田中マー君、今回もいい感じ。6回3安打2失点でようやく初勝利。ダルビッシュ、マエケン、山口もよかった。でも打者が…【2020.9.2感想】

田中マー君、今回もいい感じ。6回3安打2失点でようやく初勝利。ダルビッシュ、マエケン、山口もよかった。でも打者が…【2020.9.2感想】

残り約1か月となった2020年のMLBレギュラーシーズン。
ここまで日本人選手の試合をざっと眺めているが、投手陣の立て直しっぷりはさすがだなという感想である。
 
ツインズの前田健太がシーズン開始直後から躍動し、サイヤング賞級のピッチングを続けるカブスのダルビッシュ有は8月の月間MVPを獲得。
キャンプで頭部に打球を受けて出遅れていたヤンキースの田中将大も先日ようやく初勝利を挙げ、MLB移籍後7年連続勝利を達成した。
 
また、初登板からいきなり2連敗を喫して獲得失敗の烙印を押されたブルージェイズの山口俊も、徐々に調子を上げて8月は6試合で防御率1.54の好成績。決め球のスプリットを効果的に使いながらロングリリーフの役割をこなしている。
 
 
一方、野手陣は壊滅的な状況が続く。
今シーズンからMLBに移籍したタンパベイ・レイズの筒香、シンシナティ・レッズの秋山はともに打率1割台後半、今シーズンは打者に専念することが決まったロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平も同じく1割台後半となかなか調子が上がらない。
 
もともと調整期間が短く、マイナーも中止になってしまった2020年。ほとんど準備もできないままぶっつけ本番で結果を求められるのは酷だが、そうも言っていられない。特にMLB初年度の筒香と秋山は早急に環境に慣れることが重要に思える。
 
 
そんな感じで、今回は日本人各選手の直近の試合を観た感想を述べていくことにする。
 
MLBもうシーズン終わるってさw 日本人選手ラスト振り返り。マエケン、田中マー君、最強のダルビッシュ有。秋山翔吾と筒香
 

日本人投手陣感想(2020年9月3日時点)

超変則シーズンにも関わらず、ここにきてきっちり調子を合わせてきた日本人投手たち。
来年以降、MLB挑戦を目指すNPBの投手にも好影響を与えるかもしれない。
 

田中将大(ヤンキース)

vsレイズ
6回、88球、被安打3、奪三振7、四死球2、失点2、自責点2
1勝1敗0S
 
 
先日「今シーズンの田中マー君は結構期待できる」と申し上げたばかりだが、やはり今年のマー君は調子がよさそう
 
2020年の田中将大はちょっと期待していいかも? ストレートの球速が92マイル付近にボーダーラインがあるんだろうな
 
この日はスプリットよりもスライダーの精度が高く、特に左打者の膝元に食い込む85、86マイル前後のスライダーがめちゃくちゃ効果的だった。ストレートの球速もアベレージで93マイル前後出ていたし、この球威があれば必然的に他の球種のキレも増す。
 
フォームをワインドアップに戻したせいなのか、短縮シーズン+球数制限のおかげで配分が必要ないからなのか、単にコンディションがいいのか。理由は定かではないが、とにかくここまでは上出来と言える。
 

前田健太(ツインズ)

vsタイガース
6回、91球、被安打6、奪三振8、四死球0、失点3、自責点3
4勝1敗0S
 
 
続いて「今シーズンはいい」と再三申し上げているツインズのマエケン。
この日はスライダーが不調で2本塁打を含む計6安打を許したものの、得意のチェンジアップを駆使して8奪三振を奪う好投。3失点で敗戦投手にはなったが、それでも文句なしのQSである。
 
ただまあ、8月19日のブリュワーズ戦でのノーノー未遂以降、全体的に少し球威が落ちているのは気になるところ。この日も60球を超えたあたりで微妙にへばっていたし、開幕から飛ばしてきたツケが徐々にきているのかなと。
 
