山本由伸、今永昇太、上沢直之。2024年にMLBに移籍予定のピッチャーの成績を予想してみる。番外編として山﨑康晃も

山本由伸、今永昇太、上沢直之。2024年にMLBに移籍予定のピッチャーの成績を予想してみる。番外編として山﨑康晃も

阪神タイガースの38年ぶりの日本一で幕を閉じたプロ野球2023年シーズン。
オフに入り移籍や戦力外の情報がいろいろと出てきているわけだが、僕がもっとも興味があるのはMLB移籍が噂される選手の動向である。
 
具体的にはオリックスの山本由伸、横浜DeNAの今永昇太、日本ハムの上沢直之の3人。
全員ポスティングでMLB移籍を目指すとのことで、今後も所属球団や契約金等の情報を追いかける予定である。
 
山本由伸、今永昇太、上沢直之のオープン戦を観た感想。山本、今永は通用する。上沢は厳しいかも? よくも悪くもNPB基準
 
というわけで、今回はこの3人がMLBでどの程度通用するかを考えてみる。
もちろん適当な予想なので外れても責任を取る気はいっさいない笑
 
 
ちなみに楽天の松井裕樹も海外FA権行使を表明したが、あの選手には興味がないのでスルーさせていただく。
 

山本由伸

まずはオリックスの山本由伸について。
 
2020年シーズンから3年連続投手4冠、3年連続沢村賞受賞に加え、先日の日本シリーズ第6戦での138球完投勝利は感動的ですらあった。
 
オリックスファンではない僕でも山本の渡米には期待せざるを得ない笑
 
 
ただ、実を言うと“ボチボチ”の成績に収まりそうな気もしている。
 
日本一のピッチャーが海を渡るのだから求められるのは当然エース級の働き。できれば1年目からサイヤング賞クラス、もしくはそれに準ずる活躍が期待される(と思う)。
 
だが、案外そこまでではないかも?
「う~ん」という数字が残るかも? と思ったり、思わなかったり。
 
一番の理由は今年3月に行われたWBCでの登板(メキシコ戦)である。
その際、MLB基準での馬力のなさを感じた。
 
侍ジャパンがメキシコにサヨナラ勝ち。不調の村上宗隆が守護神を打ち崩す。終盤の逆転力、日本は世界一ドラマチックなチーム
 
2023年のまっすぐの平均球速が153kmとのことだが、率直に申し上げて数字ほどの威力は感じない。
その証拠にメキシコの各打者は押されることなく楽々と打ち返してきた。
 
日本ではフォークとのコンビネーションで無双できていたが、彼らは山本のまっすぐをまったく怖がらなかった印象である。
 
またフォークはどちらかと言えばシュート気味に落ちる軌道で、平野佳寿や澤村拓一のように真下にカクっと落ちる球とはちょっと違う。イメージとしては2シームに近いのではないか。
 
そして、この軌道だとMLBの打者にはついてこられる気がする。
 
 
メッツの千賀滉大がMLB1年目で12勝7敗、防御率2.98の好成績を残したが、山本がここまでの数字を残せるか? と言うと……。
 
千賀は大谷翔平やダルビッシュ有に次ぐ日本人トップクラスのスペックの持ち主。
160kmに迫るまっすぐ、同じ軌道からストンと落ちる“お化けフォーク”のコンビネーションはガチでとんでもない。
 
下記の通りオープン戦の時点で「ああ、これは大丈夫だわ」となったことを覚えている。
 
藤浪晋太郎、千賀滉大、前田健太。注目選手3人の初登板感想。いつも通りの藤浪、問題なく通用する千賀、本気で期待したくなるマエケン
 
それに比べて山本由伸のスペックはやや劣る。
日本時代の成績は千賀を上回るが、平均値の高さで勝負する分相対的な目減りはありそう。
 
千賀の防御率がほぼ3点だったことを加味すると、山本はだいたい3点台半ば~後半くらい?
通用するのは間違いないが、ぶっ飛んだ成績にはならない気ががが。
 

今永昇太

続いて横浜DeNAの今永昇太について。
 
こちらは山本由伸以上に厳しいと思っていて、漠然と6、7勝、防御率4点台後半あたりを想像している。
 
通用するかしないかで言えば通用はするが、山本由伸のように先発1、2番手に収まるタイプではない。たとえば先発4番手で年間30先発、150イニングほど食ってくれれば、みたいな立ち位置。
 
 
参考になりそうなのはブルージェイズの菊池雄星あたりか。
 
菊池は日本最終年の防御率3.08からMLB1年目に5.46と2.5点ほど悪化した。
今永の2023年の防御率が2.80なので、MLB1年目で4点台後半というのは普通にあり得るのではないか。
 
投球パターンとしては、チェンジアップがどれだけ通用するかかなぁと。
 
各所で言われているように今永のまっすぐはホップ成分が高く空振りも取れるが飛翔もしやすい。WBC決勝でも軽々とスタンドインを許していたし、調子が悪ければMLBの打者にはポンポン持っていかれると思う。
 
