スポーツ報知 (@SportsHochi) 2018年10月23日
村田諒太が帰国 王座から陥落も「自分の実力」進退は「自分一人で決められることじゃない」 https://t.co/y33W4C6HUm
— スポニチアネックス (@sponichiannex) 2018年10月23日
現役続行なら日本でロブ・ブラントとの再戦が濃厚だが、今の段階では何とも言えない。試合内容では完敗を認めており、再戦を要求するような立場ではないとのこと。
ミドル級で五輪金メダリスト+世界王者という快挙を成し遂げた村田諒太。その進退に注目が集まる。
「鈴木悟という漢。元ボクシング日本ミドル級王者/元シュートボクシングS・ウェルター級王者。TAKE IT EASY.気楽にいこうぜ」
村田諒太の進退はどうなるんだろうね? ブラントのインタビューはなるほどと思ったよ
村田諒太が王座陥落してから約1週間。
各所で敗因や今後の展望などが語られる中、本人は1ヶ月をめどに進退に関する答えを出す予定とのこと。
僕の試合の感想としては、先日申し上げた通り。
ロブ・ブラントの戦術、研究の成果がばっちりハマった試合。
とにかく試合に向けての準備がすばらしく、ブラントという選手にめちゃくちゃ感動させられた。
負けた村田は残念だったが、今回はすべてにおいてブラントが上。
今後どうするかはわからないが、個人的にはこの経験を次につなげてもらいたい。
だいたいこんな感じである。
「村田はブラントに勝負師として負けてる。準備、経験、覚悟。すべての面でブラントが上回り完勝」
そして、下記の記事を読んで「ああ、やっぱりな」と思った次第である。
村田諒太攻略法を明かす新王者。不利なラウンドで勝利の手応えがあった #ボクシング #村田諒太 https://t.co/L9oSnovHpM
— スポーツナビ (@sportsnavi) 2018年10月27日
ブラントはこの試合に備えて2ヶ月前から現地入りしていたこと。
村田のプレッシャーに耐えるためにエロール・スペンスとのスパーリングを重ねていたこと。
とにかく手数を出して、村田の攻撃力を封じること。
12R通して動きを落とさないために、徹底した体力強化を図ったこと。
自らの長所短所と村田の長所短所を見極め、苦戦までを想定して練習を積んだ。
準備、経験、覚悟。
すべてにおいて、ブラントは村田よりも一枚上だった。
そのことがよくわかるインタビューである。
やたらと計算高く、スマートに振る舞う村田諒太。こういうスタンスはあまり好きじゃないかな
また、この敗戦によって「村田諒太みたいなヤツは負けちゃダメなんだろうな」というのもつくづく感じた。
僕は以前から、村田諒太に対して「世渡り上手なヤツ」「巨大な隠みのに守られながら声を張り上げるよね」などと言ってきた。
「カネロvsゴロフキン再戦感想。最強王者を真っ向勝負で上回ったカネロ。前回を超える感動的な試合」
アマチュアボクシングのゴタゴタに対する言及のタイミングや、禁止薬物の陽性反応が出たカネロへの罵倒など。
世論の流れと自らの立ち位置をしっかりと見定め、自分に絶対火の粉が降りかからないことを確認してから大声を張り上げる。
そのスタンスは決して間違いではないが、個人的にはいまいち好みじゃない。
あまりにスマートすぎて乗れないというか。
もっとこう、「自分、不器用ですから」みたいな部分もあればいいよね。みたいな。
今回の試合前にも、
Murata: I'd Like To Fight Canelo – But Without The Mexican Beef! https://t.co/FfWuoxXlBb pic.twitter.com/4Oy9zUEqxQ
— BoxingScene.com (@boxingscene) 2018年10月19日
「カネロとの試合は実現したい。でも、メキシコの肉抜きでね。HAHAHA!!」
自分を売り込むためだとは思うが、ちょっと調子に乗りすぎたなと。
個人的には「ええやん、別に」なのだが、さすがに自らフラグを立てすぎなのではないか。
カネロの視界に入るためにブラックジョークを飛ばすのは悪くないが、勝ってから言った方がええんちゃうか? 仮に負けたら全部自分にカウンターが飛んでくるぞ?
「ジョシュ・テイラー出陣。ライアン・マーティンとの無敗対決。vsプログレイス戦実現に向けてがんがれテイラー」
普段、スポーツ選手の人間性にはあまり興味がわかないのだが、村田に関しては軽く許容範囲を超えてたかなと。
村田陥落後の評価の手のひら返しが凄まじい。やっぱり村田みたいなタイプは絶対に負けちゃダメなんだよ
そして、ブラントに完敗を喫したあとは案の定。
「村田はもともと大したことがないことはわかっていた」「負けるとしたらこういう負け方だろうと思っていた」「底が見えた」論者が大量発生し、一気に「村田=マッチメークの妙で作られた偽物王者」に転落するという。
しかも「こんな負け方をするなら、もう引退した方がいい」「潮時だね」という意見も噴出する有様。
「テテがアロイヤンに快勝! テテがよかったよね。この対応力は予想してなかった。何をIQ高い感じ出してんだよお前ww」
いや、それマジで言ってんのか?
確かにブラントはいい選手だし、村田を苦戦させる要素も持ち合わせていた。
予想記事でも申し上げたが、僕も十分苦戦もあり得るぞ? と思っていた。
「村田諒太がやっぱりロブ・ブラント戦。ラスベガスで2度目の防衛戦はビッグマッチへの足掛かり? 結構いい試合になりそうな…」
ただ、さすがに負けはないだろうと。
序盤は多少手間取るかもしれないが、何だかんだで村田が圧力と物量でねじ伏せて勝つんちゃうの?