前田健太がノーノー未遂。すげえなマエケン。今年はいいと思ってたけど、まさかここまでとは。めちゃくちゃワクワクしたわ。なお勝ち星
 
あと1か月でどれだけコンディションを維持できるかに注目である。
 

ダルビッシュ有(カブス)

vsレッズ
6回、104球、被安打7、奪三振8、四死球2、失点0、自責点0
6勝1敗0S
 
 
そして、8月に5戦5勝 防御率1.09の成績を挙げてMLB移籍後初の月間MVPを獲得したダルビッシュ有について。
 
先日の記事で、
「このピッチャーは投げている球は凄まじい」
「才能だけなら歴代日本人No.1」
「サイヤング賞にもっとも近い日本人投手と言われるだけある」
 
「だが、再現性が低く不安定」
「そのせいでもう一歩突き抜けられない」
と申し上げたばかり。
 
能力には文句のつけようがないが、若干不器用な部分が目立つせいで毎回「投げてる球はすごい」で終わる。
 
などと思っていたが、今年はすごい。冗談抜きですごい
 
マエケンや田中マー君に対する「今年はそこそこ期待できる」といったレベルよりも明らかに一段上。大谷翔平がMLB初年度に見せたアトラクション的な「すごい」とも一線を画す。
 
初登板以降、完全にMLBの頂点を極めるのでは? というピッチングを続けている。
 
いや〜、惜しい。
マジで惜しい。
まともなシーズンであれば、今年の出来なら本当にサイヤング賞を狙えたかもしれないのに。
 
 
なお、相変わらず投球間隔が長く球数も多いため、試合途中で強烈な睡魔に襲われるのは変わらない模様。
 

山口俊(ブルージェイズ)

vsマーリンズ
2回2/3、30球、被安打3、奪三振3、四死球1、失点1、自責点1
1勝3敗0S
 
 
4人目はブルージェイズの山口俊。
この選手はデビュー戦から2日連続で延長タイブレークの場面で登板し、いずれも黒星を喫したことで地元メディアから獲得失敗の烙印を押された経緯がある。
 
だがそれ以降はしっかり立て直して前回のレッドソックス戦では4回2安打1失点で初勝利を挙げている。
この日もホームランの1失点が決勝点となって負け投手にはなったが、それ以外は粘り強いピッチングでロングリリーフの役割をまっとうしてみせた。
 
 
山口俊に関しては、初回登板を観た際に「かなりヤバい」「早急にMLBに慣れる必要がある」と申し上げている。
 
投手大谷翔平が酷い。世界最高峰のリーグでスターターを務めていいレベルではない。MLB開幕日本人投手登板振り返り
 
なぜか決め球のスプリットをまったく投げず、145km前後のストレートとそこそこのスライダーの2ピッチで挑んだ結果、案の定どうにもならずに敗戦投手に。
 
ただ、2度目の登板ではスプリットも解禁。黒星はついたものの投げている球自体は悪くない。
そして、それ以降はMLBの打者にも普通に通用している。慣れない回跨ぎながらもここまでできるのであれば、そのうち序列も上がるのではないか。
 
何だかんだで山口俊はそれなりに思い入れがある選手なので、今後もがんばってもらいたいと思っている。
 

日本人野手陣感想(2020年9月3日時点)

こちらは活躍を続ける投手陣とは真逆。
調整期間の少ない中で結果を求められ、どの選手もうまく対応できているとは言い難い。
 
広島カープの鈴木誠也や巨人ジャイアンツの岡本和真など。いずれMLBの舞台で観てみたい選手は日本にも何人かいるが、今の流れは決していいとは言えなそうである。
 

大谷翔平(エンゼルス)

29試合 打率.185 本塁打5 打点18 安打20 盗塁5
 
 
まずは今シーズン、野手に専念することが決まった大谷翔平。
 
だが、2020年の打者大谷ははっきり言ってかなりヤバい
 
球速93マイル以上のストレートにことごとく振り遅れ、左ピッチャーにはまったく合わない。
 
対右の打率が.216なのに対し、対左は驚異の.118。
そこそこの左を当てておけば安パイの与し易しな打者に成り下がってしまっている。それこそ打率2割にも満たないDHなど、チームにとっては足枷にしかならない。
 