山本由伸、今永昇太ともに初勝利。山本は本調子ではない、今永は思った以上にやりそう。野手は右投げ左打ちに限界がきているような…
 
もう一つの持ち球であるスライダーは正直大したことがない。主に左打者の外角に投げ込む変化球だが、菊池雄星と比べるとトロく見やすい軌道。なので、実は対右よりも対左に苦労するかも? と思っている。
 
逆にチェンジアップはかなりいい(と思う)。
2023年は全投球の約16%を占め、空振り率も23%と高い数値を叩き出した。まっすぐの軌道からスーッと沈む軌道はMLBでもそこそこいけると予想する。
 
漠然と
ストレートは菊池雄星<今永昇太
スライダーは菊池雄星>> >今永昇太
チェンジアップは菊池雄星<<今永昇太
 
落ちる球が得意なサウスポー、ホップ成分の高いまっすぐという部分を加味すると、菊池雄星の1年目(6勝11敗、防御率5.46)をやや上回る?
 
ちなみに2023年シーズンの今永はまっすぐの平均球速が約148kmとのこと。
2020年以降の菊池雄星が153kmを記録しているので、今永にとっても球速アップは必須項目と言える。
 
 
まあ、この人の場合はシーズンを通してローテーションを守れるかが最重要課題だが。
メッツの千賀滉大は中5日、100球と大事に使われたおかげでシーズンを完走できたが、今永がどんな立ち位置になるかにも左右されそうである。
 

上沢直之

3人目は日本ハムファイターズの上沢直之。
元同僚の有原航平の後押しもあってポスティングでのMLB挑戦を決意したとか。
 
なお有原は2021、2022年にテキサス・レンジャーズに所属するも通算3勝、防御率7.57と結果を残せず。2023年にソフトバンクホークスに移籍して10勝5敗の好成績を挙げている。
 
 
上沢直之に関しては上記2人に比べて注目度も低くかなり苦戦するのでは? と言われている。
ただ本人はマイナー契約でも構わないとのことで、どこかの球団と契約することは可能と思われる。
 
 
実を言うと僕は上沢直之のピッチングをあまり観たことがなく、MLBでどの程度やれるかはいまいちわからない。
ハイライト動画等を観ると「お、これはいいな」と思うものの、動画サイトにあるものは基本的に好投ばかり。
 
ところが2023年シーズンの成績は9勝9敗、防御率2.96。キャリアハイが2021年の12勝6敗、防御率2.81なのを加味すると、やはりMLBでは苦戦しそうだなぁと。
 
フルパワーを発揮できればそこそこいけるが、少しでも調子が落ちるとあっという間に厳しくなる。まっすぐの平均球速が145kmちょいというのも厳しいし、全体的なスペック不足は否めない。
 
 
でも、アレなんですよね。
浮き上がる系のまっすぐと140km弱のフォーク、4シームと同じ球速で横滑りするカッターにカーブで緩急をつけることも可能。
一応活躍できそうなネタは持ち合わせている。
 
特に高めのまっすぐと変化球のコンビネーション、カーブとの球速差で勝負するスタイルはトレバー・バウアーと少し被る。
うまくハマればひょっとしたらひょっとするかも? と思わないでもない笑
 
と言いつつ、どうしても平均球速の低さに目がいっちゃうんですけどね。
 
山本由伸MLBデビュー戦で1回5失点、負け投手に。メジャーの洗礼以前に調子が悪すぎた。カッターしか頼る球がない→それを狙われてドカン
 

山﨑康晃(番外編)

番外編として、DeNAの山﨑康晃について。
 
この選手は2023年シーズンから6年契約を結んだことで生涯DeNAがほぼ確定したわけだが、もともとMLB志向が強かったと聞く。
 
しかも2022年には56登板で37S、防御率1.33の好成績を残している。
MLBに挑戦する絶好のタイミングだったが、本人はDeNA残留を決断。それも契約途中での破棄権もないとのこと。
 
実を言うと僕はこれが結構残念だった。
それこそ今永よりも通用する可能性は高いと思っていたし、どこかの段階で渡米するだろうなと勝手に予想していた。
 
それがまさかの6年契約。
ルーキーイヤーの2015年に山﨑を初めて観た際の「何だコイツ」という衝撃は今でも覚えているが、違う意味で「何だコイツ……」だったことをお伝えする笑
 
 
マジな話、山﨑康晃(3年目まで)と栗林良吏(2年目途中まで)に関しては純粋に「コイツがMLBでどこまでやれるか知りたい」って思いましたからね。
 
WBCの余韻がすげえw 「日本野球が世界最強」ってドヤるための大会。課題が山積みなのはわかってるし収益構造の歪さなんて10年以上前から承知してんだよ笑
 
まあ、山﨑に関してはメンタルが面倒くさすぎたのもありそうだけど。
 
ハマスタが本拠地なのにハマスタが苦手だったり、同点の場面で出すとやたらと打たれたり、回の頭からじゃないとピリッとしなかったり。
微妙に隔年マンなのを含めていちいちややこしいんですよね笑
 
フォークボールのことを2シームと呼んでる時点でだいぶ面倒くさいけど。
 
 
たとえば山﨑康晃(3年目まで)に平野佳寿のメンタルがあればぼちぼちいけたんじゃねえか?
 

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