だいたい10、11RくらいにはKOしてくれればいいよね。
それがまさか、あそこまでの手数で応戦してくるとは。
しかも、それを12R貫き通す体力と気力。
ブラントのあの試合運びを見せられた上で、「俺はもともとわかってた」などとのたまう勇気は僕にはちょっと持てない。
ブラントと村田の相性云々もわからんでもないが、過去の試合を観る限り、ブラントがあれだけ手数を出して動き続けたことはない。
実際、先ほどのインタビュー記事でもブラント本人が自分のパンチ数に驚いたと言っている。
それくらいこの試合のブラントは村田対策を徹底していたわけで、「相性」などという言葉で片付けていいほど軽いものでもないと思うのだが。
「ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニーがロドリゲスを追い詰める」
要は、村田諒太のようなタイプは絶対に負けたらダメなのだろうなと。
以前、散々言いたい放題やりたい放題だった亀田兄弟が、内藤大助に負けた途端に世間から大バッシングを浴びたのと同様(同様まではいかないけど)、村田諒太のような勝ちキャラは勝ち続けることが至上命題。
負けた途端に過去の発言や態度をほじくり返され、一気にバッシングのネタにされる。
「亀海喜寛引退。先入観、常識に立ち向かった男の偉大さ。日本人が中量級以上で通用しない? 冗談も休み休み言えよw」
正直、僕も「おいおい、あれだけカネロをコケにしておいて、ブラントに負けてどうするよ」とは思ったが、「村田は大したことないことを知っていた」論者が増えたことで、一気にどうでもよくなってしまった。
というより、逆に村田を応援する気持ちが高まっているというねww
「村田がんばれ」
「こんな言われ放題のままでいいのか」
ここで辞めていいわけないだろ村田諒太。てか、僕はこの選手の本音の部分が見たいんだよな
マジな話、村田はここで引退しては絶対にダメだと思う。
「村田諒太現役続行!! そうだよ村田、アレで終わっていいわけがないw JUST DO IT.ガタガタ言ってる場合じゃねえw」
トップランクのボブ・アラムも日本での再戦にノリノリのようだし、村田の国内での商品価値はまったく落ちていない。
ゴロフキンやカネロとのビッグビジネス計画はいったん頓挫だが、村田諒太というブランドで大儲けできるチャンスはまだまだ残っている。
この記事にもあるように、多くの大人の事情や思惑というのもあるのだと思う。
完敗で王座陥落の村田諒太 「引退出来ない」これだけの理由#ボクシング #ラスベガス #村田諒太 https://t.co/vipOzBZRKh
— J-CASTニュース (@jcast_news) 2018年10月22日
ただ、個人的にはそんなことはどうでもいい。
要するに、村田自身がどうしたいか。
そこの本音の部分を聞きたい。
「多くの方のサポート」
「背負っているものが多すぎる」
「周りと考えをすり合わせて」
「ボクサーのファイトマネーが〜」
「ボクシング界の将来性が〜」
いや、そうじゃねえだろと。
人の目ばっかり気にしてカッコつけてる暇ちゃうぞと。
もっとこう、てめえがどうしたいのかを素直に言えばいいじゃねえかと。
「井上尚弥がワンパンKO。パヤノを瞬殺ってマジっすかw ロドリゲスだ? いくらでもかかってこいよだね」
よく村田に対して「聖人君子」「人間性がいい」と絶賛する声を聞くのだが、はっきり言って僕はこれまで村田の人間的な部分を見たことは一度もない。
常に周囲に目を配り、計算して言葉を選ぶ。
この言葉によってどんな影響が出るか。
今の自分の立場で、どう振る舞えばいいか。
自らを俯瞰して最適解を見据えた上で、細心の注意を払ってゆっくり踏み出す周到さ。
実際、この人が剥き出しの人間性を見せたことなど、一度でもあったか?
あえて言うならヌジカムに勝利した瞬間の涙だが、それもすぐに「泣いてません」のネタでかき消した。
「村田再戦で勝利!! 絶不調のエンダム(ヌジカム)にTKO勝ちでミドル級戴冠。疑惑の判定から因縁に終止符を打つ」
違うんだよな。
立場や周囲の支え云々はわかるけど、少しくらい我を出したっていいじゃねえかと。
ボクシングやってるヤツなんて、結局「強いんだ星人」であるべきじゃないの?
ましてや五輪で金メダルを取っちゃうくらいの選手なんて、自分が一番じゃないと我慢ならないんじゃないの?
「ドネアvsバーネット感想。ロマンを捨てて実を取ったドネアと背中痛で棄権のバーネット。ここからだったのに」
同じ階級に自分より強いヤツがいるのがムカつく。
ロブ・ブラントに負けたままで終わるなんてムカつく。
だから続ける。
そういう単純な思考に従えばいいと思うんだけどな。ここから先は。
「きたぜ亀田和毅。アビゲイル・メディナと暫定世界戦決定。予想は7:3くらいで有利かな? 「2階級制覇をかけて~」でいいの?」
「夢を見せてくれてありがとうだ?」
「いや、うるせえよ」
「俺は俺のやりたいようにやる」
「だから、応援したいなら好きにしろよ」
「戦う哲学者」でも「求道者」でも何でもいいけどさ。
その前にファイターであってもらいたいよね。
それが、僕が村田諒太に「引退してほしくない」理由かな。
いや、知らんけど。
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