調整期間が短かったせいもあるとは思うが、何とも使い勝手の悪い選手になってしまったなぁと。


だが、ここ数試合でやや上向きになっている気はする。
 
これまで振り遅れていたストレートにも身体が反応していたし、球の見極めもできてフォアボールも選べている。
何とかドン底の状況は抜け出したと言っていいのではないか。
 
劇的な改善とはいかないかもしれないが、ここからぼちぼち状態が上がってくることを期待する。
 

筒香嘉智(レイズ)

30試合 打率.191 本塁打5 打点17 安打17 盗塁0
 
 
長年DeNAベイスターズの主砲として君臨し、満を辞して海を渡った筒香。だが、ここまでは打率2割弱、ホームラン5本(1位はアリーグ、ナ・リーグともに13本)と苦戦が続いている。
 
この選手は日本時代から速球への対応に課題があると言われていて、MLB挑戦の際もそこが懸念されていた。
 
そして、下記の記事によるとその課題がモロに出ているとのこと。


実際の試合を観ても納得のいくシーンは多い。低めの変化球を柔らかいスイングで拾ったりと随所で対応力の高さは感じさせるが、ストレートの球速が92、93マイルを超えると途端に厳しくなる印象。
 
 
まあ、もともと筒香に関してはある程度時間がかかるとは思ってはいたが。
日本時代もMLB挑戦を見越して毎年打撃フォームを変えていたものの、結局速いストレートへの対応は物足りないまま。
 
平均球速が5kmほどアップするMLBでは慣れるまでに時間を要するのは必然で、そこにコロナ禍が重なる不運である。
この状況で初年度から結果を求められるというのは若干酷ではあるなと。
 
藤川球児、福留孝介、能見篤史、糸井嘉男。阪神コア4の行く末? 引退? 2020年のパフォーマンスを振り返る
 

秋山翔吾(レッズ)

33試合 打率.196 本塁打0 打点4 安打19 盗塁3
 
 
そして、大谷翔平や筒香嘉智よりもさらに深刻(だと思う)なのが、レッズの秋山翔吾である。
 
俊足巧打の一番打者タイプなのに、ここまでの打率は2割未満。しかも先日、レッズは交換トレードでエンゼルスから外野手のブライアン・グッドウィン獲得し、今後は秋山と競わせる意向とのこと。
 
 
大谷や筒香のようなホームランもなく、ポジションも外野の秋山が打率2割未満なのは率直に申し上げてかなりキツい。
 
下記の記事によると打球がなかなか上がらないことに苦しんでいるらしいが、マジでそんな感じ。
 
「レッズ秋山3の0「打球上がらないと」試行錯誤続く」
 
現時点でのGB/FB(ゴロ/フライ比率)は対左が1.50で対右が2.53。
歴代のグランドボールピッチャーのGB/FBが概ね1.50前後であることを考えると、秋山の打球がいかに上がっていないかは一目瞭然である。特に対戦数の多い対右が2.53というのは壊滅的と言える。
 
ちなみにレイズの筒香は対左が0.80、対右が1.09。それなりに打球が上がっていることがわかる。
 
 
正直、秋山翔吾のMLB初年度はどうなるかがまったく読めなかったのだが、試合を観ると「確かに」と思うことは多い。
 
93マイル以上の速球にどん詰まりにされ、高速で沈む変化球についていけない。
筒香が低めの球をすくい上げて内野の頭を超えているのに対し、秋山は泳がされてゴロというシーンが目立つ。
 
日本時代の2019年は打率.303、本塁打20と確実性とパワーを両立できていたが、恐らくMLBの舞台では完全に“非力”の側なのだろうと。
 
イチローは振り子打法を止めて長打を捨て、スピードと技で勝負し結果を残した。
大谷翔平は三振覚悟の長打狙いにパラメータを振り切っている。
青木宣親は毎年のように打撃フォームを改造して対応力を高めた。
 
秋山翔吾もここから試行錯誤を続けてどうなるか? といったところか。
 
西岡剛になるか、岩村明憲になれるか。
来年以降、MLBを目指す同タイプの日本人野手(日ハム西川遥輝とか?)のためにも、秋山翔吾の責任はそれなりに重い。
 

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