2020年の田中将大はちょっと期待していいかも? ストレートの球速が92マイル付近にボーダーラインがあるんだろうな。まあ、もうすぐシーズンが終わるんですけどねw

2020年の田中将大はちょっと期待していいかも? ストレートの球速が92マイル付近にボーダーラインがあるんだろうな。まあ、もうすぐシーズンが終わるんですけどねw

大リーグ、ニューヨーク・ヤンキースの田中将大が2020年8月26日(日本時間27日)、サントラスト・パークで行われたアトランタ・ブレーブス戦に先発。5回66球を投げて3安打4奪三振無失点の好投を見せた。
 
 
前回のレイズ戦では4回8安打6失点と打ち込まれ、今季初黒星を喫した田中。だが、この日はナ・リーグ東地区首位を走るブレーブス相手に散発3安打、走者を背負う場面でも得点を許さず。
 
降板後にチームが逆転を許して初勝利はならなかったものの、この日の好投で防御率を3.48と良化させている。
 

なかなか順調な滑り出し。ストレートの伸び、球速ともにかなりいいと思う

キャンプ中に打球が頭部を直撃した影響で調整が大幅に遅れていた田中将大。
現地時間8月1日に初登板を果たし、その後は0勝1敗ながらも防御率3.48、WHIP1.16と安定した投球が続いている。
 
また、今季からフォームをワインドアップに変え、ルーキー時代のダイナミックさが戻っているのも見どころの一つ。60試合という変則シーズンによりすでに後半戦に突入したMLBだが、ここから先のパフォーマンスにも注目である。
 
などと言っているが、僕自身田中マー君の試合を観たのはこの日が初めて
前回登板まではざっと流して観る程度で、細かい内容にはあまり注視してこなかった。
 
ただ、今年はそこそこいい投球が続いているとのことで、じゃあちゃんと観てみますかと思った次第である。
 
 
結論から申し上げると、今年の田中将大はなかなかいいと思う。
来月には終了してしまう超変則日程なのでアレだが、プレーオフを含めて割と活躍が期待できるのではないか。
 
そもそもヤンキースがプレーオフに進出できるかも未確定なのだが、それはそれとして。
 
 
まず今年の田中の何がいいかというと、ストレートの球速が出ていること。
 
1、2戦目の投球を一通り観たが、92、93マイル前後のストレートが高めにグイっと伸びてくる感じ。フォームをワインドアップにした影響なのか、短縮シーズンのおかげで配分が必要ないせいかは不明だが、これはなかなか順調な滑り出しである。
 
マエケンやっぱり今年はいいな。今回も悪いなりに80~90球で乗り切るクオリティをキープしたし。って、MLBって来月で終わんの!?
 

実は隔年タイプの田中マー君。その流れでいくと今シーズンは“当たり年”のはず?

毎年安定した成績を残し続けることが田中マー君の最大の持ち味だが、その中でもこの選手は実は隔年タイプだったりする。
 
・日本時代
2007:11勝7敗 3.82
2008:9勝7敗1S 3.49
2009:15勝6敗1S 2.33
2010:11勝6敗 2.50
2011:19勝5敗 1.27
2012:10勝4敗 1.87
2013:24勝0敗1S 1.27
 
・米国時代
2014:13勝5敗 2.77
2015:12勝7敗 3.51
2016:14勝4敗 3.07
2017:13勝12敗 4.74
2018:12勝6敗 3.75
2019:11勝9敗 4.45
 
日本時代の2008年を除き、すべてのシーズンで二けた勝利以上という安定感は文句なしに凄まじい。だが、改めて振り返ると活躍した翌年に軒並み成績を落としていることがわかる。
 
そして、その流れでいくと今年は成績が良化するシーズンに相当するわけだが……。
 

2018年からツーシームの割合が激減している。田中マー君も「フライボール革命」の犠牲者だったよね

隔年で成績の浮き沈みが起きる最大の要因はやはり疲労だとは思うが、それを踏まえてここからは細かいスタッツを見ていくことにする。
 
・球種配分(%)
●2014
ストレート:22.7
カッター:2.2
スプリット:24.3
ツーシーム:23.6
スライダー:21.6
カーブ:5.7
 
●2015
ストレート:20.1
カッター:9.7
スプリット:28.2
ツーシーム:14.0
スライダー:21.0
カーブ:7.0
 
●2016
ストレート:6.5
カッター:8.9
スプリット:29.9
ツーシーム:21.5
スライダー:27.7
カーブ:5.5
 
●2017
ストレート:14.9
カッター:4.9
スプリット:25.0
ツーシーム:17.3
スライダー:32.2
カーブ:5.9
 
●2018
ストレート:22.4
カッター:4.0
スプリット:31.2
ツーシーム:5.3
スライダー:33.1
カーブ:4.0
 
●2019
ストレート:27.2
カッター:1.5
スプリット:26.9
ツーシーム:4.5
スライダー:36.7
カーブ:3.3
 
●2020
ストレート:32.3
スプリット:28.1
スライダー:35.1
カーブ:4.5
 
上記の球種配分を見て気づくのが、2017年から2018年にかけてツーシームの割合が激減していること。
もともと田中マー君はツーシーム系が多いピッチャーで、中でも2016年はそれが顕著。いわゆる“きれいなフォーシーム”の割合が全体の6.5%という少なさである。
 
この年に14勝4敗、防御率3.07の好成績を残し、いよいよサイヤング賞を狙えるか? という期待感を持って迎えた2017年。
だが、結果は13勝12敗、防御率4.74というメジャー移籍後ワーストの負け数と防御率を記録してしまう。
 
2017年と言えば、ちょうどメジャーリーグで「フライボール革命」が起きた年に当たる。
ゴロの打球よりもフライの方が得点効率がいいというデータが示され、多くの打者がアッパースイングを意識し始めたことで一気にホームランが量産される。
ホームランの出やすい打球角度やスイングスピードなども詳しく数値化され、リーグ全体で“ホームランor三振”という二者択一の状況が生まれた年である。
 
そして、この「フライボール革命」でもっとも影響を受けたのが、“動く球”を軸とするツーシーマーの面々。
田中マー君も例外ではなく、被打率は前年の.236(対右.235 対左.237)から.257(対右.261 対左.252)と大幅に悪化してしまった。
 
中でもやや内側に食い込みながら沈むツーシームの軌道は右打者のアッパースイングと非常に合いやすい。対右の被打率.235→.261、被本塁打11本→19本という結果はなかなかの惨状である。
 
 
それを受けて、2018年からは投球内容を大きく変えている。ツーシームの割合を5.3%まで減らし、ストレート(22.4%)、スプリット(31.2%)、スライダー(33.1%)の3球種を中心とした組み立て。その結果、12勝6敗 防御率3.75まで成績を良化させることに成功した。
 
前田健太がノーノー未遂。すげえなマエケン。今年はいいと思ってたけど、まさかここまでとは。めちゃくちゃワクワクしたわ。なお勝ち星
 
2020年に至っては、ここまでツーシーム、カッターを1球も投げていない(データ上は)。
 
先日、今シーズン開幕4連勝と好調をキープするツインズのマエケンがストレートを見せ球にスライダーとチェンジアップを両サイドに投げ分ける投球で躍動していると申し上げたが、田中マー君は2018年時点でその投球パターンにたどり着いていたことがわかる。
 
自身の生命線となっていたツーシームをあっさり捨て、信頼のおける球種(スライダー、スプリット)に全振りする。こういう切り替えの早さも弱肉強食のメジャーで生き残るためには必要不可欠な素養なのだろうと。
 
MLB日本人選手振り返り。上り調子の秋山翔吾と相変わらずの筒香。山口俊、田中マー君、マエケン、ダルビッシュ有
 

ストレートの平均球速が上がり、スプリットは過去最高の変化量。マジで期待していいシーズンかもしれませんね

そして、上記の3球種の平均球速が下記。
 
・ストレート平均球速(マイル)
2014:92.8
2015:92.9
2016:91.9
2017:92.9
2018:92.2
2019:91.7
2020:92.7
 
・スプリット平均球速(マイル)
2014:87.3
2015:88.1
2016:86.9
2017:87.7
2018:87.2
2019:87.0
2020:87.3
 
・スライダー平均球速(マイル)
2014:84.0
2015:84.5
2016:84.4
2017:84.7
2018:83.7
2019:83.4
2020:84.1
 
これらを見てわかるのが、2018年と2019年の球速の違いである。
 
2018年はストレートの平均球速が92.2マイル(約148.4km)なのに対し、2019年は91.7マイル(約147.6km)。それに伴いスプリットとスライダーの球速も落ち、成績も一気に悪化した。
 
だが今シーズンはストレートの平均球速が92.7マイル(約149.2km)と、前年に比べて約1.6kmほどアップしている。と同時に、その他の2球種も軒並みスピードアップを果たしている状況。
 
最初に「ストレートが高めにグイっと伸びている」と申し上げたが、スタッツの上でもそれがはっきりと表れている。ここまでの好調っぷりも納得の数値である。
 
何となくだが、田中マー君の好不調を示すボーダーラインはストレートの平均球速が92マイル付近にある気がする。
 
 
さらに言うと、スプリットに関しては2019年の87.0マイル(約140km)から2020年は97.3マイル(約140.5km)とスピード自体はそこまで変わらない。だが、被打率は.276→.192と大幅な良化が見られる。
 
この要因は恐らく変化量の違い。
 
・スプリットの平均縦変化
2019:-7.55インチ(約-19.2ミリ)
2020:-7.82インチ(約-19.9ミリ)
 
・スプリットの平均横変化
2019:3.07インチ(約7.8ミリ)
2020:4.77インチ(約12.1ミリ)
 
2019年と2020年で縦変化は約0.7ミリの違いだが、横変化は約4.3mmも大きい。
 
年間成績をざっと見たところ、どうやら2020年のマー君のスプリットはメジャー移籍後で一番の変化量。つまり、今年の田中マー君のスプリットはこれまでよりも“速く鋭く”落ちていることを意味する。
 
もちろんサンプルが少ないのでまだまだわからないが、今のところもっともバランスが取れた状態と言えそうである。
 
正確にはマー君のスプリットは2種類あり、80マイル後半で小さく落ちるものと83、84マイル前後で大きく落とすものを状況に応じて使い分けているのだが。
 
2020年阪神雑感。藤浪晋太郎、髙橋遥人、スアレス、サンズ、大山、ボーア、福留、陽川、藤川その他。かなりバランスのいい編成だった
 
繰り返しになるが、今シーズンの田中マー君はなかなかいい。
 
サイヤング級の投球を続けるダルビッシュ有や首脳陣の信頼を得てポテンシャルを発揮し続けるマエケンと並び、期待を持てる年になるかもしれない。
 
まあ、あと1か月で終わるんですけどね!!
 

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